水イボという皮膚感染症をご存知ですか。 
											     ウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)による皮膚への感染症で、比較的感染しやすいものです。臨床は、図1のようなもので、お饅頭のような小結節が多発して、注目すべきは中に陥凹がみられることです(図2)。皮膚常色のことが多く、やわらかく、圧すると粥状の物質が排出されます。 
											     大きさは、米粒大前後でしょうか。時には大きくなることもあります。 
											     大人になると免疫ができて感染しなくなりますが、およそ小学校高学年までは感染の可能性があります。 
											     水イボが疑わしい時には皮膚科を受診し、なるべく少ないうちにつまみ取ってもらうことをお薦めします。3個以下なら痛くなくあっという間に取れます。皮膚科医は、速やかに適切に取ってくれるはずです。ほっておくとどんどん増えてしまいますよ。 
											     小児科医の先生の多くは、水イボをとることにやや消極的です。「いずれなくなります」、とか、「ほっておいてもかまいません」という説明が多いようです。 
											     皮膚科としては、少ないうちに取ることを提案しています。私は近所の小児科の先生と、水イボの処置が必要な時にはぜひ紹介してくださいとお話しています。水イボを取るのに慣れない小児科の先生も安心して紹介してくださって良好な治療を行っています。 
											     繰り返しますが、水イボのようなものを見つけたら、皮膚科を受診してください。できるだけ少ないうちがよいでしょう。免疫ができていずれ無くなるというご意見も正しいのですが、相当に長期にわたります。その間に水イボが多発してしまいます。小児科の先生にもそのことを相談してみたらいかがでしょうか。 
											     なお水イボの治療には、つまみ取る方法以外にもいくつかの治療法がありますが、ここでは触れません。症状に応じて皮膚科医が適切な治療をしてくれるはずです。 
											    水イボは少ないうちに皮膚科で処置してもらいましょう!  
											    註)写真は日野治子先生(関東中央病院)よりご提供いただきました。 
(群馬県支部 服部 瑛) 
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