この度、第18回日本栄養改善学会近畿支部学術総会を2020(令和2)年3月15日(日)、近畿大学農学部(奈良県奈良市)にて開催する運びとなりました。日本栄養改善学会は「栄養学と研究の強い結びつき」が大切であると考えています。研究は実践のためであり、実践は研究成果を活用する場であると同時に、次の研究課題を発見する場でもあります。その両者を担う学会員が集まる場として、令和初の近畿支部総会を奈良の場で開催できることを大変光栄に存じております。
本会のメインテーマは、「SDGs〜持続可能な食の未来を目指して〜」です。 SDGs(持続可能な開発目標)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標 (MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択され、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2016年から2030年までの国際目標です。SDGsは先進国・途上国全ての国を対象に、経済・社会・環境の3つの側面からバランスが取れた社会を目指す世界共通の目標として、17のゴールとその課題ごとに設定された169のターゲット(達成基準)から構成されます。それらは貧困や飢餓から環境問題、経済成長やジェンダーに至る迄の広範な課題を網羅しており、豊かさを追求しながら地球環境を守り、そして「誰1人取り残さない」ことを強調し、人々が人間らしく暮らしていくための社会基盤を2030年までに達成することが目標とされています。
本会の開催地であります近畿大学農学部は誕生してから60有余年にわたり、食料・環境・生命・健康・エネルギーというキーワードで持続的な開発(SDGs)を続けてきました。そこで教育講演では、我が近畿大学が世界に先駆けて実現したクロマグロの養殖について農学部水産学科・水産研究所の澤田好史先生をお招きし、「持続可能なクロマグロの養殖― 完全養殖―」と題し、ご講演を頂きます。またシンポジウムでは、本会のメインタイトルでもあります「SDGs〜持続可能な食の未来を目指して」をテーマに、再生可能な培養基材を利用した環境負荷を低減したキノコ栽培について白坂憲章先生(農学部応用生命化学科)に、エネルギー問題の解決に向けたユーグレナの有効活用について田茂井政宏先生(農学部生物機能科学科)に、また大学・地域連携を通じた農業・食品産業の活性化について大石卓先生(農学部農業生産科学科)に講演をお願いしました。SDGsの達成には分野を横断した連携する力が必要不可欠です。是非、このシンポジウムを通じて持続可能な食の未来を目指す為のヒントを探してみてください。
また一般講演では管理栄養士・栄養士養成課程のみならず現場の方々の幅広い分野からのご参加をお願いいたします。本総会が有意義なものとなりますよう関係者一同開催にあたり鋭意努力してまいりたいと存じます。なお懇親会では教育講演でご紹介させて頂く「近大マグロ」他、各種近大産養殖魚を実際に食べて頂けるよう準備を進めております。皆様のご支援と多数のご参加を心からおまちしております。
〒631-8505
奈良県奈良市中町3327-204
近畿大学農学部食品栄養学科内
第18回日本栄養改善学会
近畿支部学術総会事務局