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Managing Cancer And Living Meaningfully (CALM) という心理療法
Managing Cancer And Living Meaningfully (CALM) という心理療法
末期がん、進行がん、転移性のがんなどの診断を受け、ご自身でもそのことを理解されている方は、病気の負担や将来への不安などにより、計り知れないほどの苦痛を経験することが少なくありません。病気に関連した甚大かつ多様なストレスのため、心理的にも大きな影響を受けることが知られています。これらの影響の中には、「身体的・心理的苦痛」、「支援の必要性と人間関係の大きな変化」、「複雑な医療システムをうまく活用しながら治療決定を下すこと」、などの課題が含まれることがわかっています。
がんを経験されている方の心理的苦痛は、精神的幸福感、生活の質(Quality of life, QOL)、治療の状況、ご本人やケアをする方々の苦痛、保健・医療サービスを利用することなどに望ましくない影響を与える可能性があるため、医療者としても注意が払われるべきものではありますが、残念なことにこれらの苦痛はしばしば見過ごされ、十分に治療されないこともあります。
Managing Cancer And Living Meaningfully (CALM) は、カナダにあるトロント大学の緩和ケアチームにより開発されました。進行がんの患者さんの心理的苦痛を取り扱い、緩和することを目的とした新しい心理療法です。CALMは、病気とその結果によって引き起こされた思考や感情を熟考し対処するための支援と場所を提供し、心の健康を保つことに役立ちます。現在はあまり心のつらさを感じておられない方でも、将来の心の状態に対して今から対策を立てたり、備えたりすることができます。
CALMは、現在心療内科外来にて通常診療(研究の一部)として行っています。3-6か月に渡り、通常1回45-60分の外来診療を約6回実施し、下記の4つの領域に関して医師と一緒に話し合います。
①症状の管理と医療提供者とのコミュニケーション
②自分自身の変化および親しい人々との関係性の変化
③病気や人生の意義と人生の目的
④生と死、将来について考え、希望を維持する