(こうぞうしゅぎ structuralism)
非常に抽象的に言えば、多くの個体(a, b, c,...)からなる集合体を研究するさいに、 個々の個体(a, b, c,...)ではなく、個体と個体のあいだに成り立つ関係、 および全体の構造を重視する立場。 言語学で言えば、個々の単語をその語が用いられている文脈や状況によって 理解しようとし、社会学で言えば、社会を理解するのに個人ではなく 個人を取りまく構造に照準を合わせて理解しようとする立場。
もともと言語学(ソシュール)や文化人類学(レヴィ=シュトラウス) などが言語や人間関係や神話が持つ構造の研究について使い出したのが始まりだが、 20世紀半ばからは哲学全体に広まった。 フランスでは、個人に重きを置く実存主義が、 個人は社会構造によって動かされる単なるコマに過ぎないと考える構造主義の 立場から批判され、衰退した。 しかし、構造主義自体も、次世代のデリダやドゥルーズやフーコーといった ポスト構造主義の連中によって 批判されることになる。
01/Jul/2003