HOMES-HF研究に参加された
佐賀大学附属病院の患者の方へ
佐賀大学は、慢性心不全に対する遠隔モニタリングの多施設無作為化比較試験であるHOMES-HF研究を2011年より実施しました。本研究では、佐賀大学医学部附属病院のHOMES-HF研究参加者について、再入院時の医療費についての解析を行い、遠隔モニタリングによる医療費の抑制効果を評価します。ただし、医療経済学評価については佐賀大学に十分な知見がないため、東京大学の医療経済政策学と連携を行います。東京大学は、分析手法の提示及び専門性の高い課題のデータ解析を実施します。
研究課題
HOMES-HF研究における医療経済学的解析(審査番号12005)
研究機関名及び本学の研究責任者氏名
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 東京大学大学院医学系研究科・医療経済政策学講座
研究責任者 田倉智之・医療経済政策学講座・特任教授
担当業務 データ解析
【共同研究機関】
研究機関 佐賀大学医学部循環器内科野出孝一
担当業務 データ整備・匿名化・データ解析
研究期間
倫理委員会承認後〜2019年03月31日
対象となる方
2011年9月5日〜2014年8月31日にHOMES-HF研究に登録された症例(急性心不全または慢性心不全の急性増悪のために入院後、治療により改善し退院予定となった者または退院後30日以内の者、NYHA心機能分類がUあるいはVの患者で年齢20歳以上)の方です。
研究の意義
再入院時に、ドブタミン、ミルリノン、カルペリチドなどの点滴薬を必要とする場合は、より重症度が高いと考えられます。遠隔モニタリングによって早期に増悪徴候を捉えた結果、再入院となった症例では、これらの薬剤の使用頻度が低いか、または使用期間が短い可能性があります。これらの薬剤は高額であり、医療費に占める割合も大きいため、特に比較を行う意義が高いと考えられます。慢性心不全の遠隔モニタリングによって、再入院時の医療費の抑制効果および費用対効果が証明されれば、社会保障制度の持続可能性への貢献が期待できます。
研究の目的
慢性心不全の再入院時の医療費についての解析を行い、遠隔モニタリングによる医療費の抑制効果を解析します。
研究の方法
この研究は、東京大学医学部倫理委員会(主任研究施設である佐賀大学:2018-01-迅速-02)の承認を受け、東京大学大学院医学系研究科・医学部長の許可を受けて実施するものです。これまでの診療でカルテに記録されている血液検査や尿検査結果、画像検査、および医療費請求の事務に用いる診療報酬請求書などのデータを収集して行う研究です。特に患者さんに新たにご負担いただくことはありません。なお分析に利用するデータは、医療経済学の評価を目的(2次解析)に、佐賀大学で匿名化した後に、東京大学へCD-Rに格納して郵送で提供されます。
個人情報の保護
この研究に関わって収集される試料や情報・データ等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
佐賀大学から提供されるあなたの診療歴情報・医療費情報は、送付される前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないように処理をされます。その上でそれらの情報は、当研究室において田倉智之(管理責任者)が、鍵のかかるロッカーで厳重に保管します。そのため、東京大学では、同意を取り消すこと及び個人の結果をあなたにお伝えすることはできません。
この研究のためにご自分(あるいはご家族)のデータを使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の研究事務局まで2018年12月14日までにご連絡ください。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせて頂きます。
研究結果は、個人が特定出来ない形式で学会等で発表されます。収集したデータは厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。ご不明な点がありましたら主治医または研究事務局へお尋ねください。
この研究に関する費用は、佐賀大学医学部循環器内科先進心不全医療学講座から支出されています。
○本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。
尚、あなたへの謝金はございません。
2018年6月
問い合わせ先
東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学講座
住所:東京都文京区本郷7−3−1
電話:03-5800-9523(内線34450) FAX:03-5800-8948
Eメールでのお問い合わせ:hehp-labo@umin.ac.jp