PQJ 2026 (Physiology Quiz in Japan 2026)は2026年3月21日に香川大学医学部の主催で現地開催されました。
桜がほころび始めた春の土曜日、 穏やかな陽気に包まれた幸町キャンパスの研究交流棟8Fは多くの参加者で賑わいを見せていました。 初めての四国開催となる今大会には、香川大学、大阪医科薬科大学、国際医療福祉大学、近畿大学、スロベニアのUniversity of Liubljana、シンガポールのNational University of Singapore、 インドネシアのUniversitas Muhammadiyah Makkassarからそれぞれ1チームずつ、 そして昨年秋のPQJO2025の開催校である札幌医科大学からは2チームの合計9チームが参加しました。私ごとですが、事務局の筆者が現地開催のPQJに参加するのは代表として東京慈恵会医科大学で開催したPQJ2019以来7年ぶりで、 国際色を増した本大会をとても楽しみにしていました。

会場となった香川大学幸町キャンパス、 研究交流棟
前年に大阪で開催されたPQJ 2025から参加者や参加チーム数が増えたほか、海外チームは参加者の家族が観戦に来ており、会場は一層の賑わいを見せていました。
また、 PQJ2023、2024、2025と3連覇しているスロベニアの強豪チームからは、優勝経験メンバーのMaks君が学生であるにも関わらず競技者ではなくメンターとして参加しており、 優勝の遺伝子が脈々と引き継がれているのが印象的でした。

PQJ事務局長の井上鐘哲先生
開会挨拶はPQJ事務局長の井上さんです。 戦争で世界が分断される今日だからこそ、医療者が国境をこえてつながり、支えあう大切さを語り、 本日の大会では参加者同士で交流するよう呼びかけました。 審判には香川大学の平野勝也先生、そして毎回参加いただいている大阪医科薬科大学の小野富三人先生を迎えています。
一次ラウンドは早押しの激戦で、シンプルながらも大事な事項を聞く良問がつづきました。問題が出る前から、 各チームの早押しのボタンの連打音が真夏の蝉の如く鳴り響きます。 前回の優勝チームを抑えて頭角を表したのは前回準優勝を経験しているシンガポールNUSの4年生Collin君です。 お母様も後ろで見守る中、早押しの運も味方につけてミスなく点を積み重ねていく姿は圧巻でした。 (心なしか日本チームが正答すると拍手が大きい気がします笑)

3連覇中のスロベニアチーム

悲願の優勝を狙うシンガポールのチーム
休憩時間は雰囲気が緩み、近くのチーム同士で雑談に花が咲きます。 事務局長の井上さんや各チームのメンターもチームメンバーを鼓舞します。

チームメンバーを指導するMaks君
一方、大会運営チームは予選で出た課題を克服すべく、短い休憩時間で対応します。

休憩時間も運営チームに指示を出す運営委員長の荻田くん(右から2番目)
二次ラウンドでは臨床問題です。少しずつ提示されるヒントから診断名を当てていきます。

みなさん、この問題の答えがわかりますか?正解はZollinger-Ellison症候群です。 内科医の私としても難しい問題でしたが、迷いなく正当していく参加者の気迫やレベルには圧倒されます。
午前の第1ラウンド、第2ラウンドの集計では、 3連覇中のスロベニアチームSynapseと悲願の優勝を目指すシンガポールのTeam NUSが17点と同率1位で競り合い、 他チームも11点から13点に他の7チームが並ぶ混戦でした。
お昼ご飯は大会側から豪華な地産地消弁当が支給されました。 休憩中もチーム間で交流していました。

お弁当

昼食をともにする国際医療福祉大学とインドネシアチーム(右)
第3ラウンドはフリップボード問題です。 早押しとは違って生理学の重要な系の細かな理解を問う問題がだされました。 Question3はコレステロール代謝系を問う近年稀に見る難問で審判団も嬉しそうに問題を見つめます。

休憩時間にはフリップボードアートが流行していました。どの絵も個性的で素敵です。
3次ラウンドでは生理学の大切な系を使った穴埋め問題です。 凝固カスケードやRAA系、脂質代謝経路などが出題されました。

問題を示すPQJ2026代表荻田君

難問を嬉しそうに見つめる審判団の平野先生(左)と小野先生(右)
ファイナルラウンドは難易度が徐々に上がっていく一問一答のフリップ問題です。1つ星の問題は全チームがほぼ全チームが正解していましたが、難易度が上がるにつれて点差が開いていきました。
最終的に、決戦を制したのは69ポイントを獲得したシンガポール大学のTEAM NUSです。前回準優勝した4年生のCollin君(写真の右)含むたった2名のチームでしたが、終始圧倒的なパフォーマンスを見せていました。

優勝したシンガポール大学チームのMarcel君とCollin君
また国際医療福祉大学の3年生チーム、GATEが63ポイントと3連覇中のスロベニアチームを1点差で上回り、見事準優勝を飾りました。競技中の真剣な表情が緩み、皆嬉しそうです。優勝チームには白衣が、入賞チームには書籍が贈呈されました。

準優勝の国際医療福祉医療大学のチーム

今回は競技者30人と海外からのオブザーバー3人が参加しました。
運営チームの見事な働きで大会はスムーズに終了しました。続く懇親会には参加者全員が参加し、食事をつまみながら活発に交流を楽しんでいました。ビンゴ大会では香川県名物の手打ちうどんやポケモンの「ヤドン」 (「うどん」に似ているから香川のPR団に認定されているのだとか) のぬいぐるみなどの豪華商品が準備され、盛り上がりをみせました。

ビンゴ大会でも1位の商品を獲得するNUSチーム
聞いてみると、インドネシアチームやスロベニアのチームは10倍ほどの倍率を勝ち抜いた選抜の学生が、国や大学から補助を受けて参加しているとのことでした。まさに、国の代表ですね。
今大会の運営チーム
PQJ事務局員として大会が国際的に認知されてきたことを嬉しく思うとともに、日本チームのさらなる健闘を期待しています。
最後に、今回の大会運営チームおよび審判団、参加者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
(岡田浩太郎 医師 PQJ事務局)