磁気共鳴専門技術者認定制度に対するQ&A
1.日本磁気共鳴専門技術者認定機構とは?
日本磁気共鳴専門技術者認定機構(以下、本機構)の設立目的は「関連学会などの連携により、統一的基準に基づいてMRに関わる技術者の認定を行い、わが国のMR検査技術の国際的な同等性を確保するとともに、最新の医療技術に対応した最善の画像情報を標準的に提供し、安全を担保することで、国民の福祉と社会の発展に寄与すること」としています。本機構は、日本磁気共鳴医学会、(社)日本医学放射線学会、放射線科専門医会・医会、(社)日本放射線技術学会、(社)日本放射線技師会、(社)日本臨床衛生検査技師会、(社)日本医用画像システム工業会の関連7団体から構成されており、磁気共鳴専門技術者(以下、MR専門技術者)の認定制度を創り、認定事業を行っています。
2.磁気共鳴専門技術者(MR 専門技術者)認定制度とは?
MR 専門技術者は、MR 診療に関わり以下の知識・技能が必要です。(本機構の規約から)
(1)MR 装置の精度管理ならびに被検者および立入り者の安全管理ができること。
(2)解剖学的、臨床医学的基礎知識を有すること。
(3)装置性能を最高度に発揮させ、目的を達成するための技術を有すること。
(4)地域活性化のために教育・指導ができること。
そして、検査の目的や主治医の要求(患者様の症状を的確に情報として提供する。または異常なしと定義できる。)に応えることができるような、知識と技術を持ち、最新情報に遅滞することなく常にレベルの向上を目指している者を MR 専門認定技術者として認定しています。
3.なぜ専門技師ではなく専門技術者なのですか?
医療の現場では最近特に、チーム医療という言葉がよく使われます。身近に感じるのは医師とコメディカルとのチーム医療という意味が多いですが、MR 診療を考えた場合、医師,技術者(オペレータを含む)、看護師、医学物理士,メーカー技術者などの多くの職種がひとつになって画像(情報)が提供されています。このように直接に臨床に携わらない技師以外の方々の支えがあって、オペレータの技術も生き、高いレベルの診療が可能と考えています。従って、臨床に直接従事している人や間接的に関与している人も含め MR 診療に携わる全ての人を認定の対象としているため、「専門技術者」と命名しています。
4.認定試験のレベルについて
認定試験問題は、MR 専門技術者として知っていてほしい事柄を問題にしています。基本的には、医学(医師)と工学(メーカー技術者)を結ぶパイプ役として必要な知識と技術を中心に出題しています。試験問題は毎回傾向は変わることはありますが、出題のレベルは変えないように努めるとともに、ホームページに過去の問題の一部を公開し、参考文献を紹介いたします。
5.認定試験のレベルが高すぎるのでは?
認定試験では、認定者数を制限しているわけではなく、一定水準に達した方を認定する方針です。本機構の行っているMR専門技術者認定は、国民に安全・安心の医療を提供することが基本的な目的のひとつです。より高度な医療を標準的に提供できる人をMR専門技術者として認定し、MR専門技術者が中心となって、院内,院外,地域での MR 診療のレベルアップを図ることを目指しています。たしかに幾分厳しいレベルかも知れませんが、そのレベルに達した技術者を認定することで、より習熟度の高い専門技術者制度として、社会へのアピール度も高いと考えております。
6.MR 専門技術者として認定された方とは?
装置の精度管理・安全管理を行い、臨床技術が優れ、知識も豊富で向上心の豊かな方であり、その自覚を持って、その施設や地域の MR の撮像技術と知識の向上に支援していただければと考えています。教育者を認定しているわけではなく、あくまで臨床に携わっておられる方々を認定しています。ただ、メーカーの方々にとっては、その技術と知識を装置開発や最新情報の提供という形で現場の方々に還元していただくことになります。
7.保険制度への還元は?
もちろん保険制度に還元できればと考えています。今は、MR 専門技術者を中心に知識・技術レベルの向上をはかり、技術者個々が、自覚を持って行動することが明日の私達の評価につながることを認識すべきだと思っています。
8.お詫び
試験作成など本機構の運営は、多くの方々のボランティアで成立しています。まだまだ不行き届きな面があると思いますが、逐次改善していきたいと考えています。