日本内経医学会 | Japan Daikei -Huangdi's Inner Canon- Medicine Study Group

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寄贈本

当会に寄贈していただいた本の情報と、 掲載できる書評・感想をまとめています。

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日本内経医学会に寄贈していただいた本や、必要に応じて購入した本を紹介します。当会と関係が深く、寄贈していただいた本をご紹介します。

寄贈本
当会と関係が深く、寄贈していただいた本をご紹介します。

扁鵲別脉――反思中国早期医学的歴史
著者:李建民
発行:社会科学文献出版社
発行日:2020年
体裁:
価格:
寄贈日:2021年7月12日
書評・感想:『内経』誌からの引用について

本書は、早期医学史の研究方法と、特に老官山医書について研究したものである。
李建民氏は、台湾大学歴史学博士であり、また台北中央研究院歴史語言研究所研究員である。著作には、『発現古脉-中国古典医学与数術身体観』『従中医看中国文化』などがある。2002~2003年、東京大学大学院人文社会系研究科客座副教授であったこともあり、日本の研究者とも親密な交流がある。当会会員とも個人的なつながりがあり、また会誌も贈呈している。本書でも、日本の研究成果、特に当会会員の研究成果を参考にした箇所が散見され、李建民氏のアンテナの広さには圧倒される。
本書後半は老官山医書についての研究である。老官山医書は、我々にとっては未知の、謎の多い、そして一日も早くその全貌を知りたい出土文献である。その一端を知ることができるため、読み進めるのが大変楽しみな一書である。
(米谷和輝)
『易の実践読本』
著者:小林詔司
発行:静風社
発行日:2019年12月5日
体裁:B6版203ページ
価格:1400円+税
寄贈日:2019年11月11日
書評・感想:
気とはなにか その意味を探る
著者:黒田俊吉
発行:たにぐち書店
発行日:2020年2月10日
体裁:B6版157ページ
価格:2000円+税
寄贈日:2020年3月13日
書評・感想:
経穴主治症総覧
書名:経穴主治症総覧
著者:池田政一
発行:医道の日本
発行日:2017年1月1日
体裁:
価格:16000+税
寄贈日:2016年12月28日
書評・感想:*20200106発行の「漢方主治症総覧」は姉妹編。
『現代語訳 脈論口訣』
著者:曲直瀬道三原著 篠原孝市訳註
発行:医道の日本社
発行日:2019年12月1日発行
体裁:B5版349ページ
価格:4500円+税
寄贈日:2019年11月25日寄贈
書評・感想:
舌鑑弁正
著者:藤本蓮風
発行:たにぐち書店
発行日:
体裁:
価格:
贈呈日:
書評・感想:
本書は『舌鑑弁正』の口語訳と弁釈(著者のコメント)から成っている。『舌鑑弁正』(1894年成る)は、清の梁玉瑜の口伝を、陶保廉が記録したものである。陶保廉はかねてから舌診を知りたいと思っていたところ、梁玉瑜の治療を受けて快癒したことから、所持していた『舌鑑』に梁玉瑜の弁正(誤りを正すこと)を加えてもらった。そのときの記録が『舌鑑弁正』である。内容的には、高度な実践書で、専門的な舌診書であって、入門書でもなく、概説書でもありません。
梁玉瑜は、舌診に長じている代々の医家で、冷静な診治を実践していた臨床家である。 陶保廉は、多病で、全国の名医の治療を受けたが、梁玉瑜に出会って真実の医学を身をもって知った。
以上のような背景を考えると、これを訳出できるのは限られた人だけである。
舌診に長じている
中薬に通じている
臨床経験が豊富である
漢文力がある
これだけなら候補者は何人かいる。さらに行間を読み込ためには2人のたましいに響きあう能力が必要である。
理論より実践(臨床本位である)
批判性を持っている
客観的で拘泥しない
これらの能力は、以下の引用をみても明らかである。
「梁玉瑜の原典に対する接しかたは非常に素晴らしい。古来からの説に従いながらも臨床に合わなければ、たとえ旧説において立派な記述があったとしても批判し、臨床とは如何にあるべきかを説いているのだ。」(212)
「臨床家の立場から、良いところは取り入れ、悪いところを削り、分類しているのが特徴である」(25)
「舌診がすぐれていると本書では繰り返し主張するが、怪しき舌に出会うと、弁証論治の多面的観察基本を踏まえ最終的診断を決せよといっている。」(49)

以上の能力を考えると、本書を読み込めるひとは、藤本氏ひとりしかいないだろう。
さらに、藤本氏ならではの能力がある。
直観力
直観とは「見る眼と見られる物に仲介場を置かず、じかに見ること。直ちにみることである」(柳宗悦『茶と美』講談社学術文庫)。評価が定まっていない医書を、見い出し、入れ込むには、迷いを挟まず、余計な考えも介入させないで、『舌鑑弁正』を見出した、その力が直観力である。

つぎに、気になったところ。口語訳の良いところは読みやすさで、悪いところは原文から離れてしまうことである。なんども推敲している間に、原文から離れてしまうのです。気になったところを2か所例示する。

原文「各省名医亦皆拠脈しんじゅのん立方、其能言陰陽伝変、五行生剋、運気流行、諸空談者、則侈然自足、而於切実治病之技、究無把握。」
口語訳「各省の名医にも見てもらったが、みな脈診で処方を立て、陰陽の伝変と五行の生剋・運気の流れといったことしか言えず、実際の治療技術については結局わかっていなかった。」(19)
補訳「各省の名医にも見てもらったが、みな脈診で処方を立て、陰陽の伝変と五行の生剋・運気の流れといったことを言って、その空談(空論)は自分勝手で自己満足である。樊遲に確実な治療技術は、結局わかっていなかった。」
*「而於切実治病之技」という句に、著者の思いが込められている。「而」は逆接で、名医たちは空論を持て遊ぶが、反対に技術においては分かっていないと、痛切なる気持ちが表れているのです。

原文「弁舌者宜於望聞問切四事参攷之、庶幾不差。」
口語訳「舌を弁ずる者は、望聞問切の際、これを参考にすれば、まず誤診はない。」(48)
補訳「舌を弁ずる者は、望聞問切と合算してほしい。誤診が無いことを望むものである。」
*「庶幾」は「~であることを願う」という意味で、著者の臨床に対する真摯さがよく表れているので、残しておきたいところ。

なお、『舌鑑弁正』の詳細は、杉本雅子「清代の代表的舌診書『舌鑑弁正』底本覚書」(『ほくと』64号、2019年)、および「中国舌診における『舌鑑弁正』の位置付け」(『ほくと』65号、2019年)にとても詳しく解説してあるので、参照されたい。

以上、『舌鑑弁正 訳釈』を評したが、日本の舌診の水平を知る上で、さらに臨床実践の緊迫さを感じる上でも、きわめて貴重であると思う。
(たにぐち書店、2019年、A5版、308ページ、)

(日本内経医学会 宮川浩也)
敦煌吐魯番意訳文献新輯校
著者:沈澍農
発行:高等教育出版社
発行日:
体裁:A4版721ページ
価格:
寄贈日:2019年9月23日 南京学術交流会において
書評・感想:
筆跡にみる心の襞
著者:藤本蓮風
発行:たにぐち書店
発行日:
体裁:B5版65ページ
価格:
贈呈日:
書評・感想:
臨床推論
著者:丹沢章八
発行:錦房
発行日:2019年2月10日
体裁:
価格:2700+税
寄贈日:2019年2月17日
書評・感想:
鍼灸医学導論
著者:徐斌・王富春
発行:
発行日:
体裁:B5版104ページ
価格:
寄贈日:2019年9月23日 南京との学術交流会に於いて
書評・感想: