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こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

99年5月中旬号

緊急事態ではない状況においては、たいていの場合、 法的に判断能力を有する人々は医療行為に同意することも それを拒否することもできる。 たとえば、何年も外来で血液透析を受けている患者は、 もし当人がこの治療によるストレスにこれ以上耐えられないと判断したならば、 血液透析を打ち切り、その結果死ぬ、ということが許されうる (Neu and Kjellstrand, 1986)。 また、エホバの証人の信者は、宗教的理由に基づき、 自分の生命を救うだろう輸血を拒否しさえするかもしれない。 これとは対照的に、法的に判断能力を有さないか、 臨床的に無能力である(clinically incapacitated)人々の同意と拒否は、 尊重される必要はない。 心臓ペースメーカーを付けると他人に自分の行動を監視され管理されてしまう と信じてペースメーカーを付けられることを拒む精神異常の女性は、 この生命維持のための外科治療を拒否することを許されないであろう。
Robert M. Wettstein, `competence', in Encyclopedia of Bioethics Revised Edition (W. T. Reich ed., Macmillan, 1995, p. 446)


5月中旬の主な話題


何か一言


05/11/99 (Tuesday/mardi/Dienstag)

夕方

イヌーピー最高 < 武士沢レシーブ

昨日の支出は100円。ジャンプを買っただけ。

今日も弁当を詰めて大学へ。昼から。 3コマ目の某助教授の情報の授業と 4コマ目の某君のヒュームの発表を聴く。


銀行に行ってわずかなお金を降ろしてくる。 また3ケタ預金になってしまった。うむむむむ…。


倫理学研究室の新歓コンパが某所であったので出席してきた。 某さんの就職活動の話を聴いたり、 某教授から生命倫理学の話を伺ったり。

某教授に相談して、次の応用倫理学での発表(二週間後のはず)は、 competencyの問題をやることにした。 これは、 「患者に自己決定の能力(同意能力)があるかどうかを、 どのような基準によって決定するか」という問題なんだそうだ。 これから勉強しよう。

金がないこともあり、一次会だけ出て大学に戻ってきた。 さ、明日の読書会の勉強をしなきゃ。


日記の整理をする。



何か一言


05/12/99 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中

BMORの予習。 次はカドワース

しかし疲れたので残りは明日の午前中に勉強しようっと。


お昼過ぎ

朝起きて風呂に入り、BMORの予習。 布団を干し、ご飯も炊く。天気良し。

12時すぎにご飯を弁当箱に詰めて大学へ。 ああ、勤労学生:-)


夕方

3コマ目の某教授の授業に出る。 今日は環境倫理学入門だった。 授業後、某教授室に行ってcompetency関連の文献をお借りしてきた。 2週間みっちり勉強せねば。

それから雑用して弁当食べてBMOR読書会。さっき終わったところ。

あ。いつのまにやらカウンターが50000を超えている。感謝感謝。


competencyの研究中。

まず資料をそろえる。Encyclopedia of Bioethicsも見るべきだな。 インフォームド・コンセントの歴史も勉強しておこう。 『コンパニオン・トゥ・バイオエシックス』の "Informed consent and patient autonomy"と "Patients doubtfully capable or incapable of consent"も読もう。


某教授室にお邪魔して、さらに文献を確保する。 Encyclopedia of Bioethicsのcompetenceの項をコピー。 さ、大体これで当面の資料が揃ったので、勉強しなきゃ。


む。忙しい。


今日やったこと


何か一言


05/13/99 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

昨日は、某所でサンデーとマガジンを購入したあと、 晩ごはんを食べ、シャワーを浴び、朝まで寝る。

お昼前に大学へ。 翻訳の話が持ち上がりつつあるので(ちなみにこれは極秘っす)、 コンパニオン読書会の昔のファイルをひっぱりだして整理する。 昔自分がしていた仕事を見て、ちょっと感慨にふける。

昼下がりは仕事進まず。 夕方に自転車でJR京都駅に行き、 母と会って一時間ほど話す。 また少しお金を借りてしまう。 すんません。

研究室に戻ってきてから倫理学入門読書会(「環境倫理学」その1)。 今日は人間中心的倫理動物中心的倫理 という立場の説明。

それから某君*2と某所で食事。

さあ仕事仕事。


真夜中

某仕事中。死にそう。明日の予習もあるし…。


今日やったこと


何か一言


05/14/99 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

夜中、某古本屋に行きチャンピオンとモーニングを買う。 ついでに近くの某コンビニで買物。 しばしお菓子を食べながら雑誌を読み耽る。 『ヨリが跳ぶ』最高。『えの素』下ネタ炸裂。

それからまた仕事。さっき地震があった。恐いっす。


夜明け前

ああ。鳥がさえずっている。夜が明ける。

とりあえず仕事を終わったことにし、 いったん下宿に戻ることにする。 翻訳は大変な作業であることをだんだん思い出してきた…。 (そういえばシジウィックの翻訳もあったんだった)


早朝

さらにもう一件陰謀に加担する。

さあ、下宿に戻るぞ。


夕方

というわけで夕方。 早朝に下宿に戻って3時間ほど眠り、 起きてビジネス英会話聴いて風呂に入ってスクラーの予習して大学へ。 途中某喫茶店でミックスサンドのセットを食べる。

スクラーの授業に出たあと、 しばらくしてBMOR読書会。 途中、某先輩がもうすぐ出版される自著 『シジウィックと現代功利主義』(勁草書房) の見本を配りにきた。 なんでもおれは科研費で買わねばならんらしい。うむむむ。

明日は朝からTOEFLの試験なので、 今日はさっさと下宿に戻って模擬試験をやろうっと。

勉強勉強。


今日やったこと


何か一言


05/15/99 (Saturday/samedi/Sonnabend)

昼下がり

今日は朝からTOEFLの試験を受けてきた。

今回の試験会場である某同○社の新町校舎に行くのは初めて。 大体の場所はわかるものの正確な場所は知らなかったのだが、 今出川烏丸の交差点で某先輩を見かけたので、 先輩を尾行することによってうまく辿りついた:-)

今回は、TOEFLの前にTWEという英語で文章を書く試験があった。 30分ほどで200字から300字の文章を、 指定されたテーマに関して書かないといけないのだが、 なにしろ時間が短かいので大変である。 今回のテーマは 「集団や組織はなぜ人々にとって重要なのか、その理由を説明せよ」 というようなものだったが、時計を持っていなかったため、 150字くらいしか書けずに終わってしまった。反省反省。 次回は時計を持っていこう。

TWEでかなり精神力を消費してしまったので、 そのあとのTOEFLのテストで集中するのが大変だった。 第一部の聞き取りは少し聞きとれない部分があってかなしい思いを味わう。 あれはパートAの短い会話が最も勝負どころだと思う。 他の比較的長いやつは多少聞き逃してもなんとかなるが、 最初の短いやつは完全に聞きとる必要がある。

第二部の途中でがまんできなくなり、 さっさと問題を解いたあと、 試験官に断わってトイレに行かせてもらう。反省反省。 トイレは先にすませておくこと。

第二部の文法問題と第三部の長文問題は比較的楽に解けた。 ただし、第三部まで行くと集中力がほとんどなくなってしまい、 終わりごろにはアクビを連発していた。

しかしあれだ。 TOEFLを受けるためにけっこう高いお金を払ってるんだから、 しっかりやらないと金の無駄になってしまう。反省反省。

終わってから大学へ。持ってきた弁当を食べる。 眠いので下宿に戻って昼寝することにしよう。


昼下がりに古本屋めぐりをしたあと、下宿に戻って寝た。 用事があったのでちょっと大学へ。

『西洋倫理學史』という本を買ったのは、 「近世篇中」が17-8世紀英国道徳哲学を詳細に説明したものだったので。 巻末にある広告を見ると、 『英國の政治道徳の基調としての功利主義の發達』 という本も当時出版されていた様子である。 英国の倫理学が注目されていたのは、 大正デモクラシーの影響なのだろうか。

ところで、吉田某というのは東京帝大の教授らしいのだが、 「特殊即普遍主義」という倫理学説を唱えていたらしい。 むむ、なんかおもしろそう……


今日やったこと


何か一言


05/16/99 (Sunday/dimanche/Sonntag)

夕方

寝すぎ。反省反省。

昨日の晩、『西洋倫理學史 (近世篇中)』を少し読んだ。 この当時(昭和初期)の日本語の方が読みやすいように思えるのはなぜなんだろうか。 ほとんど英語の直訳みたいな文章だからだろうか。


真夜中

夕方、バンドの練習。 そのあと、みなで某所にて夕ごはん。 ハードディスクのMTRを買おうとかもったいないとか。

ところで、 某喫茶店の横で建設中だったマンションが火事で一部燃えてしまったようだ (たぶん昨日)。 正露丸みたいな臭いがするなあと思ってふと見ると、 作りかけマンションの中が黒くなって、窓のサッシの部分がひしゃげていた。 恐い恐い。警官が見まわりしてたのもそのせいか。

そのあとまた大学に。なかなか勉強する気になれず。なんなんだろう。



何か一言


05/17/99 (Monday/lundi/Montag)

真夜中

まだいる。某所にカドワースの原書があったので、 編者による序文のところを読みながら、 例の「哲学・倫理学用語集」にいろいろ書き足してたらこんな時間になってしまった。 けっきょくまだスクラーの復習はしていない。逃避だ。

カドワースは、 17世紀英国で生得観念説を説いた代表的人物らしいが、 今日ではほとんど顧みられることのない哲学者である。 編者同様、おれも彼がより多くの注目を受けることを願って、 今日読んだ序文の最後の段落を訳しておこう。

40年以上も前に、パスモアPassmoreは、 ロックに対するカドワースの重要性に注目した。 より最近では、 スティーヴン・ダーウォルがカドワースとカントの類似点に着目することにより、 両者の関係についての問いを再燃させた。 カドワースは、間違いなく、 こうした哲学者や他の哲学者に与えたと考えられる影響のゆえに研究に値する。 しかし、彼はまた、彼自身だけを考えてみても、研究に値するのである。 [以下省略]
(Ralph Cudworth, A Treatise Concerning Eternal and Immutable Morality with A Treatise of Freewill (edited by Sarah Hutton), Cambridge University Press, 1996, pp. xxix-xxx.)


夜明け

うあ。夜が明けてしまった。いいかげん下宿に戻ろう。 ああ。勉強進まん。 生命倫理学のやつもさっさと進めなきゃいけないんだけど。うう。


夕方

早朝に寝る。 昼下がりに起きて風呂に入り洗濯をし、 以前コンパニオン読書会で読んだ`Rights'(Brenda Almondだったかな?)を読み、 大学へ。

5コマ目の授業に出るつもりだったが、 いろいろしてたら時間がなくなってしまったので、 あきらめて某喫茶店へ。ピラフセット。プレイボーイ。ジャンプ。 あらためて見ると、火事の跡はけっこうひどかった。 某喫茶店の横の不動産屋も、中が丸焼けになっていた。


朝、下宿に戻る途中につらつらと考えていたのだが、 哲学史というのは「模範解答付きの問題集」なのではないだろうか。 いや、あまり話を展開する気はないのだが。


夜ふかしは肌に悪いことを実感する:-) 早寝早起き励行。


スクラーの復習。難しいっす。 ここに意味不明な要約を載せてもほとんど無益であるが、 ま、一応勉強しました、という証拠に。


(平行移動については、 内井先生 のウェブサイトに説明がなされている)


今日やったこと


何か一言


05/18/99 (Tuesday/mardi/Dienstag)

お昼

昨夜はシェリングを少し読んでからさっさと寝る。

朝、飛び起きる。 某用事を済ませるために急いで大学へ。 午前中に無事終了。

さ、ちょっと勉強しよう。


夕方

生命倫理学の勉強を少ししたあと、 3コマ目の某助教授の授業(プライヴァシーの話)と、 4コマ目の某君の演習発表(シェリング後期の思想の話)に出席する。

明日は読書会が二つあるので、今日はもう下宿に戻って勉強しよう。


今日やったこと


何か一言


05/19/99 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昼下がり

昨日は某所で古本を一冊購入し、 某コンビニでコーンフレークと牛乳を買ったあと、 下宿に戻って夜まで寝た。

夜中、ある電話で起こされる。 目が覚めたので焼き飯を作り、読書会の予習をする。 ビジネス英語も一日分聞く。

以前古本屋で購入した『新フランス語入門』のカセットテープを 某氏に借りていたので、それをMDに落とす。

夜中、やたらと風が強かった。

夜明けごろに再び眠りに就く。 お昼前に起きて、風呂に入り、 大学へ。自転車を飛ばしてきたので汗をかく。 そろそろ蒸し暑くなってきたな。

3コマ目の応用倫理学に出る。 某くんの内部告発についての発表。

PHSに初めて留守電が入っていた。 わくわくして聞いてみると、 「某修理が済みました」という生協からの伝言だった:-)


夕方

某BMOR読書会終わり。次回から某カドワースの自由意志論。

某読書会が終わってから、 某師匠と某ルネへ。 某買物など。

これから某倫理学入門読書会。


読書会までまだ少し時間があるので、久しぶりにフランス語の勉強を。 また『普遍文法』の続き(p. 9)。

Chapitre II. (第2章)

Des Consones (子音)

Si nous faisons touchant les consones ce que nous auons fait touchant les voyelles, & que nous considerions seulement les sons simples qui sont en vsage dans les principales Langues, nous trouuerons qu'il n'y a que celles qui sont dans la table suiuante. Ou` ce qui a besoin d'explication est marque' par des chiffres qui renuoyent a` l'autre page.

う〜。もう忘れた。touchantってなんだ? 辞書辞書。「《文》〜に関して」か。 「もしわれわれが子音に関して、 われわれが母音に関して行なったのとようにやるならば、そして」

そして? en vsageってなんだ? en usageで「使用されている」という意味か。 「そして、主な言語において使用されている単純な音だけを考えるならば、 われわれは次のことを見い出すであろう。すなわち、」

すなわち? que celles quiってなんだ? あ、neとqueがくっつくんだったっけ。 suivant(e)は「次の」だって。 「すなわち、次の一覧表に載っているものしかないことを。 説明を要するところは、」

marque'とchiffresとrenuoyentがわからん。 marquerが「印をつける」か。chiffreが「数字」。 renvoyerが「送る」とか「追い払う」とか「反射する」とか。 あ、`Les aste'risques renvoient aux notes'で 「*印は注を参照のこと」という意味になるんだそうだ。 というわけで、 「説明を要する箇所には、数字で印をつけてあり、 それらの数字はその次の頁を参照のこと。」


倫理学入門読書会(「環境倫理学」その2)終わり。 今日は前回の人間中心倫理、動物中心倫理に引き続き、 生命中心倫理、 万物の倫理、 生態学的全体論 についての説明。

終わってから某氏二人と一緒に某所で夕ごはん。


今日やったこと


何か一言


05/20/99 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

お昼過ぎ

「あさ起きてみると学振成金になっていた。」

いや、あさ起きた時点ではサイフには3ケタしか金はなかったんだから、 この表現は不正確か。しかしなんとかバイロン風に書き出したいよな。

「あさ起きてみると(気分的に)学振成金になっていた。」

うん、こっちの方が正確だな。

「昨晩は興奮してよく眠れなかった。 そもそも今まで生きてこれたことが奇跡のようだ。 ここ数日のあいだ、学振のお金を手にする前に車にひかれるんじゃないか、 と恐れ続けてきた。 そのため、自転車に乗るときは信号を几帳面に守り、 なるべく歩道を通り、 そして夜ともなれば自転車のランプを必ず付けた。 しかし、この二三日のあいだもっとも恐れていたことは、 寝てるあいだに日本が沈没するのではないか、ということだった。」

「だが、ついに学振の日が来た。ぎ、銀行に行かねば。 ぎぎぎ、銀行銀行銀行に行か行か行か行かねば。 そしてガスガスコンロで一、一万円札をを一枚焼か焼かねばばば。」


さて。

昨晩は某所でマガジンを購入してから下宿へ。 少し勉強したあと布団に入るがなかなか寝つけないのでさらに勉強する。 3時ごろになってようやく眠る。

お昼前に起きる。あたふたと銀行へ。通帳記入。わ。6ケタ。いえい。 とりあえず久しく手にしたことのないような大金を降ろし、 財布に入れる。 某喫茶店でミックスサンドのセット。サンデー。 そのあと郵便局に行き、 さきほど降ろした大金の大半を某母への借金返済に当てる。 うう。

しかし、とりあえず赤貧生活から脱出。めでたい。


今日はBMORの復習と、生命倫理学読書会の予習と、 スクラーの予習をすべし。


夕方

BMORの復習終わり。


気分転換に古本屋めぐりをする。 途中で腹の調子が悪くなり急いで大学に戻ってくる。うう。

最近古本屋は行くが文閲からは足が遠ざかってるので、 たまには文閲にも行こう。


今日やったこと


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed May 10 22:18:37 2000