主な授業担当内容

1年生後期「物理化学1」、2年生前期「物理化学2」の講義を主として担当しています。「物理化学(Physical Chemistry)」とは、物理的あるいは数学的な手法を使って理論的に化学現象を考える分野です。よく物理学と勘違いされますが、内容は高校で学んだ化学です。理論化学(溶液の濃度、反応熱と熱化学方程式、電池)、物質の構造と状態(物質の三態、気体の性質、溶液の性質)、反応速度と平衡など、高校化学の半分近くの範囲が、大学では物理化学の範囲となります。高校との違いは、数式やグラフを使ってより理論的に考えるということだけです。これら物理化学分野の理解を講義・実習を通じてサポートしていきます。

具体的な担当講義科目

物理化学1 (1年後期)
医薬品の物理的性質を理解するためには、物理化学的な思考•取り扱いが非常に重要です。物理化学1では、まず高校までに学んだ基礎的な数学的•物理学的知識を復習した後、物質の変化に伴うエネルギーの増減や乱雑さ(熱力学)および相平衡について、その基本概念を学びます。
物理化学2 (2年生前期)
物理化学1の内容をもとに、より具体的な物理化学現象について学びます。水に砂糖を溶かすと凝固点や沸点がなぜ変化するのか?この講義では日常経験している多くの現象を、物理化学的に説明してゆきます。
薬学実習4 (2年生後期)
1〜2年次で習った物理化学の内容から、実習に適した重要項目を選び実験を行います。実験を通して、試薬・器具の取り扱い、実験結果の解析・考察などに関する基本的な実験方法を習得するとともに、実習体験を通して講義内容についての理解を深めます。
基礎薬学特論1 (4年生後期)
薬学の基礎となる物理化学について、項目別に各回完結型で講義します。物質の物理的性質、物質の状態(エネルギーや相平衡)、反応速度、化学平衡について、代表的な医薬品の例も学びながら理解を深めます。
卒論実習 (4-6年生)
薬剤師に求められる科学力や研究力(課題発見・問題解決能力、科学的エビデンスに基づいた論理的思考力など)を磨くために、物理化学研究室のスタッフとともに研究活動をし、卒業論文の作成を行います。
薬学総合講義1 (6年生前期)
薬学の基礎となる物理化学および分析化学について、4年後期の基礎薬学特論1で確認した物理系薬学(物理化学学)の基本事項をもとに、更に一歩踏み込んで薬剤師国家試験問題などの実践問題に対応できるように、物理系薬学で習ってきた事項をどのような場合に使うか、どのように使うか、あるいは正確に計算できるかなどを身につけます。
生体分子物性学特論 (大学院)
実際に教員が行なっている研究を材料として、神経科学や生物物理学に関する最新知見を講義します。専門分野が仮に異なっても、大学院生が、研究を遂行し、発表するにおいて役に立つ内容にしたいと考えています。