目的因

(もくてきいん final cause)

You still don't understand, Jack. The beauty of it. A bomb is made to explode; that's it's meaning, its purpose. Your life is empty because you spend it trying to stop the bomb from becoming.

---Fisk (Dennis Hopper) in Speed

`It is demonstrable,' Pangloss would say, `that things cannot be other than they are. For, since everthing is made for a purpose, everything must be for the best possible purpose. Noses, you observe, were made to support spectacles: consequently, we have spectacles. Legs, it is plain, were created to wear breeches, and are supplied with them.'

---Voltaire, Candide, Wordsworth Classics, 1999, p. 2


アリストテレスが唱えた四原因の一つ。 今日のわれわれからすると非常に理解しにくい考え方なのだが、 たとえば、 「机は何のためにあるのか」と訊かれて「その上で字を書くため」 と答えたとすると、「その上で字を書くこと」が目的因と呼ばれる。 この例からわかるように、 ある物が存在する理由(「〜のために存在する」)を目的因と言う。 そこで、「世界は何のために存在するのか」と尋ねる人は、 世界の目的因を訊いていることになり、 こういう人は目的論的世界観を とっていると言われる。

他の三つの原因については 作用因の項を参照せよ。

ところで、よく言われる「大工が家を作る例」においては、 目的因と形相因は一致するようだ (すなわち、大工の頭の中にある完成した家の姿)。 (05/12/99)


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Jan 28 06:55:57 JST 2000