がん医療フォーラム 出雲 2017/がん患者と家族を支える在宅療養について考える
開演あいさつ
今田 敏宏さん
皆さん、こんにちは。今日はお休みのたいへんお忙しい中、「がん医療フォーラム出雲2017」に足を運んでくださり、ありがとうございました。私は島根県立中央病院総合診療科で緩和ケアチームのリーダーをしております今田敏宏と申します。よろしくお願いいたします。
まず、がん医療フォーラムがなぜ出雲で開催されるに至ったか、少し紹介させていただきたいと思います。私は「出雲いのちをみつめる市民の会」の一員として活動をしておりまして、その中で「いきかたカフェ」というものを月1回開催しています。「いきかたカフェ」は「この世界からあちらの世界への逝き方を考える」ことによって、「今現在、私たちがここで生きている生き方について考える」という、たいへん楽しい会です。
その会話の中で、よく「在宅医療」という話が出てきます。在宅医療と言われると、皆さん、どういう印象を受けるでしょうか。「大変なのではないか」「よくわからないから不安で病院にお任せしたい」というようなことが、よく聞かれます。
一方では、最近テレビや雑誌などで、有名な方が在宅医療を受けて最期まで過ごされたということが話題にのぼったりします。在宅医療は大変ですけれども、やはり在宅医療にしかない大切なものが、そこにはあるということが言われています。
そこで、よくわからない在宅医療について皆さんに知っていただく機会があったらよいのではないかと考えて、在宅医療の普及啓発活動をされている方をお探ししました。そして今日、県外から来てくださった渡邊清高さん、河原正典さんという、がん医療フォーラムを全国で開催されている方をお招きすることができまして、開催に至ったという次第です。
本日のフォーラムの全体の流れをお話します。まず第1部で3人の方々に在宅医療について講演していただきます。在宅医療というのは情報が大事であり地域づくりが大事、そして在宅医療の現場を皆さんに知っていただくことが大事です。そのお話を聞いていただく間、皆さんのお手元にある黄色の質問票に記入していただき、15分の休憩の時に回収します。
第2部では在宅医療推進に向けて積極的に取り組んでいらっしゃる内容についてお話しいただき、また実際に在宅医療を受けてご家族を最期まで看取られた貴重な体験をお話しいただきます。その後、ご登壇いただいた方々に、皆さんからいただいたご質問についてディスカッションをしていただきます。
2時間半にわたる長い時間ですけれども、皆さんと一緒に在宅医療とはどのようなもので、どういうところに気をつけるべきなのかを学んでいきたいと思います。どうぞ最後までよろしくお願いいたします。