教授挨拶

神田秀幸
  教授 神田秀幸

岡山大学医学部は明治3(1870)年設立の岡山藩医学館を礎とし、令和2年(2020年)に150周年を迎えました。幾多の時勢の変化を乗り越えながら、150年間守り続けてきた医学・医療への志が今尚、脈々と受け継がれています。
 当研究室は、第二次世界大戦後、民主国家における公衆衛生を担うべく、時代の要請により、昭和29(1954)年7月、公衆衛生学教室として設立されました。初代教授大田原一祥先生によって立ち上げられ、第2代教授緒方正名先生に引き継がれ、産業中毒や環境汚染の研究を中心として、教室の黎明期を築き、発展へと導かれました。第3代教授武田和久先生は肝細胞癌におけるαフェトプロテインの糖鎖変異に関する研究、第4代教授吉良尚平先生は遺伝疾患の無/低カタラーゼ血液マウスの遺伝子変異研究、第5代教授荻野景規先生はアルギナーゼに着目した酸化ストレス研究を、それぞれ中心テーマとして取り組まれ、当研究室の発展に寄与されました。令和元(2019)年8月に神田秀幸が第6代教授として着任しました。設立以来60年以上の歴史をもつ研究室で、衛生学・公衆衛生学分野で国内外に多数の人材を輩出されています。
  現在の研究室の研究は、インターネット技術と健康管理について取り組んでいます。主に、一般住民を対象としたIoT技術を用いた家庭血圧管理研究や、全国規模のインターネット依存研究を展開しています。
 一般住民を対象としたIoT技術を用いた家庭血圧管理研究では、測定値自動転送機能を搭載した家庭血圧計を用いることで、測定値をウエブ回線を通してサーバへ即座に送信し、そのデータにもとづき、一般住民の家庭血圧の管理状況と家庭血圧変動要因の解明を行っています。家庭血圧のみならず、定期的な活動量の計測、尿検査や栄養調査の実施などを行い、多彩な指標と家庭血圧の関連の検討を行い、家庭血圧に関する新しい予防医学的価値を創出できるよう、研究に取り組んでいます。
  また取り組みの柱のひとつとして、インターネット依存研究があります。インターネット依存は主に青少年にみられる現象でありますが、当研究室は成人にもみられることに着目し、その頻度と関連要因について、わが国の成人勤労者において研究を行っています。当研究室の研究によって、成人勤労者においてインターネット依存の可能性が約5%にある事が分かりました。また、インターネット依存状態と、バーンアウトや飲酒・喫煙などとの関連について明らかにしています。
  教育は、医学科4年に対して公衆衛生学学講義および同実習を担当しています。また、医学科3年のMedical Research Internship(講座研究配属)などを分担しています。教育を通し、できるだけフィールドワークを医学生に経験させ、現場で得られるclinical questionを感じ、research questionに展開できる力を育てています。地域の健康課題を抽出しその解決策が考えられる教育に取り組んでいます。生活習慣病や依存症など長期・慢性期に渡る健康課題を中心に、子どもから高齢者まで幅広い内容や対象を範囲として教育的に網羅しています。大学院生には、研究の初歩からサポートを得ながら研究実務の運営管理、学会発表、論文執筆、学位審査の過程を経るように指導しています。また、国際交流にも力を入れ、教室員は米国やカナダへの留学経験をもち、今後、北米、中国やブラジルの大学医学部との国際共同研究を推進すべく、現在、友好関係を構築しています。
 新しい時代の公衆衛生学的課題を敏感に察知し果敢に取り組む、進取の心を大切にします。常に、時代の挑戦者でありたいと思っています。
  “多様性と絆”をスローガンに研究室運営を行っています。教室員の予防医学に関する専門分野は様々です。公衆衛生学者、循環器専門医、医療社会学者、栄養学者ら、多士済済です。各専門分野の研究を活しながら、一丸となって予防医学の課題に取り組んでいます。

Okayama University originates from the medical training place sponsored by the Lord of Okayama founded in 1870, that is continuing for 150 years. Our department was established in July, 1954. It has the history over 60 years.
 We are engaged in preventive medicine, especially tackle on health managements and internet technology now. We have two main themes; blood pressure at home measuring by internet technology in community residents, and internet addictive behaviors in Japan. Our studies target from children to the elderly, focusing on long-term and chronic health issues on lifestyle-related diseases or addiction.

We currently make friendships to promote international collaborate studies, such as US, Canada, China and Brazil.

Hideyuki Kanda, MD.MPH. PhD.
Professor
Dept. of Public Health,
Okayama University Medical School

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