[Synonyms:OFD1,OrofaciodigitalSyndromeⅠ]
Gene Reviews著者: BrunellaFranco,MD,Ange-LineBruel,PhD,andChristelThauvin-Robinet,MD,PhD
  日本語訳者:佐藤康守(たい矯正歯科)、森貞直哉(兵庫県立こども病院)
GeneReviews最終更新日: 2022.6.30. 日本語訳最終更新日: 2023.1.16.
原文: Oral-Facial-DigitalSyndromeTypeⅠ
疾患の特徴
口-顔-指症候群Ⅰ型(OFD1)は、男性については、通常、妊娠中に死亡に至るため、主として女性が罹患する疾患である。OFD1には、以下のような症候が特徴としてみられる。
診断・検査
女性発端者におけるOFD1の診断は、これを示唆する所見がみられることに加え、分子遺伝学的検査でOFD1のヘテロ接合性病的バリアントが同定されることで確定する。男性発端者におけるOFD1の診断は、これを示唆する所見がみられることに加え、分子遺伝学的検査でOFD1のヘミ接合性病的バリアントが同定されることで確定する。
臨床的マネジメント
症状に対する治療: 
口唇裂口蓋裂・舌の結節・余剰小帯・合指・多指に対しては外科手術、必要に応じ言語治療ならびに中耳炎に対する積極的治療、過剰歯の抜去、咬合異常に対する矯正歯科治療、癲癇発作と腎疾患に対しては通常の治療、必要に応じ早期介入プログラムと個別的教育計画、注意欠如/多動性障害や自閉症の症候に対しては標準治療、必要に応じ補聴器の使用と地域の聴覚サービスの利用を進める。 
定期的追跡評価 :
  口唇裂や口蓋裂を有する子どもについては、年に1度の聴覚評価と言語発達評価を行う。 
  年に1度、あるいは歯科医の推奨に従った頻度で歯の評価を行う。脳の問題を抱える例については、神経内科医の推奨に従って、新たな発作の出現あるいは発作の変化様相の評価を行う。10歳以上の罹患者については、年に1度の血圧測定、血清クレアチニンのチェック、腎・肝・膵・卵巣の嚢胞性病変に関する年に1度の超音波診査を行う。発達の進行状況、教育上のニーズ、行動の問題に関する評価を来院ごとに行う。 
リスクを有する血縁者の評価: 
  見かけ上、無症状の女性血族については、仮に口腔、顔-指趾奇形がみられなかったとしても、腎疾患のリスクの有無を調べる目的で、その遺伝学的状態を評価することが望ましい。 
妊娠に関する管理: 
  妊娠中は、血圧と腎機能のモニタリングを注意深く行う必要がある。 
遺伝カウンセリング
OFD1は、X連鎖性の遺伝形式をとり、男性は通常、致死性である。今のところ、周産期を乗り越えた男性で、OFD1の全表現型を呈した例の報告はみられない。女性罹患者のおおむね75%が孤発例(すなわち、家系内で唯一のOFD1発症例)で、denovoの病的バリアントに起因する例である。OFD1と診断された女性の約25%は、罹患者である母親からの継承例である(症候の現れ方が軽度の女性は、別の重症例がOFD1と診断されて初めてそれとわかるようなことがある)。発端者の母親がOFD1の病的バリアントを有していた場合、妊娠に際してそれを子に伝達する可能性は50%であるが、OFD1の病的バリアントを継承した男性胎児の大多数は流産に至る。男性罹患者が出生する可能性は残っているが、これはきわめて稀である。したがって、分娩の段階では、非罹患女性が33%、罹患女性が33%、非罹患男性が33%という性比になる。家系内に存在するOFD1の病的バリアントが判明している場合には、出生前診断や着床前遺伝学的検査が可能である。
今のところ、口-顔-指症候群Ⅰ型(OFD1)に関するコンセンサスを得た臨床診断基準は公表されていない。
本疾患を示唆する所見
特徴的な口・顔・指の症候、多発性嚢胞腎、稗粒腫を有する女性については、OFD1を疑う必要がある。ただ、口・顔・指の症候は、他のタイプの口-顔-指症候群でもみられる。OFD1は、約50%の罹患者に多発性嚢胞腎がみられること、ならびに、複数の罹患者のいる家系についてはX連鎖性の継承パターンを示すことが特徴である。OFD1罹患者は、ほぼ全員が女性であるが、罹患男性の報告もいくつかみられる。ただ、こうしたものは、そのほとんどが、罹患女性が産んだ男性罹患胎児といった程度の記載にとどまっている。
臨床症候
口
顔
指
その他
画像症候
骨の不規則な石灰化と表現されるような、細かな網状のX線透過像がしばしば現れる。 
  指節骨の棘形成を伴う場合がある。 
罹患者の50%以上に腎嚢胞が認められる。
脳内嚢胞、脳梁無形成、時としてDandy-Walker奇形を伴う小脳無形成が最も多くみられる。
家族歴
男性は致死性のため、主として女性が罹患者となるX連鎖性遺伝に一致した家族歴がみられる。ただ、そうした家族歴がわかっていないからといって、本疾患の可能性が否定されるわけではない。
方法1
最初に、遺伝子内の小欠失/挿入、ミスセンス・ナンセンス・スプライス部位バリアントといったものを検出する目的で、OFD1の配列解析を行う。 
    注:使用する配列解析の手法によっては、単一エクソン、複数エクソン、遺伝子全体といった欠失/重複が検出されない場合がある。 
  そのため、配列解析で病的バリアントが検出されなかった場合、その次に、エクソン単位あるいは遺伝子全体の欠失/重複を調べるための遺伝子標的型欠失/重複解析を行う。 
単一遺伝子検査で病的バリアントが検出されなかった場合は、OFD1その他の関連遺伝子(「鑑別診断」の項を参照)を含むマルチ遺伝子パネルが推奨される。 
    注:(1)パネルに含められる遺伝子の内容、ならびに個々の遺伝子について行う検査の診断上の感度については、検査機関によってばらつきがみられ、また、経時的に変更されていく可能性がある。 
    (2)マルチ遺伝子パネルによっては、今このGeneReviewで取り上げている状況と無関係な遺伝子が含まれることがある。したがって、どのマルチ遺伝子パネルを用いれば、現状の表現型と直接関係のない遺伝子の意義不明バリアントや病的バリアントの検出を抑えつつ、疾患の遺伝的原因を特定できる可能性が高いかという点について、臨床医の側であらかじめ検討しておく必要がある。 
    (3)検査機関によっては、パネルの内容が、その機関の定めた定型のパネルであったり、表現型ごとに定めたものの中で臨床医の指定した遺伝子を含む定型のエクソーム解析であったりすることがある。 
  (4)ある1つのパネルに対して適用される手法には、配列解析、欠失/重複解析、ないしその他の非配列ベースの検査などがある。 
マルチ遺伝子パネル検査の基礎的情報についてはここをクリック。 
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方法2
網羅的ゲノム検査の場合、臨床医の側で関与の疑われる遺伝子の目星をつけておく必要はない。エクソームシーケンシングが最も広く用いられているが、ゲノムシーケンシングを用いることも可能である。 
    網羅的ゲノム検査の基礎的情報についてはここをクリック。 
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表1:口-顔-指症候群Ⅰ型で用いられる分子遺伝学的検査
| 遺伝子1 | 手法 | その手法で病的バリアント2が検出される発端者の割合 | 
|---|---|---|
| OFD1 | 配列解析3 | 80%近く4 | 
| 遺伝子標的型欠失/重複解析5 | 20%近く6 | 
配列解析の結果の解釈に際して留意すべき事項についてはこちらをクリック。
欠失の具体的内容は6人6様であった。 
  このグループは、定量的PCRで1エクソンないし複数エクソンの欠失が同定されたもので、遺伝子配列解析で病的バリアントが検出されなかった例の23%がこれであった。
臨床像
口-顔-指症候群Ⅰ型(OFD1)の中には、特徴的な口・顔・指の奇形から、出生の段階でこれが疑われるような例がある。また、症例によっては、もっと後の小児期や成人期になって、多発性嚢胞腎が判明して初めてOFD1が疑われるような例もみられる。OFD1罹患者は、ほぼ全例が女性であるが、男性の報告例も少数みられる。その大部分は、OFD1の女性が産んだ男性罹患胎児といった程度の報告に過ぎない。OFD1の病的バリアントが同定済のものは、これまでに234例が報告されている[Pezzellaら2022]。以下に述べる本疾患の表現型上の特徴は、これらの報告を基にしたものである。
表2:口-顔-指症候群Ⅰ型:代表的症候の出現頻度
| 症候 | その症候を有する例の割合 | コメント | 
|---|---|---|
| 口腔症候 | 97%-100% | 歯と舌の異常,口腔の小帯の異常,二分口蓋垂 | 
| 顔面症候 | 60%-80% | 顔の形態異常,前額部の突出,口唇裂/偽性上唇裂 | 
| 指趾の奇形 | 50%-60% | 合指趾,彎指趾,多指趾,短指趾 | 
| 脳の奇形 | 65% | 水頭症,孔脳症,脳梁の異常,皮質形成異常 | 
| 多発性嚢胞腎 | 50%超 | |
| 知的障害 | 50%近く | 軽度から重度まで。 | 
| 稗粒腫 | 10%超 | 
口腔の症候 
  舌は分葉状である。舌の結節は、ふつう過誤腫あるいは脂肪腫で、OFD1罹患者の少なくとも3分の1にこれがみられる。舌小帯の短小に起因する舌癒着も多くみられる。硬口蓋ないし軟口蓋の裂、粘膜下口蓋裂、高口蓋が罹患者の50%超にみられる。歯槽部の裂や歯肉部の余剰小帯が多くみられる。余剰小帯は、頰粘膜から歯槽頂縁へ延びる小帯が過剰に形成されたもので、これにより歯槽頂縁に切痕が形成される。歯の異常としては、無歯症(これが最も多い)、過剰歯、エナメル質形成不全、咬合異常などがある。 
顔面の症候 
  眼間開離ないし内眼角開離が、罹患者の少なくとも33%にみられる。鼻翼の低形成、正中唇裂ないし偽性上唇裂が多くみられる。小下顎症や眼瞼裂斜下も多くみられる。 
指の奇形 
    短指、種々の程度の合指、第5指の彎指が多くみられる。他の所見、特に第3指(中指)が橈側ないし尺側に偏位するといった所見がみられることもある。重複拇趾が罹患者の50%未満にみられるが、これは通常、片側性である。手の軸前性・軸後性多指症が、罹患者の1%-2%にみられる。 
  手のX線写真では、細かな網状のX線透過像がしばしば現れる。これは、骨の不規則な石灰化と表現され、指節骨の棘形成を伴うことがある[al-Qattan&Hassanain1997]。 
脳の奇形 
    脳の構造的異常は、OFD1罹患者の65%に及ぶ可能性がある[Bisschoffら2013,DelGiudiceら2014]。最も多い奇形は、脳内嚢胞、脳梁無形成、小脳無形成で、小脳無形成にはDandy-Walker奇形が伴うことがある。その他の報告されている奇形としては、2型孔脳症(裂脳型孔脳症)、脳回肥大と異所性灰白質、水頭症、脳萎縮や小脳萎縮、視床下部過誤腫、漿果状動脈瘤などがあり、それぞれ数例の罹患者で報告されている。 
  脳の構造的異常の中でも小脳萎縮を伴うものについては、癲癇発作や運動失調を伴うことがあるようである。 
腎症候 
  尿細管起源、糸球体起源両方の腎嚢胞が生じることがある。発症年齢で最も多いのは成人期であるものの、2歳で腎嚢胞が出現した例の報告もみられる。出生前所見として腎嚢胞を認めたとする報告[Nishimuraら1999]がみられるものの、この症例は診断に疑問が残る。明らかな腎疾患が生じるリスクは、18歳以降では60%超に上ると思われる[Prattichizzoら2008,Saalら2010]。11歳から70歳までの罹患女性で、末期腎疾患が報告されている。 
知的障害 
  OFD1の罹患者の50%が、ある程度の知的障害ないし学習障害を有していると推定されている。知的障害は、脳の異常の如何によるという側面もみられはするものの、両者に一貫した相関はみられない。脳の異常がみられる場合でも、知的障害の程度は、通常、軽度である。脳に異常がないにもかかわらず重度の知的障害がみられるということは、稀であるように思われる[DelGiudiceら2014]。稀ながら、行動の問題(例えば、注意欠如/多動性障害,自閉症の症候)がみられることもある。 
稗粒腫 
  小角化嚢腫である稗粒腫が少なくとも10%、おそらく報告にあるよりもっと高頻度に現れる。最も多く現れるのは、頭皮、耳介、顔面、手背である。稗粒腫は、通常、乳児期に出現し、その後は消退していくものの、小窩型の瘢痕を残すことがある。 
毛髪 
  毛髪は、乾燥し、ごわごわし、脆いとしばしば評される。脱毛症(通常は部分性)が時にみられる。Blaschko線に沿った脱毛症の報告がみられる[DelCBoenteら1999]。 
難聴 
  反復性中耳炎に起因する難聴(通常は口蓋裂に伴うもの)が報告されている。時として、スピーチに影響が及ぶ場合がある。 
その他 
    肝嚢胞、膵嚢胞、卵巣嚢腫がみられることがある[Macca&Franco2009,Chetty-Johnら2010]。 
  罹患女性の表現型には、しばしば幅がみられる。これはおそらく、ランダムなX染色体の不活化に起因するものと思われる[Morleo&Franco2008]。
遺伝型-表現型相関
現在のところ、遺伝型-表現型相関を確たる形で示した報告はみられない。OFD1の病的バリアントの大多数はエクソン16内に現れる。
浸透率
OFD1は、表現度に非常に大きな幅がみられはするものの、高い浸透率を有しているように見受けられる。罹患女性に唯一現れた症候が腎嚢胞であったとする報告がいくつかみられる[McLaughlinら2000]。
疾患名
OFD1は以前、Papillon-Léage-Psaume症候群と呼ばれていた。 
  
発生頻度
発生頻度は、50,000人に1人から250,000人に1人と推定されている。
OFD1の病的バリアントは、Joubert症候群、繊毛機能不全症、網膜色素変性症を有する複数の男性で報告されている(表3参照;Pezzellaら[2022]によるレビューあり)。
表3:OFD1の同一アレル疾患
| 疾患名 | 参考文献 | 
|---|---|
| OFD1関連Joubert症候群 | Coeneら[2009],Fieldら[2012],Juric-Sekharら[2012],Thauvin-Robinetら[2013],Bachmann-Gagescuら[2015],Srourら[2015],Suzukiら[2016],Wenztzensenら[2016],Kaneら[2017],Mengら[2-17],Linpengら[2018],Aljeaidら[2019],Zhangら[2021],Huangら[2022],Liら[2023] | 
| OFD1関連繊毛機能不全症 | Bukowy-Bierylloら[2019],Hanahら[2019],Hasegawaら[2021],Yangら[2022] | 
| OFD1関連網膜色素変性症 | Webbら[2012],Wangら[2017],Chenら[2018] | 
OFD1の病的バリアントについての報告には、以下のようなものもある。
注:この家系の表現型は、もともとSimpson-Golabi-Behmel症候群2型(SGBS2;OMIM300209)であるとされていたが、その後の研究で、SGBS2はPIGAの病的バリアントに起因して生じることが明らかとなった[Fauth&Toutain2017]。
OFC1以外のタイプの口-顔-指症候群、ならびに嚢胞性腎疾患が鑑別診断の対象となる。
表4:口-顔-指症候群Ⅰ型との鑑別診断に際して関連する遺伝子
| 遺伝子 | 疾患名 | 遺伝形式 | 特徴的症候/コメント | 
|---|---|---|---|
| C2CD3 | C2CD3関連OFD(OMIM615948)/Joubert症候群を伴うOFD | AR | 重度の小頭症と知的障害。  脳のMRIで虫部低形成とmolartoothsignがみられる。  | 
    
| CEP164 | CEP164関連OFD1 | AR | 軸後性多指趾,筋緊張低下,脳奇形,水腎症,尿性器異常(CEP164はネフロン癆にも関連)。 | 
| CLUAP1 | CLUAP1関連Joubert症候群を伴うOFD2 | AR | 二裂喉頭蓋,短肢,知的障害。  脳のMRIでmolartoothsignがみられる。 現在までに1例のみ報告あり。  | 
    
| CPLANE1 (C5orf42)  | 
      CPLANE1関連OFD(OMIM277170)/Joubert症候群を伴うOFD | AR | 多指趾(特に中央列)と小脳奇形。  腎無発生と異形成腎も報告されている。 脳のMRIでmolartoothsignがみられる3。  | 
    
| DDX59 | DDX59関連OFD(OMIM174300) | AR | 多指趾と正中口唇裂のみ。  小帯過形成の報告が1例あり。  | 
    
| FAM149B1 | FAM149B1関連Joubert症候群(OMIM618763) | AR | 大頭症。  脳のMRIでmolartoothsignがみられる。 現在までに1家系のみ報告あり。  | 
    
| IFT57 | IFT57関連OFD(OMIM617927) | AR | 低身長,骨格異形成,中節骨短縮症。 | 
| INTU | INTU関連OFD(OMIM617926) | AR | 心疾患,聾,多指趾(INTU関連短肋骨多指症候群[OMIM617925]とも関連あり)。 | 
| KIAA0753 (OFIP)  | 
      KIAA0753関連OFD(OMIM617127) | AR | 多指趾(特に軸後性)。  脳のMRIで虫部低形成とmolartoothsignがみられる(KIAA0753関連胸郭異形成症[OMIM619479],Joubert症候群[OMIM619476]とも関連あり)。  | 
    
| NEK1 | NEK1関連OFD2(Mohr症候群)4 | AR | 歯の無発生,上顎低形成,伝音性難聴,両側性の網膜静脈蛇行(NEK1関連短肋骨多指症候群[OMIM263520]とも関連あり)。 | 
| SCLT1 | SCLT1関連OFD4 | AR | 小頭症,コロボーマ,後鼻孔閉鎖,先天性心疾患,脳梁無形成。 | 
| SCNM1 | SCNM1関連OFD(OMIM620107) | AR | 軸後性多指趾,舌の結節,切歯の異常,口蓋裂,下顎後退。 | 
| TBC1D32 | TBC1D32関連OFD4 | AR | 小頭症,コロボーマ,後鼻孔閉鎖,脳梁無形成,先天性心疾患,癲癇発作。  現在までに1例のみ報告あり。  | 
    
| TCTN1 | TCTN1関連Joubert症候群 | AR | 多指趾,小脳奇形。 | 
| TCTN3 | TCTN3関連OFD4(Mohr-Majewski)(OMIM258860)/Joubert症候群を伴うOFD | AR | 脛骨の異常と多指趾が主たる症候。  小下顎症。 他に、漏斗胸や低身長といった所見もあり。  | 
    
| TMEM107 | TMEM107関連OFD(OMIM617563)/Joubert症候群を伴うOFD | AR | 軸後性多指趾。  知的障害。 脳のMRIで虫部低形成とmolartoothsignがみられる。  | 
    
| TMEM138 | TMEM138関連OFD4 | AR | 脳のMRIで虫部低形成とmolartoothsignがみられる(TMEM138はJoubert症候群とも関連あり)。 | 
| TMEM216 | TMEM216関連OFD4/Joubert症候群を伴うOFD | AR | 多指趾,ネフロン癆,嚢胞腎。  脳のMRIでmolartoothsignがみられる。  | 
    
| TMEM231 | TMEM231関連OFD4 | AR | 脳のMRIで虫部低形成とmolartoothsignがみられる(TMEM231はJoubert症候群とも関連あり)。 | 
| TOPORS | TOPORS関連OFD1 | AR | 軸後性多指趾,筋緊張低下,脳奇形,尿性器異常(TOPORSは網膜色素変性症とも関連あり)。 | 
| >B9D1 B9D2 CC2D2A CEP290 KIF14 MKS1 NPHP3 RPGRIP1L TCTN2 TMEM107 TMEM216 TMEM67 TXNDC15  | 
      Meckel症候群(OMIMPS249000) | AD | 中枢神経系奇形(後頭部脳瘤,脳と小脳の低形成),多発性嚢胞腎あるいは腎低形成,軸前性あるいは軸後性多指趾,早期死亡。  他に、口唇裂口蓋裂,判別不明性器,小頭症,小眼球といった所見もあり。 眼の病理組織学的検査で、網膜異形成,コロボーマ,白内障,角膜異形成などがみられる。  | 
    
| ALG5 ALG9 DNAJB11 GANAB IFT140 PKD1 PKD2  | 
      常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD) | AD | ADPKDと診断されていた例が、後になってOFD1とわかるようなことがある5。  嚢胞の発生源は、ADPKDの場合は尿細管であるが、OFD1の場合は尿細管と糸球体の両方である(ただ、OFD1の嚢胞腎とADPKDその他でみられる嚢胞性腎疾患とを画像で鑑別できるとは限らない)。 OFD1の嚢胞は、ADPKDでみられるものより小さく、大きさがより均一であると言われ、また、OFD1の腎は拡大や奇形が少ない。 ADPKDでは、口腔、顔面、指趾、脳の異常はみられない。  | 
    
| PRKACB | 心肢端顔異形成症(OMIM619143) | 軸後性多指趾,短指趾,口腔の小帯,歯の異常,知的障害,癲癇発作。  他に、長い胸郭、心疾患といった所見もあり。  | 
    
AD=常染色体顕性;AR=常染色体潜性
Strongら[2021]
Johnstonら[2017]
Romaniら[2015]
Bruelら[2017]
Scolariら[1997]
注:OFD1の鑑別診断に関連する遺伝子として、TMEM17も挙げてよいかもしれない。脳MRI上での虫部低形成とmolartoothsign、ならびに軸後低多指趾を呈する1例で、TMEM17のホモ接合性バリアント(バリアント解析から重症型となることが予測される)が報告されている[Shamseldinら2020]。 
OFDの各タイプの中で、まだ遺伝学的原因が特定されていないものには次のようなものがある。
  
OFD3は、シーソー型ウインク(両眼が交互にウインクする状態)と多指症を特徴とする。ミオクローヌス反射、極度の知的障害、球状の鼻、低位に見える耳介などもみられる。
OFD8は、X連鎖性と思われる遺伝形式に加え、多指趾、脛骨・橈骨の欠損、喉頭蓋の異常といったものの組合せを特徴とする。こうした症候はいずれも、OFD1ではふつうみられない。
OFD9では、網膜の異常や非正中型の口唇裂がみられる。
OFD10では、両側性の橈骨短小や腓骨無発生を伴う短肢がみられる。
OFD11では、歯突起や椎骨の異常がみられる。
OFD12の報告は1例のみで、その例は、脳奇形、脊髄髄膜瘤、短い脛骨、中央列のY字形中手骨を示した[Franco&Thauvin-Robinet2016]。
OFD13の報告も1例のみで、その例は、神経精神医学的障害と白色角化症を示した[Franco&Thauvin-Robinet2016]。
口-顔-指症候群Ⅰ型(OFD1)については、今のところ臨床的管理のガイドラインは公表されていない。
最初の診断に続いて行う評価
口-顔-指症候群Ⅰ型(OFD1)と診断された罹患者については、疾患の範囲やニーズを把握するため、診断に至る過程ですでに実施済ということでなければ、表5にまとめたような評価を行うことが推奨される。
表5:口-顔-指症候群Ⅰ型:推奨される評価
| 系/懸念事項 | 評価 | コメント | 
|---|---|---|
| 耳鼻咽喉 | 摂食や言語に影響する可能性のある口腔症候の診査。 | |
| 歯 | 歯の評価。 | |
| 指趾奇形 | 指趾奇形に関する評価。 | |
| 神経 | 
  | 
      |
| 腎 | 
  | 
      |
| 嚢胞に関する腎の超音波検査。 | 10歳以上の例については、肝、卵巣、膵の超音波検査を併せて行う。 | |
| 発達/行動 | 発達と行動に関する年齢に応じた正式な評価。 | |
| 聴覚 | 口蓋裂がある場合は、聴覚評価。 | |
| 遺伝カウンセリング | 遺伝の専門医療職1の手で行う。 | 医学的、個人的な意思決定の用に資するべく、本人や家族に対し、OFD1の本質、遺伝形式、そのもつ意味についての情報提供を行う。 | 
| 家族への支援/情報資源 | 以下の必要性の評価: 
        
  | 
      
症候に対する治療
表6:口-顔-指症候群Ⅰ型:症候に対する治療
| 症候/懸念事項 | 治療 | 考慮事項/その他 | 
|---|---|---|
| 口腔の症候 | 
  | 
      |
| 歯の異常 | 
  | 
      |
| 合指趾/多指趾 | 整形外科医の推奨に従った外科的修復 | |
| 癲癇発作 | 経験豊富な神経内科医による抗痙攣薬を用いた標準治療。 | 
  | 
    
| 腎疾患 | 腎疾患に対する通常の管理。  これには血液透析もしくは腹膜透析、腎移植といったものが必要になることがある。  | 
      |
| 発達/行動の症候 | 
  | 
      |
| 難聴 | 耳鼻咽喉科医による補聴器の装用が有効な場合あり。 | 早期介入あるいは学区を通じた地域の聴覚サービスの利用。 | 
定期的追跡評価
表7:口-顔-指症候群Ⅰ型:推奨される定期的追跡評価
| 系/懸念事項 | 評価 | 実施頻度 | 
|---|---|---|
| 耳鼻咽喉 | スピーチの発達と耳感染症の頻度に関する評価。 | 口唇裂口蓋裂を有する子どもについて年に1度。 | 
| 歯 | 歯科的評価。 | 歯の異常がみられる場合、年に1度もしくは歯科医の推奨に従った頻度で。 | 
| 神経 | 新たに出現した発作、あるいは発作の変化の様相に関する評価。 | 脳の障害を伴う例について、神経内科医の推奨に従った頻度で。 | 
| 腎 | 
  | 
      10歳以上の例について年に1度。 | 
| 発達/行動 | 発達の進行状況、教育上のニーズ、行動の症候に関するモニタリング。 | 来院ごと。 | 
| 聴覚 | 聴覚評価。 | 年に1度。 | 
リスクを有する血縁者の評価
見かけ上、無症候の女性血族については、口、顔、指趾に何らの奇形もみられない場合であっても、腎疾患のリスクの有無を確認する目的で、その遺伝学的状態を評価しておくことが望ましい。 
  遺伝カウンセリングを目的として、リスクを有する血族に対して行う検査関連のことについては、「遺伝カウンセリング」の項を参照のこと。 
妊娠に関する管理
罹患妊婦については、妊娠中、血圧や腎機能に関し、綿密なモニタリングを受ける必要がある。
研究段階の治療
さまざまな疾患・状況に対して進行中の臨床試験に関する情報については、アメリカの「ClinicalTrials.gov」、ならびにヨーロッパの「EUClinicalTrialsRegister」を参照されたい。 
  注:現時点で本疾患に関する臨床試験が行われているとは限らない。  
「遺伝カウンセリングは個人や家族に対して遺伝性疾患の本質,遺伝,健康上の影響などの情報を提供し,彼らが医療上あるいは個人的な決断を下すのを援助するプロセスである.以下の項目では遺伝的なリスク評価や家族の遺伝学的状況を明らかにするための家族歴の評価,遺伝学的検査について論じる.この項は個々の当事者が直面しうる個人的あるいは文化的、倫理的な問題に言及しようと意図するものではないし,遺伝専門家へのコンサルトの代用となるものでもない.」
遺伝形式
口-顔-指症候群Ⅰ型(OFD1)は、X連鎖性の遺伝形式をとり、通常、男性は致死性である。OFD1罹患者は、ほぼ全員が女性である。 
  これまで、周産期を超えた男性で、OFD1の表現型が揃った例の報告はみられない。OFD1のヘミ接合性病的バリアントを有する男性で生存している例の示す表現型は、OFD1、Joubert症候群、網膜色素変性症、繊毛機能不全症の臨床症候のそれぞれごく一部を呈するか、もしくは、異なる複数の疾患が組み合わさったような臨床症候を呈するものとなっている[Sakakibaraら2019,Sharmaら2016,Zhangら2020,Pezzellaら2022]。 
家族構成員のリスク
女性の発端者の両親
女性発端者は、OFD1の病的バリアントを母親から継承したか、denovoの形で生じた病的バリアントかのいずれかである。(女性発端者が、生殖細胞系列モザイクの父親からOFD1の病的バリアントを継承したという可能性も理論上は残るものの、現在のところ実際の報告例はみられない。)
女性罹患者の約75%は孤発例(すなわち、家系内で1人だけのOFD1発生例)で、denovoの病的バリアントを有する例である[Pezzellaら2022]。
OFD1と診断された女性の約25%は、罹患者である母親からの継承例である。
(軽症女性の場合は、重症例がOFD1と同定された後になって初めて診断されるといったことがありうる。)
見かけ上、denovoの病的バリアントと思われる発端者の母親については、臨床的評価を行うとともに、発端者で同定された病的バリアントに関する分子遺伝学的検査を行うことが推奨される。
(注:親の白血球DNAを検査しても、体細胞モザイクの場合の全例で検出できるとは限らず、また、生殖細胞系列のみに存在する病的バリアントについては、一切検出することができない。)
女性の発端者の同胞
同胞の有するリスクは、母親の遺伝学的状態によって変わってくる。
仮に発端者の母親のほうもOFD1の病的バリアントを有していたならば、妊娠に際して、疾患原因であるOFD1の病的バリアントを児に伝達する可能性は50%となるが、OFD1の病的バリアントを継承した男性胎児の大多数は流産に至る[Macca&Franco2009]。罹患男児が生きて生まれる可能性もないではないが、それはきわめて稀である。したがって、分娩の段階での児の性比の期待値は、非罹患女児が33%、罹患女児が33%、非罹患男児が33%となる。
発端者が孤発例で、なおかつ、母親の白血球DNAからOFD1の病的バリアントが検出されないといった場合であれば、同胞の有するリスクは、一般集団より若干高い程度となる。それは、親の生殖細胞系列モザイクの可能性が残るからである。実際に、母親がOFD1の病的バリアントのモザイクであった例が報告されている[Wentensenら2016,Gangaramら2022]。
父親の生殖細胞系列モザイクは今のところ報告されていないが、可能性としては残る。
女性発端者の子
OFD1の病的バリアントを有する女性が、妊娠に際してそれを伝達する可能性は50%であるが、男性胎児は致死性(OFD1の病的バリアントを有する男性胎児の大多数は流産に至る)と目されることから、分娩の段階での児の性比の期待値は、非罹患女児が33%、罹患女児が33%、非罹患男児が33%となる。
他の家族構成員
他の血族の有するリスクは、発端者の母親の状況によって変わってくる。仮に母親もOFD1の病的バリアントを有していたとすると、その血族にあたる人はすべてリスクを有することになる。
関連する遺伝カウンセリング上の諸事項
早期診断・早期治療を目的としてリスクを有する血族に対して行う評価関連の情報については、「管理」の中の「リスクを有する血縁者の評価」の項を参照されたい。
家族計画
遺伝的リスクの確定や、出生前/着床前遺伝子検査を受けるかどうかの話し合いといったことに最も適しているのは、妊娠前の時期である。
罹患者である若い成人、あるいはOFD1の病的バリアントに関しリスクを有する若い成人に対しては、遺伝カウンセリング(子に生じる可能性のあるリスクや、子を儲ける上での選択肢についての説明を含む)を提供することが望ましい。
出生前検査ならびに着床前遺伝学的検査
分子遺伝学的検査
家系内に存在するOFD1の病的バリアントが同定されている場合は、出生前検査や着床前遺伝学的検査を行うことが可能である。
超音波検査
高リスクの妊娠
50%のリスクを有するOFD1罹患女性の妊娠において、出生前の超音波検査で、構造的脳奇形(例えば、孔脳症)[Carssら2014,Alamilloら2015]や骨格異常が同定される場合がある。
低リスクの妊娠
OFD1に関して高リスクであることがわかっていない妊娠において、構造的脳奇形に加えて片側性の拇趾の多趾症(重複拇趾)がみられたときは、OFD1の可能性を考慮すべきである。そうした例については、OFD1の症候がないか、母親のほうを評価することが望ましい。
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分子遺伝学
分子遺伝学とOMIMの表の情報はGeneReviewsの他の場所の情報とは異なるかもしれない。表は、より最新の情報を含むことがある。
表A:口-顔-指症候群Ⅰ型:遺伝子とデータベース
| 遺伝子 | 染色体上の座位 | タンパク質 | Locus-Specific データベース  | 
      HGMD | ClinVar | 
|---|---|---|---|---|---|
| OFD1 | Xp22.2 | 口-顔-指症候群Ⅰ型タンパク質 | OFD1 @ LOVD | OFD1 | OFD1 | 
データは、以下の標準資料から作成したものである。遺伝子についてはHGNCから、染色体上の座位についてはOMIMから、タンパク質についてはUniProtから。 
  リンクが張られているデータベース(Locus-Specific,HGMD,ClinVar)の説明についてはこちらをクリック。 
表B:口-顔-指症候群Ⅰ型関連のOMIMエントリー(閲覧はすべてOMIMへ)
| 300170 | OFD1 CENTRIOLE AND CENTRIOLAR SATELLITE PROTEIN; OFD1 | 
| 311200 | OROFACIODIGITAL SYNDROME I; OFD1 | 
分子レベルの病原
口顔指症候群1タンパク質(中心小体・中心小体サテライトタンパク質OFD1の名でも知られる)は、選択的スプライシングにより、OFD1-1(Cxorf5-1)、OFD1-2(Cxorf5-2)という2種の形態が生じる。OFD1-1は1,012個のアミノ酸から成るタンパク質(参照配列NP_003602.1)で、OFD1-2は367個のアミノ酸から成るタンパク質である。この2つのタンパク質は最初の351個のアミノ酸が共通しており、OFD1-2はその後ろのC末端領域に16個のアミノ酸が付加する。deConciliisら[1998]は、OFD1について、成人組織においては、調べた範囲のすべての組織で発現していたと述べている。ただ、発生初期においては、専ら生殖堤でのみ発現し、その後ほどなくして頭蓋顔面構造や神経系でも発現するようになったという[Ferranteら2001]。Invivoとinvitroの機能研究で、OFD1は繊毛形成ならびに左右非対称性の決定に不可欠な役割を果たしていることが明らかになっている[Ferranteら2006,Singlaら2010]。Morleo&Franco[2020]がレビューを行った最近の研究で、OFD1は、微小管の形成、細胞周期の進行[Alfieriら2020]、タンパク質の質的バランスの保持[Iaconisら2017,Morleoら2021]といったことに一定の役割を果たしていることが明らかになっている。さらに最近の報告で、OFD1は、クラスⅡ重合核形成促進因子の1つとして、Arp2/3複合体誘導性のアクチン繊維枝分かれ形成を促進させる働きをしていることが明らかとなっている[Caoら2023]。
疾患の発症メカニズム
OFD1の病的バリアントの大多数は、タンパク質のトランケーションと機能喪失を予測させるものとなっている。このことは、OFD1の遺伝子内欠失でやはりこうした表現型が生じることでも裏づけられる。ただ、OFD1の転写産物はX染色体不活化を免れることから、理論的には、この異常タンパク質が野生型産物と相互作用して、ドミナントネガティブな効果を発揮している可能性も考えられる。
OFD1特異的な検査技術上の考慮事項
OFD1の配列解析で病的バリアントが検出されない女性については、遺伝子標的型欠失/重複解析を行う必要がある。それは、野生型アレルがあることで、欠失の存在が覆い隠されている可能性が考えられるからである。
 Gene Reviews著者: Helga V Toriello, PhD,Brunella Franco, MD,Ange-Line Bruel, PhD,and Christel Thauvin-Robinet, MD, PhD
    日本語訳者: 佐藤康守(たい矯正歯科)、水上都(札幌医科大学医学部遺伝医学)
    GeneReviews最終更新日: 2016.8.4.  日本語訳最終更新日: 22022.10.1.
Gene Reviews著者: BrunellaFranco,MD,Ange-LineBruel,PhD,andChristelThauvin-Robinet,MD,PhD
    日本語訳者:佐藤康守(たい矯正歯科)、森貞直哉(兵庫県立こども病院)
    GeneReviews最終更新日: 2022.6.30.  日本語訳最終更新日:  2023.1.16.[in present]