会長挨拶

第41回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会を2023年11月24日~25日にホテル日航奈良(奈良市)で開催させていただくこととなりました。歴史ある本学会を開催できることを大変光栄に思っております。会員の皆様に心から感謝申し上げます。

本学会は1983年11月に麻酔・集中治療コンピュータ研究会として発足し、その後、現在の名称に変更して活動を行ってきました。麻酔・集中治療の領域での安全で質の高い医療を提供するためには、テクノロジーの進歩は必須であり、本学会のこれまでの歴史を踏まえ、今後この領域の発展に大きく寄与できるものと考えております。

今回のテーマは、「新時代の医療とテクノロジー」とさせていただきました。麻酔法やモニタリングなどの医療機器の進歩のほか、働き方改革に向けたAI戦略なども必須の課題であります。新たな医療技術などについて、企業の皆さんとの情報共有を含め、麻酔・集中治療領域の発展に貢献できればと思います。

医療の未来像として、医療分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた医療サービスの効率化・質の向上を実現は、患者さんだけでなく医療スタッフにも重要な恩恵があり、今後が期待されています。特別講演1として、その奈良先端科学技術大学院大学・先端科学技術研究科 荒牧英治先生に「医療DX:医療テキストの臨床応用の可能性」のご講演をお願いしております。また、特別講演2として、国立循環器病研究センター 予防医学・疫学情報部 尾形宗士郎先生に「AI・機械学習を活用する疾患の発症予測と予後予測 - 利点と困難点 -」のご講演をお願いしております。今後の医療像の一端に触れることができる重要なテーマとして楽しみにしております。

当初、建国の地とされる橿原市で開催の予定でしたが、観光客の増加が著しく、十分な宿泊施設や学会環境の整備が困難と判断し、奈良市での開催に変更させていただきました。橿原市への訪問を楽しみにされていた会員の皆様には心よりお詫び申し上げます。より交通の便がよい奈良市での開催で、皆様にお楽しみいただけるよう準備したいと思います。新型コロナ感染症も終息に向かっていますので、会員間の交流と活発な議論が行われる事を期待しております。懇親会も実施できればと考えております。奈良の地で、未来の医療を感じることができるひと時を皆様と共有できることを楽しみにしております。 多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

第41回日本麻酔・集中治療テクノロジー学会
会長:川口 昌彦(奈良県立医科大学麻酔科学教室 教授)