各生体分子の機能が集積・統合されたシステムとして生体を理解し、次世代の創薬手法を確立する
これまでの生命科学においては、生体を構成する各種要素を、分子レベルまで細分化して機能を明らかにしていけば、生命活動の全貌を理解することに繋がると考えられてきました。
しかしながら、ゲノム解読以降の膨大な情報が蓄積してくるにつれて、各生体要素の分子レベルでの機能と、生命活動全体において果たしている機能の関係は、単純な一対一対応では理解できないことが判ってきました。
例えれば、車の重要な部品と思われる、あるネジがあったとして、その部品のネジとしての機能だけを詳細に調べても、車全体におけるその部品の役割は明らかにならないことに似ています。
やはり、数多くの部品がどのように組み上がって全体を構成し、各部品がその中のどこに位置して機能し、全体としてどのように動作しているのか、を明らかにする必要があり、これがすなわち生命活動を「システムとして理解」することに対応していると言えます。
薬剤部では、より確実で効率的な次世代の創薬手法を実現するためには、生体をシステム的に理解することが必要不可欠であると考えています。
創薬標的になり得る複数の候補分子の中から、最も効果的な標的分子を同定する、あるいは創薬段階の初期において、発現しうる副作用を包括的に予測するなど、現在では未だ解決困難な問題点に関して、システム薬理学の手法を用いて解決することを目指して研究を展開しています。
なお薬剤部では以下のように臨床研究を行っております。
薬剤部では、東京大学医学部付属病院を受診される患者様を対象として、2017年現在以下の臨床研究を行っています。これらの研究は病院の倫理委員会の審査を受けた上で、人権および個人情報の保護を十分に尊重して実施されています。
医療の進歩に貢献するために、これらの研究の成果は公表されることがありますが、名前などの個人を特定できる情報はすべて非公開とされて保護されます。
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