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KODAMA'S (NEW) WORLD

「直観」というのは、感覚の変りやすい証しでもなく、 虚構の想像力の誤れる判断でもなくて、純粋なかつ注意せる精神の把握、 しかも理解するところについて何の疑いをも残さぬほど容易な判明な把握である。 換言すれば、ただ理性の光からのみ生まれ、演繹よりも単純であるがゆえに 一層確実であるところの、純粋なかつ注意せる精神の不可疑の把握、である(…)。 かくてすべての人は精神を以って直観することができる、 みずからが存在すること、みずからが思惟すること、 三角形がただ三つの線によって限界づけられること、 球がただ一つの面によって限界づけられること、など。

---デカルト先生

「なぜ"直感"ではなくて"直観"なのですか?」(略)
私の言う「直観」とは、そういうもの [=直感、すなわち一瞬の閃きでスッカリ感じ取ってしまうこと] ではないのである。
では、「直観」とは何か? 自分の頭だけで徹底的に考え、 考え尽くして、自分なりの「考えの道筋」を作っていくと、 じきに「その道筋をスキップして飛び跳ねて、 向こうに行ってしまっても大丈夫」という具合に頭の中が動くようになる。 そうすると、問題を見た途端に、その起点と終点とを一気に 結びつけられるようになる。 つまり、途中でいろいろ計算したり、理路整然と論理を構築したりすることなく、 問題の本質がズバリとわかるようになるのである。こういう頭の中の動きを、 私は「直観」と呼ぶ。
これは言い換えると、物事を徹底的によく考え、 考えぬいた人だけが「直観」を体得できるということである。(略)
「直観」の「観」という字は「わかる」という意味である。 「感じる」ではない。だから、「直感」ではなくて「直観」なのである。

---畑村洋太郎『続・直観でわかる数学』


昨日 / 明日 / 2016年11月 / 最新 / はてな

この日の出来事


10/Nov/2016 (Thursday)

東京出張など

夜中

少し早めに起床。髭剃り。 着替えてバスと地下鉄に乗り京都駅へ。新幹線。

午前中に東京に着き、本郷で二限の講義。健康格差と平等。無事に終了。 お昼は某先生と某13階のイタメシ屋で。ご著書をいただく。

お昼すぎ、東京駅から新幹線。夕方に帰洛。そのあと、自宅でしばらく某予習。

夕方、烏丸丸太町の喫茶店にて某氏と研究打ち合わせなど。出張は明後日からと 思っていたら、某氏に明日からだと教わる。そのあと、娘を迎えに行き、帰宅。

夜、夕食。おでんとビール。それから少し荷造り。

夜中、娘と風呂。もう寝ないと。


10/Nov/2013 (Sunday/dimanche/Sonntag)

Well-beingについての某国際ワークショップ二日目、『クラウド・アトラス』

少し遅めに起床。シャワー、シリアル、朝刊。

今日も朝から国際ワークショップ。途中、居眠りをしていて院生に起こされた りしたが、真面目に最後まで聴く。閉会の挨拶をしたり。勉強になりました。 オーガナイザーの二人に感謝。

夜、飲み会には参加せず、帰宅。娘の相手をしてから夕食。

夜中、某オンライン研究会。そのあと、娘の寝かしつけ。

真夜中、『クラウド・アトラス』を最後まで見る。感想はここ


10/Nov/2012 (Saturday/samedi/Sonnabend)

本郷で某研究会

少し遅めに起床。ゴミ出し、髭剃り、朝食。

朝、タクシーで本郷へ。朝から日が暮れるまで某研究会。お昼に某院生に会っ て週アスを渡す。お昼すぎに報告。勉強になった。

夜、少し先に退席して、タクシーで千石へ。某氏としばらく喫茶店で相談。そ れから帰宅して夕食。

夜、娘を風呂に入れる。それから食器を洗い、娘が寝つくまて付き合う。

ちょっと映画を見たら寝よう。


10/Nov/2011 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

報告準備、神楽坂

定時起床(少し遅め) 。ゴミ出し、髭剃り、朝食。

今日は、妻が保育園で、保育士さんの仕事を手伝う日なので、娘を途中まで送っ てから、本郷三丁目の喫茶店へ。週末の某学会の報告の準備にようやく着手す る。

お昼は、某ラーメン屋で、酸辣麺。

午後は、研究室で、いろいろ仕事。学会報告の準備も少し進める。

夕方、購買部で少し買い物した後、プールで三十分ほど泳ぐ。もう水泳パンツ が擦り切れそうなので、大変なことにならない前に新しいのを買わなければい けない。ただ大学にあったスポーツ店が無くなってしまったので、どこで買う か悩んでいる。

夜、飯田橋に移動して、神楽坂のフレンチで某先生や某編集者の方々と飲み会。 某先生のエネルギッシュな話しぶりに圧倒される。ついに某先生に笑かされて しまい、飲んでいたビールを目の前の某編集者(女性)に吹きかけてしまう。 大顰蹙。すみません。会合自体は大変楽しかった。

真夜中に帰宅。妻に遅いと怒られる。これまたすみません。娘を風呂に入れる。 もう寝よう。


10/Nov/2010 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中

定時起床。ちょっと喉が痛い。ゴミ出し、シャワー、朝食。

地下鉄で定時出勤。午前中は某研究会。某院生が報告。 厳しい批判を頂戴する。采配ミス。

午後は終日雑用。

夜、某氏らと蕎麦。熱燗。週アスを買って早めに帰宅。

夜中、自宅のソファでよく寝る。真夜中に起きてから新聞二日分。


10/Nov/2009 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中

定時起床。シャワー、朝食。

週刊アスキーを買ってから定時出勤(少し早め)。今日も終日雑用。

夜、お茶の水近辺で少し飲む。よく飲み、よく食べて帰宅。

夜中、ソファで死んだように寝る。それから新聞。 功利主義アワーはなし。もう寝よう。


10/Nov/2008 (Monday/lundi/Montag)

少し早起き。朝食、シャワー。朝刊は休み(ただし、昨日、東京新聞も買ったので読まねば)。

早起きしたついでに、早目に大学へ。途中、DVDを返却してくる。

朝、某講義の準備。研究室もだんだん寒くなってきたので、手がかじかんでいる。

お昼前

雑用。

電話を取ろうと思って手を伸ばすと、マグカップを倒してしまい、 コーヒーを電話機にぶっかけてしまう。あああああ。

真夜中

お昼すぎまで某勉強会の準備をしたり、メールのやりとりをしたり。 お昼は研究室でお弁当。

昼下がり、某院生の論文指導一件。そのあと、某論文の要約作成など。

夕方、コンピュータの管理や某氏と某講義の打ち合わせなど。

夜、一息付いて昨日の東京新聞朝刊を読む。それから帰宅。

夕食後、ソファでよく寝る。 そのあと、二階の勉強部屋で少し税と正義の勉強。難しい。

大学のそばに東京国税局がやっているタックス☆スペースUENOという学習施設があるようだ。 一度行ってみよう。


10/Nov/2007 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼

朝、ゴミ出しして二度寝せず(偉い)、朝食、朝刊、勉強。 大学に用事に行きたいのだが、雨が強く、外出する気にならない。

某学会、今日はお休みすることになりそうだ。懇親会費も払ったんだけどなあ。 夕食だけ食べに行くか。

「池袋駅で飛び降り自殺の巻き添えになった男性、亡くなりましたね。合掌」

「そうか、気の毒に。池袋駅は構内放送で 坂本九の『上を向いて歩こう』をかけるべきだな」

「あ、この人はまた不謹慎なことを」

「すまんすまん。お詫びします。 え〜、この度、池袋駅での事故をめぐり、 国民の皆様、功利主義の支持者、同僚の皆様に多大のご迷惑をおかけしたことを、 心よりお詫び申し上げます。 ご覧の通り、私は今なお、不器用でウケ狙いの関西気質のままであります。し たがって、どうしても良識人の方々の不興を買いがちであります」

昼下がり

昼食後、調べものをしに大学へ。雨が降っていたのでタクシー。 大学は「ホームカミングデー」(今年から?)だったようで、 人で一杯だった。秋葉原で安く買った光学マウスがついに壊れたようなので、 購買部で一つ購入。研究室で少し調べものをしてからタクシーで帰宅。 雨はほぼ上がっていた。

帰宅すると、宅急便の不在連絡票が入っていたので配達人に電話すると、 まだ近くにいたようで、すぐに持って来てくれる。 見ると、青森の某氏からリンゴ一箱。ありがとうございます。

ベルリンで、チェス・ボクシングの世界チャンピオン戦が開かれたそうだ(BBC News)。 ボクシングとチェスを1Rずつ、11Rまでやって、 先に相手をノックアウトするか、チェックメイトしたら勝ち。 大会開催者によると、 「ボクサーは頭が良くないと思われている。 ボクサーでも賢くなれることを示したい」とのこと。 別々にやったらいい気もするが…。 (ちなみに、チャンピオン戦ではドイツ人とアメリカ人が闘って、 ドイツ人が初代チャンピオンになったそうだ)


10/Nov/2006 (Friday/vendredi/Freitag)

起きる。あと1時間でアリさんが来る。コンピュータも片付けねば。

朝2

コンビニでパン。アリさんに先渡しする現金も降ろしてくる。 布団を片付ける。あとはコンピュータ。米国民主党は、下院に続き、 上院もバージニア州を制して過半数を勝ちとったそうだ。

昼下がり

お昼すぎに無事引越しは終了。まだ本郷の部屋の掃除が少しあるが、 それはまた来週ということで。新居のそばの讃岐うどん屋で食事をして、 コーヒーを飲んで一服してから大学へ。たいへん。

メモ。使ったダンボールは大10箱、小40箱。2トン車ぎりぎりと言われた。 料金は2トン車1台とアリさん2匹2名で3万円。 重い荷物を運ばされて気の毒だったので、終了後、 「これでお昼を食べてください」とアリさんたちに3000円渡す。さんくす。

夜中

昼下がり、某テキストの相談。メタ倫理。

そのあと、荷物を抱えて東京駅へ。みどりの窓口が混んでいて、 予約していた新幹線に危うく乗り損ねるところだった。 プロメテウス度が足りない。

車内では、寝る予定だったが、なんだか寝られず、駅弁を食べたあと、 『生命倫理』の新しい号の論文を三本読み、そのあと、夏にやった某発表を テープ起こししたものに手を入れているとあっという間に岡山に。 テープ起こしを読んでいたら自分の発表ながらなかなかおもしろかったが、 (1)言い直しが多い、(2)一文の途中に話を挟む癖がある(「ダッシュ思考」) の二点に気付いた。気をつけよう。

岡山駅からはタクシーでホテルへ。思ったより遠かった。 今回は少し良いホテルにしてみたが、 部屋にマッサージチェアがあったりする。

メモ。こないだの某関倫の発表で後輩が道徳的観点の話をしていたが、 自分が今、道徳的な視点から語っているのか、あるいはself-centredな視点から 語っているのかというのは重要だ。

たとえば、今日うどん屋で、あとから入ってきた隣の人に先にお茶が出され、 注文もそちらが先になるということがあった。隣の人が車イスだったので、身 体障害者を優先しているのかと最初は思ったが、いや、しかし別に身体障害者 を優先するもっともな理由はないよなあと考えていたが、そもそも何かおかしい と感じるのは、「店には入った人から順番にサーブする」という実質的な 正義原則を身に付けているからだろう。これはかなり明らかに道徳的視点から ものを考えていると言える(と思う)。

しかし、一方で、人からものを頼まれたときに、「喜んで」と思うときもあれば、 「なんでよりによってあなたの願いをわたしが聞かなければならないのか」と 思うときもある。これなどは自分の好き嫌いが先に感情に反映されているもので、 あまり道徳的観点に立ったものではないもののように思われる。 しかし、ついついそういう感情を道徳的な語彙で正当化しようとする傾向が あるので、気をつけなければならない。自分の感情はいつも道徳的な理由から 生じているわけではないかもしれないということを、肝に銘じること。

メモ2。最近、人の弱さや欠点に触れると、それを「許す」とか、 「他山の石にしよう」とか思うよりも、他人の中に自分を見ることが多い。 `Grace finds goodness in everything'という歌詞があるが、 `I find myself in everyone'という感じだ。今ひとつelaborateされていないが、 ちょっとメモ。

真夜中

まだ起きている。マッサージチェアはそれなりによい。 学会発表の準備から逃避するように、某テープ起こしの校正の続き。

外はいつの間にか天気が崩れたようで、雷と雨。 駅弁を食べたきりなのでお腹が減ったが、早起きして朝食を食べることにしよう。


10/Nov/2005 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

なんとか起きる。

夕方

お昼に大学へ。同僚の某氏らと某定食屋へ。 CBELの今後について協議(ウソ)。

そのあと、某スタバに籠もり(?)、翻訳の校正。3時間ほど集中してやり、 疲れたがけっこう進んだ。1日5時間10頁のペースでがんばれ。

ある学問が栄えるためには、 優秀な編集者が必要だと思っていたが、それだけでなく、 優秀な査読者(peer review)も必要なんだな、とか考える。 なんでそういうことを考えていたのか忘れたが。

名前に魅かれて、『直観でわかる数学』と『続・〜』を先日購入した。 直観に関する説明がおもしろい。ただし、倫理の場合は 考えぬいてない人でも「倫理的直観」を持つと考えられるので、 そういう意味では畑村氏の言う「直感」 (「一瞬の閃きでスッカリ感じ取ってしまうこと」) に近い部分もあるのかもしれない。

しかし、この本はフォントを大きくしたゴシック文字がいたるところに 出てくるので、 最初はけっこう良いかなと思ったが、 慣れないせいか、読んでいるとなんだか心臓に悪い。 タブロイドじゃあるまいし、岩波もよくやるなあと思う。

(あれ、「タブロイド」というのは意味不明だな。 タブロイドの見出しのように度ぎついという意味)

夜2

夜、某授業に参加。 受講生のディスカッションに参加したが、 あんまりうまく導けず。 要修業。

帰って翻訳の校正をしよう。そればっかり。

真夜中

某ハンバーガー屋でフィレオフィッシュとグリーンサラダ。 そのあと、しばらく近所を散歩。 なぜかQuireboysがiPodに入っているが、 `Misled'とかたまに聴くとかっこいい。 Stereophonicsも(ときどきハードすぎるが)かっこいい。 Daniel Powterは今年一番すごいと思う。

歩きながら、 自分が何でできているか(`What am I made of?')について少し考えた。

う〜ん、これじゃあ今一つ同じ人間が作れないなあ。

そういえば、 CBELで事務補佐を一人募集しているようだ。 日本の生命・医療倫理学の将来を見据えて活動するCBELを支えてくれる人、 求む。

真夜中2

翻訳の校正。

お腹の調子が悪い。 風邪を引かないようにくれぐれも気をつけよう。

翻訳の校正、今日は10頁進んだ。明日もがんばれ。

真夜中3

ラジオを聴きながらゆっくりする。新聞もたまっているな…

火曜日のニュース。


10/Nov/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昼下がり

朝起きてから大学へ。午前中は某勉強会に出席。 お昼は某氏らと某定食屋へ。戻ってきてから某卒論指導。

買春繰り返し一千万つぎ込む…医師らと仲介役少女逮捕(読売)。 「医師」というのがニュースバリューがあるんだろうなあ。 「自分では歯止めがかからず、捕まって良かった」というセリフがよい。 ギャンブルと同じだな。理性と情念の対立。 人は自己利益についてのbest-judgeではないのか。

昼下がり、少し寝てから翻訳。ぜんぜん進まず。ほんとにtime-consumingで いやになる。ジムに行って戻ってきたらD論の勉強をしよう。

真夜中

夜は某外人たちと一緒にカレー。 外人の方がよく日本映画を見ているので困る。

帰宅してから、ネットにつながらなくなったリブレットの調子を見る。 どうもWindows XP SP2を入れたことが原因のようだったので、 システムの復元を用いてSP2を入れる前にまで戻したところ、 つながるようになった。SP2、恐るべし。 あと、リブレットではなぜかSleipnirやQuickMenuが使えない。 いろいろ制限があるのはなぜだ。

倫理的問題って何だ?

Mr. D 「君は、 『倫理学とは倫理的問題について合理的に考える方法を教えるものである』 と言っとるようだな」

こだま「はい、そうです」

「まあ合理的はどうせ答えられないだろうから、 とりあえずおいておくことにして、最初の『倫理的問題』というのは、 どういう問題のことを指してるのか」

「倫理的問題は倫理的問題ですよ。それくらいわからないのですか」

「ああ、わからんね、すくなくとも明晰判明にはね。どうか君、 何も知らない愚かな老人にもわかるように説明してくれないか」

「倫理的問題というのは、そのですね、倫理的ジレンマのことですよ」

「それは言葉を言い換えただけで、ちっとも明らかになってないね。 もうすこし詳しく説明してくれないか」

「そうですね。倫理的問題というのは、 たとえばがん告知とか、エホバの証人の輸血拒否とかですね」

「う〜ん、わたしは倫理的問題の例を聞いているんじゃなくて、 定義を聞いてるんだけどね。まあ、それは置いておくとしても、 しかしそのがん告知やエホバの証人の輸血拒否の例というのは、 法的問題だと言われたらどうするのかね。たいていの資源配分の問題は、 経済的問題であると言われるかもしれんしな」

「ああ、そういうことですか。法的問題や経済的問題と倫理的問題はどう違うのか、 ということですか」

「そういうことだ」

「法的問題というのは、合法かどうかということですが、 合法だからといって倫理的ではない場合もあるますよね。 悪法の場合とか」

「まあ、直観的にはそうだと言っておこう」

「それに、 当局ではなく個人の視点からすると、法的問題というのは、 どうやったら訴訟を免れるかという話ですからね。 訴訟にならない行為が倫理的であるとは限らない、 というのは明らかな真理でしょう。 法というのは倫理の最小限なわけだから、ベン図を書けば明らかです」

「うん、まあその通りだとしておこう。経済的問題はどうかね」

「経済的問題ですか。そうですね。 経済学は効率を重視し、分配の正義を論じることは得意としませんので、 やはり、経済的には一番良い方策であっても、 倫理的とは言えないものがあるというのはやはり真理でしょう」

「うん、まあそれも直観的にはそうだな。しかし、 『経済的に一番良い方策こそ、倫理的にも一番良いのだ』 と言われたらどうするね」

「そういう主張こそ、経済学ではなく、 倫理的な立場を示すものでしょう。 それ自体は、効率を問題にする経済学そのものからは主張できません。 合法性を問題にする法律も同じです。 また、法律には不完全な部分もあるので、 その意味でも倫理的思考が必要だと言えます」

「それはどういうことかね」

「つまり、現行法の枠組ではどちらでも合法的でありうる行為がある場合、 そのどちらを選ぶかは、法の問題というよりは、倫理の問題だということです」

「しかし、なぜそのときは法ではなく倫理の問題になるんだね。 いずれも合法かもしれなくても、いずれかの法が違法になる可能性が高いとか、 そういう場合なら、やはりまだ法の問題ではないのかね。 …君の言っている話は、わかったようでまだよくわからんね。 というのも、倫理的問題は法的問題や経済的問題とは違うというだけで、 肝心の倫理については十分に定義してくれていないからだ」

「わかりました、定義してみましょう。 倫理的問題とは、どう行為すべきかとか、 制度のあるべき姿を問題にするような問いのことで、 たしかに行為や制度については経済的・法的考慮も入ってきますが、 それだけでは尽くされない問いのことです」

「『それだけでは尽くされない』ではよくわからんな」

「そうですか。わからないですか。 それならそれ以上言うことは今のわたしにはできません」

真夜中2

そういえば、久しぶりに総合図書館に行き、 貝原益軒の『養生訓』を借り出した。 「医は仁術なり」というくだりをちょっと調べる必要があったのだが (ネットでも見れるのだが、特定の出版社のもののページ数が知りたかったので)、 「人、生二十の者は四日に一たび泄す。 三十の者は八日に一たび泄す。 四十の者は十六日に一たび泄す。 五十の者は二十日に一たび泄す。 六十者は精をとぢてもらさず。 もし体力さかんならば、一月に一たび泄す」 というくだりを読んで受ける。エビデンスはあるのか。

その続きもおもしろい。 「気力すぐれて盛なる人、慾念をおさへ、 こらへて、久しく泄さざれば腫物を生ず。 六十を過て、慾念おこらずば、とぢてもらすべからず。 わかくさかんなる人も、もしよく忍んで、 一月に二度もらして、慾念おこらずば、長生なるべし」だって。 「とぢてもらさず」っていうのが笑える。

今日やること


10/Nov/2003 (Monday/lundi/Montag)

よく寝た。今日はモナシュ大学に行く日。そういえば、 日本の総選挙はどうなったのだろうか。

メルボルンは本当に天気が悪い。メルボルンに着いた日は曇り時々雨、 二日目も曇り時々雨、バッファロー山から戻って来た日は晴れ、 一昨日は快晴、昨日は曇り、今日も曇りのようだ。

真夜中

今日は朝、デヴィッドが迎えに来てくれて、 某氏と三人一緒に電車でモナシュ大学に行く。 正確には、モナシュ・クレイトン校へ行くには、 路面電車でフリンダーズ通り駅まで行き、 電車でハンチンデイル駅に行き、そこからバスに乗っていく必要がある。

現在はヒューマン・バイオエシックス・センターは哲学研究科と同じところにあり、 そこに行くとオークリー氏が待っていてくれた。 午前中からお昼をはさんで夕方まで、研究所の紹介をしてくれる。 資料もいろいろいただく。たいへんお世話になってかたじけない。 ここでもおみやげを買ってこなかったことが悔やまれた。

帰りはオークリー氏に市内まで送ってもらい、 それから某氏と歩いてギリシア通りに行き、 ギリシア料理を食べに行った。

帰宅してから少し某氏と勉強したあと、しばらく寝る。 夜中にもぞもぞと起き出して、パワーポイントを作成。 シャワーを浴びる。

明日は早朝に起きて荷物をまとめて、バスで空港に行く予定。 もう寝なければ。

振り返ってみると、あっという間のメルボルン旅行だったが、 いろいろな人のお世話になり、たいへん楽しく過ごすことができた。 感謝感激。この御恩は忘れません。 帰国したら真剣に研究します。


10/Nov/2002 (Sunday/dimanche/Sonntag)

お昼すぎ

お昼まで昏昏と寝てしまう。

産経、スーパーのレジ袋削減についての記事。 レジ袋は1枚2円ぐらいだそうだ。イズミヤは先月のキャンペーンのあと、 持袋率(じたいりつ?)が17%ぐらいになったそうだ。

夕方

[川のほとり]

天気が良いのでちょっと散歩。

持ち帰りの寿司屋で「かにづくし」を買い、 川のほとりで食べる。

喫茶店に行こうとするが、混んでいたので敬遠して戻ってくる。

ついでに、こないだ広島で撮った写真

最近はあまり写真を撮ることがなくなった。

真夜中

夜、買物に行き、鍋とカレーを作る材料を買う。今日はタラ鍋。 雑炊も作り、食べすぎて気分が悪くなった。明日も鍋。 明後日からはカレーの予定。

う、授業の準備をせねば。

机に向かっている時間…0hr
今日の勉強時間…0hr
マルクス係数…0


10/Nov/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

「『グローバル』という言葉は、 『国際的』という言葉とどの程度意味が異なるんでしょうか。 もしほとんど変わらないとしたら、 せっかくベンタムが作った『国際的』 という言葉を廃れさせないように努力しなければならないと思うのですが」

「いや、国際的とか国際化というのは、 あくまで国と国との交流のことを指すんでしょう、一般には。 しかし、グローバライゼーションというのは、国を超えたというか、 国民国家の枠組を無視したような交流のあり方を指してるんじゃないんですか。 もっとこう、国境がなくなって一つの世界になってしまうというような、 そんな感じの」

「はあ、なるほど」

真夜中2 (午前)

ちょっと河原にギターを弾きに行く。 今晩は先客がいて、 タンバリンをばしばし響かせながらキイキイ歌っている。 いや、けっして人のことは言えないが。

「♪グロ〜リアっ、GLORIAっ、グローリアっ」。ヴァン・モリソンいかす。

夜明け前

げ。某君と議論したりゆっくりしていたらもうこんな時間。 もうすぐ関倫に出るために大阪に出発しないと…。

猛烈な寝不足のまま、某阪南大学で開かれた関倫に出席してきた。 電車でゆられて約2時間。 午前中に発表を2本聞いた以外は、 『実践哲学研究』の販売作業をしたり、 発表会場で爆睡したりしていただけ。 明日はシンポジウムでもうすこし貢献するつもり。

懇親会は若手研究者がほとんど出席していなかったので寂しいかぎりだった。 この学会も過疎化が進み、 すでに老人人口が全体の約8割を占める高齢化学会と化して…、 いや、冗談冗談。 この日記を見ている研究者はちゃんと懇親会に出ましょう。 学生も容赦なくぼったくられますが(院生割引は認めるべきだと思う)、 一応唯一の社交の場なので。

明日も朝から行く予定。 会場はけっこう寒かったので明日は厚着していこう。

下宿に戻ったら今年春のUtilitasが届いていた。 今朝からの停電で落ちていたciceroも順調に復活している様子。


10/Nov/2000 (Friday/vendredi/Freitag)

リーズ

友人に会いにリーズに行ってきた。 8日の真夜中に深夜バスに乗り、 9日の早朝に到着。 武器博物館やリーズ大学を訪れたあと、 夕方にふたたびバスに乗り、ロンドンへ。 一日中市内を歩き回ったうえ、 バスではほとんど寝れなかったので、 戻ってきてから死ぬように眠る。 睡眠がたいへん貴重なものであることを再確認。

リーズで撮った写真の一部を掲載しておく。 今回も重いので要注意。

リーズメトロポリタン大学の中の古本屋で一冊本を購入。

法哲学の勉強

先日買った本の、ハート・フラー論争、 ドゥオーキンの『権利論』と『法の帝国』のところを読む。 ハート・フラー論争はまとまりが悪いが (というかフラーの「法の内的道徳性」の説明以外に内容がない)、 ドゥオーキンのところは比較的よくまとまっているようだ。

ドゥオーキンの主張は、 (1)既存の法律の適用が困難なケースにおいて裁判官が行なうのは 「新しい法の創造」ではなく、 社会的な文脈に照らした「法の発見」あるいは「解釈」であり、 そして、この解釈においては、 (2a)法の解釈において裁判官は社会の福利ではなく個人の権利に焦点を当て、さらに、 (2b)「公平」や「正義」という観点だけでなく、 law as integrityという観点からも考察しなければならない、 という三点にまとめられると思う。 integrityは「法の全体性(一貫性)」という意味だけでなく、 個々人を平等に取り扱うことなど他の意味も含まれているようで、 訳を付けるのがやっかいみたいだ。

(1)hard casesについて判決を下すとき、「法を新たに創造した」のか 「文脈に照らして正答を見つけだした」のかというのは不毛な議論の気がするのだが、 どうなんだろう。たとえば、「バナナはおやつかどうか」 という裁判が起きて、裁判官が「バナナはおやつです」と決定したら、 それは創造なのか発見なのか。どっちでもいい気がするけど、 まあどちらの回答をするかによって裁判官に多少の影響はあるのかもしれない。 (「バナナはおやつかどうか」という例は述べられていないが、 この手の話で有名な例は「公園に乗り物で入ってはいけない」 というただし書きがある場合、「三輪車は乗り物かどうか」 という問いにどう答えるか、というもの)

(2a)についてはなぜそうなのか理由がわからないので要勉強。 (2b)は意味不明。 ドゥオーキンのような権威者が主張したのでなければ、 ただちに闇に葬りさられていたのではないかと思うのだが、 まあもう少し勉強してみよう。


11/10/99 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

お昼過ぎ

昨日は一応、 第二演習で予行発表をさせてもらった。 3コマ目はサボらせてもらい、 4コマ目の途中から参加。 まだちゃんとできてなかったので、 よっぽど発表を中止しようかと思った。 が、関倫で恥をかくよりはましだろうと思い、 4コマ目の某氏の発表の後に発表した。

発表はさんざんで、 疲れていたせいか質問もあまり理解できない。 とにかくまだまだやるべきことが多いことがわかった。 関倫まであと数日がんばらねば。

それから倫理学史読書会。アクィナス、中世神秘主義。 シジウィックの説明が通りいっぺんのものであるせいか、 あまりおもしろくない。

読書会後、 たまたま新館の入口で会った某君も含めて、 某所でスパゲティ。 1時間半あまり楽しく食事する。

食事後、まっすぐ下宿へ。 風呂にお湯を入れているあいだに寝てしまう。 真夜中に起き、本を読んだり風呂に入ったりする。 夜明けごろに再び眠る。

お昼に悪夢に起こされる。 よく寝たが、時間的にはそれほど寝たわけではなかったようだ。 洗濯物を入れ、賞味期限が切れた牛乳をコップ2杯分飲み切り、 大学へ。 来る途中、某喫茶店に行くと満員だった。後でまた行こう。


そういえば、帰納、某君から古本をまた一冊もらった。 某君は親切なり (第二演習には来なかったけど)。

Amazon.comからSabineの古本が見つかったとメイルが来ていたが、 高かったので断わった。すいません。


夕方

農学部図書室へ初めて行く。 北部構内の建物はほとんどが理学部のものであるようだ。 どこか総人のA号館を思わせる農学部の建物の中をしばらくさまよい歩く。 どこの部屋でもみな白衣で試験管をいじっている。

しばらく探したが図書室が見つからない。 そこでよくよく案内図を見ると、 2階にあることがわかった。 図書室に入り、司書の方に頼んで書庫にある本を取ってきてもらう。 しかし、どうも他学部の学生でも自由に書庫に入れるようだ。 文系の図書室とは違い、 本に対して余計な執着がないように見える。

それから某書店へ。 図書館で借りた3冊の本を裸で持って入ったので、 そのまま手ぶらで出ると、 出るときに何か言われるんじゃないかと思い、 買いたい本をどうにか見つけだし、一冊購入。無駄づかい。

そのあと某喫茶店に行きミックスサンドのセット。サンデー。 H2が終わり。

夕方に情報研へ。 某師匠にお願いして、 emacsの不具合を直してもらう。感謝。

腹を壊す。牛乳のせいか。


ああ。勉強しないうちにもう日が暮れてしまった。

明日おれが生きてるかって?
う〜ん、わからないなあ
明日おれが生きてるかって?
ちょっとわからないよ
だけどはっきりしてることは
今日のおれは生きてないってことさ

Jimi Hendrix, I DON'T LIVE TODAY

ジミヘンの言うとおり、 「なんてこった、こんな風に時間を無駄に費すなんて」。

前回の練習のときに録音したMDをテープに落としたものを (悪文だ)、 ドラムのやつに渡す。それからルネに行って少し本を買う。 科研費がそろそろ底を突く。

昨日から左肩が凝って仕方ない。 肩が凝るなんて珍しいのだが。


11/10/98(Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中

勉強中。忙しい。


勉強一段落。疲れた。

さて、 これから倫理学入門読書会の担当分の訳を作り、 科哲の復習+予習。 修論のことはとりあえず忘れよう。 早く済ませて少し寝なければ。


倫理学入門読書会の訳を作成。 `pragmatically necessary'という表現の訳出に悩む。 専門的な用語なのだろうか?

採用されたら研究室に還元します。 商品券も配布します。→学振


倫理学研究室のソファで3時間ほど爆睡。 さあ、科哲の予習。


某君がWEB日記をやめる模様。 恐れていたことが。

実は、 某君が某師匠に勧められてWEB日記を始めたとき、 「これで彼も倫理学(研究室)にしがらみができて、 抜け出すことができなくなったな。しめしめ」 と密かに考えていたのだが、 予想が甘かったようだ。

某君がWEB日記をやめる決意をする引金となったのは、一つには、 「科哲に移ったら」という(これまた)某師匠の忠告なのだろうが、 まあ、某師匠は本人のためを思って言ったんだろうし、 またその忠告も某君の適性を考慮するとおそらく正しいので、 あまり文句も言えない。 惜しい人材だが、仕方がない。

ただ、某君が某学会の某シンポジウムのレベルの低さにがっかりして、 倫理学に愛想を尽かした、というのは非常に残念である。 それではまるで、京大を見学に来て、 文学部東館のトイレの汚なさを見て京大に失望するようなものではないか。 (いや、おそらく倫理学に対して失望した理由は他にもいろいろとあるのだろうが)

ま、おれは、 もしだれかが「現在の倫理学の大半は文学部東館のトイレか、 (京大)西部のサークルボックスのトイレのようなものだ」と主張しても、 あえて反対しない。おそらくそうなんだろう。 しかし、「だから、倫理学に未来はない」という主張には、 少なくとも今はまだ同意できない。 先が見えていないと言われればそれまでだが。

……。というわけで、某君には、日記をやめてしまう前に、 「わたしはいかにして倫理学をくだらないと思うに至ったか」 について赤裸裸に書き殴ってほしいものである。

あ、いかんいかん、こんなことをしてる場合ではなかった。


お昼

朝、喫茶店でモーニング。 それから科哲の授業。 難しくてよくわからん。


夕方

3コマ目の文化理論と倫理学、 および4コマ目の第二演習に出席。疲れた。

休憩時間に哲閲に行って本を借り出す。


真夜中

授業のあと、 しばらく某E研でうだうだ。 それからゲーセンに少し行く。 スーパーが閉まる時刻になってしまったので 自炊は断念して某定食屋へ行き、独りで夕ごはん。 その後また某E研に戻ってきて、椅子の上で仮眠。

さ、勉強勉強。


11/10/97(Monday/lundi/Montag)

記載なし。


11/10/96

記載なし。


Satoshi KODAMA
email: satoshikodama-tky[at]umin.ac.jp
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Last modified: Sun Nov 27 16:51:30 JST 2016