ブラックバーン

(ぶらっくばーん Blackburn, Simon)

本屋に置いてある通俗な倫理学書のほとんどは、 次のいずれかの種類のものである。 一つは、心の温まる話--魂の慰めと高揚とを混ぜ合わせた、 ベタベタしたお菓子の箱詰め--を 提供するものである。もう一つは、 神経科学者、生物学者、動物行動学者、進化論学者の いずれかの専門の生命科学者によって書かれたものである。 彼らは、人間がみな何らかの種類の存在であることが 「科学」によって証明されたことを伝えようと躍起になっている。 (中略)われわれは仮面を剥がされる。 [彼らによれば] 人間は「プログラム」されているのだ。 われわれは利己主義者であり、利他心は存在せず、 倫理は単に利己的な戦略を隠すためのイチジクの葉にすぎず、 われわれはみな条件付けられており、 女性はみな世話好きであり、男性はみなレイプ好きであり、 われわれは何よりもまず自分の遺伝子を気にかけている。

---サイモン・ブラックバーン


現在一線で活躍中の英国の分析哲学者、倫理学者。 ブラックバーンの本の裏表紙などを参考にしてまとめると、次のようになる。

ケンブリッジ大学で哲学を専攻し (ムーア研究者のCasemir Lewyに 指導してもらっていたそうだ)、 現在は同大学の哲学教授。 それまではノース・キャロライナ大学のチャペル・ヒル校で哲学教授を勤めていた。 1969年から1990年まではオックスフォードのペンブルック・カレッジに フェロー兼チューターとして所属していた。 主要な著作として、Spreading the Word (1984), Essays in Quasi-Realism (1993), The Oxford Dictionary of Philosophy (1994), Ruling Passions (1998), Truth (Keith Simmonsと共同編集, 1999), Think (1999), Being Good (2001), Ethics (2003)などがある (なお、Being GoodEthicsは同一の内容なので注意。)。 また、1984年から1990年までMindの編集者であった。

彼のメタ倫理学的立場については、 準実在論の項を参照せよ。

13/Oct/2003


参考文献


上の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Tue Jul 6 10:38:10 JST 2004