カマグラの成分
ED(勃起不全)治療薬バイアグラのジェネリックである「カマグラ」の有効成分は、同じく「シルデナフィルクエン酸塩」。
カマグラの主成分であるシルデナフィルは、勃起を阻害する物質「5型ホスホジエステラーゼ(PDE-5)」の作用を抑制し、勃起に必要な環状グアノシン一リン酸の分解を抑える働きがある。
さらに、陰茎付近の血管を拡張させ海綿体の筋肉の弛緩を促進する。結果、勃起に必要な血液が充分に集まり、強く持続力のある勃起状態の維持が可能になる。
カマグラを製造販売しているのは、インドのムンバイにある製薬会社の「アジャンタファーマ」。(アジャンタファーマ公式サイト)
カマグラはバイアグラ(ファイザー製)の特許が切れる前に製造されていたことから、正確にはジェネリックというより製法特許だけを取得しているインド製の「コピー」という位置づけとなっている。
カマグラの効き目
カマグラの用量には100mgのものと50mgがあるが、日本人の体には25mg〜50mgで十分に効き目が現れる。成人がシルデナフィルを1日に使用できる量と同じ。100mgのものであれば、半分以下にカットして服用する必要がある。
カマグラの効き目を最も引き出す方法は、「空腹時に多めの水で服用する」こと。食後に服用してしまうと体が成分を十分に吸収できず、効き目が弱くなってしまうのだ。服用前に食事をする場合には脂肪分の少ないメニューにし、量も少なめにしておく方が無難。
薬の効き目は服用後1時間ほどで現れ、その後は、5〜6時間ほど持続する。ただし、カマグラを服用しただけで勝手に勃起する訳ではない。性的欲求があった上で性的刺激がなければ勃起は起こらない。ED治療薬は勃起をサポートする薬ということになる。
カマグラの副作用
カマグラの副作用は以下の通り。
血管拡張作用 | 鼻づまり・頭痛・血圧低下・のぼせ・動悸・胸痛・胸部の圧迫感など |
---|---|
眼の異常 | 痛み・結膜炎・視覚の異常 |
腹部の異常 | 吐き気・腹痛・消化不良 |
その他 | 勃起の持続 |
カマグラの副作用には成分の同じ先発医薬品バイアグラと同様、鼻づまり、血管拡張作用による頭痛やのぼせ、血圧低下や眼の異常などがある。さらには、持続的な勃起も報告されている。めまいや視覚の異常が起こることがあるため、車の運転・機械の操作には注意が必要。
軽微な副作用であれば、薬の効果が薄れるタイミングで症状も次第におさまるが、一定時間が経過しても副作用の症状が続く場合は医師への相談が必要。
以下の項目に当てはまる人は、カマグラの副作用に特に注意するべき。
【カマグラを服用できない人】
- 過去にバイアグラに含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人
- ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビドなどの硝酸剤、アミオダロン塩酸塩などを使用している人
- 心臓に障害があるなど性行為に適さない人
- 肝臓に重い障害がある人
- 低血圧・高血圧の人
- 最近 6 ヵ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞をおこしたことがある人
- 網膜色素変性症の人
【カマグラの使用に注意する人】
- 屈曲、陰茎の繊維化など陰茎の構造に欠陥がある人
- 白血病など血液の病気のある人
- 多系統萎縮症の人
- PDE5阻害薬や他のED治療薬を服用している人
- 血管や血小板の異常、消化性潰瘍などがある人
- 65歳以上の高齢の人
- 腎臓に重い障害のある人
- 肝臓に障害のある人
- α遮断剤を使用している人
重篤な副作用を防ぐため、ニトログリセリンなどの硝酸剤、アミオダロン塩酸塩、降圧剤、他のED治療薬など併用禁忌となっている医薬品の服用は避ける。健康に不安のある人、特に65歳以上の高齢・肝臓や腎臓に障害がある場合には1/4にして服用、初回の使用では医師に相談するなどが必要。
併用禁忌となっているのは医薬品だけではない。カマグラとグレープフルーツジュースとの併用にも要注意となる。これらを一緒に飲むことで効果が過剰になり、効き目が長くなる一方で副作用も長時間持続することになる。グレープフルーツジュースに含まれる「フラノクマリン」という成分が、カマグラの有効成分であるシルデナフィルが代謝されるのを阻害してしまうことが理由。
カマグラ通販
カマグラは通販で手に入れることが可能。ただし、国内の通販サイトでは取扱いしていない。Amazonや楽天などの有名通販サイトでも注文することはできない。
個人輸入代行サイトを利用すれば、カマグラ通販が唯一可能となる。
通販でカマグラを入手するメリットは主に2つ。
- 価格が安い
- 医師の処方せん不要で自由に購入できる
カマグラはバイアグラの成分(シルデナフィル)を使用している薬であるため、薬価が非常に安い。加えて、海外通販サイトではまとめ買いでさらに単価が安くなる仕組みになっている。
カマグラ通販では、医師の処方せんなしでの注文が可能。海外製品であっても一定の範囲内であれば、医師や薬剤師から薬の情報提供を受けなくても個人輸入することが可能になっている。
ただし、個人輸入通販のED治療薬には偽物も含まれるため、注意が必要。
カマグラの購入方法
現在のところ、国内でカマグラを購入する方法は、「個人輸入を利用することのみ」となる。
国内のクリニックでカマグラを処方してもらうことは不可。インドで製造・認可されているジェネリックED薬だが、日本では未承認のためカマグラを取扱っている医療機関はない。
未承認の医薬品を個人輸入で購入し服用することには大きなリスクが伴う。国内承認済みの医薬品であれば、副作用が起きた時には、その程度により手厚い補償を受けられる(参照:Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」 )。
一方、未承認薬を服用して健康被害を受けた場合には何の補償も受けられない。さらには、海外から輸入された医薬品が本物であるという保証もない。全ては自己責任での購入となるのだ。
バイアグラのジェネリックは国内の大手製薬会社も製造・販売している。以下のシルデナフィル製品は医師の処方せんが必要となるが、診察を受けた上で適量を処方されるため安心して使用できる。もちろん、副作用により健康被害を受けた場合にも、救済制度を利用して給付金を受取ることが可能。
- シルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」(東和薬品)
- シルデナフィル錠25mg/50mgVI「FCI」(富士化学工業株式会社)
- シルデナフィル錠25mg/50mgVI「キッセイ」(キッセイ薬品工業)など
ED治療でバイアグラのジェネリック(シルデナフィル製品)を購入するのであれば、偽物の不安を拭えないカマグラよりも、国内承認のジェネリックを選択することをおすすめする。
安心安全に使用できるだけでなく必要な時、すぐに手に入るのも処方せん薬の大きなメリット。カマグラの場合、シンガポールや香港などから発送されることが多く、注文から到着まで時間がかかるデメリットも存在する。
カマグラの価格
インドのムンバイに拠点を置くアジャンタファーマでは、数種類のカマグラを製造・販売している。それぞれのカマグラシリーズの価格は以下のような相場となっている。
カマグラ製品 | 1錠あたりの価格 |
---|---|
カマグラゴールド(50r) | 460円 |
カマグラゴールド(100r) | 460円 |
スーパーカマグラ160mg | 487円 |
カマグラゼリー100mg | 400円 |
カマグラチュアブル 100mg | 385円 |
カマグラ発泡錠100mg | 392円 |
ラブグラ(女性用バイアグラ)100mg | 287円 |
カマグラゴールド50r・100r
カマグラシリーズを代表するのが「カマグラゴールド」。青緑色の大きな菱形の錠剤が特徴の経口投与の錠剤タイプ。
バイアグラや日本のジェネリックにはない100rのものが主流となっているが、日本人には多くても50rまでの量しか推奨されていない。半分以下にカットしての服用となる。
スーパーカマグラ160r
スーパーカマグラは、勃起不全の治療薬としてシルデナフィルに、早漏に効く有効成分「ダポキセチン」をプラスし、1錠で勃起と早漏の2つの悩みを解消する薬剤となっている。
スーパーカマグラの用量はシルデナフィル100mg、ダポキセチン60mgとなっているため、半分に切ってシルデナフィル50mg、ダポキセチン30mgとして服用するのが望ましい。
カマグラゼリー100r
カマグラゼリーには、ライチ、グアバ、キャラメル、ラズベリー、キウィ、いちじく、グリーンアップルの7種類のフルーツ味がある。フルーツ味のため、飲みやすい、水無しでも服用しやすいのが人気となっている。
初めは半分の量から試すのがおすすめだが、ゼリータイプであるため早い場合では15分で効き始めるケースもあるようだ。
カマグラチュアブル 100mg
カマグラチュアブルは、イチゴ・オレンジ・バナナ・パイナップルと、4つのフレーバーが各1錠づつ入った商品。カマグラゼリーと同じくフルーツ味となっている。
水不要であり、口の中で溶かす、あるいは噛み砕いて服用することができるため、場所を選ばず簡単に飲めると人気。
カマグラ発泡錠100mg
カマグラ発砲錠は、コップ1杯の水に錠剤を入れて溶かして飲む発泡剤タイプとなっている。商品名は「KAMAGRA Effervecent」。オレンジ味となっているため飲みやすく、水に溶かすため相手にも気づかれにくいと評判。
発砲タイプであり水にすっと溶けるため効き目の早さも期待でき、服用後30分で効いたとの報告もある。
ラブグラ(女性用バイアグラ)100mg
シルデナフィルを主成分とするカマグラには女性用も存在している。
シルデナフィルは男性の勃起力に作用するだけでなく、女性器での分泌液の欠如、性感刺激ホルモンの低下などを阻害する酵素PDE-5(5型ホスホジエステラーゼ )を抑える作用もある。
服用による効果によって女性器周辺の筋肉が弛緩されて血管が拡張する。その結果、血流が良くなり女性器周辺が敏感になり性的刺激を受けやすい状態となる。
(→女性用精力剤ラブグラの効果や副作用・通販購入の現状)
ラブグラは男性のED治療用と同様に国内未承認薬。クリニックや薬局での購入は不可であり、副作用に対しても自己責任となる。初めて使用する場合は半分にカットして服用するのがおすすめ。
カマグラと国内承認薬の価格を比較
国内承認のファイザー製バイアグラ1錠あたりの価格は、25mgのものが1,300円、50rのもので1,500円と高額。国内の大手製薬会社が販売しているジェネリックについては、50rのもので1,000円前後が平均となっている。
メーカーによってはコーヒー味やレモン味などのフレーバーで水無しでも服用可能なジェネリックも存在する。とは言え価格だけで言えば、カマグラシリーズの場合、国内ジェネリックの1/2以下の値段であり、経済的負担が軽い分、魅力を感じることだろう。
ただし、海外製品には偽物もあることを考えれば、価格が高めであっても流通ルートが確立されている承認済みのED治療薬を選択するべき。