(きげん origin)
起源や第一原因に対する関心というのは非常に強いもののようで、 「わたしはどうやって生まれたの」とか「世界(宇宙)はどうやって生まれたの」、 「人類はどうやって生まれたの」(ダーウィン)とか 「言語はどうやって生まれたの」 (たとえばヘルダーやルソーの言語起源論)、 さらに「国家はどうやって生まれたの」 (社会契約説、王権神授説など)とか 「不平等はどうやって生まれたの」(ルソーの不平等起源論)や、 「道徳はどうやって生まれたの」(ヒューム、 ニーチェ、 マルクス)にまで至る。
しかし、奴隷制度の起源がわかったからといって奴隷制度が 正しいことにはならないように、 起源がわかることは現在に至る経緯がわかることにすぎず、 現在の状態が正当化されるわけではない。 伝統主義者ならそう言いたいだろうけれども。
28/Dec/2002