多元主義

(たげんしゅぎ pluralism)

It is a good thing to demand liberty for ourselves and those who agree with us; it is a better and rarer thing to give it to others who do not agree with us.

---F.D. Roosevelt


一般に、基礎的な要素は一つに還元できないと主張する立場のこと。 多元論。複数主義。

たとえば、万物は火、水、土、風の四つの要素でできており、 これ以上単純な要素に還元することはできないと主張するなら、 多元主義(多元論)を唱えていることになる。 これに対して、万物はすべて水に還元できると主張するなら、 一元論(monism)を唱えていることになる。

倫理学において多元主義と言えば、 (1)善い生き方(善の構想)は 一つではなく、多数存在し、 それゆえ寛容が重要であるとする立場か、 (2)幸福は快に還元することはできず、 われわれは快以外にも多数の目的(たとえば徳、自己実現など)を追求していると する立場を指すことが多い。 (1)の多元主義は、 多数の文化の共存を支持する多文化主義(multiculturalism)の 基礎にある考え方である。

03/Jun/2001


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Jan 28 03:36:55 JST 2000