(してきゆいぶつろん historical materialism)
マルクスの用語。唯物史観。
ヘーゲルは歴史とは世界精神が展開していくことであると考え、 精神(観念)と対比される人間活動の物質的な側面(たとえば経済)は世界精神の「外化」 にすぎず、本源的なものはあくまで精神(観念、理念)だと考えた。
それに対してマルクスは、 このような抽象的な人間から始める議論はでっちあげだと一蹴し、 物質的側面こそが本源的なものであり、 歴史を発展させるものは生産様式(経済のあり方)だとした。 (ここには実証主義の影響が見られる)
マルクスはこの考えを『ドイツ・イデオロギー』で展開している。 エンゲルスの『フォイエルバッハ論』(岩波文庫)がわかりやすい。
23/Dec/2002