(こうふく happiness)
eudaimonia happiness. Alternative translations: `flourishing'; `well-being'. A broad term, roughly equivalent to `whatever makes a human life good for the person living it'. Happiness must not be understood to be a contented state of mind, as in, `I feel happy today.' The Greek eu means `well', and daimon `fortune', which accounts partly for Aristotle's occasional readiness to use the word `blessedness' (makariotes) instead of `happiness' and for the discussion of the relation between happiness and fortune at the end of book I.
---Roger Crisp
今日の人間は幸福について殆ど考えないようである。 試みに近年現われた倫理学書、とりわけ我が国で書かれた倫理の本を開いて見たまえ。 只の一個所も幸福の問題を取扱っていない書物を発見することは諸君にとって 甚だ容易であろう。かような書物を倫理の本と信じてよいのかどうか、 その著者を倫理学者と認めるべきであるのかどうか、私にはわからない。
---三木清
「身をささげるものが何もないというのは何という欠乏を感じさせるものだろう。幸福とは独立性にあると一見思われるかも知れないが、実際はそのさかさまなのだ。」
---ユージェニー・ド・ゲラン
現在の倫理学で問題にされない話題の一つ。
「幸福とは何か」という問いがあまり問題にされない原因は、 「幸福の内容は人それぞれ」という善の複数性、 あるいは多元主義が主流だからと思われる。 善の構想、 功利主義の項も参照せよ。
というわけで、幸せとは何か、ということが気になる人は、 現代倫理学をやるよりは、 ギリシアやローマの哲学者の著作を読んだ方がよい。 エピクロス派やストア派の思想がお勧め。
03/Jun/2001
上の引用は以下の著作から。