脳神経外科での脊椎手術

腰椎椎間孔開放術

概要

腰椎椎間孔開放術は、腰部脊柱管狭窄症の中で、外側型と呼ばれるタイプの、腰椎椎間孔狭窄症に対 する、手術法です。手術用の顕微鏡を用いた、侵襲の少ない手術方法で、椎間孔の部位で圧迫されている神経の圧迫を取り除きます。

手術法

全身麻酔下で、腰部の皮膚を5cm程切開し、筋肉の間を剥離して筒状の開創器を挿入します。手術用の顕微鏡を用いて、椎間孔外側から、小指の先ほどの骨を削り、丁寧な操作で、神経の周辺の圧迫を除去します。

手術の模式図。5cm程の皮膚切開で、小指の先ほどの幅で神経根の周辺の骨を削って、神経の圧迫を除去する。Drgと書かれた矢印の先が、開放された神経。
左が手術前の腰椎CTで、腰椎を横から見た画像。右側が手術 後の画像。矢印部の骨が削られて、神経の圧迫が除去されて いる。

成績

診断が正しければ、ほとんどの症例で、手術直後から症状は劇的に改善します。下図の手術後のSF-36スコアの経過が示すように、その改善は、5年以上の長期にわたって維持されています。正しい診断がつかずに、強い腰痛が放置されているケースが少なくないことを考えると、この手術を、より普及させる必要があるかもしれません。

SF-36という標準的な身体機能評価の点数を、手術前、手術5ヶ月後、1年後、2年後、3年後、4年後、5年後と並べて表示したグラフ。点数は、手術6ヶ月後には著明に改善し、それが5年後まで維持されていることがわかる。