災害医学 論文表題集(2006)
目次: CAMPUS HEALTH、
エマージェンシー・ケア、Endocrine Journal、
ER Magazine、Expert Nurse、
Heart View、JHAC、
Medical Digest、
Medical Gases、
Modern Media、
The Tohoku Journal of Experimental Medicine、
Therapeutic Research、旭中央病院医報、赤穂市民病院誌、麻布大学雑誌、
医学と医療、医学のあゆみ、
石川看護雑誌、
医道の日本、茨城県母性衛生学会誌、
医療、医療放射線防護Newsletter、
岩手県立大学看護学部紀要、
インターナショナルナーシングレビュー、
愛媛県立病院学会会誌、大阪府理学療法士会誌、
香川県内科医会誌、鹿児島純心女子大学看護栄養学部紀要、家畜診療、学校保健研究、神奈川医学会雑誌、看護、看護学雑誌、
看護教育、看護研究、
看護情報研究会論文集、看護展望、
看護部マネジメント、感染制御、
感染防止、感染と消毒、北関東医学、救急・集中治療、救急医療ジャーナル、九州救急医学雑誌、京都市立病院紀要、共立女子短期大学看護学科紀要、緊急被ばく医療初動対応の手引き、群馬県救急医療懇談会誌、群馬パース大学紀要、月刊福祉、血液事業、検査と技術、公衆衛生、高知女子大学紀要、国立病院看護研究学会誌、呼吸器科、呼吸と循環、
国際保健医療、こころの科学、こころの健康、心と社会、最新医学、作業療法ジャーナル、自衛隊札幌病院研究年報、小児科、小児内科、
食品衛生研究、助産師、心身医学、心的トラウマ研究、腎と透析、
砂川市立病院医学雑誌、精神医学、精神科看護、精神認知とOT、精神療法、整形・災害外科、整形外科と災害外科、生命倫理、全国自治体病院協議会雑誌、綜合ケア、
綜合臨床、高崎医学、
地域医学、地域医療、地域救急災害医療研究、千葉大学看護学部紀要、チャイルド ヘルス、中国四国地区国立病院機構・国立療養所看護研究学会誌、中毒研究、中濃厚生病院年報、中部日本整形外科災害外科学会雑誌、治療、治療学、電子情報通信学会技術研究報告、デンタルハイジーン、東京医科大学雑誌、
東京慈恵会医科大学附属柏病院医学年報、東京都歯科医師会雑誌、
東京都病院薬剤師会雑誌、透析ケア、鳥取医学雑誌、トラウマティック・ストレス、
ナーシング、ナーシング・トゥデイ、
ナース専科、長岡看護福祉専門学校紀要、長崎医学会雑誌、長野県看護大学紀要、長野県透析研究会誌、新潟医学会雑誌、新潟県医師会報、
新潟大学医学部保健学科紀要、
新潟薬科大学研究報告、西尾市民病院紀要、
西九州大学・佐賀短期大学紀要、
日赤検査、新田塚医療福祉センター雑誌、
日独医報、日本足の外科学会雑誌、
日本医師会雑誌、日本医事新報、日本遠隔医療学会雑誌、日本看護学会論文集、
日本看護科学会誌、
日本看護学教育学会誌、日本救急医学会関東地方会雑誌、日本救急医学会中部地方会誌、日本胸部臨床、日本航空医療学会雑誌、日本呼吸器学会雑誌、日本呼吸管理学会誌、日本在宅ケア学会誌、日本災害看護学会雑誌、日本歯科医師会雑誌、日本社会精神医学会雑誌、日本手術医学会誌、日本手術看護学会誌、日本獣医師会雑誌、日本集団災害医会誌、日本小児科医会会報、
日本職業・災害医学会会誌、日本食品微生物学会雑誌、日本精神科病院協会雑誌、日本赤十字豊田看護大学紀要、日本赤十字広島看護大学紀要、日本赤十字武蔵野短期大学紀要、日本創傷・オストミー・失禁ケア研究会誌、日本透析医会雑誌、日本病院会雑誌、日本病院薬剤師会雑誌、日本放射線技師会雑誌、日本保健科学学会誌、日本未熟児新生児学会雑誌、ハートナーシング、病院・地域精神医学、兵庫県立大学地域ケア開発研究所研究活動報告集、広島医学、プラクティス、プレホスピタルケア、へき地・離島救急医療研究会誌、
防衛衛生、放射線防護医療、
北海道医療大学看護福祉学部学会誌、
保健物理、ほすぴたる らいぶらりあん、
保団連、薬学雑誌、
薬事、薬事新報、
薬局、山形保健医療研究、
山口県看護研究学会学術集会プログラム、
リウマチ科、理学療法ジャーナル、
臨床看護、臨床スポーツ医学、
臨床精神医学、臨床透析、
臨床と研究、臨床麻酔、臨床リウマチ
連携医療、老年社会科学
■CAMPUS HEALTH
特集・地震を巡って
■EMERGENCY CARE
- 特集・医療における「搬送」
- プレホスピタルでの搬送トリアージ
- 安田康晴(島根県消防学校)、EMERGENCY CARE 19巻2号 Page106-110(2006.02)
- 病院内での搬送
- 長田恵子(国立病院機構災害医療センター)、EMERGENCY CARE 19巻2号 Page123-129(2006.02)
- 多数傷病者発生時の分散搬送
- 中島康(東京都立広尾病院 救命救急センター)、EMERGENCY CARE 19巻2号 Page131-137(2006.02)
- 災害派遣医療チーム(DMAT)と広域医療搬送
- 近藤久禎(厚生労働省医政局 指導課)、EMERGENCY CARE 19巻2号 Page139-146(2006.02)
- 実録!看護研究 実践編 救急病棟における防火設備設置場所の認知向上を目指した教育と,その効果
-
山田一朗(臨床研究支援センター)、EMERGENCY CARE 19巻2号 Page179-184(2006.02)
- 外傷看護の実践 大規模事故発生時の対応-JR福知山線脱線事故の受け入れ病院として
- 崎園雅栄(関西労災病院 ICU)、EMERGENCY CARE 19巻4号 Page356-358(2006.04)
- Emergency TOPIC JR福知山線脱線事故
- 鵜飼卓, 石井昇, 吉永和正, 甲斐達朗, 中山伸一, 池内尚司, 桟裕子, 中村通子, 早川一隆, 松山雅洋, 長崎靖, 小澤修一, 日本集団災害医学会尼崎JR列車脱線事故調査特別委員会、EMERGENCY CARE 19巻4号 Page383-388(2006.04)
Abstract:2005年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故に対する,日本集団災害医学会の調査結果のうち,「プレホスピタルケア」「被災傷病者と搬入病院」「転院搬送」「医療救護活動の特徴」などについて報告した.
- 【症状と疾患でわかる救急患者のケア プレホスピタルからERまで】 救急医療従事者が知っておきたい医療技術 トリアージ
- 川谷陽子(愛知医科大学附属病院 高度救命救急センター)、EMERGENCY CARE 2006夏季増刊 Page18-26(2006.07)
- 多発化、激甚化する災害と救急医療
- 山本保博、EMERGENCY CARE 19(7): 1, 2006)
- 多数傷病者発生時の分散搬送
- (中島 康、EMERGENCY CARE 19: 131-137, 2006)
- 災害派遣医療チーム(DMAT)と広域医療搬送
- (近藤久禎、EMERGENCY CARE 19: 139-146, 2006)
- 多発化、激甚化する災害と救急医療
- (山本保博、EMERGENCY CARE 19(7): 1, 2006)
- MIMMS―英国における災害教育システム
- (島津岳士、EMERGENCY CARE 19: 1145-1156, 2006)
■ER Magazine
■Endocrine Journal
■Expert Nurse
■Heart View
■JHAC
■Medical Digest
特集・災害、そのとき何が起こった?何を備えるべきか?
■Psychiatry and Clinical Neurosciences
■Modern Media
■The Tohoku Journal of Experimental Medicine
- トルコのマルマラにおける1999年の地震後の自殺念慮(Suicide Ideation after the 1999 Earthquake in Marmara, Turkey)(英語)
-
VehidHayriye Ertem(トルコ), AlyanakBehiye, EksiAysel
:The Tohoku Journal of Experimental Medicine(0040-8727)208巻1号 Page19-24(2006.01)
Abstract:地震がもたらす心理学的影響について検討した.対象は1999年8月17日にトルコのマルマラで起きた地震を体験した学生3609名で,鬱病や他の心理・病理的状態のレベルを評価するためにBeck鬱病評価尺度(BID)を使用した.BIDスコアは13以下を軽度,25以上を重度,その間を中等度に分類すると,学生の鬱病レベルは軽度及び重度が各々71.5%及び9.6%であった.本研究における自殺念慮の割合は16.7%であったが,自身や親族が医療処置を受ける程度の重度の障害を受けた学生では1.76倍になった.また,親族を亡くした学生及び被害を経験した学生の自殺念慮は各々1.57倍及び1.35倍になった.更に,性別による影響も受け,女性は男性より0.71倍低かった.以上より,地震による自身や最愛の人への障害,自宅や不動産への損害,家族の喪失の体験は,自殺念慮を促進すると思われる.
■Therapeutic Research
- 新潟県中越地震における静脈血栓塞栓症と凝血分子マーカー
- 榛沢和彦(新潟大学 大学院呼吸循環外科), 林純一, 土田桂蔵, 北島勲:Therapeutic Research 27巻6号 Page971-975(2006.06)
Abstract:地震2日後の2004年10月25日から11月30日までに長岡市内の医療機関を受診し採血された被災者486名の凍結保存血漿を試料として凝血分子マーカーの測定を行い,避難形態の違い(車中泊・非難所・自宅)による差異と経時的変化について検討した.また,地震6ヵ月後の2005年4月20日から12月20日までに受診した被災者335名に下肢静脈エコー検査を行い,血栓の頻度を調査した.地震直後(7日目まで)のフィブリンモノマーコンプレックス(FMC)値は車中泊群で基準値より高値を示し,また同群は避難所群・自宅群に比べて有意に高値であった.車中泊群について泊数とFMC値の関連を調べたところ3泊以上になると有意に上昇していた.地震直後のD-dimer値は3群とも基準値より低かった.地震1ヵ月後のFMC値は地震直後に比べ車中泊群と避難所群で有意に低下していた.下肢静脈エコー検査の結果,血栓を認めたものは49名(14.6%)と高頻度であり,震災後6ヵ月経過しても影響が残っていることが示唆された.避難形態別で血栓陽性率を比較したところ有意差は認められなかった.
- 新潟県中越地震における静脈血栓塞栓症 慢性期の問題
- 榛沢和彦(新潟大学 大学院呼吸循環外科), 林純一, 土田桂蔵, 斉藤六温, 北島勲:Therapeutic Research 27巻6号 Page982-986(2006.06)
Abstract:地震後約1年経過した2005年9月30日~10月2日に被災経験者278名(長岡市157名,小千谷市121名)に下肢静脈エコー検査を行い,深部静脈血栓症(DVT)の頻度を調査した.長岡市の被災経験者(長岡市群)において被災時に車中泊避難した割合は80.3%,小千谷市群は100%であった.DVT陽性率は長岡市群5.7%,小千谷市群12.4%と後者が有意に高く,車中泊がDVTの発生に影響を及ぼした可能性が示唆された.下肢静脈エコーにおけるヒラメ静脈最大径(以下A)とDVTとの関連について検討したところ,DVT有り群は無し群に比べてAが有意に大きかった.被災経験者のA平均値を対照群(新潟大学病院の看護師59名)と比較したところ被災経験群が有意に大きかった.
■赤穂市民病院誌
- 災害拠点病院としての当院の活動
- 曲渕達雄(赤穂市民病院 救急部):赤穂市民病院誌 7号 Page13-15(2006.03)
- 災害派遣医療チーム出動報告 平成16年台風23号但馬地方洪水災害救護活動
- 城尾恵子(赤穂市民病院 看護部), 柴木祐子, 水野和子, 千崎昭輝, 中島卓也, 横山勝教, 曲渕達雄:赤穂市民病院誌 7号 Page16-18(2006.03)
- 災害派遣医療チーム出動報告 JR福知山線列車脱線事故
- 曲渕達雄(赤穂市民病院 救急部), 城尾恵子, 保村さよみ, 水野和子, 高瀬尚武, 中島卓也:赤穂市民病院誌 7号 Page19-20(2006.03)
■麻布大学雑誌
■医学と医療
■医学のあゆみ
■石川看護雑誌
- 医療施設の災害に備えた取り組みの実態と背景要因の検討 石川県内の医療施設に所属する看護管理者への調査から
- 水島ゆかり(石川県立看護大学), 林一美:石川看護雑誌 3巻2号 Page39-44(2006.02)
Abstract:石川県内の医療施設の災害に備えた取り組みの実態を明らかにすることを目的に,看護管理者を対象にアンケート調査を実施し,85名より回答を得た(回収率76.6%).その結果,石川県内の医療施設における災害に備えた取り組みは,防災訓練,災害遭遇想定マニュアル,避難所の確保,食品や備品の備蓄,ライフラインの確保,の順で整備されていることが分かった.また,医療施設における災害に備えた取り組みには,所在地域・設置主体・病床数・災害対応経験が関連していることが分かった.
■医道の日本
- 手のチカラ 長岡市仮設住宅での災害ボランティア活動(1)
-
沢田昌子, 内山榮子, 朝日山一男, 池崎通夫, 内田豊彦, 大淵真, 小川眞悟, 白岩康平, 高田文江, 谷内キヨエ, 長嶺芳文, 花園圭弘, 深谷大介, 朝日山永子, 大西雅士, スポーツ鍼灸セラピー神奈川
:医道の日本 65巻4号 Page179-183(2006.04)
- 手のチカラ 長岡市仮設住宅での災害ボランティア活動(2)
-
沢田昌子(スポーツ鍼灸セラピー神奈川), 内山榮子, 朝日山一男, 池崎通夫, 内田豊彦, 大淵真, 小川眞悟, 白岩康平, 高田文江, 谷内キヨエ, 長嶺芳文, 花園圭弘, 深谷大介, 朝日山永子, 大西雅士
:医道の日本 65巻7号 Page149-152(2006.07)
■茨城県母性衛生学会誌
特集・地震災害時の医療を考える
■医療
■医療放射線防護Newsletter
特集・医療用放射線源に対する安全とセキュリティの対応と課題
■岩手県立大学看護学部紀要
■インターナショナルナーシングレビュー
■愛媛県立病院学会会誌
- 愛媛県中央病院救命救急センターの歩みと課題
- 佐々木潮(愛媛県立中央病院):愛媛県立病院学会会誌 41巻2号 Page3-6(2006.01)
■オペナーシング
■大阪府理学療法士会誌
特集・広域災害と理学療法
■香川県内科医会誌
- 高松市の高潮被害における在宅酸素療法(HOT)患者の危機管理
- 森由弘(国家公務員共済組合連合会高松病院), 粟井一哉, 山本晃義, 河野徹也, 三舩由美子, 竹内伸司, 岸本伸人, 山崎保寛, 小島章裕, 合田吉徳, 宮崎裕史, 上田裕, 亀井雅, 川地康司:香川県内科医会誌 42巻 Page41-47(2006.06)
Abstract:2004年8月30日,台風16号が香川県西北を通過し想定外の浸水"高潮被害"が戦後最大規模で発生した.市内浸水地域13町のHOT施行者22名の被害状況をHOTプロバイダーと香川県内科医会呼吸器部会の協力を得て検討した.対象患者は,22名(男性12名,女性10名)で,医療機関は5病院2診療所であった.床上浸水11名,床下浸水4名,支障なし7名であった.床上浸水11名のうち酸素ボンベ配送5名,2階へ酸素濃縮器を移設3名,当日酸素濃縮器を交換1名,ボンベ点検のみ1名,入院中1名であった.被害状況の把握とボンベ配送が優先された.高潮被害により6名(27%)に合併症がみられ,入院などを余儀なくされた.患者側で今後の対策を立てたのは5名(23%)であった.診療所・病院で対策を立てたのは2施設(29%)であった.高潮被害は,台風の風水害による直接被害とは異なり認識不足のため,浸水被害の程度が事前に予想しにくく対策が難しかった.想定外の高潮被害を経験し,HOT患者の今後の危機管理に役立てる目的で検討を行った.
■鹿児島純心女子大学看護栄養学部紀要
- 特定給食施設における非常用食料について
- 川西志朋(鹿児島純心女子大学 看護栄養学部健康栄養学科), 原口初美, 竹田千重乃:鹿児島純心女子大学看護栄養学部紀要 10巻 Page38-55(2006.06)
Abstract:鹿児島県の特定給食施設における非常用食料の実態を調査した。鹿児島県内の集団給食施設に2004年(平成16年)10月から11月にかけて155施設にアンケート調査を依頼し,124施設(回収率80%)から回答を得た。施設の内訳は,病院(52施設),学校給食(32施設),保育園(20施設),社会福祉施設(14施設),寮(4施設),自衛隊(2施設)である。災害に備えての施設ごとの備蓄状況については,備蓄のある施設が37%(46施設),備蓄のない施設が63%(78施設)であった。非常食のある施設における設置時期は1997年(平成7年)に発生した阪神・淡路大震災以降が多く,全体の85%を占めていた。備蓄食品例については主食,主菜,副菜,果物,飲み物・スープ,特殊食品,その他に分類した。保存量については52%において2~3日分を備蓄していた。非常食の条件では「調理にあまり手間のかからないもの」が44%,「長期保存に耐えるもの」が37%であった。非常食の更新については「品質保持期限または賞味期限の範囲内で行う」が55%,「適宜行っている」が35%であった。備蓄への考えについては学校・学校給食センター,保育所においては非常時,休校となるため,現時点では特に非常食の備蓄は検討していないと言える。全施設においては非常食を利用するような事態への遭遇は7%であった。
■家畜診療
■学校保健研究
■神奈川医学会雑誌
■看護
■看護学雑誌
■看護教育
特集・災害看護の現場から 災害看護学構築に向けて
- いま,なぜ災害看護が必要か
- 酒井明子(福井大学 医学部看護学科):看護教育 47巻2号 Page106-110(2006.02)
- JR西日本脱線事故被害者を受け入れた兵庫医科大学病院看護部
- 永井祐子:看護教育 47巻2号 Page121-128(2006.02)
- 災害とこころのケア
- 前田潤(室蘭工業大学 共通講座):看護教育 47巻2号 Page129-133(2006.02)
- 看護学生からみた災害看護 いま福井豪雨を振り返って感じること
- 野口宣人(大阪市立総合医療センター):看護教育 47巻2号 Page134-136(2006.02)
- 阪神・淡路大震災から10年 社会は看護職に何を求めているか
- 黒田裕子(阪神高齢者・障害者支援ネットワーク):看護教育 47巻2号 Page137-141(2006.02)
- 航空機事故を想定した消火救難・救急医療活動総合訓練 学生が模擬患者として参加して
- 新美綾子(半田常滑看護専門学校):看護教育 47巻2号 Page142-148(2006.02)
- 被災地における保健師活動
-
井伊久美子(兵庫県立大学 看護学部):看護教育 47巻3号 Page205-208(2006.03)
- 妊産褥婦とその家族に対する災害時の看護活動
-
山本あい子(兵庫県立大学 看護学部):看護教育 47巻3号 Page209-213(2006.03)
- 被災地における看護師の活動
-
山崎達枝(災害人道医療支援会):看護教育 47巻3号 Page214-217(2006.03)
- 私が体験した国際救援活動
-
金澤豊(長浜赤十字病院 救命センター):看護教育 47巻3号 Page218-220(2006.03)
- 災害看護を学ぶ視点
-
酒井明子(福井大学 医学部看護学科):看護教育 47巻3号 Page221-227(2006.03)
- 学士教育における「災害看護」 教育活動を通して開発した内容と方法
- 小原真理子(日本赤十字看護大学):看護教育 47巻3号 Page228-232(2006.03)
- 大学院で災害看護を研究している立場から
-
浅見貴子(福井大学 大学院医学系研究科修士課程看護学専攻):看護教育 47巻3号 Page233-235(2006.03)
■看護研究
■看護情報研究会論文集
- 一般住民と看護専門家のための災害看護文献検索システムの開発
- 神崎初美(兵庫県立大学 地域ケア開発研究所), 東ますみ, 片山貴文, 周藤俊治, 野澤美江子:看護情報研究会論文集 Page150-153(2006.07)
Abstract:著者らがWeb上に開発・作成した「災害看護文献検索システム」について報告した.同システムの特長は,一般住民や専門家といった対象に応じた検索機能,研究者が文献を追加登録できる機能,データ抽出とテキストマイニングツールとの連携機能の付加,ユーザー管理画面の設定が可能などで,専門家向けのサイトには,著者ら研究者が自身の視点で文献を分析・作成した内容が含まれている.
■看護展望
特集・看護基礎教育で教える災害看護 新たなカリキュラム構築の実現
■看護部マネジメント
特集・この事例に学べば災害対策は大丈夫 病院・施設の防災"実戦"ハンドブック
-
体験で語る災害対策心得
- 大規模広域災害時の医療活動 新潟中越地震を経験して
- 横森忠紘(小千谷総合病院):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page12-25(2006.12)
- 被害を最小にする予知・予防を 阪神淡路大震災の教訓
- 澤田勝寛(新須磨病院):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page26-40(2006.12)
- 災害での医療の質保証 東海原子力発電所の事故を経験して
- 永井庸次(日立製作所水戸総合病院):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page42-52(2006.12)
- 豪雨災害への備えを考える 岩手県立軽米病院の集中豪雨による災害の経験から
- 相馬敏克(日本病院会):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page54-65(2006.12)
- 油断大敵「台風」対策 沖縄の台風対策をアンケートでみる
- 仲里尚実(かりゆしの里):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page66-75(2006.12)
- 体験現場からみた災害対策
- 災害体験の職員アンケートでみえたこと 中越地震・集中豪雨の体験で得た留意点
- 藍澤豊子(立川メディカルセンター柏崎厚生病院), 目崎聡, 松田ひろし:看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page78-82(2006.12)
- 震災発生とPSW活動6ヵ月 中越地震を体験して
- 小林希(立川メディカルセンター柏崎厚生病院 医療相談室), 岡部正文, 遠山由紀子, 松田ひろし:看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page84-86(2006.12)
- 透析室で患者向けビデオを作成 三陸はるか沖地震の体験から
- 中村由美子(八戸平和病院 透析室), 出貝一則, 川守田春久, 越後秀生:看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page88-94(2006.12)
- 県外に有資格者の支援を求めて 中越地震の体験から得られたこと
- 介護老人保健施設春風堂編集部:看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page96-106(2006.12)
- 地域の責任医療機関の対策
- 患者受け入れ(トリアージ)訓練 大型バスと普通乗用車の交通災害を想定
- 佐合茂樹(木沢記念病院):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page114-130(2006.12)
- 全員参加の非常訓練の要点 都心部の病院としての災害対策の視点
-
ライフ・エクステンション研究所附属永寿総合病院編集部:看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page132-150(2006.12)
- 防災は日常的活動で展開 阪神・淡路大震災のボランティアを土台に
-
中村定敏(小倉第一病院), 中村秀敏:看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page152-165(2006.12)
- 防災の啓蒙を日常的に行う 病院防災アプローチについて
- 谷野敏一(生長会ベルランド総合病院), 田中宏和, 岩崎浩二, 住吉妙子, 小林真依:看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page166-173(2006.12)
- 災害マニュアルの整備と責任体制確立 災害拠点病院地域災害医療センターとして
- 鈴木紀之(筑波メディカルセンター病院):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page174-247(2006.12)
- 部門別災害対策の実際
- 広域支援体制を念頭に 緊急避難路『ふれあい橋』架設
- 三澤弘道(依田窪病院(国保)):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page250-256(2006.12)
- 5つの視点での防災計画 高度医療機器設置機関のチェックポイント
-
秦野貴充(偕行会名古屋共立病院):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page258-267(2006.12)
- 「鍵」の管理が精神科病院の命題 精神科病院の災害への視点
- 藤田暁士(水の木会下関病院):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page268-271(2006.12)
- 災害に強い病院建築のポイント 過去の災害からの警告 ハード面での災害対策を考える
- 野溝貞良(大林組 エンジニアリング本部医療福祉推進部):看護部マネジメント別冊病院・施設の防災"実戦"ハンドブック Page274-291(2006.12)
■感染制御
■感染防止
■感染と消毒
■北関東医学
- 震災を契機に発症した重症全結腸型潰瘍性大腸炎の1例
- 岡部敏夫(小千谷総合病院 外科), 大矢敏裕, 坂本輝彦, 松本広志, 倉林誠, 高橋憲史, 家里裕, 横森忠紘, 竹吉泉, 大和田進, 森下靖雄:北関東医学 56巻2号 Page149-153(2006.05)
Abstract:新潟県中越地震を契機に発症した重症全結腸型潰瘍性大腸炎の1例を経験したので報告する.症例は42歳の女性で,2003年の検診で便潜血が陽性となったが,大腸内視鏡検査では異常なかった.2004年10月23日の新潟県中越地震後より下痢が続いていた.症状が改善しないため近医を受診し,諸治療を受けるも下痢が改善せず,発熱,血便が加わったため,当科紹介となった.大腸内視鏡検査で,直腸から連続する出血を伴った深掘れ潰瘍が判明し,全身症状,血液生化学検査所見から重症全結腸型潰瘍性大腸炎の活動期と診断した.prednisolone静注,5-aminosalicylic acidの内服とgranulocytapheresis(以下,GCAP)で治療を開始した.発熱や腹痛は徐々に改善したが,下血は続き,GCAP 1クール終了した時点の大腸内視鏡検査所見の改善は乏しかった.手術も考慮したが,GCAP2クール目にazathioprineを併用したところ寛解となった.2005年9月より職場に復帰し,現在は通院加療中である。
■救急・集中治療
特集・救急・集中治療ガイドライン 最新の診療指針
■救急医療ジャーナル
シリーズ・Let's start!災害医療
■九州救急医学雑誌
■京都市立病院紀要
■共立女子短期大学看護学科紀要
■緊急被ばく医療初動対応の手引き
■群馬県救急医療懇談会誌
■群馬パース大学紀要
- 災害時生活体験学習における学生の災害に対する意識の変化 生活体験キャンプと高齢者施設見学を通して
-
兎澤惠子(群馬パース学園短期大学), 高木タカ子, 古市清美:群馬パース大学紀要(1880-2923)2号 Page207-220(2006.03)
Abstract:「災害時生活体験」の授業の一環として本学(大学保健科学部)1年次の夏休みに実施した生活体験キャンプにおける学生の意識の変化を明らかにすることを目的に,42名のアンケート調査,および体験記録を分析した.その結果,88%の学生が,生活体験キャンプを通して災害に対する意識が変化したと回答しており,影響を与えた要因として,事前学習や準備状況,入浴せずに清潔にしたこと,グループ内の連携,資源の工夫,水の制限,演習による学習,が明らかになった。
■「緊急被ばく医療」ニュースレター
■月刊福祉
■血液事業
■公衆衛生
■検査と技術
■高知女子大学紀要(看護学部編)
■国立病院看護研究学会誌
■呼吸器科
特集・災害医療 呼吸器科医への提言
- 災害急性期対策
- 胸部外傷への対応
- 粟国克己(国立病院機構災害医療センター 救急救命センター), 本間正人:呼吸器科 10巻2号 Page79-83(2006.08)
- 呼吸器感染症への対応
- 溝尾朗(東京厚生年金病院 内科), 栗山喬之:呼吸器科 10巻2号 Page84-89(2006.08)
- 喘息患者への対応
- 鈴木和夫(新潟県立六日町病院 内科), 吉嶺文俊, 長谷川隆志, 下条文武, 鈴木栄一:呼吸器科 10巻2号 Page90-95(2006.08)
- 在宅人工呼吸器装着患者への対応
- 山本昌司(神戸協同病院 呼吸療法科), 上田耕蔵, 石原享介:呼吸器科 10巻2号 Page96-102(2006.08)
- 災害慢性期対策
- 災害前後に行うべき呼吸器感染の予防対策
- 太田求磨(新潟大学 大学院医歯学総合研究科感染制御学講座(第二内科)), 塚田弘樹, 鈴木栄一:呼吸器科 10巻2号 Page103-107(2006.08)
- 肺血栓塞栓症の予防対策
- 寺崎貴光(信州大学 医学部心臓血管外科), 天野純:呼吸器科 10巻2号 Page108-112(2006.08)
■呼吸と循環
■国際保健医療
■こころの科学
■こころの健康
■こころと社会
■最新医学
■作業療法ジャーナル
特集・災害と生活支援
■自衛隊札幌病院研究年報
■小児科
■小児内科
特集・災害時の小児医療
■食品衛生研究
- 新潟県中越大震災における食品衛生対策と今後の課題について
- 永原裕(新潟県長岡食肉衛生検査センター), 星野麻衣子, 辻尚子, 町永豊, 増谷郁昭:食品衛生研究 56巻6号 Page59-63(2006.06)
Abstract:新潟県中越地方を震源とする震災時に行った食品衛生対策および問題点等から今後の災害発生時の対策について検討した.避難所や災害対策本部の担当者は,食品衛生に関する知識に乏しく,様々な業務を兼務しなければならないことから,初期段階から積極的に衛生管理の知識と重要性および現場における遵守事項について啓発する必要がある.避難所や炊き出し施設の早急な把握と現地指導,衛生対策用品の早期手配と配布等の初期活動,その後の継続した監視指導を行うためには多くの人員が必要となった.食中毒発生のリスクが比較的低い時期であったが,夏期に発生した場合等を想定し,災害時の食品衛生対策を早急に確立しておく必要がある.
■助産師
特集・災害と助産師の役割
■心身医学
- 心身医学と社会,環境との関わり 心身相関の医学より一歩先へ 災害における心身医学 阪神淡路大震災,新潟県中越地震の現場の経験から
- 村上典子(神戸赤十字病院 心療内科), 小笹裕美子, 村松知子:心身医学 46巻7号 Page655-660(2006.07)
Abstract:当院心療内科は,1995年1月の阪神淡路大震災・被災地での心身医学的ケアを目的に,1996年に開設された.また,震災から約10年後の2004年10月の新潟県中越地震では,心療内科スタッフは日本赤十字社の災害救護の一員として,全員被災地に赴いた.その際,感冒,高血圧,不眠・不安,便秘など,被災というストレスフルな背景に配慮した心身医学的ケアが必要とされた.震災10年後の心療内科受診患者を対象としたアンケート調査では,39%が「震災と今の自分の病気は関係がある」と考えており,特に,転居,失職(転職),家族構成の変化など震災後生活変化の大きかった者に限ると,その割合は68%にも達した.災害においては,急性期から復興期にわたり,身体的,精神的,社会的,スピリチュアルな全人的ケアが必要とされ,今後の心身症を防ぐためにも,長期的視野に立った心身医学的介入が災害直後の急性期から必要と考える.
■心的トラウマ研究
- 運動と喫煙状況から見た被災者の心身の健康 阪神淡路大震災後四年目のデータから
- 後藤豊実(兵庫県こころのケアセンター), 藤井千太, 加藤寛:心的トラウマ研究 2号 Page1-17(2006.03)
Abstract:阪神淡路大震災の約4年後の被災者健康調査のデータから,運動と喫煙習慣が被災者の心身の症状と関連しているかを分析した.調査対象とした仮設住宅・災害復興住宅の住民の約半数(7065名)から回答を得た.分析の結果,アルコール依存症以外のすべての症状が女性において重篤度が高かった.アルコール依存症に関しては,性別の違いが重篤度に影響を及ぼすことが確認された.いつも運動をしている人,喫煙習慣のない被災者は比較的心身の症状が少なく,健康であった.喫煙量や運動量そのものより,その習慣の変化が心身症状に関連していることが示唆された.
- 風水害による心身の健康への影響 平成16年台風23号被災地域で1年後に実施したアンケート調査の結果から
- 藤井千太(兵庫県こころのケアセンター), 後藤豊実, 加藤寛:心的トラウマ研究 2号 Page19-30(2006.03)
Abstract:台風被害に遭った6市町村を対象に,被災1年後の心身の健康状態,医療機関の利用,生活の質などに関する調査を実施した.住居被害程度別に1200世帯を抽出し,うち43%から有効回答を得た.床上浸水群のうち約3割が「被災前の生活状況に戻った」と感じておらず,K6を使用したスクリーニングでは,うつ病や不安障害の確率が一般人口の約2倍という結果であった.IES-RによるPTSDのスクリーニングにおいても,床上浸水群では28.2%がハイリスクと判定された.台風被害が甚大であれば,心身への影響は大きく,特に高齢者で影響が遷延する傾向を認めた.医療機関を受診している被災者では,被災による心理的影響が遷延している可能性が高いと考えられた.
- 被災児童の子どもの行動チェックリスト(CBCL)得点とその養育者の出来事インパクト尺度改訂版(IES-R)得点との関連性について
- 斉藤陽子(兵庫県こころのケアセンター), 堤敦朗, 酒井佐枝子, 後藤豊実, 加藤寛, 中井久夫:心的トラウマ研究 2号 Page63-71(2006.03)
Abstract:養育者の外傷反応と子どもの問題行動との関連を検討するため,阪神・淡路大震災の被災地の子どもの心理的影響に関する研究を再分析した.使用した尺度はIES-R,CBCL,CDIである.IES-R及び子どものCDI得点は,CBCLのT得点・内向T得点・外向T得点との間に正の相関を認めた.また,CBCL得点は,CDI得点との相関係数よりもIES-R得点との相関係数において強い関連があった.CBCLは子どもの情緒や行動の問題をとらえる上で有用な尺度であるが,子どもの外傷反応を評価する際は,その報告内容が養育者のPTSD症状と関連する可能性があり,結果の解釈には注意が必要である.
- 大規模輸送災害が被害者のその後の心身に与える影響
- 廣常秀人(兵庫県こころのケアセンター), 加藤寛, 堤敦朗, 大澤智子, 神吉みゆき, 福原真紀, 西大輔, 松岡豊, 金吉晴:心的トラウマ研究 2号 Page85-93(2006.03)
Abstract:JR福知山線脱線事故の乗客すべてを対象に質問紙調査を実施し,243名から有効回答を得た.全体の精神健康度は一般人口に比して良くないことが示唆された.PTSD症状を強く示す者が44.3%,女性の方が高く認められた.乗車位置とPTSD症状に相関はみられず,事故そのものが非常に衝撃度の強い事故であり,乗客全員の長期にわたる支援が必要なことが示唆された.PTSD症状の強い人は,生活面への影響が強く生じていた.PTSD症状の強さに影響する要因として,乗車位置や事故直前の異変の自覚,入院・通院期間に表される具体的外傷度の重傷度ではなく,調査時点での身体的健康の問題や,生活全般の支障の強さなどが強く関連していた.さらにPTSD症状と痛みは強い相関を示した.
■腎と透析
■砂川市立病院医学雑誌
- 砂川市立病院における大規模災害訓練実施後のアンケート結果
- 高田綾子(砂川市立病院 看護部):砂川市立病院医学雑誌 23巻1号 Page121-128(2006.07)
Abstract:当院で実施された第一回大規模災害訓練後にアンケート調査を行い,参加した当院職員,消防署職員,看護学生ら96名から回答を得た.今回の訓練では事前のオリエンテーションが不十分であったこと,医師の参加が少なくトリアージ構成に支障があったこと,トリアージ未経験者や訓練初参加者が多かったことなどから混乱が生じた.今後は参加者各々の役割について患者の流れ,訓練の流れなど,事前に十分なオリエンテーションを行う必要があると考えられた.今後必要な訓練,学習としてトリアージ訓練,患者搬送訓練,救急外来での受け入れ訓練・マニュアルの整備が多く挙げられた.今回の大規模災害訓練により,参加職員に災害医療の興味を持ってもらうことができたと考えられた。
■精神医学
特集・災害精神医学の10年 経験から学ぶ
- 日本における災害精神医学の進展 阪神・淡路大震災後の10年間をふり返って
- 加藤寛(兵庫県こころのケアセンター):精神医学 48巻3号 Page231-239(2006.03)
- 自然災害
- 雲仙・普賢岳噴火災害被災住民の長期経過後の精神的問題
- 太田保之(長崎大学 医学部保健学科), 荒木憲一, 本田純久:精神医学 48巻3号 Page241-246(2006.03)
Abstract:雲仙・普賢岳噴火災害被災住民の長期経過後における精神健康問題に関して報告した.今回(第6回2003年)の調査結果を第1回(1991年)調査結果と比較すると,GHQ-30の平均得点,「不安・緊張・不眠」因子,「無能力・社会機能障害」因子,「抑うつ」因子,「快感消失」因子などは有意に改善していたが,「対人関係障害」は悪化したままであった.GHQ-30による避難住民の精神症状群を全体的にみると,「不安・緊張感」関連症状や「社会的無能力感」関連症状は,避難生活開始から12ヵ月以内に改善した.「抑うつ」関連症状は3.5~4年も遷延し,「対人関係困難感」関連症状は避難生活開始から8年が経過しても改善を認めなかった.
- 阪神・淡路大震災被災者の長期的健康被害
- 新福尚隆(西南学院大学 人間科学部社会福祉学科):精神医学 48巻3号 Page247-254(2006.03)
- 新潟県中越地震における災害時精神保健医療対策
- 後藤雅博(新潟大学 医学部保健学科), 福島昇:精神医学 48巻3号 Page255-261(2006.03)
- 2005福岡西方沖地震から6ヵ月後
- 實松寛晋(福岡市精神保健福祉センター), 松本奈々子, 大坪みどり, 西浦研志:精神医学 48巻3号 Page263-270(2006.03)
- 長崎原爆被害者 心理障害認定の道のり
- 中根允文(長崎国際大学 大学院人間社会学研究科社会福祉学):精神医学 48巻3号 Page273-285(2006.03)
- 人為災害
- 国際的活動
- 神戸から埔里へ 震災後の精神保健での日本,台湾の協力
- 植本雅治(神戸市看護大学), 鵜川晃, 川口貞親, 井上幸子:精神医学 48巻3号 Page305-309(2006.03)
- ペルー日本大使公邸人質占拠事件の心理的影響
- 金吉晴(国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部), 笠原敏彦, 小西聖子:精神医学 48巻3号 Page311-317(2006.03)
- 9.11米国同時多発テロ事件と海外におけるメンタルヘルスケア
- 神山昭男(外務省診療所):精神医学 48巻3号 Page319-323(2006.03)
- スマトラ沖地震津波 心のケアと国際支援の仕組み
- 秋山剛(日本精神神経学会 国際関連事務局):精神医学 48巻3号 Page325-330(2006.03)
■精神科看護
■精神認知とOT
■精神療法
特集・トラウマの精神療法
■整形・災害外科
- 救急医療現場のシームレス無線通信環境での医療システムの研究開発とその実証実験(第1報)
- 竹内良平(横浜市立大学 医学部整形外科学教室), 斎藤知行, 根本明宣, 原田博司, 横井正樹, 寺村允安:整形・災害外科 49巻2号 Page173-179(2006.02)
Abstract:救急医療現場のシームレス無線通信環境での医療システムの研究開発とその実証実験について報告した.実験方法は,横須賀市内で事故があり,患者を高規格救急車で市内の一次搬送先に搬送したが,高度医療が必要との判断で横浜市大病院に転送し,搬送距離は16kmに及んだ.デモ会場正面の大型スクリーンの6画面に搬送中の救急車や伴走中継車からの情報が上映され,全行程でモニター心電図や救急車内に固定したウェブカメラでの患者の映像配信は良好で,シームレス通信が可能であった.一部区間に設置したマルチメディア無線アクセス網(自営網)と公衆携帯電話網のハンドオーバーは順調になされたが,患者の映像は公衆網に比し自営網ではるかに精細な画像が得られた.画像伝送速度は,公衆電話網では5フレーム程度であったが,自営網では平均30フレームが得られた.最終的には,画像伝送機能付き携帯電話による通信と自営網との併用により,救急患者の救命率向上が期待できると考えられた.
- ブロードバンド無線ネットワークを活用した遠隔操作エコーロボットと高精細動画像伝送の実証実験 第2報
- 竹内良平(横浜市立大学 整形外科学教室), 斎藤知行, 原田博司, 桝田晃司, 横井正樹, 太田現一郎:整形・災害外科 49巻9号 Page1035-1041(2006.08)
Abstract:シームレス無線技術を利用して,医師がエコーロボットを遠隔操作することでエコー診断が行えるかどうかを公道を走行する救急車を使って公開実証実験した.方法は公道を24km移動中に救急車内のエコーロボットを操作し,得られたエコー画像を病院側に無線伝送した.その結果,著者等が構築したマルチメディア無線アクセス網(自営網)は公衆携帯電話網(公衆網)と比べ,患者のエコー画像でより詳細な画像が得られた.また,画像伝送速度は公衆網では毎秒2フレーム程度であったのに対し,自営網では毎秒30フレームが可能であった。
■整形外科と災害外科
■生命倫理
■全国自治体病院協議会雑誌
- 当院における災害拠点病院としての活動方針を考える 台風23号但馬地域洪水災害救護活動に学んだこと
- 城尾恵子(赤穂市民病院), 横山勝教, 柴木祐子, 千崎昭輝, 中島卓也, 水野和子, 曲渕達雄:全国自治体病院協議会雑誌 45巻4号 Page125-127(2006.04)
- 災害時における携帯型超音波装置の有用性とその役割 新潟中越地震医療支援活動を中心に
- 田村周二(神戸市立西市民病院 臨床検査技術部), 渡辺弘之, 橋詰美由樹, 岡田由有子, 天王寺谷慶吾, 山口達男:全国自治体病院協議会雑誌 45巻5号 Page123-126(2006.05)
Abstract:新潟中越地震における医療支援活動に際し,当院のスタッフ4名がバッテリー方式の携帯型超音波装置を持参し,避難所を中心に実施した活動について報告した.胸痛を訴えた中年男性に携帯型超音波装置による心臓検査を実施し,救急隊により市内の病院へ搬送した事例を経験しており,このほか,震災時に多くみられる座滅症候群による循環不全の重症度評価や,高齢者の車中泊に多くみられる下肢腫脹に伴う肺塞栓の診断にも有用であると考えた.
- 阪神淡路大震災10年後の看護職の心理的影響に関する調査
- 川村智子(神戸市立西市民病院 看護部), 後藤たみ, 松田南生美, 新家和子, 加藤寛, 大澤智子:全国自治体病院協議会雑誌 45巻6号 Page851-853(2006.06)
Abstract:阪神淡路大震災10年後の看護職の心理への影響を明らかにすることを目的に,神戸市内の病院3施設に在籍する看護職員を対象に,IES-R(PTSD症状の有無)などを用いたアンケート調査を実施し,825名(うち,看護師767名.平均年齢35.8±10.2歳)より有効回答(82.5%)を得た.その結果,82%が震災後3日以内に出勤し,40%が震災当時の精神的影響を覚えており,IES-Rでは109名(13.2%)がPTSDのハイリスク者であることが分かった.
- 災害拠点病院としての当院の活動
- 曲渕達雄(赤穂市民病院), 中島卓也, 高瀬尚武, 千崎昭輝, 保村さよみ, 柴木祐子, 城尾恵子, 水野和子, 邉見公雄:全国自治体病院協議会雑誌 45巻6号 Page885-887(2006.06)
Abstract:阪神淡路大震災を契機に指定された県下12の災害拠点病院の一つである当院における,災害拠点病院としての体制整備および救護活動(「台風23号但馬地域水害救護活動(平成16年10月)」「JR福知山線列車脱線事故(平成17年4月)」)について報告した.
■地域救急災害医療研究
■千葉大学看護学部紀要
■総合ケア
■総合臨床
- 【血栓塞栓症のすべて】 新潟県中越地震における深部静脈血栓症
- 田中純太(新潟大学医歯学総合病院 第二内科), 榛沢和彦, 鈴木栄一:綜合臨床 55巻7号 Page1813-1816(2006.07)
Abstract:平成16年10月23日17時56分,台風一過の土曜日,新潟県を大きな揺れが襲った.新潟県中越地方を震央とし深さ13kmを震源とする,マグニチュード6.8の平成16年新潟県中越地震(以下中越地震)である.最大震度7は平成7年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)に匹敵し,有感地震は累計961回を超えた.人的被害は死者59名,負傷者4,795名であったが,建造物被害は160,935棟で,避難被災者は最大で103,178名に及んだ.中越地震では,圧死は16名で焼死はなかったが,避難生活に伴う健康被害が目立った.とくに,肺血栓塞栓症(以下PTE),たこつぼ型心筋症は,震災時の健康被害としては,今回特記すべき病態であろう.中山間地を襲った直下型の強い本震と長期余震活動が,多くの被災者に車中泊を含めた長期避難生活を強いることになり,これら病態の背景をなしたとみなせる.本稿では,中越地震におけるPTEと深部静脈血栓症(以下DVT)の実態を報告し,今後preventable deathとして対応が必要なDVT/PTEの予防対策を講じる.
■高崎医学
■地域医学
■地域医療
■千葉大学看護学部紀要
- 学士課程自由選択科目における災害地域看護教育方法の検討
-
石川麻衣(千葉大学 看護学部), 山田洋子, 武藤紀子, 佐藤紀子, 宮崎美砂子, 牛尾裕子:千葉大学看護学部紀要 28号 Page51-58(2006.03)
Abstract:学生の学びの内容と,授業選択の動機および授業への意見・感想から,自由選択科目「災害と地域看護活動」の開講年度における授業実施方法の評価を行い,今後の改善点を検討した.学生の希望により水害事例4例,地震事例5例のグループを編成した.学びの内容は32項目に整理された.地域住民のヘルスニーズに関する学びの内容は5項目で,多くの学生が,災害が住民に与える影響を多面的に捉えた.看護職の活動内容に関する学びの内容は14項目であった.講義を聴くだけではなく,フィールドワークや災害図上訓練を取り入れ,体験型の授業科目として設定したことが災害看護活動のイメージ化に有効であった.学生は,就職してからの実践に結びつくような学習内容の整理・まとめを主体的に目指し,このことと看護職の活動内容の記述から,実践的な学びの獲得につながった.
■チャイルド ヘルス
■中国四国地区国立病院機構・国立療養所看護研究学会誌
■中毒研究
特集・急性中毒と災害 事例研究から
- アナフィラキシーショック集団発生 ヒスタミン
- 大谷典生(聖路加国際病院 救急部), 石松伸一:中毒研究 19巻3号 Page227-234(2006.07)
- 硝酸ガス吸入による呼吸障害の3例 硝酸,窒素酸化物
- 金子唯(山口大学医学部附属病院 先進救急医療センター), 熊谷和美, 前川剛志:中毒研究 19巻3号 Page235-239(2006.07)
Abstract:症例1:65歳男,症例2:51歳男,症例:38歳男で,いずれも硝酸ガスポンプ解体作業6時間後に呼吸困難を訴えた.症例1は血液検査で肝逸脱酵素および白血球の上昇,低酸素血症,高乳酸血症を認め,胸部X線,CTで両側びまん性に斑状影を認めた.症例2は血液検査で白血球の上昇,低酸素血症,高乳酸血症を認め,胸部X線およびCTで両側びまん性に粒状から斑状影を認めた.症例3は解体作業途中に気分不良となり,以後作業を行っていなかったが,血液検査で胆道系酵素の上昇を認めた.胸部X線,CTで異常は認めなかった.3例とも硝酸ガス吸入化学性肺炎と診断し,メチルプレドニゾロン投与を開始し,各々19,11,4病日に軽快退院した.血清SP-D,KL-6の推移を検討したところ,症例1は血清SP-D,KL-6は経過と共に上昇し,第6病日をピークにその後血清SP-Dが低下した.症例2は血清SP-Dは第3病日にピークを示し,その後低下し,血清KL-6は緩やかに上昇した.症例3に明らかな上昇は認めなかった.
- 帝人化成松山工場CO中毒事故と救助/医療対応
- 西山隆(愛媛大学医学部附属病院 救急部), 白川洋一, 佐々木潮, 浜見原, 井上征雄, 奥田康之, 安田光宏, 山本祐司, 竹村武士, 貞徳正人:中毒研究 19巻3号 Page241-249(2006.07)
- 製肥工場での硫化水素ガス事故 硫化水素
- 那須英紀(和歌山県立医科大学 救急集中治療部), 篠崎正博:中毒研究 19巻3号 Page251-255(2006.07)
■中濃厚生病院年報
■中部日本整形外科災害外科学会雑誌
- ドクターヘリをもちいた脊髄損傷患者に対するプレホスピタルケアについて
- 松本卓二(和歌山県立医科大学 救命救急センター), 川上守, 吉田宗人, 川崎貞男, 篠崎正博:中部日本整形外科災害外科学会雑誌 49巻3号 Page611-612(2006.05)
Abstract:当院救命救急センターにドクターヘリ収容され,脊髄・馬尾損傷と診断された29例を対象に,搬送時間原因,実施した緊急処置について検討した.覚知からヘリ出動までは平均4分22秒で,飛行時間は平均28分16秒,現地活動時間は平均16分28秒であった.受傷原因は交通事故が13例,転落が12例,転倒が3例,その他1例で,頸椎レベルでの損傷は23例,胸椎は4例,腰椎は1例であった.酸素投与は27例で,静脈確保は23例,バックボード固定は26例,ネックカラー固定は23例,気管内挿管は4例に実施した.又,心肺停止状態であった3例は現地で蘇生,搬送し救命し得た。
- 整形外科医の災害医療貢献
- 佐藤公治(名古屋第二赤十字病院 整形外科):中部日本整形外科災害外科学会雑誌 49巻6号 Page1095-1096(2006.11)
■治療
- 【日常診療での疑問や噂にズバリ答えます! The Truth of Rumors】 診療手技・検査 トリアージは絶対的基準で行われているのか?
- 原口義座(国立病院機構災害医療センター 救命センター 臨床研究部), 友保洋三:治療 88巻3月増刊 Page654-660(2006.03)
■治療学
- 【感染制御 新興・再興感染症にいかに対処するか】 新興感染症の対策 災害と新興感染症の危険性
- 加地千春(長崎大学熱帯医学研究所 感染症予防治療分野), 渡辺浩:治療学 40巻2号 Page157-160(2006.02)
■電子情報通信学会技術研究報告(MEとバイオサイバネティックス)
- 大災害時診療支援ME機器システムの構築に関する基礎研究 災害時バイタルサイン計測機器における必要条件の検討
- 川畑諒一(長岡技術科学大学 災害時ME研究会), 織田豊, 寺島正二郎, 鈴木仁, 佐橋昭, 内山尚志, 福本一朗:電子情報通信学会技術研究報告(MEとバイオサイバネティックス) 106巻81号 Page13-16(2006.05)
Abstract:2004年は中越地震やインド洋沖大津波など大規模自然災害に見舞われた年であった.中越地震では,1995年の5000人以上の犠牲者を出した阪神淡路大震災の教訓を活かせたために,地震による二次災害も少なく,犠牲者が51名程度となっている.このような大規模自然災害が起きた場合,ライフラインも途絶え,通常診療機器やカルテなども使用不可能な状況になると考えられ,現場の医師は緊急診療を実施しなければならない.本研究では,大規模自然災害等においても血圧・体温・脈拍などの最低限のバイタルサインを簡易に計測・記憶・伝送が行え,なおかつ堅牢性,操作性等を備えている機器の開発が必要であることから,まず災害時におけるバイタルサイン計測機器に着目し,数種類の血圧計を対象とした基本的性能試験を行った.その結果を踏まえた上で,災害時バイタルサイン計測機器における必要条件の検討を行うことを目的とし,本研究を基礎としてessential drugとその常備方法などのハード面および,緊急時医療通信システムなどのソフト面を網羅する総合的な災害時医療支援システム及び機器の開発をその最終目的とする.
- 大災害時高抗堪性診療ME機器システムの研究
- 佐橋昭(プロジェクトアイ), 内山尚志, 織田豊, 福本一朗:電子情報通信学会技術研究報告(MEとバイオサイバネティックス) 106巻81号 Page17-20(2006.05)
Abstract:2004.10.23の新潟中越大地震において,長岡技術科学大学福本一朗教授は医師として震災救急診療に携わったその貴重な経験から『被災地医療の孤立化を防ぐ救急診療支援システム』の確立が急務であることを強く認識して構想したものである.それは,救急医療活動では不眠不休で多数の被災者を治療しなければならず,その結果治療関連情報の蓄積も出来ず,支援・連携連絡も出来ない状態となった.この状況の中では,バイタルサイン機器,携帯電話等電源・通信網停止で使えず,これに対応する手段,すなわちシステムが不可欠であると思った.本研究は,災害時の救急診療に向く特別な医療機器,通信機器,記録機器,電力供給源を創り,これらと医薬物質等の一式を抗堪性,耐火性,耐水性のキャリーボックスに収納した,いわゆる災害時救急診療支援システムの開発実用化に向けた基礎研究である.災害時の人命救助には是非とも必要で,なんとしても開発・実用化すべきというものであるとの認識の下に,本課題への強い協力の意志を持ち,永年医療・福祉機器の開発に従事してきた経験を基にして企業として当"災害ME研究会"に参画し,基礎研究から着手している.
■デンタルハイジーン
■東京医科大学雑誌
■東京慈恵会医科大学附属柏病院医学年報
■東京都歯科医師会雑誌
■東京都病院薬剤師会雑誌
■日本赤十字武蔵野短期大学紀要
- ロールプレイを活かした「災害時のこころのケア」の学び テーマセッション"赤十字と災害看護"を通して
- 尾山とし子(日本赤十字武蔵野短期大学), 前田潤, 山本捷子, 及川裕子, 今井家子, 久保恭子, 弘中陽子, 三澤寿美, 岩田みどり, 谷岸悦子, 小原真理子, 酒井明子:日本赤十字武蔵野短期大学紀要 19号 Page57-63(2006.12)
Abstract:ロールプレイを活用した「災害時のこころのケア」の学びを明らかにすることを目的に、第7回日本赤十字看護学会学術集会におけるテーマセッション「赤十字と災害看護」で、「災害時のこころのケア」をテーマに実施した「こころのケア」指導者養成のためのロールプレイの参加者へ自由記述によるアンケート調査を実施し、14名より有効回答(46.7%)を得た。内容分析の結果、【被災者理解の深まり】【自己発見】などのカテゴリーが抽出され、ロールプレイを「こころのケア」の学びに活用することの有効性が示唆された。
- ジャワ島ジョグジャカルタ地震被災地の緊急支援における看護の役割 NPOの国際緊急支援の参加を通して
- 伊藤尚子(日本赤十字武蔵野短期大学 成人看護学):日本赤十字武蔵野短期大学紀要 19号 Page65-69(2006.12)
Abstract:2006年5月27日にインドネシア共和国のジャワ島中部で発生した地震による被災地であるジョグジャカルタに、特定非営利組織団体より派遣され看護活動を実施した体験について、とくに、緊急支援の中でも最終班の派遣で、撤退の時期に関わったことからその特徴を中心に報告した。緊急支援においては被災者の救援活動が優先されるため、外国人スタッフが主体となって活動することも多く、そのような場合、現地スタッフへの技術移転については撤退の時期に関わるスタッフがその役割を担うこととなる。短期間に効率的に引き継ぎを行うためには、現地の文化や習慣への理解が必要であると考えた。
■日本創傷・オストミー・失禁ケア研究会誌
■透析ケア
■鳥取医学雑誌
- 災害ストレスへの対応と課題 2004年9月智頭町市瀬地区における災害後の健康相談会から
- 角田智玲(鳥取県立精神保健福祉センター), 原田豊, 坂本裕子, 徳嶋靖子, 原田和恵:鳥取医学雑誌 34巻1号 Page34-38(2006.03)
Abstract:2004年9月,台風の豪雨により床上浸水などの被害に遭った鳥取県智頭町市瀬地区を対象に,健康・メンタルヘルス相談会を2度行った.その際,被災21日目の第1回目には21名,被災2ヵ月目の第2回には13名が来所したので,これらを基に身体的所見,精神的所見,その他の症状,訴えなどについて調査した.第1回目において身体的症状では,体の痛みや風邪症状等体調不良の訴えがあり,精神的所見は疲れやすい,夜眠れない,やる気がないなどの訴えが多かった.19歳以下では災害時とよく似た状況下では不安が高まる傾向にあり,それが母親の不安にもつながっていた.一方,第2回では精神的所見として不眠や憂鬱感が残っていたが,災害直後に増強した症状は軽くなっていた。
■トラウマティック・ストレス
- 災害とテロによる心理と行動への影響 公衆衛生から治療まで
- ロバート・J・ウルサノ(米国):トラウマティック・ストレス 4巻1号 Page3-8(2006.02)
- 産業施設災害が及ぼす心理的影響 対処行動とトラウマ症状に関する諸考察
- 大江美佐里(久留米大学 医学部精神神経科):トラウマティック・ストレス 4巻1号 Page39-48(2006.02)
Abstract:石油化学関連工場での爆発炎上による火災発生後2ヵ月後に従業員178名を対象とし,PTSD症状とうつ病症状を中心に心理的影響を調査した結果を報告した.対象者のうちIES-RでPTSD危険群に該当したのは24名(13.5%),SDSでうつ病危険群に該当したのは42名(23.6%)であったが,両者を併存したのは10名であった.属性ごとの比較では,若年者・技術職・出火工程所属においてIES-R,SDSとも有意に高値を示した.PTSDとの関連因子をロジスティック回帰にて分析したところ,問題飲酒,情緒優先対処が有意な項目としてあげられた.災害後のストレス対処行動によってPTSDとうつ病の症状発現に差が生じる可能性が示された.
- 輸送災害と外傷性ストレス反応 船舶・航空・鉄道事故に関する研究総説
- 前田正治(久留米大学 医学部精神神経科学教室), 比嘉美弥:トラウマティック・ストレス 4巻1号 Page49-60(2006.02)
- 輸送災害と外傷性ストレス反応 船舶・航空・鉄道事故に関する研究総説
- 前田正治(久留米大学 医学部精神神経科学教室), 比嘉美弥:トラウマティック・ストレス 4巻1号 Page49-60(2006.02)
Abstract:本稿では,船舶,航空機,鉄道など輸送機関の大規模事故に遭遇した被災者の精神医学的問題について,内外の文献を通覧しまとめた.輸送災害においては,自然災害よりもしばしば死傷率が高いためか,PTSDやうつ病などの発生が多く,しかも長期間精神医学的問題を有し続けるという報告も少なくない.さらに被災者の救援や遺体回収に従事した救援者の精神医学的問題も多い.その一方で,主として事故後被災者が離散してしまうなどの理由で,自然災害に比べると精神医学的調査や介入に困難が認められる.輸送災害が発生した場合には,被災者に適切な精神医学的サービスを提供するために,広範囲にわたる地域精神保健ケアシステムを構築する必要があると考えられる.
-
特集・新潟県中越地震
- 新潟県中越地震における被災者支援について
- 福島昇(新潟県精神保健福祉センター):トラウマティック・ストレス 4巻2号 Page105-114(2006.09)
Abstract:新潟県中越地震後の最初の2ヵ月間においては、日本各地から派遣された、こころのケアチームが精神保健対策の中心として活発に活動した。阪神・淡路大震災から10年を経て、災害時の精神保健福祉対策が大きく前進したことは確かであるが、こころのケアチーム活動のコーディネートや支援者のメンタルヘルスの問題など、あらたな課題が浮かび上がった。被災から1年6ヵ月を過ぎ、被災者の生活には格差が生じつつあり、心の健康への影響が懸念されている。中長期ケアの主体となる市町村のケア体制には、徐々に違いが生じ始めており、広域的な視点における対策の見直しが求められている。今回、中越地震後の精神保健対策を、急性期と中長期ケアに分けて報告するとともに、被災者支援における課題について若干の考察を加えた。
- 新潟県中越地震における学校現場での臨床心理士によるこころのケア活動
- 神村栄一(新潟大学 教育人間科学部), 藤田悠紀子, 五十嵐透子, 宮下敏恵, 小林東:トラウマティック・ストレス 4巻2号 Page115-125(2006.09)
Abstract:新潟県中越地震(2004年10月23日発生)では、震災直後から新潟県から要請を受けた臨床心理士が、小中学生を対象とした"こころのケア"に関わった。それらは、(1)ショックを受けた子どもたちへの対応や、心理教育の進め方についての教職員を対象とした説明会の実施、(2)児童・生徒ととりまく大人たちの心理的状況の継続的な把握と分析、(3)震災後のこころのケアを目的としたカウンセリングの開始と継続(2006年も継続中)からなっていた。これらの活動の経過と成果について、この震災の特徴との関連から論じ、さらに、学校現場への緊急支援と、それに続く臨床心理学的支援としての学校カウンセリング活動のあり方について考察した。
- 地元児童精神科医療施設からみた新潟県中越地震
- 藤田基(国立病院機構新潟病院 小児科):トラウマティック・ストレス 4巻2号 Page127-134(2006.09)
Abstract:新潟県中越地震(2004年10月23日発生)では、震災直後から新潟県から要請を受けた臨床心理士が、小中学生を対象とした"こころのケア"に関わった。それらは、(1)ショックを受けた子どもたちへの対応や、心理教育の進め方についての教職員を対象とした説明会の実施、(2)児童・生徒ととりまく大人たちの心理的状況の継続的な把握と分析、(3)震災後のこころのケアを目的としたカウンセリングの開始と継続(2006年も継続中)からなっていた。これらの活動の経過と成果について、この震災の特徴との関連から論じ、さらに、学校現場への緊急支援と、それに続く臨床心理学的支援としての学校カウンセリング活動のあり方について考察した。
- 新潟県中越地震における精神保健医療チームの活動の実態 こころのケアチームのアンケート調査から
- 中島聡美(国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部), 金吉晴, 福島昇, 島田恭子:トラウマティック・ストレス 4巻2号 Page135-144(2006.09)
Abstract:2004年10月23日に発生した新潟県中越地震では、全国から多くの精神保健医療チームが派遣され支援活動を行った。その活動の実態を把握するため、派遣されたチームを対象に2005年2月自記式のアンケート調査を行い、86チームから回答を得た。派遣チームの活動は、避難所や在宅被災者への巡回訪問が活動時間全体の約70%を占めていた。また震災後4週間未満に派遣されたチームでは、4週間以降のチームに比べ有意に派遣日数が長く(z=-2.3,p=0.02)、在宅精神疾患患者の診察・相談件数(z=-2.2,p=0.03)、処方箋数(z=-2.2,p=0.03)、他の医療からのコンサルテーション件数(z=-3.8,p<0.01)が多く、抗精神病薬(z=-2.1,p=0.03)および身体疾患治療薬(z=-2.4,p=0.02)の需要が高いなど時期によって活動内容に違いがあることが示された。被災地外部からの精神保健医療活動は、基本的にはアウトリーチ活動が中心であるが、被災後の時期に合わせた柔軟な対応を行うことが必要である。
■ナーシング
特集・阪神・淡路大震災から節目の10年 災害看護のこれからの「進展」へ向けて 災害看護メッセージ 備え
■ナーシング・トゥデイ
特集・培った経験を「トリアージ」に活かす しっかり聞いて,見て,送る
- ケアをし続ける看護師のチカラ
- 佐藤紀子(東京女子医科大学 看護学部):ナーシング・トゥデイ 21巻7号 Page7(2006.06)
- 災害トリアージ
- 災害現場最前線でのトリアージ
- 高野博子(国立病院機構災害医療センター):ナーシング・トゥデイ 21巻7号 Page14-15(2006.06)
- JR福知山線列車事故現場でのトリアージ
- 安井美佳(兵庫県災害医療センター), 井上祥子:ナーシング・トゥデイ 21巻7号 Page16(2006.06)
- 災害トリアージのシミュレーション
- 佐藤和彦(国立病院機構災害医療センター):ナーシング・トゥデイ 21巻7号 Page17(2006.06)
- ところで,ファーストエイドできますか?
- 本間正人(国立病院機構災害医療センター 救命救急センター), 久保晶子, 京極多歌子, 中川加世, 奥村徹:ナーシング・トゥデイ 21巻7号 Page18-21(2006.06)
■ナース専科
特集・災害看護師は駆けめぐる! 災害看護の現在と未来
■長岡看護福祉専門学校紀要
■長崎医学会雑誌
■長野県看護大学紀要
- 行政組織に所属する保健師が中山間地域で発生した水害時の活動において果たした役割
- 御子柴裕子(長野県看護大学), 安田貴恵子, 嶋澤順子, 坂本ちより, 頭川典子
:長野県看護大学紀要 8巻 Page51-60(2006.03)
Abstract:行政組織に属する保健師の,水害時の保健活動の状況を明らかにすることを目的に,平成12年9月に長野県の中山間地域に位置するA村で発生した水害時の活動状況について,A村の唯一の保健師とA村を管轄するB保健所の看護師の2名を対象に面接を実施した.その結果,保健師は乳幼児や高齢者など災害要支援者に対する援助を優先的に行うとともに,災害による健康や生活への影響を的確に捉え,長期にわたり援助を継続していることが分かった.
■長野県透析研究会誌
- 透析中における災害時の対応 緊急離脱と避難訓練
- 新井修(佐久総合病院(厚生連) 透析室), 今井恵美子, 芝田房枝, 沢仁子, 池添正也, 山口博
:長野県透析研究会誌 29巻1号 Page9-11(2006.09)
- 災害発生時の安全な避難 透析中の火災発生を想定した集団避難訓練を取り入れて
- 牧野ひとみ(飯田市立病院 腎センター), 野牧敬子, 座光寺艶香, 池沼千恵, 川島好子, 奥村初美, 木下富喜
:長野県透析研究会誌 29巻1号 Page12-14(2006.09)
Abstract:当院では平成16年度より、透析中の災害発生を想定した集団避難訓練を実施しており、今回、訓練後の患者(平成16年度36名、17年度35名)へのアンケート調査を分析、検討した。その結果、16年度では、訓練開始当初の4月に10名が離脱部の接続が外せず離脱できなかったが、そのうち9名は9月までにできるようになり、介助の必要な患者7名も全員離脱できるようになった。また、17年度では、「避難訓練で難しかったところは」の質問に、35名中34名が「むずかしいところはなかった」と回答した。
- 透析室における災害教育(解説)
- 吉岡智史(長野中央病院 血液浄化療法センター), 高木なつ子, 山本秀子, 中条善則
:長野県透析研究会誌 29巻1号 Page117-120(2006.09)
- 災害時緊急離脱法を検討して
- 伊藤亜貴彦(小諸厚生総合病院 臨床工学科), 饗場智明, 菊池康人, 佐藤裕一, 小松慎太郎, 掛川義行, 藤沢信幸, 木曽武良, 荻原裕房
:長野県透析研究会誌 29巻1号 Page121-123(2006.09)
- 当院における災害発生時ボランティア受け入れ体制の整備
- 中村哲朗(慈泉会相澤病院 透析腎不全センター), 高橋説子, 高見澤昌慶, 白鳥勝子, 小口智雅, 平田聖文, 橋本幸始, 神應裕:長野県透析研究会誌 29巻1号 Page128-133(2006.09)
Abstract:当血液浄化療法センターでは、「患者自らが自分の命を自分で守る行動がとれる」をコンセプトに、2004年から離脱訓練を年2回実施している。離脱訓練の結果で変更される、離脱が必要な場合のスタッフが離脱を行う優先順位を表示したネームプレートは患者が保管するとともに、緊急連絡カードを患者に配布し、緊急時には常に持ち歩くよう指導している。また、環境設備面では、2005年10月の新規移転に伴い、コンソールが設置してあるカウンターを患者のベッド柵より低くし、コンソールの下に耐震マットを敷くなどの対策をとった。そのほか、地震体験装置による疑似体験を、スタッフ全員が行った。
■西九州大学・佐賀短期大学紀要
■日赤検査
■新田塚医療福祉センター雑誌
- 被災時における総務課での行動 行動マニュアル作成の試み西亜希美(福井総合病院 総務課), 吉田順子, 酒井敏秀, 泉俊昌:新田塚医療福祉センター雑誌 3巻1号 Page37-39(2006.06)
Abstract:災害初期時における総務課職員の行動マニュアル作成を試みた.行動マニュアル作成前には,自分のとるべき行動が不明なこと,非常持出袋がないため,非常持出物品が不明確なこと,書類の量が莫大で,かつ重要書類等の優先順位がないことが問題点として挙げられた.災害発生時には火元確認,電話応対,負傷者(総務課職員)確認,避難経路の確保・ドアの開放,患者の安全確保の後,人員点呼を行うこととした.又,非常持出物品の一覧表・チェックリスト,非常時連絡先一覧表,電話応対時の記録表を作成し,鍵の保管場所を決定した.地震発生から人員点呼までの時間は,行動マニュアル作成前の5分から3分30秒に短縮した.行動マニュアルにより災害時の対処方法が明確になり,総務課職員の行動時間の短縮,災害に対する意識を高めることができた。
■日独医報
■日本足の外科学会雑誌
- 新潟県中越地震における足部外傷
- 家田友樹(魚沼病院(厚生連) 整形外科), 村山信行, 星野達, 井口傑, 須田康文:日本足の外科学会雑誌 27巻2号 Page89-92(2006.05)
Abstract:新潟県中越地震発生から12日間に著者らの施設へ来院した外傷患者453名の受傷内容を分析し,足部外傷を中心に報告した.その結果,1)受傷部位は下肢206例,上肢111例,体幹104例,頭部顔面外傷46例であった.2)下腿より遠位の外傷は139例で,内訳は挫創63例,熱傷21例,打撲21例,骨折18例,捻挫16例,腓骨神経麻痺3例であった.3)骨折の部位は踵骨6例,前足部6例,下腿骨,足関節6例であった.4)施設において震災後4日目までは単純X線撮影ができず,その中で手術の必要性があると思われた症例は,被災をまぬがれた近隣の病院へ転送となった.尚,今回の震災で来院した患者は軽症者が大半であり,病院においてトリアージタッグを使いトリアージを行う必要はなかった。
■新潟医学会雑誌
特集・災害医療の実情と展望 新潟県中越地震の経験から
- 中越地震における新潟大学整形外科の対応
- 荒井勝光(新潟大学 大学院整形外科学分野), 遠藤直人:新潟医学会雑誌 120巻1号 Page2-6(2006.01)
Abstract:2004年10月23日(土曜日)に発生した中越地震に対し,新潟大学整形外科は発生早期から対応に当たった.まず,医歯学総合病院の整形外科病棟入院患者の異常がないこと,医局員の安否に問題ないことを確認した.また当科の方針として,第一線で救急対応に当たる中越地区の整形外科医を応援することとした.一方で医歯学総合病院には活用できる対応マニュアルがないとのことから,当科単独で早急に情報を集めることとした.しかし,電話が通じない病院が多く,地震当日は,小千谷病院,長岡中央病院,立川病院と連絡が取れなかった.新潟県の福祉保健部とも相談したが,道路状況等不明な点が多く2次災害の危険性もあり,残念ながら当日は応援には行くことを断念した.翌日(10月24日,日曜日)は,中越地方の各病院だけでなく県庁の福祉保健部や病院局とも連絡を取り,被害状況だけでなく移動手段等の情報を集めた.公用車を提供していただき,計13名の整形外科医が,小千谷,十日町,長岡日赤,長岡中央,立川病院に応援に出かけ,第一線で救急対応に当たった.十日町病院には陸路では到達できず,最終的にはヘリコプターで移動した.中越地区の整形外科医は自らが被災者であるにもかかわらず,献身的な医療を行っており,そこに連絡を密にして人的な応援ができたことは,非常に有意義であったと感じている.発生後6日間にわたり,昼夜にわたり応援を行った.また当科の初期対応のノウハウ,各地域の情報を,院長ならびに医歯学総合病院へ提供することで,病院としての対応,各科の対応の一助となったものと確信している.
- 新潟県中越地震に対する医歯学総合病院の医療支援
- 下条文武(新潟大学医歯学総合病院):新潟医学会雑誌 120巻1号 Page6-10(2006.01)
Abstract:新潟県中越地震(H16.10.23)に見舞われた新潟県は,山間地域の大規模自然災害としての未曾有の被害を被った.容赦なく続く余震のなか,新潟大学医歯学総合病院のスタッフは被災した医療機関ならびに被災者への医療支援活動を開始した.被災地へのアクセスや医療班の二次災害など多くの問題を抱えながらの最大限の活動を行った.しかし,多くの課題も浮き彫りにされた.この度の支援活動を通して学んだ教訓は,今後の大規模災害医療に役立つものと考える.
- 新潟県中越地震の医療支援
- 丸山弘樹(新潟大学医歯学総合病院 第二内科), 下条文武:新潟医学会雑誌 120巻1号 Page11-13(2006.01)
Abstract:平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震で新潟県立十日町病院,新潟県立松代病院,新潟県立小出病院,新潟県立六日町病院が被災しました.10月26日から11月4日まで,第一内科,第二内科,第三内科,神経内科の4内科のボランティア医師で構成された医療チームは,これらの県立病院の医療支援をさせていただきました.この経験で得られたこと,明らかにできた課題の解決を通して,院外への医療救護班の派遣活動の質を高めることができると考えられました.
- 新潟中越地震災害医療報告 下肢静脈エコー診療結果
- 榛沢和彦(新潟大学 大学院呼吸循環外科学分野), 林純一, 大橋さとみ, 本多忠幸, 遠藤祐, 坂井邦彦, 井口清太郎, 中山秀章, 田中純太, 成田一衛, 下条文武, 鈴木和夫, 斉藤六温, 土田桂蔵, 北島勲:新潟医学会雑誌 120巻1号 Page14-20(2006.01)
Abstract:新潟中越地震の車中泊では地震による心的ストレス,窮屈な下肢屈曲姿勢,そして脱水により下肢深部静脈に血栓が発生しエコノミークラス症候群(肺塞栓症)が多発した.10/31,11/3,11/7には厚生連佐久総合病院の診療チームと計69名(男性4名)にポータブルエコーで,11/15から12/20までは厚生連魚沼病院に通常のエコー装置を設置しマスコミを通じて呼びかけ82名(男性13名)に下肢静脈エコー検査施行した.2005/2/28から3/31まで再度魚沼病院で検査した方を対象に再度下肢静脈エコーを行った.10/31-11/7に検査した69名中車中泊経験者は60名で,8名にヒラメ静脈浮遊血栓(そのうち1名はCTで肺塞栓症を認めた),14名に壁在血栓を認め,血栓陽性例は全員車中3泊以上であった.11/15-12/20の検査では車中泊は66名(6名は30日以上連泊),そのうち60名が下肢の疼痛や腫脹を訴えヒラメ静脈の充満血栓1名,9名で壁在血栓を含めた血栓を認め,血栓陽性例は全員震災直後から車中4泊以上であった.血栓陽性率は震災後からの経過時間とともに低下し12/20では10%であったが2/28から3/31の診療結果では新たな血栓も認め血栓陽性率は21.9%と上昇を認めた.11/7までの下肢静脈エコーにおける車中泊者のヒラメ筋最大静脈径は8.8±2.5mm(車中泊経験の無いヒラメ筋最大静脈径7.1±2.0mm)より有意に大(n=55,p<0.05),また血栓を認めた被災者のヒラメ静脈最大径10.0±2.6mmで血栓の無い被災者(7.5±4.4mm)より有意に大であった(n=67,p<0.0001).本診療調査により大災害時における車中泊は急性期に肺・静脈血栓塞栓症を起こすだけでなく,静脈の損傷により慢性期に反復性の血栓を生じて血栓後症候群になる危険性も大であることが示唆された.
- こころのケア対策
- 塩入俊樹(新潟大学 大学院医歯学総合研究科精神医学分野):新潟医学会雑誌 120巻1号 Page20-24(2006.01)
Abstract:本稿では,シンポジウム「災害医療の実情と展望:新潟中越地震の経験から」の中で,新潟大学精神科(以下,当科)が行った「こころのケア対策」について述べる.地震発生の翌24日,当科の染矢教授と新潟県福祉健康部健康対策課とで協議が行われ,被災地での精神科医療の一元化を図るために「こころのケアチーム」を編成し,それによる統制のとれた支援を行うことが決定された.更に同日には,精神保健福祉センターに「こころのケアホットライン」を開設.翌25日,当科と県立精神医療センターを中心に「こころのケアチーム」が編成され,我々のチームは情報収集を行いつつ,26日に現地入りした.当科の「こころのケアチーム」の活動エリアは長岡市の山古志村避難所で,当初は小千谷市も担当した.活動内容としては,各避難所を巡回・診療と,広報活動である.また,人口の多い小千谷市では,精神医療センターと協力し"こころのケア診療所"を開設した.山古志村の各避難所においては,延べ193件(93名)の巡回診察を行い,継続治療が必要な方は全て紹介状を作成して地域の医療機関での通院をして頂いている.主訴としては,不眠が一番多く,余震に対する過度の不安,食欲不振,抑うつなどもみられた.12月に入ると,被災者の方々が徐々に仮設住宅に移られ,新たな生活が始まった.この時点で災害時精神科初期医療はほぼその目的を終え,今後は中長期的な「こころのケア」を考えていく必要がある.そこで,我々新潟大学精神科では,以下の4つのケアプランを立て,村民の皆さんの負担にならないよう十分配慮し,かつ健康対策課とも密に連携しながら実践する予定である(著者抄録).
- 中越大震災とこころのケア対策
- 石上和男(新潟県福祉保健部健康対策課):新潟医学会雑誌 120巻1号 Page24-26(2006.01)
■新潟県医師会報
■日本医師会雑誌
■新潟大学医学部保健学科紀要
■新潟薬科大学研究報告
■西尾市民病院紀要
■日本医事新報
■日本遠隔医療学会雑誌
- 災害の余波における遠隔治療と衛星通信の重要性(Importance of Telemedicine and Satellite Communications in the Aftermath of Disasters)(英語)
- Nagami Kiyoko(東海大学 救命救急医学), NakajimaIsao, JuzojiHiroshi, IgarashiKiyoshi, TanakaKenji
:日本遠隔医療学会雑誌 2巻1号 Page4-6(2006.04)
- トライアスロン大会で用いた遠隔医療 衛星と地上網を用いた実証実験
- 久木田一朗(琉球大学 医学部救急医学分野), 中村宏治, 横田勝彦, 安田浩:日本遠隔医療学会雑誌 2巻2号 Page110-111(2006.09)
Abstract:災害医療のモデルとしてのトライアスロン大会で衛星を用いた遠隔医療が可能かつ有効かどうかの実証実験を行い、問題点を検討した。実証実験の全体像は溺水等の重症患者の胸部デジタルX線撮影をスイム救護所で行い、衛星回線を用いて琉大救急部に画像伝送した。琉大救急部には放射線科専門医が待機して胸部X線像を読影し、画像と所見をスイム救護所および県立宮古病院へ伝送した。溺水現場の救護所から基幹病院へ患者が搬送される15分前に関係箇所で胸部X線画像と所見が閲覧でき、同時に行った地上網を用いたテレビ会議システムの画像から現場の状況を把握できた。トライアスロン大会において衛星回線等を用いた遠隔医療は発災現場医療救護の安全性を高め、災害医療での応用にも有効であることが示唆された。
- 防災情報通信のための臨時回線用長距離・大容量無線LANの研究開発 災害時の遠隔医療への活用
- 中村正幸(長野県工業技術総合センター 情報技術部門), 滝沢正臣, 村瀬澄夫:日本遠隔医療学会雑誌 2巻2号 Page124-125(2006.09)
Abstract:災害時等において、山間地等の通信が途絶えた被災地域等との間で、大容量の双方向通信網を迅速に構築し、防災情報等を伝送できる長距離無線LANの研究開発を進めている。長距離通信が可能なIEEE802.11g方式の2.4GHz帯の無線LANを開発した。今回、通信速度54Mbpsで30km程度の通信が可能で、この無線LANを利用し最長41kmの無線区間を持つ無線LANネットワークによる実証実験を行った。テレビ画質に近い動画像が得られた。複数のエンコード・デコードを行っているため、映像の遅延が1秒程度発生した。VoIPによる電話システムは、映像伝送と同時に使用可能で、良好な音声通信が行えた。遠隔医療支援に活用可能であることが示唆された。
- 緊急災害遠隔医療に対するワイヤレスIPネットワーク ジョグジャカルタ-中央ジャワ地震の事例研究(Wireless IP Network for Emergency Disaster Telemedicine: Case Study of Yogyakarta-Central Java Earthquake)(英語)
-
SadiqMuhammad Athar(東海大学 医学部中島研究室), UsmanKoredianto, JuzojiHiroshi, IgarashiKiyoshi, TanakaKenji, NakajimaIsao:日本遠隔医療学会雑誌 2巻2号 Page128-129(2006.09)
Abstract:2006年5月27日にインドネシアのジャワ島を襲ったジョグジャカルタ-中央ジャワ地震において、災害地域を相互接続するためにワイヤレスIPを提唱した。この地震では、インドネシアの大都市5市が罹災し、政府の電力供給、固定電話線、移動電話線が全て故障し、遠隔医療ネットワークのインフラに固定電話や移動電話を使用できなかった。ワイヤレスIPは、医療及び避難ポイントを相互接続するために、簡便で経済的なテレコミュニケーション系として代用できる。
- 非公衆回線を用いた長距離の遠隔医療支援 NVIS(近垂直放射空間波)の利用
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北野利彦(東海大学 医学部専門診療学系救命救急医学), 富岡康充, 十蔵寺寛, 中島功:日本遠隔医療学会雑誌 2巻2号 Page130-131(2006.09)
Abstract:HF帯(短波)のNVIS(近垂直放射空間波)を用いた無線通信は、天頂付近の電離層反射を利用するため、建築物、山岳に遮蔽されず常時安定で、かつ極めて安価な通信回線の確保ができる特徴を有する。このNVISを用いた遠隔医療用の通信方式について検討した。有線及び無線を利用した公衆回線と比較し、災害時に安定な通信システムを提供できた。回線料は無料であるため、パッケージ・メディアと組み合わせることが可能な長距離(100-200km)の遠隔医療支援には極めて有効な通信方式であることが示唆された。
■日本看護学会論文集
- 手術室避難訓練実施による災害(火災)に対する意識の変化
- 花木美保(大和高田市立病院), 深澤知子, 里内正樹:日本看護学会論文集: 看護総合 37回 Page45-47(2006.12)
- 災害時対策と防災意識向上への取り組み
- 成瀬彰(一宮市立木曽川市民病院), 羽土貴之, 山崎久雄, 小山久子, 鈴木綾乃:日本看護学会論文集: 看護総合 37回 Page369-371(2006.12)
- 自然災害に対するA病院看護師の知識・意欲に関する意識調査
- 山添美幸(高松市民病院), 坂見貴子, 宮本裕美, 川成美由紀, 松田彩, 池田隼:日本看護学会論文集: 看護総合 37回 Page372-374(2006.12)
■日本看護学会論文集
■日本看護学会論文集
■日本救急医学会関東地方会雑誌
- 救急医学からみた災害医療 「災害医療大系」作成への経緯から
- 原口義座(災害医療大系編纂グループ), 山本保博, 大橋教良, 岡田芳明, 奥村徹, 二宮宣文, 石原哲:日本救急医学会関東地方会雑誌 27巻 Page156-158(2006.12)
- 被災直後を想定した意識調査
- 挾間しのぶ(東京慈恵会医科大学附属柏病院), 宮城久仁子, 富士田恭子, 大橋一善, 小山勉:日本救急医学会関東地方会雑誌 27巻 Page218-219(2006.12)
Abstract:著者等の施設の全職員1303名の同意を得て、災害直後を想定した意識調査を行い回収された73%について解析した。その結果、災害マニュアルの存在を知っていた者は39%で、実際にマニュアルを見たことがある者は20%であり、更に災害時に設置される対策本部の場所を知っていた者は14%に減少していた。以上より災害直後を想定し、災害時の役割意識に働きかけ、より現実的な行動がとれる災害マニュアルの再構築が必要であり、被災直後を想定したより現実に即した訓練を重ねることの重要性が示唆された。
■日本救急医学会中部地方会誌
■日本胸部臨床
■日本航空医療学会雑誌
- ドクターヘリでのBLS、ACLS、JPTEC、JATECの実践事例報告
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豊田泉(岐阜大学 医学部救急・災害医学分野), 森義雄, 加藤雅康, 小倉真治, 高橋宏樹, 浅井精一, 岡田眞人:日本航空医療学会雑誌 6巻2号 Page8-11(2006.01)
Abstract:静岡県のドクターヘリは、西部地区は聖隷三方原病院を基地病院としている。そこでは患者搬送の時間短縮のみならず、医師、看護士、救命士、救急隊員らの協力によって、本格的医療を救急現場へ導入することを目的としている。その際に、BLS、ACLS、JPTEC、JATECに準じて評価・治療を切れ目なく行い、病着後は救急医と各科専門医師が合同で根本治療を行っている。これらの標準化された医療であれば、現場や他施設でも円滑に行う事が出来る。さらに、現場でのトリアージ、事前の細部に渡る情報伝達によって、根本的治療に向けての時間短縮、効率化が図れるものと考えられた。今後、ドクターヘリへの期待は高まっていくことと考えられる。質の高い医療の早期提供はもちろん、地域での標準化された治療法の普及と啓蒙に貢献していることもあり、数値では表せない多大な利点があるものと考えられる。
- ヘリ搬送にて早期に再灌流できた急性心筋梗塞の2例
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宮本哲也(兵庫県災害医療センター), 中山伸一, 高岡秀幸, 黒田祐一, 冨岡正雄, 小澤修一, 中田充典:日本航空医療学会雑誌 6巻2号 Page15-19(2006.01)
Abstract:六甲山登山途中に発祥した急性心筋梗塞2例に対しヘリ搬送を行い、迅速に対応し救命できたので報告する。(症例1)51歳、男性、登山中に胸痛出現し救急要請した。車道より徒歩10分の登山道で患者と接触しAMIを疑いヘリ搬送となった。前壁梗塞と診断し、冠動脈造影検査施行。#6 100%にてPCIを施行し0%まで開大し終了。(症例2)70歳、男性、同様に登山中に上腹部痛出現し救急要請、ヘリによる山岳救助要請となった。症状持続し末梢冷感強くAMIを疑いヘリ搬送となった。下壁梗塞と診断し、冠動脈造影検査施行。右冠動脈の起始異常のため、造影に時間を要したが#1 99%に対しPCIを行い0%まで開大し終了した。(考察)症例1においては発症から約2時間で再還流でき良好な経過をとった。また、症例2においては再還流に時間を要したが致死的不整脈を予防できたと考えられた。いずれの症例も現場救命士の判断でヘリを要請し、搬送は迅速でありプレホスピタルケアの重要性を再認識した。
- 群馬県防災ヘリコプターの救急搬送にみる地域特殊性の検討
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饗場庄一(群馬県消防学校 救急科), 滝口健一, 内山美朗, 小島輝男, 守下紀夫, 清水征己, 関口輝義, 江積明博, 萩原勇人, 畑村佳彦, 小倉孝志:日本航空医療学会雑誌 6巻2号 Page20-26(2006.01)
Abstract:群馬県防災航空隊は平成9年5月にヘリ1機が就航して以来、年々出動件数が増加している。消防防災ヘリの立場上、多目的運用が原則であるが、火災出動は年平均6.7回で少ない。それに比べて救急医療での出動は著しく増加している。即ち、山林火災、災害対策、広域応援に比べて捜索救助や救急搬送が全体の多くを占めていて絶対数も年々増加している。現在群馬県内には病院ヘリポート7ヶ所の他、県内各市町村の離着陸場が94ヶ所整備されていて何時でも使用可能になっている。群馬県内各消防本部からの出動要請は7年間に548件で、県内各地区で防災ヘリを利用している。しかしながら県内では利根・沼田地区と草津・吾妻地区での出動件数が突出して多い。その理由を群馬県防災ヘリコプターの最近の活動状況から検討した。今後は防災航空隊との連携のもとで、医師のピックアップ方式を先ず成功させることがドクターヘリ導入への説得に繋がる近道かと思われる。
- 消防・防災ヘリコプターの現況と課題
- 兵庫県・神戸市における防災・消防ヘリ共同運航による救急搬送と課題
- 石井昇(神戸大学 大学院医学系研究科災害・救急医学分野), 川嶋隆久, 中村雅彦, 中山伸一, 小澤修一, 佐藤慎一, 松谷純志:日本航空医療学会雑誌 7巻1号 Page5-11(2006.05)
Abstract:神戸市消防ヘリは1992年導入当初から積極的に救急搬送に取り組んできたが、県防災ヘリは要請手続きの煩雑さ等から救急搬送は低迷していた。1999年の消防法の改正や厚生労働省のドクターヘリ運用開始の影響を受け、また2003年の兵庫県災害医療センター開設に伴い、県と市が協定を締結し2004年4月から兵庫県防災ヘリ1機と神戸市消防ヘリ2機を一体的に管理し、365日常時2機体制を確立する共同運航体制が開始された。共同運航による効果は、ヘリ要請から離陸までの時間短縮、要請手続きの簡素化が図られ、県消防防災ヘリの救急出動件数は約3倍(2003年:14回→2004年:39回)と増加し、事故現場等への出動も増加したが、神戸市消防ヘリの救急出動件数は増加しなかった。今後、より効率的かつ円滑な運用を推進していくために救急ヘリ共同運航協議会のあり方を見直して、搭乗医師等の教育研修の充実を図るとともに、関係医療機関からのヘリ搭乗医師の参加を推進し、救急医等への負担軽減策を講じる必要がある。
- 岐阜大学病院における防災ヘリのドクターヘリ的活用の現状
- 豊田泉(岐阜大学 医学部救急・災害医学分野), 加藤久晶, 松橋延壽, 白井邦博, 金田英巳, 小倉真治, 岡田眞人:日本航空医療学会雑誌 7巻1号 Page12-15(2006.05)
Abstract:岐阜大学医学部附属病院では、2004年6月の新病院開設とともに屋上ヘリポートからのピック・アップ方式での防災ヘリによる医療活動を行っている。1年間で69件の出動があり、現場出動はわずかに4件であった。最近のドクターピック・アップまで平均16.8分。オバートリアージによる出動後のキャンセル例はなかった。一方、聖隷三方原病院を基幹病院としたドクターヘリでは、要請後平均2分で離陸し、現場治療を主たる目的としている。出動は平成16年度では495件、現場救急は325件(84.4%)であった。キャンセル例は110件、そのうち、出動後にキャンセルされる例は75件であり、全体の15.1%にもなった。この様に、防災ヘリとドクターヘリでは、多くの差が存在すると思われる。今後、防災ヘリをドクターヘリとして活用するには、その時間短縮とディスパッチの基準、方法などの改革、工夫を要するものと考えられた。
- 兵庫県における、3機一体運用開始後の医師同乗型救急ヘリ搬送の現状報告
- 中村雅彦(兵庫県災害医療センター), 中山伸一, 宮本哲也, 冨岡正雄:日本航空医療学会雑誌 7巻1号 Page16-21(2006.05)
Abstract:1995年に発生した阪神淡路大震災以降、兵庫県では救急救護ヘリコプターの運行体制の整備が進められ、兵庫県所属の消防防災ヘリの救急救護運用が2004年4月、神戸市消防局へ委託され、3機運用体制となった。兵庫県における基幹災害拠点病院として、2003年8月に開院した当センターはこの3機一体運用が開始されてから、神戸市外での事案でのヘリコプター搬送に中心的に関わってきた。この新体制後、神戸市外への救急ヘリの出動件数は増加したが、1)要請から医師が同乗し、離陸するまでに要する時間の短縮、2)手順の簡素化、3)同乗する医療チームを確保し、当番制を敷くなどのさらなる努力が必要と考えられた。
- 空輸"Telemedicine Package"の開発(Development of airborne"Telemedicine Package")(英語)
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NagamiKiyoko(東海大学 救命救急医学), NakajimaIsao, JuzojiHiroshi, TakazawaKensuke, IizukaShinichi, SekiTomoko, UmezawaKazuo, NakagawaYoshihide, InokuchiSadaki, IgarashiKiyoshi, TanakaKenji:日本航空医療学会雑誌 7巻1号 Page33-38(2006.05)
Abstract:移動体通信衛星を用いた災害向け航空機搭載用のテレメディシン・パッケージについて紹介する。軽く、小さく、極地以外は世界中どこでも使え、ISDN回線で災害地と非災害地をIPベースで接続することを目指し、医療用PC、医療端末のアクセスを無線LAN接続ができ、柔軟にネットワーク構築が災害地で出来るシステムを、我々はパーケージ化して航空機で輸送することを考えている。既に市販されている機材等を活用するため初期投資は比較的安価であるが、回線使用料が30分500米ドルと高額なのが課題である。最終的にはITU-T(国際電気通信連合電気通信部門)SG-16課題27(災害通信)において本システムの標準化を目指している。今後もテレメディシン・パッケージの標準化及びパッケージ化にという観点からの調査研究を続ける予定である。
- JR福知山線脱線事故におけるstaging careの経験
- 宮本哲也(兵庫県災害医療センター), 中山伸一, 冨岡正雄, 中村雅彦, 小澤修一, 鵜飼卓, 松山雅洋, 古曾正之:日本航空医療学会雑誌 7巻1号 Page51-56(2006.05)
Abstract:(目的)JR福知山線列車脱線事故において、現場近くの中学校校庭に設置された臨時ヘリポートへ派遣され、航空搬送患者へのstaging careを担当したので報告する。(結果)事故は9時18分発生、消防局やメデアなどの情報からヘリコプター搬送(以下ヘリ搬送と略す)が必要と判断。兵庫県、神戸市消防局航空隊による医師1名、看護師1名の現場投入を神戸市消防局に要請し11時2分中学校校庭に着陸した。ヘリ搬送目的で臨時ヘリポートへ移送された12名(男8名、女4名)の傷病者に対し、搬送前トリアージと応急処置を行った結果、重症(赤)10名、中等症(黄)2名で、神戸市内への8名の搬送はヘリ2機体制で、2名は大阪市ヘリにより大阪府内へ搬送となった。黄色タッグに分類された2名は近くの病院へ救急車で搬送した。現場での処置は静脈路確保5例、脱気2例であった。(考察)ヘリ搬送ポストでstaging careを担当したのは我々の医療チームのみで、災害現場での人員の配置の面で問題があった。その他の問題点を含めて、今後、集団災害時のヘリ搬送に際し、staging careの重要性を認識した準備と対応が必要と考えられた。
■日本小児科学会雑誌
- 火山灰の吸入による細気管支炎・器質化肺炎の1例
- 庄嶋淳子(日本赤十字社医療センター 呼吸器内科), 生島壮一郎, 安藤常浩, 持田昌彦, 柳川崇, 武村民子, 折津愈:日本呼吸器学会雑誌 44巻3号 Page192-196(2006.03)
Abstract:症例は三宅島に在住していた57歳女性.2000年7月検診での胸部X線は正常であった.8月からの三宅島雄山噴火において大量の火山灰を処理した後,東村山市に転居した.10月の胸部X線上異常陰影を指摘され,胸腔鏡下肺生検で得られた主な病理組織像は,細気管支から肺胞腔内の無機物の沈着を中心としてリンパ球,形質細胞,好中球の細気管支壁,肺胞壁ならびにそれぞれの内腔への浸潤,肺胞腔内の蛋白滲出物と腔内の線維化であった.三宅島火山灰と患者の肺胞マクロファージ内沈着物のエネルギー分散X線分析の結果,両者間に高い相同性を認めた.以上より本症例は火山灰の吸入による気管支肺病変と判断した.現在までに火山灰による末梢気道・肺病変についての報告は非常に数が少なく,貴重と考えて報告した.
■日本呼吸管理学会誌
- 中越地震での十日町病院の状況報告
- 山口征吾(新潟県立十日町病院 内科):日本呼吸管理学会誌 15巻3号 Page328-333(2006.04)
Abstract:直後の状況:病院機能は大きく低下したが,外傷を中心とする患者が多数来院.酸素濃縮機の使えなくなった患者も多かった.入院患者の大部分を屋外へ避難させた.数日後:大部分の患者を転院させた.安全な部屋を簡易病室にした.救護活動:避難所の巡回や予防接種を行い,救護所を設置した.問題点:情報処理,患者の搬送,連携など今後の課題が残った.
- 中越地震被災病院の患者に対応した病院からの報告
- 岩島明(長岡中央綜合病院(厚生連) 呼吸器病センター内科):日本呼吸管理学会誌 15巻3号 Page334-338(2006.04)
Abstract:新潟県中越震災で「被災しつつも診療が継続でき」「被災病院からの患者に対応した病院」としての立場で果たした診療の役割を述べ,さらに災害時のネットワークおよび医療資源の再分配について振り返る.さらに,縦割りの組織の弊害を受けないような災害時在宅酸素療法のネットワーク構築の提案について述べる.
- 災害時の緊急対応 HOTプロバイダーの役割(新潟県中越地震)
- 大山幸雄(帝人在宅医療東日本), 伊藤史, 今井弘子, 酒井章, 大橋悦夫, 大谷昌伸, 菅原重光:日本呼吸管理学会誌 15巻3号 Page339-344(2006.04)
Abstract:平成16年10月23日夕刻発生した新潟県中越地震は震度7の強震に加え,その後断続的に大きな余震が多数続き被害が甚大となった.在宅酸素療法患者(以下HOT患者)をフォローする酸素供給会社はただちに緊急体制を布き,患者の安否確認を行うとともに,その状況に応じた酸素ボンベのすみやかな供給および関係先への連絡を実施した.大規模な災害の場合,現地は通常の機能を果たすのが困難な状態に陥るため,近隣からの速やかかつ組織的な応援協力体制が必要になる.われわれは,阪神・淡路大震災を契機に災害発生時の初動,指揮命令系統,酸素供給機器の備蓄方法等について組織を挙げて取り組んできた.本稿では新潟県中越地震における緊急対応,特にHOT患者への対応と今後の課題について,酸素供給業者の立場から報告する.
- 阪神淡路大震災の教訓 在宅酸素療法患者の安否確認とその対応マニュアルの作成と地域に適した対策を
- 山本昌司(神戸協同病院):日本呼吸管理学会誌 15巻3号 Page345-347(2006.04)
Abstract:平成7年1月17日に起こった阪神・淡路大震災は,われわれ医療機関に働く者,特に在宅医療に携わる者にとって数多くの教訓を残した.震災当時のHOT患者は29名(内,気管切開によるHMV1名)おり,安否確認と酸素の供給,職員による自宅訪問,避難所の往診・訪問,ボランティアによる患者訪問,来院患者からの情報提供,地域開業医との情報交換,酸素納入業者への依頼などの役割が大きかった.今後の対策はどのようにすべきか,当院の経験から患者データの整理(個人情報保護法の問題はあるが),酸素供給方法の問題,行政機関への働きかけ,マスメディアへの対応,地域医療機関との連携,ネットワーク作りなど,いつ災害が起こってもおかしくない現在,日常的にこれらのことを気にかけておく必要性を提案する.
- 大震災時の司令塔としての保健所
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石井昌生(神戸市健康づくりセンター 健康ライフプラザ):日本呼吸管理学会誌 15巻3号 Page348-350(2006.04)
Abstract:大震災時保健所の役割を東灘保健所での経験を基にまとめた.早く現場に行き刻々と変わる状況に対応するため,保健所が中心になり,福祉事務所・医師会・歯科医師会・薬剤師会やボランティアの活用を図った.自分の住む町を守る心,平時の心構え,小学校区の大切さ,保健福祉の統合への必然性が理解できた.
- 地震災害時の病診連携 宮城県北部地震での教訓
- 米谷則美(米谷医院):日本呼吸管理学会誌 15巻3号 Page351-356(2006.04)
Abstract:平成15年7月26日,宮城県北部を震源とするマグニチュード6.4,最大震度6強の直下型地震が発生した.震源地に近く壊滅的な被害を受けた鹿島台町立病院と地域基幹病院である古川市立病院との間の医療情報の交換は,人海戦術に頼らざるをえなかった.今回の事象を振り返り,地震災害時の望ましい情報通信網のありかたについて考察した.
- 大規模自然災害が在宅酸素使用患者に及ぼした影響 平成16年新潟豪雨・中越地震の経験から
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谷内田容子(長岡中央綜合病院(厚生連) 看護部外来), 佐藤英夫, 岩島明, 河辺昌哲, 本間ひろ子, 神保恵子, 中山秀章, 下条文武, 長谷川隆志, 鈴木栄一:日本呼吸管理学会誌 15巻4号 Page641-645(2006.06)
Abstract:新潟県中越地域では平成16年度に,河川氾濫を伴う水害と最大震度7の大地震を経験した.災害時の在宅酸素療法(HOT)患者の安否確認,避難状況・HOT機器の対処や酸素プロバイダーとの連携について当時のカルテ・連絡資料と患者からの聞き取り調査を行い検討した.患者の安否確認は主にプロバイダーによる電話または直接訪問で行われた.多数のHOT患者が近隣の学校やコミュニティーセンターへ避難しており,避難先へのボンベ追加・濃縮器仮設で避難時を乗り切っていた.大規模災害時には避難先で酸素供給が継続できるようにプロバイダー・訪問看護等との連絡体制を確保し意思疎通を図ることが重要であった.安否確認連絡は,被災・避難患者の孤立感の軽減に有効であった。
■日本在宅ケア学会誌
- 被災者と被災地に試される感受性
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中島紀恵子(新潟県立看護大学):日本在宅ケア学会誌 10巻1号 Page5-8(2006.09)
- 「人間」と「地域」と「くらし」を支えるということ 被災者と共に歩んできた経験を通して
- 黒田裕子(阪神高齢者・障害者支援ネットワーク):日本在宅ケア学会誌 10巻1号 Page9-12(2006.09)
- 災害時の支援
- フェイズ0からフェイズ2 災害時の要援護者支援 危機管理の立場から
- 郡山一明(北九州市 危機管理):日本在宅ケア学会誌 10巻1号 Page13-15(2006.09)
- フェイズ0からフェイズ2 福祉機関の立場から
- 小山剛(高齢者総合ケアセンターこぶし園):日本在宅ケア学会誌 10巻1号 Page16-18(2006.09)
- フェイズ0からフェイズ2 被災地病院の初動体制と災害現場の医療活動 その実際と日ごろの備え
- 小原真理子(日本赤十字看護大学):日本在宅ケア学会誌 10巻1号 Page19-20(2006.09)
■日本災害看護学会誌
- 災害復旧活動におけるボランティアコーディネーターの心身の経過別変化と対処方法
- 野口宣人(大阪市立総合医療センター), 酒井明子:日本災害看護学会誌 7巻3号 Page2-15(2006.05)
Abstract:「福井豪雨」(2004年7月)の復旧活動に尽力したボランティアコーディネーター(以下,コーディネーター)の活動中における,1)心身の許容量を超えたと感じた時期,2)経過別の心身の変化と,変化を及ぼした要因,3)心身の変化への対処方法・社会的支援,を明らかにすることを目的に,コーディネーター4名(うち,男性2名.35~44歳)を対象に半構成的面接を実施した.その結果,心身のピークを感じた時期はいずれもボランティアセンター(以下,VC)開設から1週目,2週目で,身体面での変化は全身的身体違和感が最も多く,局所的には耳鼻咽頭科系,脳神経系の訴えや,睡眠に関する訴えが多く認められ,活動中に生じた精神的負担感が睡眠に影響するなど,身体と精神の関連がみられた.また,対処方法では,「相談,打ち明け」により精神的負担感が減少しており,帰宅後の「清潔行動」や「個人的習慣行動」が,非日常的環境から日常的環境への気持ちの切り替えにつながったことが分かった.
- 災害看護に対するA病院の看護師の意識調査 Eナースの役割と今後の活動に向けて
- 大畠美智子(高知大学医学部附属病院), 壬生季代, 中村美和, 宮井千恵:日本災害看護学会誌 7巻3号 Page16-27(2006.05)
Abstract:災害看護に対する看護師の意識を明らかにすることを目的に,大規模地震災害に備えて院内編成現場看護チーム(以下,Eナース)を結成している災害支援病院の看護師を対象にアンケート調査を実施し,Eナース25名全員を含む295名より回答を得た(回収率85%).その結果,看護師の災害時における不安の多くは「勤務中での被災に対する対応への不安」であり,災害時にリーダーシップを取らなければならない時にどう動けばいいのか漠然とした不安を抱いていた.一方,Eナースでは半数が災害看護に関する研修に自発的に参加していたが,所属部署での災害教育活動の実践や携帯品・医療物品・器材の準備の実施率は低率であった.
- 訪問看護ステーションにおける災害対策マニュアル作成の取り組み 在宅療養者とその家族,訪問看護師との協同作成への試み
- 河原宣子[前川](京都橘大学 看護学部), 長谷川さおり, 花尻潤子, 清水亜樹子, 川口淳:日本災害看護学会誌 7巻3号 Page28-43(2006.05)
Abstract:当訪問看護ステーションを利用する在宅療養者とその家族61組へ聞き取り調査を実施し,それをもとに在宅療養者・家族と共同で災害対策マニュアルを作成した取り組みを報告した.在宅療養者・家族と災害時の対応に関して何度も話し合うことで,互いの防災意識が向上したほか,医療用物品の使用状況や各家庭で行われている介護の創意工夫が把握でき,医療機器の使用方法やメンテナンスの注意点の再確認など,日常の看護を振り返るうえでも効果があったと考えた.
- 新潟県中越地震で被災した子どもの健康と看護ニーズ 被災地に派遣された看護師の声から
- 加固正子(新潟県立看護大学), 井上みゆき, 片田範子, 勝田仁美, 小迫幸恵, 三宅一代, 岡田和美:日本災害看護学会誌 7巻3号 Page44-54(2006.05)
Abstract:新潟県中越地震で被災した子どもたちの状況の把握などを目的に,被災地に派遣された看護師13名を対象に,研究者らが阪神淡路大震災後に作成した小冊子「被災地で生活するこども達-看護職ができること-」(以下,小冊子)の枠組みを用いて,フォーカスグループインタビューを実施した.その結果,子どもたちの状況は<普段の生活を行おうとする子ども><積極的に自分を生かそうとする子ども><気になる症状がある子ども>の3つに分類でき,小冊子ではこれらの子どもたちへの理解と対処法についても解説していることから,被災地での支援活動に有用であると考えた.
- 緊急連絡における情報伝達手段と伝達内容の有効性の検討 新潟県中越地震における学校危機管理の課題
- 平野美樹子(長岡赤十字看護専門学校):日本災害看護学会誌 7巻3号 Page55-64(2006.05)
Abstract:新潟県中越地震で被災した看護専門学校に在籍する学生を対象に,地震発生後の緊急連絡状況についてアンケート調査を実施し,100名より回答を得た(回収率78.7%).学校では,地震発生の翌日と3日目の2回,休校等の緊急連絡を行っており,アンケート調査の結果,発災翌日の緊急連絡では8時間の時点で9割の学生が連絡を受けていたのに対し,発災3日目では同時点で連絡を受けていた学生は約5割のみであることが分かった.これは,発災翌日は休校等の情報とともに学生の安否を確認するため,情報発信元である教職員から直接安否の確認があったのに対し,発災3日目では,連絡網に沿って順次情報伝達が行われたため,発災直後よりも時間を要したと考えた.
- 『平成18年豪雪』に関する初動調査報告 福井県に焦点をあてて
- 酒井明子(福井大学 医学部看護学科):日本災害看護学会誌 7巻3号 Page65-74(2006.05)
Abstract:福井県での雪害(「平成18年豪雪」)による生活や健康への影響を把握することを目的に,死者の発生した2世帯および負傷者3名,除雪ボランティアを実施した災害ボランティアリーダー1名,雪害対策本部準備室の職員1名,それに雪害研究者1名を対象に半構成的面接を実施した.その結果,雪害による人々の健康や生活への影響は,降雪時期の早さ,雪の重量,20年ぶりの大雪による備えの不足,コミュニティの弱体化,家族構成,雪害認識,疲労の蓄積などが影響していたが,とくに要援護者の生命と生活を直撃していた.
- 災害に対する備えの行動化 災害看護からの提言
- 山本あい子(兵庫県立大学):日本災害看護学会誌 8巻2号 Page2-7(2006.12)
- 子どもが入院している病棟の災害時看護 新潟県中越地震の看護師の体験から
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井上みゆき(新潟県立看護大学), 加固正子, 片田範子, 勝田仁美, 小迫幸恵, 三宅一代, 岡田和美:日本災害看護学会誌 8巻2号 Page8-19(2006.12)
- 全災害期のヘルスケアニーズに対する看護職者の役割意識 病院に勤務する看護職者と地域で活動する看護職者の意識の比較
- 青木実枝(山形県立保健医療大学), 三澤寿美, 新野美紀, 川村良子, 鎌田美千子:日本災害看護学会誌 8巻2号 Page20-33(2006.12)
- スリランカ国における災害救援活動
- 小野千由(兵庫県災害医療センター):日本災害看護学会誌 8巻2号 Page34-40(2006.12)
- 一般住民向け災害教育プログラムの実施と評価
- 奥野信行(兵庫県立大学), 増野園惠, 大島理恵子, 渡邊智恵, 鵜山治, 南裕子, 山本あい子:日本災害看護学会誌 8巻2号 Page41-52(2006.12)
■日本歯科医師会雑誌
- 身近な臨床 有床義歯へのIDナンバー埋入法
-
岡本英彦(オカモト歯科医院), 千葉県歯科医師会災害対策警察歯科委員会:日本歯科医師会雑誌 59巻2号 Page139-146(2006.05)
■日本手術看護学会誌
■日本獣医師会雑誌
- 新潟県中越地震による畜産被害への対応
- 篠川温(新潟県上越家畜保健衛生所):日本獣医師会雑誌 59巻9号 Page583-585(2006.09)
■日本集団災害医学会誌
- 待ち伏せ攻撃の構図 国際人道支援が直面する保安問題について
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BurkleFrederick M.(米国):日本集団災害医学会誌 10巻2号 Page41-48(2006.01)
- 大災害時における広域搬送システムについて ―とくに救急へり搬送体制の重要性について―
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田伏久之(大阪府立中河内救命救急センター), 吉岡敏治, 田中裕, 塩野茂, 松阪正訓, 当麻美樹, 上田宣夫, 岸本正文, 尾中敦彦, 山本拓巳, 切通雅也, 渡瀬淳一郎, 平方栄一, 間中智哉, 宮原永治, 大坪里織:日本集団災害医学会誌 10巻3号 Page259-269(2006.03)
Abstract:大災害時の重症患者の救命には発災早期の広域搬送システム,とくに救急ヘリ搬送体制が必要である.阪神淡路大震災を例にとると,500名にのぼる重症患者(四肢躯幹外傷・頭部外傷・クラッシュ症候群・広範囲熱傷による)を72時間以内に救急ヘリにより被災地外医療機関へ搬送する必要がある.これには,発災後24時間以内に少なくとも38機,それ以降の2日間で6機/日の広域搬送ヘリコプターが必要となる.このような大災害時の広域ヘリ搬送を行うには,平時から救急患者のヘリ搬送に習熟しておく必要があり,日常的な救急ヘリ搬送に慣れていないといざと言う時に役に立たない.しかし,現在の日本の救急ヘリ搬送体制はいまだ十分なものとは言えず今後の体制整備が急がれる.具体的には,消防・防災ヘリの救急ヘリ専用化,ドクターヘリの更なる導入,民間ヘリの活用,を推進する必要がある.また,災害拠点病院を含めたヘリポートの整備とヘリポートへの堅牢なアクセスの確保,ヘリと消防機関・医療機関に共通の無線回線,100km以上の広域航空搬送にはSCUの設置とジェット機等の固定翼機による搬送体制,広域搬送にかかわる医師・看護師等の医療スタッフの育成,が必要である.さらに,広域搬送は大災害時の医療と認識し,救急医療に関わる人々が共通の認識をもって連携すべきである.
- 院内LANを使用した災害時職員・患者情報登録システム(エマレジスター)の災害訓練における応用
- 堀内義仁(国立病院機構災害医療センター), 辺見弘:日本集団災害医学会誌 10巻3号 Page270-274(2006.03)
Abstract:病院で多数傷病者の受け入れを行う際に管理すべき情報のうち,どのような緊急度の患者が運びこまれていて,どこでどのような状態であるのかを,個々に,また全体的に把握することは困難である.また,総動員された職員についてもその配置状況を掌握することは難しい.しかしながら,これらの情報管理は無駄のない迅速な医療対応を行うためには必須である.われわれはこれら情報の一元管理を行うために,院内LAN内で活用できるコンピュータソフト:エマレジスターを開発した.このシステムは患者バージョン,職員バージョンの2つからなり,基本的な入力事項を行い,必要な情報をカテゴリーごと,個人ごとに引き出すことができる.変更が生じた際には,どのコンピュータからも入力可能なものとした.これを当院で行われている多数傷病者受け入れの定例訓練において試用した.その結果,情報の入力にはそれなりのマンパワーを要するが,不確実な情報を確認するための労力を減らすことができ,とくに管理部署においてその有用性が確認された.また,院内すべてのクライアント機で情報を得ることができるため,混乱の中での電話連絡を最小限にすることができた.カテゴリーごとの検索・表示機能も全体像,個人の状態の検索に有効であった.このシステムは今後の目的のために手術順位や入院先の決定,マンパワーの適当な配分を行っていかねばならない災害拠点病院にとって,非常に有用であることが検証された.
- 新潟県中越大震災被災地「長岡市」からの報告
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内藤万砂文(長岡赤十字病院 救命救急センター), 三上理, 三浦智史, 馬場順子:日本集団災害医学会誌 10巻3号 Page275-279(2006.03)
Abstract:長岡赤十字病院は基幹災害医療センターで,中越地域で救命救急センターをもつ唯一の医療機関でもある.新潟県中越大震災での長岡市の被害は限局的で,当院の損傷も軽微で救急対応可能であった.発災1時間で100名,2時間で300名の職員が自主登院した.ちょうど1週間前に平成16年度の受け入れ訓練を終えていた.訓練通りのエリア設定とトリアージタッグ運用で傷病者受け入れを行った.発災後24時間で296名が受診し,うち84名が救急車搬送,42名が入院した.予定の手術や入院の延期,入院中の慢性患者転院などの結果,受け入れは滞りなく行えた.救護班活動では翌朝に先遣隊として市内の避難所を回った.2日目からは全村避難となった山古志村民の8ヶ所の避難所の巡回診療を行った.様々な要因が幸いし救護活動は比較的スムーズに行うことができた.
- 新潟県中越地震における(社)日本透析医会災害情報ネットワークの検証
- 武田稔男(みはま病院):日本集団災害医学会誌 10巻3号 Page280-284(2006.03)
Abstract:(社)日本透析医会では災害情報ネットワーク(以下情報ネット)を組織して,ホームページ「災害時情報伝達・集計専用ページ」(以下情報伝達サイト)とメーリングリストを運用している.2004年10月23日17時56分,最大震度7の新潟県中越地震が発生し,3つの透析施設が3日から1週間にわたり透析治療不能となったため,被災施設や周辺支援施設の情報伝達と後方支援,CAPD情報伝達などを行った.情報伝達サイトには10,000を超えるアクセスと90を超える施設情報登録があり,メーリングリストには100通を超えるメールが投稿された.しかし,地震発生後2日間における各施設からの自主的な情報登録は新潟県透析施設全体の約20%であった.幸い被災地とその周辺地域の施設間には日ごろから深い交流があり,このことが災害に対しても迅速な連携と対応を可能にした.今回の地震を教訓として,さらなる周知拡大と機能充実を進めた.
- 岡山県における災害拠点病院合同訓練
- 石井史子(岡山赤十字病院), 近藤捷嘉, 清水孝市, 藤井千穂:日本集団災害医学会誌 10巻3号 Page285-292(2006.03)
Abstract:岡山県では1997年から毎年2回災害拠点病院合同訓練を開催してきた.2004年で計15回となったのでその概要を報告する.第1回から4回は災害時における救護活動の基本とトリアージについての講演などを行った.1999年の第5回からは年2回のうち1回を当院がもう1回を他の災害拠点病院が担当することになり,15回ですべての災害拠点病院が訓練を担当した.最初からいきなり大規模な訓練を行うのではなく,災害医療の特徴を理解し,基本的手技などをマスターすることから始めた.そして一回ごとにステップアップを図るよう企画した.このため各災害拠点病院間の連携は良くなり,消防,医師会,行政などの参加も増えて県全体として災害に対応するための意思の統一が可能になった.地域災害拠点病院がそれぞれの地域の特性を生かした訓練を導入したことにより,各地域での横の連携が構築でき,災害拠点病院だけでなく他病院,他組織にも災害に関する共通認識が深まった.
- 看護大学生に対する国際緊急医療援助活動の実践的教育とその評価 インド洋津波災害をモデルにしたシミュレーション実習による教育について
- 新地浩一(佐賀大学 医学部看護学科地域・国際保健看護学講座), 山下友子, 山川裕子, 松崎由美, 前川昭子, 北村奈美, 溝田理恵:日本集団災害医学会誌 10巻3号 Page293-301(2006.03)
Abstract:看護大学生への国際緊急援助活動を含む災害医療の教育は,極めて重要であり,国際的な医療救援活動に参加する人材の育成は,必要不可欠である.しかし,わが国においては大学における災害医療の教育体系は,いまだ確立していないのが現状である.著者らは,医学部看護学科4年生の学生55名に対して,2004年12月26日に実際に発生したインド洋津波災害をモデルに,国際緊急医療援助活動のシミュレーション実習を実施した.教育や状況の付与は,実際に国際緊急援助活動の経験のある教官が担当し,実習前に,インド洋津波災害の救援医療活動に国際緊急援助隊・医療チームの一員としてスリランカに派遣された医師による講義を実施した.被災後6日目の2005年1月1日に,日本を出発する国際緊急援助隊の医療チームとして派遣されるという想定の下で,情報収集,現地での医療活動計画の立案,個人携行品の準備,梱包までの実習を行った.教育後の学生の評価では,98.2%の学生が,この実習が実践的・教育的で役立つと考えており,92.6%の学生が面白くて興味が持てたと解答した.一方,情報収集を含む準備期間として,平均9.2日の時間的余裕が要望され,計画立案のための討議の時間も平均3.2時間が必要とされた.このような実際に発生した大災害をモデルとしてのシミュレーション実習は,国際緊急医療援助活動の学生教育に有用であり,教育的,効果的であることが実証された.
- 大規模災害発生時の広域医療搬送計画について
- 判田乾一(内閣府):日本集団災害医学会誌 11巻1号 Page1-6(2006.10)
Abstract:大規模震災等発生時に重傷者の救命と被災地内医療の負担軽減を図るため、重傷患者搬送に従事する災害派遣医療チーム(DMAT)・救護班を被災地外から派遣し、重傷患者を被災地外の災害拠点病院等へ搬送し救命することが必要であり、これら一連の活動が広域医療搬送である。現在、東海地震発生時の広域医療搬送計画が作成されており、東南海・南海地震、首都直下地震の計画に関しては検討中である。本稿は、阪神・淡路大震災を教訓として大規模震災発生時に1人でも多くの救える命を救うためにどのような検討がなされてきているのか、東海地震時の広域医療搬送計画を例にその計画の内容、課題等をまとめたものである。
- 災害亜急性期における保健活動と医療コーディネーターの必要性
- 山本光映(聖路加国際病院), 伊藤愛, 竹森志穂, 兼頭みさ子, 玉木真一, 石松伸一:日本集団災害医学会誌 11巻1号 Page7-15(2006.10)
Abstract:当院は、新潟県中越大震災における避難所のひとつ小千谷小学校にて、災害亜急性期~慢性期の12日間にわたり保健活動を行った。避難所の規模は活動初期で約二千人と大きく、本部を中心に日赤救護班など複数の組織が拠点を構えていた。当チームの役割は、避難所の衛生管理、避難者の把握・健康問題への対応であった。現地の状況に応じて活動内容も時期を追って変化した。活動の大要は、避難所の環境把握・避難者への予防策の方法獲得の推進・要介護者のフォローであった。特に災害亜急性期には保健衛生のニーズが高いことを認識したが、その対応は困難を極めた。その原因は、1)集団への効果的なアプローチ・啓発方法に関する知識不足、2)医療組織間での情報交換の不十分さであった。1)に対しては、市の健康センターと密接な情報交換により対応できたが、2)は課題も多く、各組織間の情報共有・包括的なネットワーク化を構築するコーディネーターの必要性を感じた。
- 災害医療センターにおける全職員に対する基礎研修への取り組み
- 山崎達枝(東京都立広尾病院), 長谷川雅己, 古賀信憲, 鈴木順子, 三田村みどり, 設楽信行:日本集団災害医学会誌 11巻1号 Page16-21(2006.10)
Abstract:東京都立広尾病院は、基幹災害医療センターに指定され「安全・安心・良質の急性期医療に尽力し、災害時には万全の医療を提供することを目指して都民から信頼される病院つくりを進める」をビジョン一角として掲げている。災害発生時に災害医療センターとして対応できるか否かは、平時においてあらゆる災害を想定した研修・訓練を全職員を対象に職種横断的に断続的・継続的に行うことである。しかし、院内研修室における集合型研修への参加を呼びかけても、日々多忙な勤務時間内の参加は困難である。災害研修・訓練への全員参加という目標を達成するために、計画的に担当者が各職場に出向く、「出張型研修」を行うことが最良の方法ではないかと考え実施した。その結果、初期・救命救急研修受講者数91名を含む災害ベーシック研修の受講者数延べ1,381名となった。
- 神戸からの発信 地域コミュニティの絆
- 高橋利昌(神戸市建設局 東部建設事務事工務課):日本集団災害医学会誌 11巻1号 Page22-28(2006.10)
Abstract:阪神・淡路大震災の被災地である神戸がその時の教訓を世に発信することで、近年世界でますます多発している自然災害に対して、少しでも減災に役立てていただけることを期待している。本稿は兵庫県南部地震が発生した時の状況や課題を整理し、その後の神戸市の減災に対する取組みの考え方と地域コミュニティの防災力を高めるための地域支援策の一部を伝えるものである。【大震災の教訓】神戸は1995年1月17日に兵庫県南部地震により震度7の揺れに襲われた。被害の特徴の中に同時多発火災と倒壊家屋からの救助活動とがある。そこから得られる教訓は自助、共助の必要性と地域コミュニティの大切さである。【自主防災の転機】地域の防災力を高めるため、震災前の自主防災組織を見直し、震災後は「防災福祉コミュニティ」として再生させた。その特徴は日常時の福祉活動と非常時の防災活動を一体のものとして融合させた活動を目指しているところにある。地域では消火や救急等の災害対応訓練のほか、マップづくり、見守り活動、防犯パトロールなどの実践的な取組みが続けられている。【地域コミュニティの向上に向けて】防災福祉コミュニティに対する活動資金の助成、各種団体に対する地域活動提案型助成、市民個人に対する市民救命士や救急インストラクター養成、広くまちづくりを研修するまちづくり学校の開講など、防災だけに限定することなく、地域コミュニティや個人の防災対応能力を高めるための施策を展開している。今後神戸が最も懸念する災害のひとつである東南海・南海地震に対しても市民に備えてもらうために、地震や津波に関する一般的な知識のほか想定される被害予測を記したパンフレットやビデオを作成している。特に津波による浸水の被害が懸念される地域では、地域の人たちが主体となって地域の津波対策計画を立案し、マップを全戸に配布して全住民に周知している。【1.17を忘れない】大震災の貴重な教訓を風化させてはならない。「1.17を忘れない」を合言葉に、モニュメントなどの記録のほか、安全の推進に関する条例の制定、職員の震災経験者の登録、NPOの結成、シンポジウムなど様々な施策を講じながら、地域コミュニティの絆の大切さを伝承していく必要がある。
- 「災害救援薬剤師」災害医療が求める薬剤師の役割 ―日本赤十字社医療救護班の新潟県中越地震での経験から―
- 松井映子(日本赤十字社医療センター 薬剤部), 丸山嘉一, 槙島敏治, 東麻美子, 佐伯康弘, 小高雅信:日本集団災害医学会誌 11巻1号 Page29-37(2006.10)
Abstract:国内外における大規模災害への即時対応のため、日本赤十字社医療センターでは、薬剤師が医療救護班の一員となり、備蓄する国内外の災害用医薬品セットを管理してきた。2004年の新潟県中越地震発災後2週間、計8人の薬剤師による救護班での活動経験を基に、災害医療における薬剤師の活動と役割に関する分析・評価を行った。薬剤師の専門性を発揮した情報提供、代替薬及び追加医薬品の選定と管理、そして地域医療機関等との協調を意識した対応は診療の円滑化に貢献し、他の救護班員から高い評価を得た。また現地での服薬指導は被災者のこころのケアともなった。今後、災害用医薬品の選定「薬のトリアージ」のための情報収集や知識の蓄積、服薬指導技術の向上、そして薬剤師相互間や他職種との連携強化が必要と考える。普段から災害医療を意識し、災害対策から積極的に携わり、災害時には的確に対応できる薬剤師「災害救援薬剤師」が求められている。
- 平成16年7月新潟・福島豪雨災害の人的被害の調査報告
- 若杉雅浩(富山大学 医学部救急・災害医学), 奥寺敬, 内藤万砂文, 広瀬保夫, 小倉真治, 和藤幸弘, 井川晃彦, 丹下大祐, 日本集団災害医学会「平成16年7月新潟・福島豪雨に関する特別委員会」:日本集団災害医学会誌 11巻1号 Page38-42(2006.10)
Abstract:日本集団災害医学会の「平成16年7月新潟・福島豪雨に関する特別委員会」としての調査結果を報告する。本災害は2004(平成16年)年7月12日から13日にかけて、梅雨前線の活動により新潟県と福島県の県境に豪雨が発生し、新潟県中越地方で複数の河川において複数箇所で堤防が決壊したことによる。人的被害は死者16名、負傷者4名、住居被害は全壊70棟、半壊5354棟、一部損壊94棟、床上浸水2149棟、床下浸水6208棟であった。死者の年齢構成は80歳代3名、70歳代10名、60歳代1名、60歳以下が2名と高齢者に被害が集中していた。本事例では、集中豪雨による河川の増水により各自治体より避難勧告・避難指示は適切に出されていたものの、災害弱者である自力移動困難な要介助者が多数被災した。自然災害に対する避難勧告・避難指示の伝達方法と高齢化社会における災害弱者対策が早急に解決すべき問題点である。
- ロンドン自爆テロ事件の教訓
- 奥村徹(順天堂大学 救急・災害医学), 郡山一明, 近藤久禎, 吉岡敏治, 山本保博:日本集団災害医学会誌 11巻1号 Page43-49(2006.10)
Abstract:このたび我々は、2005年7月のロンドン自爆テロ事件に関して、現地で関係者から事情を聞く機会を得たため、そこで得られた知見を中心に文献的考察を加え報告する。初動対応は、おおむね、MIMMS(Major Incident Medical Management and Support)システムに準じて適切な対応がとられたものと思われたが、残された課題もあった。これらの教訓を日本にも活かす必要があり、特にMIMMSの基本概念をふまえながらも日本の国情に合わせた日本版の災害医療の教育コースを開発する必要があるものと思われた。また、都市災害対応のネックとなる交通渋滞対応のために自転車や救急ヘリコプターなどの積極利用も有効であった。最終的には、災害医療の枠を超え、災害対応の関係各機関が対応における共通認識を持たねばならない。同時に、国際化、過激化、無予告の突然の攻撃、同時多発、大量破壊兵器の利用、大量殺戮、無差別テロ、決死的攻撃といった現代テロの特徴をおさえた、より実効的なテロ対策が求められている。
- マイクロ波レーダーを用いた非接触病態診断システムの開発 心拍変動指標モニターの検討
- 上野山真紀(首都大学東京 大学院工学研究科インテリジェントシステム専攻), 松井岳巳, 後藤眞二, 石原雅之, 鈴木信哉, 瀬尾明彦, 川上満幸:日本集団災害医学会誌 11巻1号 Page50-53(2006.10)
Abstract:生物化学汚染環境下の集団災害において、医療従事者の2次感染防止は重要である。このような状況においては、患者に触れて診断することが困難である。そこで本研究では、非接触で患者の状態を診断するシステムの可能性を検討した。出血診断への可能性を有する心電図の周波数解析や敗血症の新しい評価指標として知られている心拍数変動指標を非接触で測定するために、1215MHzのマイクロ波レーダーを用いてR-R間隔をモニターするシステムを構成した。健常ボランティアにおける運用試験において、本システムから求めたピーク間隔は、心電図から得られたR-R間隔と高い相関を示した(r=0.98,p<0.0001)。また、本システムで求められたピーク間隔の周波数スペクトルは心電図から得られた心拍変動指標スペクトルとほぼ一致した。本システムは患者に触れないで心拍数変動指標を得られる可能性があり、病態の診断への応用が期待される。
■日本社会精神医学会雑誌
- スマトラ島沖地震を事例とした国際緊急支援における精神保健の取り組みに関する研究
- 柾本伸悦(広島大学 大学院国際協力研究科教育文化専攻・博士課程後期):日本社会精神医学会雑誌 14巻3号 Page259-270(2006.02)
Abstract:本研究の目的は,国際緊急支援における精神保健の特徴と今後の課題を明らかにすることである.その目的を達成するために,まず,日本と海外で実施された災害時の国内での精神保健支援事業の方針や活動内容を整理し,総括した.次に,2004年12月に起きたスマトラ島沖地震・津波被害に対するWHOの支援を事例として,国際緊急支援の方針や活動内容を明らかにした.そして最終的には,国内支援と国際支援の活動内容の比較をし,そこから国際支援の特徴は, 1)被災者や救援者に対する直接的な支援が少ないこと, 2)被災地域社会・避難民全体の支援を積極的に実施しようとしていること, 3)政策やシステム構築に多くの支援がされていることであるとした.さらに,今後の国際支援における精神保健分野の課題や方向性を,被災者,救援者,保健省や他の精神病院等,対策・システム,調査・研究という5つの視点から述べた.
- 新潟県中越大震災・東京都こころのケア医療救護チームの活動と学び 災害時初期精神保健医療活動のあり方
- 菅原誠(東京都立中部総合精神保健福祉センター), 福田達矢, 坂井俊之, 平井茂夫, 熊谷直樹, 野津眞, 川関和俊:日本社会精神医学会雑誌 14巻3号 Page295-305(2006.02)
Abstract:2004年10月23日17時56分に発生した新潟県中越大震災被災地に対する災害時地域精神保健医療活動の目的で,同年10月28日~11月11日まで新潟県堀之内町地域(現魚沼市)にて活動した.避難所での巡回診療に加えて,ニーズの変化に応えて居宅訪問診療,避難所での夜間および休日診療所開設,リエゾン診療などを行った.期間中に対象地域の被災者101人に対して,延べ182件の診察を行った.このうち震災を心因とした急性ストレス反応と診断された事例は26例あった.また,地域精神保健活動への支援として延べ136件の事例検討,助言を行った.ほかに学校に対する支援として,医師による教職員対象にストレス関連障害の研修,被災教職員への個別診察,被災生徒のこころのケアに関する助言を行った.今回の活動の中から, 1)現地の状態に合わせた柔軟な支援を常に考慮した活動をすること, 2)被災地での精神保健活動の要として連携システムを築き,撤退後を見据えた行動をすること, 3)チームの日常的な活動水準以上の働きは災害時にできない, 4)現地被災職員へのメンタルヘルス対策, 5)平時にしておくべきこと,等の学びと課題が得られた.
- 災害被災者支援の社会精神医学
- 中根允文(日本社会精神医学会):日本社会精神医学会雑誌 14巻3号 Page317-320(2006.02)
■日本手術医学会誌
- 震災を想定した手術室シミュレーションに関する一考察
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井上由佳理(日本医科大学附属第二病院 中央手術室), 玉置悦子, 阿久津純子, 横尾香代子, 小河原美代子, 島田洋一:日本手術医学会誌 27巻2号 Page133-135(2006.05)
Abstract:手術室内にある防災マニュアルを使用し,平日・日勤帯での大震災を想定したシミュレーションを実施した.震災を想定したシミュレーションを外科医・麻酔科医と行ったことで,患者の安全を根底とした人員の動き,装備,避難路のポイントを理解できた.より現実に即した定期的に避難訓練を行い,マニュアルの改訂もしていく必要が示唆された。
- 震災によるライフライン寸断時の手術室における災害看護
- 太田智美(東北大学 手術部), 佐藤則子, 赤塚有紀子, 門間典子:日本手術医学会誌 27巻2号 Page135-137(2006.05)
Abstract:手術部看護師に対し手術室における災害看護とライフライン寸断時における緊急対応マニュアルを作成し,震災時の診療回復への対応方法を共有した.手術室看護師39例を対象にし,夜間・休日の震災におけるライフライン寸断時の手術室の対応知識を質問するアンケートを行った.手術室経験3年以下(I群)と手術室経験4年以上(II群)に分類した.ライフライン寸断における緊急手術の受け入れ可能かを質問するアンケートに対し,I群では80%,II群では55%が受けられないと回答した.理由は,寸断された医療機器類の機能回復への対応方法が不明と挙げていた回答が大部分を占めた。
- JR西日本脱線事故現場より手術場まで
- 青木彰(兵庫医科大学 中央手術部), 藤本陽子, 木村幸子, 上農喜朗:日本手術医学会誌 27巻2号 Page165-167(2006.05)
Abstract:兵庫県広域災害・救急医療情報システムを中心に現時点での評価,検証を行い,またシステムのさらなる充実と今後のシミュレーション訓練に生かすべく検討を加えた.阪神淡路大震災後7年に兵庫県広域災害・救急医療情報システムが完成し,拠点病院から派遣された災害コーディネータを中心に,災害時シミュレーション訓練を行った.JR西日本の福知山線脱線事故の発生から,災害対策本部設置,当日の手術場の受け入れ状況などを,初期対応の一連の経過を検索した.事故時初期対応に関しては,兵庫県広域災害・救急医療情報システムが有効に働いた.有効に働けた要因は日頃のシミュレーション訓練であった。
- 手術部の安全管理 新潟県中越地震の災害医療を経験して
- 藤岡斉(長岡赤十字病院 麻酔科)日本手術医学会誌 27巻4号 Page281-284(2006.11)
■日本小児科医会会報
■日本職業・災害医学会会誌
- 化学兵器処理作業者のバイオロジカルモニタリング
- 中嶋義明(労働者健康福祉機構東京労災病院産業中毒センター), 圓藤吟史, 井上嘉則, 雪田清廣, 圓藤陽子
:日本職業・災害医学会会誌(1345-2592)54巻1号 Page29-33(2006.01)
Abstract:旧日本軍が投棄した化学兵器のうち,ヒ素系のジフェニルクロロアルシン(DA),ジフェニルシアノアルシン(DC),ルイサイト(LA),トリクロロアルシン(TA)の処理作業では,急性中毒だけでなく,慢性中毒の発生もあり得るので,曝露の管理が必要とされるが,作業状況を鑑みて,生物学的モニタリングによる曝露管理方法について検討した.測定対象物質として,DAおよびDCについては分解物である尿中ジフェニルアルシン酸(DPAA),LAおよびTAについてはアルカリ下で加水分解して亜ヒ酸になるので尿中無機ヒ素を選んだ.分析機器としては,ヒ素の高感度検出と分離分析ができるHPLC-ICP-MSを選び,一斉分析ができる分離カラムの検討を行った結果,陽イオンカラムで5価の無機砒素(As V),モノメチルアルソン酸(MMA),3価の無機砒素(As III),ジメチルアルシン酸(DMA),アルセノベタイン(AB),テトラメチルアルシン酸(TeMA),トリメチルアルシン(TMAO),DPAAの順に溶出した.DPAAは23分にピークが検出され,0~100μg/Lで標準液および尿添加試料とも良好な直線性が得られた.このモニタリング法を作業者に採用するために,非曝露者142名における正常値の検討を行った.DPAAに該当するピークは検出されなかった.最も多かったのは海産物摂取と関係するABで98.2±102.8μg/L,次いでDMA 54.9±49.5μg/L,AsIII 6.2±9.9μg/L,MMA 4.6±6.0μg/L,AsV 0.3±0.8μg/Lとなり,総砒素濃度は172.7±144.6μg/Lであった.職業性無機砒素曝露がない集団において,DPAAは検出されなかったが,様々な高濃度のヒ素化合物が検出されたことから,形態別ヒ素濃度測定が必要であると考えられた.
■日本食品微生物学会雑誌
- 豪雨が腸炎ビブリオ食中毒の発生を誘発する可能性について
- 熊澤教眞(琉球大学熱帯生物圏研究センター 感染生物学研究領域):日本食品微生物学会雑誌 23巻2号 Page93-98(2006.07)
Abstract:平成16年7月新潟・福島豪雨が発生し,この集中豪雨の直後に新潟港で水揚げしたアジから腸炎ビブリオが検出されたとの報告がなされた.さらに,この時期に新潟県北部の村上市,神林村,朝日村,荒川町でイワガキとイガイを原因食品とする腸炎ビブリオ食中毒が多発した.そこで,この豪雨がアジの腸炎ビブリオ汚染と新潟県北部の4市町村における腸炎ビブリオ食中毒の発生を誘発した可能性があるか検討した.耐熱性溶血毒(TDH)産生菌が増殖した場合,汽水域の水位の上昇時に河口から流出して沿岸海域を汚染し,7~14日後に食中毒が発生することが示唆された.汽水域におけるTDH産生菌の増殖と豪雨による水位上昇を監視するシステムを構築すれば,高い確率で本食中毒の発生が予測できる可能性が示唆された。
■日本精神科病院協会雑誌
特集・メンタルヘルス活動と精神科医療
- メンタルヘルス対策に関する行政の流れと(財)産業医学振興財団の取り組み
- 石井義脩(産業医学振興財団):日本精神科病院協会雑誌 25巻8号 Page8-13(2006.08)
- メンタルヘルス指針の改正等について
- 篠原千代樹(小野田労働基準監督署):日本精神科病院協会雑誌 25巻8号 Page14-18(2006.08)
- メンタルヘルス活動と精神科医療 産業医(精神科医)の立場から
- 関健(城西病院):日本精神科病院協会雑誌 25巻8号 Page29-36(2006.08)
■日本赤十字豊田看護大学紀要
■日本赤十字広島看護大学紀要
■日本地域看護学会誌
■日本透析医会雑誌
特集・医療安全対策
- 災害時コーディネーターの必要性について
- 赤塚東司雄(心施会府中腎クリニック), 杉崎弘章:日本透析医会雑誌 21巻1号 Page70-75(2006.04)
- Preventable Deathをなくすために 医療と情報の視点から
- 押田榮一(災害時医療連絡協議会):日本透析医会雑誌 21巻1号 Page76-81(2006.04)
- 災害時透析医療対策としての地下水利用
- 隈博政(くま腎クリニック):日本透析医会雑誌 21巻1号 Page82-89(2006.04)
- 豪雪地域における透析
- 吉田和清(新潟県立六日町病院), 佐藤文則, 笠井昭男, 嵯峨大介, 仲丸司, 南茂:日本透析医会雑誌 21巻2号 Page270-277(2006.08)
Abstract:豪雪の環境での透析医療の問題点について、アンケート調査を行った。新潟県南魚沼地域にある新潟県立六日町病院(六日町病院)、南魚沼市立ゆきぐに大和病院(大和病院)、および北魚沼地域にある新潟県立小出病院(小出病院)の3施設の透析患者を対象とした。通院に介助が必要、遠距離からの通院、積雪期に余計な通院時間を要した。今年の豪雪で、例年の冬より通院に困難であったなどの問題があった。通院には75%近くが自家用車を利用し、交通や駐車場の確保の要望が多数あった。例年冬季に体調の悪化を感じる者は6割近くいたが、今年の豪雪では、より体調不良を感じる者が多数あった。豪雪は災害で、その地域での透析医療にも様々な支援が必要と考えた。
- 災害時慢性疾患対応のあり方について
- 赤塚東司雄(府中腎クリニック):日本透析医会雑誌 21巻2号 Page294-299(2006.08)
■ハートナーシング
- 誌上実践! ICU版こんなときどうしよう!? 停電発生!!自家発電が使えない!!
- 北束貴光(広島市立安佐市民病院 高次診療部), 大江正夫, 若狭夏子:ハートナーシング 19巻1号 Page15-22(2006.01)
■日本病院会雑誌
- 災害・救急医療におけるPrehospital care medicineの確立のために
- 病院前救急医療とメディカルコントロール体制(
- 小林国男(帝京平成大学 現代ライフ学部救急救命コース):日本病院会雑誌 53巻5号 Page697-705(2006.05)
- ドクターヘリの役割とその有効性
- 益子邦洋(日本医科大学附属千葉北総病院救命救急センター):日本病院会雑誌 53巻5号 Page706-715(2006.05)
- 北海道における災害救急医療 災害拠点病院の役割とDMATの編成
- 浅井康文(札幌医科大学高度救命救急センター):日本病院会雑誌 53巻5号 Page716-727(2006.05)
- 緊急被ばく医療
- 大津留晶(長崎大学医学部歯学部附属病院):日本病院会雑誌 53巻8号 Page1110-1133(2006.08)
- 集団災害の医療対応 何が提唱され、何が整備されつつあるのか
- 藤井千穂(旭川荘南愛媛病院):日本病院会雑誌 53巻9号 Page1228-1238(2006.09)
- 岡山発、国際人道支援活動のこれから
- 菅波茂(アジア医師連絡協議会):日本病院会雑誌 53巻11号 Page1552-1579(2006.11)
■日本病院薬剤師会雑誌
- 大規模災害における疾患と医薬品の調査
- 宮坂善之(湘南鎌倉総合病院 薬剤部), 安武夫, 清水悦子, 小瀬英司, 平川雅章:日本病院薬剤師会雑誌 42巻8号 Page1059-1062(2006.08)
Abstract:大規模災害発生時,薬剤師は医薬品を迅速,かつ的確に確保・補給する任務を担っている.そのためには必要医薬品とその数量を検討しておかなければならない.そこで,2004年に発生した新潟県中越地震とインドネシア・スマトラ沖地震において用いた診療記録より疾患と処方された医薬品を調査した.今回経験した災害は地震と津波の二次災害であり,被災地が国内と国外で異なっていたが内科的疾患は共通しており,感冒症状,不安・不眠,消化器症状が活動したどの地域においても多かった.また,必要とされた医薬品も大きな違いは認められなかった.この結果を踏まえ,初期先遣隊が被災地へ赴く際に持参すべき医薬品と具体的な数量を検討し,災害初期治療における基本医薬品リストを作成した.
■日本放射線技師会雑誌
- 【放射線への正しい理解と安心を患者一人ひとりに提供 横浜労災病院PART1)】
-
佐川良(横浜労災病院), 泉對則男, 渡辺浩, 佐藤努, 木村文治:日本放射線技師会雑誌 53巻9号 Page929-934(2006.09)
■日本保健科学学会誌
-
災害時に必要な医療支援とは 災害時の感染予防の立場から
- 菅又昌実(首都大学東京 大学院人間健康科学研究科ヘルスプロモーション系):日本保健科学学会誌 9巻3号 Page145-154(2006.12)
■日本未熟児新生児学会雑誌
■病院・地域精神医学
- 震災後10年
- 中井久夫(兵庫県こころのケアセンター):病院・地域精神医学 48巻3号 Page269-274(2006.03)
■兵庫県立大学地域ケア開発研究所研究活動報告集
■広島医学
- 地域医療 在宅人工呼吸器使用患者の災害時対応システム構築に向けた取り組み
-
丸山博文(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学), 藤永正枝, 加藤久美, 桑田寧子, 高島三枝子, 名越静香, 片山禎夫, 松本昌泰
:広島医学 59巻5号 Page469-471(2006.05)
- 平成17年度 救急医療・災害医療体制専門委員会活動報告
-
谷川攻一(広島大学病院), 石川澄, 石原晋, 上内清司, 小畠敬太郎, 佐能昭, 佐渡忠典, 白川泰山, 瀬浪正樹, 世良昭彦, 高杉敬久, 高田佳輝, 田坂佳千, 多田恵一, 中田憲光, 藤本健一, 松浦正明, 三村滋, 宮加谷靖介, 村下純二, 柳谷忠雄, 山下聰, 山田信行, 山野上敬夫, 勇木清, 横矢仁, 吉田哲, 吉田研一, 広島県地域保健対策協議会保健医療基本問題検討委員会:広島医学 59巻12号 Page887-892(2006.12)
- 平成17年度 救急・広域災害時の活動評価機能を盛り込んだ次世代救急支援情報システムの企画評価
-
石川澄(広島大学病院 医療情報部), 岩崎泰昌, 牛尾剛士, 佐渡忠典, 田坂佳千, 中崎哲郎, 中田憲光, 野村真哉, 藤本健一, 堀益弘明, 柳谷忠雄, 山下聰, 山田信行, 吉田哲, 広島県地域保健対策協議会救急医療・災害医療体制専門委員会救急・災害医療情報検討部会:広島医学 59巻12号 Page893-898(2006.12)
Abstract:【目的】広島県ではインターネット技術を介した「救急ネットひろしま」を1997年から構築、第2期システムが稼動中である。同システムの運用評価に基づいて、救急・広域災害時の収容前過程をモニタ評価し得る第3次システムに発展させる。【方法】地域保健対策協議会に設置された救急災害医療情報検討部会が行った同システムの年次的利用状況評価、県民と救急隊および受け入れ医療機関のニーズ分析を踏まえて、2006年10月稼動予定の次世代広域救急支援情報システムの構築のための課題整理をおこなった。【結果】1)応需医療機関の問題:当初、広島県下4,066医療機関(病院265、診療所2,320、歯科診療所1,481)が登録されたが、応需情報の定期入力率は年次的に低下した(2002年度平均43,000ページビュー(以下:PV/月)→2005年度34,300PV/月)。2)県民の要求:救急時において119番通報を行う一方、病状に応じて自ら医療機関を選択するために、最新、正確な情報を要求。2002~2004年度を通じて平日40,000PV/月、休日9,800PV/月のアクセスを推移、中でも「今見てもらえる医療機関」「小児関連情報」の利用率が高い。3)救急隊の利用状況:県下18機関に対するヒヤリングでは、電話による搬送先選択が90%以上可能であるが残りのケースに難渋する。4)共通の問題点:上記三者に共通の問題点は、応需入力データの最新性に疑問があり、信頼性の高い情報に乏しいことであった。【改修の方針】1)事態発生現場において、救急隊がモバイル端末から複数医療機関に応需可否入力を同報依頼、2)医療機関はリアルタイムに応需情報を入力、3)現場と医療機関に直結した最新情報を取得、自ら選択できる機能、4)必要に応じて、指令センターは応需情報と救急隊の意向をモニタしつつ分配、事後に動態評価を可能とする、5)現場状況を関係機関でモニタできる機能を企画する必要がある。【運営組織の充実】システムが社会基盤として安定的に機能するために、情報の真正性、確実なシステム運用の保障、および監査機能が不可欠である。情報システムが大規模化し複雑化する中で、地域において個人情報を基本とする医療情報の取扱いに関する専門職(医療情報技師)の育成と、それを統括する地域医療情報システム管理責任者(CCHIO:Chief Community Health Information Officer)の制度化が緊急の課題である。
■プラクティス
- 新潟県中越大地震時のインスリン自己注射履行に関する調査 当院通院中の患者について
- 丸山陵子(長岡赤十字病院 薬剤部), 田下国夫, 中澤保子, 佐藤正志, 鴨井久司:プラクティス 23巻3号 Page327-333(2006.05)
Abstract:地震以前からインスリン自己注射療法を施行しており,外来受診時のインスリンを受け渡す際に,アンケートを依頼し協力を得ることができた239例を対象とし,震災生活のなかでのインスリン自己注射履行に関するアンケート調査を行った.糖尿病患者教育に災害時の対応を入れる必要があり,インスリン製剤は超速効型や持効型が望ましい.災害時には使い捨てペン型が安全で,災害時に持ち出すための「これだけあれば安心セットケース」が必要であった.避難所でのインスリン供給が必要で,インスリン製剤のわかりやすい名称・識別を希望した.暗くても安全に打てる単位数の表示が可能な蛍光デジタルや,ライトがつく工夫が必要であった.糖尿病患者用の非常食の提供,適切な情報伝達システムの制度化が必要であった.
■プレホスピタル・ケア
- MOVE 各地の取組み 特別警防訓練(BC災害対応訓練)について
-
古川恵三(中和広域消防組合消防本部)
:プレホスピタル・ケア19巻2号 Page84-89(2006.04)
- DMAT(Disaster Medical Assistance Team)
-
辺見弘(国立病院機構災害医療センター), 本間正人, 井上潤一, 加藤博
:プレホスピタル・ケア19巻3号 Page22-26(2006.06)
- MOVE 各地の取組み エマルゴ・トレーニング・システムを学ぶ 病院前救護を主とする多数傷病者対応訓練
- 新田敏則(鳥取県東部広域行政管理組合消防局), 川口秀樹, 中谷隆人, 八木啓一, 中田康城, 葉狩健一, 本部幸弘
:プレホスピタル・ケア19巻2号 Page90-95(2006.04)
■へき地・離島救急医療研究会誌
- 山間へき地豪雨災害における医療支援 へき地医療拠点病院として
-
鎌村好孝(徳島県立中央病院 地域医療支援センター救命救急センター), 藤川和也, 笠松哲司, 三村誠二:へき地・離島救急医療研究会誌 7巻 Page37-40(2006.10)
Abstract:2004年7月末からの豪雨により、豪雨災害を受けた山間へき地への医療支援を実施した。上那賀病院自体の機能はほぼ健在であったが、災害の急性期~亜急性期においては、常勤医師4名に加えて、体制強化が必要と判断された。外傷患者は少数の軽症患者のみで、広域搬送を要するような重度外傷患者はなかった。時間とともに、避難所生活を続ける小児・高齢者や、昼夜を問わず復旧作業に従事する役場職員等に、過労やストレスによる心身への障害や慢性疾患の悪化等が出現した。避難所での医療・保健予防活動に加えて、保健師による健康相談もあわせて開始された。
■防衛衛生
- 海上自衛隊におけるスマトラ沖大地震及びインド洋津波への国際緊急援助隊のメンタルヘルスとアフターケア活動
- 澤村岳人(自衛隊仙台病院 精神科), 竹岡俊一, 角田智哉, 菊池章人, 岡林俊貴, 淺川英輝, 平田文彦, 永吉広和, 瓜生田曜造, 野村総一郎, 高橋祥友:防衛衛生 53巻5号 Page79-88(2006.05)
Abstract:スマトラ沖大地震およびインド洋津波の被災地に派遣された580例を対象とし,IES-R(出来事インパクトスケール改訂版)を用いたアンケート調査と個人面接を行った.IES-Rの平均値は,自殺事故に対するアフターケア活動における平均値より有意に高かった.2ヵ月後の個人面接においてストレス症状は概ね軽減もしくは消失した.遺体を目撃した隊員の方が目撃しなかった隊員よりもIES-Rの値が有意に高く,高得点者の割合も高かった.従事した業務内容の区分からは,遺体収容および遺体処理にあたった隊員のIES-Rの値は遺体に直接関わらなかった隊員よりも有意に高く,高得点者の割合も高かった.しかし,直接遺体に関わっていない隊員の一部も一時的にストレス症状を呈した.
- 防災科学技術の現状と医療活動への活用の展望
- 東原紘道(防災科学技術研究所 地震防災フロンティア研究センター):防衛衛生 53巻別冊2 Page15-22(2006.07)
- 海外医療援助 スリランカ津波災害から学ぶもの
- 横田裕行(日本医科大学附属病院高度救命救急センター):防衛衛生 53巻別冊2 Page23-28(2006.07)
- 防衛医学研究の意義と今後の拡がり
- 山田憲彦(防衛医科大学校 防衛医学講座):防衛衛生 53巻別冊2 Page33-38(2006.07)
- 災害現場における医学課題
- 中山伸一(兵庫県災害医療センター):防衛衛生 53巻別冊2 Page39-46(2006.07)
- 国際貢献活動に伴う感染症課題
- 加來浩器(陸上自衛隊衛生学校 教育部臨床検査教室):防衛衛生 53巻別冊2 Page47-51(2006.07)
- 防衛医学研究への先端医科学の取り組み
- 菊地眞(防衛医科大学校防衛医学研究センター 医用電子工学講座):防衛衛生 53巻別冊2 Page57-63(2006.07)
- スマトラ島沖地震・津波災害に対する医療支援概要
- 小野健一郎(陸上自衛隊第7師団司令部), 田村泰治, 横部旬哉, 森田充浩, 堀田隆志, 宮本寛知, 小林恵輔, 木村暁史, 加來浩器, 関根敏行:防衛衛生 53巻10号 Page217-224(2006.10)
Abstract:2004.12.26インドネシアスマトラ島沖で発生した地震・津波災害に対する自衛隊の国際緊急援助活動中、バンダアチェ市内の単一診療所で行われた医療支援結果を報告し、今後の国際緊急援助活動の参考に資する。結果として1)地震・津波災害に直接起因する疾患は、被災から約1ヵ月で5%程度に収束する。2)被災後亜急性期は衛生状態の悪化に伴う呼吸器疾患、皮膚科疾患の割合が50%と高く、疾患の割合も期間中一定した。3)災害1ヵ月以降、被災に起因する主なものは精神症状であり、受診者の3%前後を占めた。また今後、自衛隊の国際緊急医療援助活動が災害亜急性期に開始せざるを得ないとすれば、それに適化した医薬品を準備しておく必要があると考えられた。
- Complex emergencies(複合緊急事態)に対する人道支援 医療上の側面
-
作田英成(陸上自衛隊衛生学校 教育部):防衛衛生 53巻12号 Page269-276(2006.12)
Abstract:難民や国内避難民を生じるような、武力紛争・政治的混乱由来の緊急事態を複合緊急事態(complex emergencies:CEs)あるいは複合災害(complex disasters)という。冷戦終結以降、その事例は増えている。CEsでは、公衆衛生インフラの破壊・途絶や低栄養を背景に、集団の粗死亡率、および5歳未満小児の死亡率が高まっている。死因となる疾患のほとんどは、公衆衛生上の介入により予防が可能である。それらは、麻疹、コレラを含む下痢症、マラリア、急性呼吸器疾患、および低栄養などである。CEs急性期の支援については、水、栄養、住居、衛生、防疫、プライマリケアなどの標準プロトコールが定められている。しかし、CEs非急性期の支援については未だ標準化されたプロトコールは定まっていない。CEsでは政治・思想・宗教・文化上の対立や経済が複雑に絡み合った構造的な問題を含むため、概して被災した難民や国内避難民への対処は容易ではない。加えて、一般にCEsに対する支援団体や報道機関の関心は、自然災害に対するそれに比して低い現状にある。また、国家間ないし紛争当事者間の利害関係の対立から、援助はしばしば当該国から拒絶される。近年では、国際赤十字委員会の関係者や民間諸団体に属する援助者が攻撃を受けて死傷するケースもまれではない。このためCEsをめぐる危険度の高い人道支援任務においては、安全を確保することが重要な課題となっている。
■放射線防護医療
- 地表核爆発を例とした大規模核災害と日本の課題
- 高田純(札幌医科大学 医学部):放射線防護医療 2号 Page3-10(2006.11)
- 地下鉄サリン事件の対処と核事案に対する課題
- 中島要(陸上自衛隊 第7化学防護隊), 山本哲生:放射線防護医療 2号 Page15-18(2006.11)
- 汚染を伴うテロ事象の救急医療
- 浅井康文(札幌医科大学高度救命救急センター):放射線防護医療 2号 Page19-22(2006.11)
- 核汚染を伴う多数の傷病者受け入れに対する病院としての問題点
- 晴山雅人(札幌医科大学 医学部放射線医学講座):放射線防護医療 2号 Page23-26(2006.11)
- 除染棟の性能と日本の法的規制との関係
- 櫻井良憲(札幌医科大学 医学部), 高田純:放射線防護医療 2号 Page36-38(2006.11)
■北海道医療大学看護福祉学部学会誌
■北陸と公衆衛生
■保健師ジャーナル
■保健物理
■保団連
■ほすぴたる らいぶらりあん
■薬学雑誌
■薬事
特集・災害発生!そのとき薬剤師にできること
■薬事新報
- 新潟中越地震災害救護の薬剤師活動報告
- 大竹弘之(福岡県), 稲瀬實, 西園憲郎, 我妻仁, 石津重行, 小林一信, 中山恭一, 福田裕子, 藤掛佳男, 佐々木吉幸, 小高雅信, 日赤薬剤師会薬剤業務委員会:薬事新報 2409号 Page25-28(2006.02)
■薬局
■山形保健医療研究
-
災害時ヘルスケアニーズに対する保健師の役割意識
- 青木実枝(山形県立保健医療大学), 三澤寿美, 鎌田美千子, 新野美紀, 川村良子:山形保健医療研究 9巻 Page1-10(2006.03)
Abstract:地域で活動する保健師の,災害時ヘルスケアニーズに対する役割意識を明らかにすることを目的に,A県の全市町村および全保健所に勤務する保健師を対象にアンケート調査を実施し,282名(平均年齢40.4±9.3歳)より回答を得た(回収率77.5%).その結果,多くの保健師が自分の役割であると意識していたのは,「被災地の衛生状況や被災住民の健康状態,および災害弱者の把握」など発災直後から亜急性期のヘルスケアニーズであり,「被災者の生活の建て直し」など災害休止期や復興期のヘルスケアニーズについては,自分の役割ではないと意識する傾向にあることが分かった.
■山口県看護研究学会学術集会プログラム・集録5回
- 災害発生時における透析中の患者のテープ固定による止血効果の検証
- 岡村朋美(成蹊会岡田病院), 後根ひとみ, 中村和江, 秋本美智代:山口県看護研究学会学術集会プログラム・集録5回 Page100-102(2006.03)
Abstract:透析中の患者の災害発生時の緊急離脱の方法としてテープ固定法に着目し,その止血状態を検討することを目的に,透析患者19名(男性13名,女性6名)を対象に,調査期間中の透析終了時ごとに1回(1患者につき9~13回),テープ固定(圧迫綿の上にサージカルテープ固定)を行い,固定後1分の止血効果を看護師が評価した.テープ固定法は,屈曲部位は×字固定で,平面部位は巻き込み固定とした.その結果,止血良好群は13名(68%),止血不良群は6名(32%)で,巻き込み固定の止血効果(86.4%)は,×字固定の止血効果(74.5%)より高いことが分かった.その他,人工血管造設患者の止血効果が悪いことが分かった.
■理学療法ジャーナル
■リウマチ科
■臨床看護
■臨床スポーツ医学
■臨床精神医学
- 新潟中越地震発生後1ヵ月半経過時におけるこころのケア活動
- 熊谷亜紀子(富士病院), 國井泰人, 阿部清孝, 久能紀子, 岩崎稠:臨床精神医学 35巻4号 Page433-441(2006.04)
Abstract:日本精神科病院協会が開始した支援「こころのケア」チームの,新潟中越地震発生後1ヵ月半経過時における活動を報告した.被災急性期経過後のこころのケアの受容や特徴が明確になった.すなわち,被災者は被災の大変さ,恐怖感,不安感,愚痴を吐露する機会がほとんどなく,より深刻な被害を被った人々に較べれば自分は大したことないと気持ちを抑圧せざるを得なかった.当チームが開催した健康相談会は,カジュアルでオープンな,それでいて専門的アドバイスが受けられる場所となった.当チームは,精神科医師,看護師,臨床心理士,精神保健福祉士各1名づつの計4名で構成されたが,日常の病院診療から離れたフィールドワークを通して,それぞれの役割と協力体制が明確となった。
■臨床透析
特集・透析医療における災害対策
- 透析医療と災害対策
- 杉崎弘章(府中腎クリニック):臨床透析 22巻11号 Page1467-1475(2006.10)
Abstract:1923年関東大震災後に始まった「防災対策」も,1995年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災),2004年新潟県中越地震,2005年福岡県西方沖地震を経験して,「防災対策」から「減災対策」へ移行しつつある.透析医療を継続するにはさまざまな条件があるにもかかわらず,災害時でも「患者のPreventable Deathをなくす」ために明日の透析治療を継続しなければならない.そうした条件下で,各透析施設の「災害対策マニュアル」は整備され,災害対策の要である「情報システム」も各施設・地域で整備されつつある.そして全国の透析施設を結ぶ災害時ネットワークも日本透析医会が中心となって整備されつつある.新潟県中越地震でその存在が認識され,福岡県西方沖地震で支部・全国のネットワークが見事に役立った.しかし「災害対策は日々進化」している.この稿では,いくつかの問題点と対策について提示する.
- 災害に学ぶ 過去から
- 1995年阪神・淡路大震災、2004年台風23号による水害
- 森上辰哉(元町HDクリニック), 申曽洙:臨床透析 22巻11号 Page1477-1482(2006.10)
Abstract:地震災害に対してきわめて脆弱な透析医療に従事するわれわれは,阪神・淡路大震災以降,さまざまな災害対策を学んだ.当時,もっとも利用度の高い電話が繋がりにくく,十分な情報伝達ができなかった.このことから大震災の教訓として,施設-患者間の連絡手段と被災側-支援側のネットワーク構築の重要性が示された.阪神・淡路大震災から10年後,兵庫県内にも大きな被害を与えた台風23号では,兵庫県透析医会が整備した情報ネットワークにより,各地域の担当者がメーリングリストを用いて情報を届けた.その結果,早期に各地域の被害状況が把握でき,それらに対応する準備ができた.今後もわれわれは,経験を生かした災害文化作りに努め,災害に備えなければならない.
- 2003年十勝沖地震
- 赤塚東司雄(府中腎クリニック):臨床透析 22巻11号 Page1483-1490(2006.10)
Abstract:十勝沖地震を解説した.北海道・浦河町は,災害下位文化(disasters subculture)の熟成地域としてその防災能力の高さは都市災害学の世界で高い評価を受けている.その地域で発生した二つの地震(1982年浦河沖地震と2003年十勝沖地震)を対比し考察し,この二つの地震が防災上の意義の大きいものであることを紹介した.また浦河赤十字病院(Urakawa Red Cross Hospital)においては以前から,災害下位文化を習得した職員による実際的で有効な災害対策が行われていた.そのため本来なら壊滅的な被害を受けていておかしくない被災状況を,彼らは自らの手で見事に好転させた.防災レベルの向上によって減災が可能であることが示唆された.
- 2004年新潟県中越地震 教訓と対策、およびエコノミークラス症候群への配慮
- 鈴木正司(信楽園病院腎センター):臨床透析 22巻11号 Page1491-1497(2006.10)
Abstract:大地震では透析治療の継続も困難となり,患者の生命の危機に直結する.新潟県中越地震でも3施設で透析治療が不能となったが,断水,停電,ガス供給停止のほかにも,水処理や透析液作製などの大型装置の移動・転倒も原因であった.しかし近隣および遠隔地の透析施設との連携により,患者の治療は継続できた.そこでは情報収集と発信,広域での情報共有の重要性が明らかとなった.緊急離脱,患者監視装置の固定などに関して従来の発想が否定された.また,新たにエコノミークラス症候群の発症が注目された.
- 2004年新潟県中越地震 透析医療の支援について
- 青柳竜治(立川メディカルセンター中越診療所):臨床透析 22巻11号 Page1499-1504(2006.10)
Abstract:新潟県中越地震では,停電,断水,水処理装置の破損などにより,3施設の血液透析患者約340人の透析治療が不能となった.長岡地区では,透析医が中心となり自主的に患者の受け入れ先を確保し支援体制を整えた.早期に受け入れ先が明確となり,被災地の患者に大きな混乱はなかった.地方自治体,行政,マスコミは情報収集と提供,患者搬送の支援をした.また,日本透析医会災害情報ネットワークは,刻々と変化する情報を被災地内外に提供し支援した.さらに,新潟地区や県外の透析施設では,入院透析患者の受け入れと透析スタッフ派遣を行い,遠方から被災地を支援した.
- 2005年福岡県西方沖地震
- 隈博政(くま腎クリニック):臨床透析 22巻11号 Page1505-1510(2006.10)
Abstract:2005年福岡県西方沖地震に際し,福岡県透析医会は災害時優先電話や災害時優先携帯電話およびe-mailを用い,さらにインターネットで日本透析医会災害情報ネットワークの「災害時情報伝達・集計専用ページ」を利用して,会員の被災状況調査,被災透析施設の支援を行った.患者への一斉連絡にNHKテレビのテロップを利用した.この間,被災状況および支援体制案を会員,日本透析医会など各方面にe-mailを用いてリアルタイムで広報した.この経験から,今後は携帯電話メールの一斉連絡システムが有望と考える.また,県や道州ブロックごとの地域ネットワーク,日本透析医会,日本透析医学会,行政,マスメディアとの連携も重要である.
- 災害時の対応 現在
- 全国的災害情報ネットワーク
- 武田稔男(みはま病院), 吉田豊彦:臨床透析 22巻11号 Page1511-1516(2006.10)
Abstract:災害対策は,施設ごとの危機管理,地域透析施設間や関連組織との連携,行政の支援,情報の共有手段が重要である.(社)日本透析医会では,関連する各組織との情報ネットワークおよびホームページと電子メールを利用した災害情報共有システムを構築し,運営してきた.本ネットワークは,新潟県中越地震においても情報の共有に利用され有用であったと評価している.今後はさらなる周知拡大に加え,コンピュータがなくても情報登録や確認ができるシステム,発災時に施設情報発信を促すシステムなどが必要である.また地域施設間の人的交流は,災害時における円滑な協力体制構築にとって重要である.
- 検証された対策と今後の問題点
- 赤塚東司雄(府中腎クリニック), 山川智之:臨床透析 22巻11号 Page1517-1524(2006.10)
Abstract:透析医療における災害対策は,1978年宮城県沖地震に始まり,1995年阪神・淡路大震災を経て広域化がはかられた.その後,提唱されてきた対策が検証される機会をもたなかったが,2003年十勝沖地震,2004年新潟県中越地震,2005年福岡県西方沖地震を経験することで多くの検証がなされた.これらの地震の経験から,地域密着型災害は現在の対策で対応可能であることが示された.しかし,今後,首都圏直下型地震などの都市型災害に対する対策は万全ではない.これまでに地域密着型災害対応で有用だった対策(患者監視装置やベッドのキャスター,ROや透析液供給装置の固定,患者のグループ化による情報伝達など)を十分に浸透させることで,減災は可能であると考えている.個々の被害が小さくなることで,総体としての被害量を小さくすることが重要である.それが,都市型災害の特徴である「対応しきれないほど多数の被災者」を,なんとか対応しきれる数に減じることにつながる.
- スタッフの招集と配置、患者連絡の確立
- 飛山小夜美(浦河赤十字病院 透析室), 鈴木八重子:臨床透析 22巻11号 Page1525-1532(2006.10)
Abstract:地震の多い町として知られている北海道浦河町での地震発生時の状況とその対応について述べることとする.十勝沖地震発生時,浦河赤十字病院ではどのようにスタッフが招集され,そのスタッフ配置と役割についてはどのようなものであったのか.また,地域密着型と都市型では患者連絡方法が違うことについて提言する.
- 患者会の災害対策への取組み
- 遠藤公男(全国腎臓病協議会):臨床透析 22巻11号 Page1533-1537(2006.10)
Abstract:最近10数年間における透析患者の生活や療養状況は,患者数の増加,高齢化などで激変してきている.現状では災害時に個人で状況を判断し自ら行動することは相当困難である.透析患者の団体である全国腎臓病協議会(全腎協)には,いろいろな要素を含む災害時要援護者を数多く抱えている.また,透析療法の特殊性もあり,透析施設にいる者,家庭や地域にいる者,職場にいる者など,どこで被災しても確実に生き残ることができるような対策が必要である.本稿では全腎協の大規模震災への基本的対策と災害発生時の対策を紹介するとともに,行政機関,医療機関への要望事項をまとめ提言とした.
- 透析室・機械室の環境整備と器材・医薬品のデリバリー 機器
- 木下博(日機装), 會田伸彦:臨床透析 22巻11号 Page1539-1544(2006.10)
Abstract:地震対策として,最初に透析患者とスタッフの安全の確保があり,透析装置の移動・転倒防止対策が必要である.とくにフロアタイプの透析装置については,その対策に加えて透析患者との距離が離れないようにする対策も必要である.次に透析設備のダメージの最小化があり,すべての透析設備,たとえば機器と接続される配管・配線類のそれぞれに総合的に施す必要がある.機械室設置の機器には転倒防止策を講じ,機器と接続する配管にフレキシビリティをもたせ,配管損傷を防止する.
- 透析室・機械室の環境整備と器材・医薬品のデリバリー 薬剤
- 高野淳一(中外製薬 腎領域学術部):臨床透析 22巻11号 Page1545-1550(2006.10)
Abstract:大規模災害は情報・通信の混乱と交通渋滞を引き起こす.災害発生直後の医薬品供給はまず通常の納品ルートが主となるが,配送の混乱は避けられない.大規模災害時における医療用医薬品の支援は,通常,厚生労働省から日本製薬団体連合会へ緊急要請が入り日薬連が窓口となって各医薬品製造業者が対応する仕組みになっている.緊急時必要とされる医薬品の在庫は,各卸協同組合や卸売業者が地方自治体と通常のランニングストック内で保有する協定を結んでいる場合がある.透析医療では,災害直後に継続可能なシステム構築が第一優先となり,それらに必要な医薬品・資器材が備蓄,緊急発注の対象となる.災害時は関係者すべての相互協力と理解が必要な状態であり,正確な情報整理によってその供給体制が整備されることとなる.
- 災害を迎え撃つ 未来へ
- 大都市型巨大災害 東京都23区の透析施設における災害への取組み
- 秋葉隆(東京女子医科大学附属腎臓病総合医療センター), 石森勇, 村上淳, 金子岩和:臨床透析 22巻11号 Page1551-1557(2006.10)
Abstract:阪神・淡路大震災は初めて人口密集地域を襲った大規模な透析施設の被災として,透析医療に携わるものにとって貴重な教訓となった.2004年10月23日,震度7の地震が新潟県中越地方を襲ったときこの教訓は活かされたであろうか.透析室の被害状況は3病院336名が治療の場を失い,バスなどで他施設へ搬送治療を行い,透析施設の機能は約1週間で復旧した.この直下型地震で被害が最小限に抑えられたのは,地域の透析医の連携で患者移動がスムースにいったことがあげられる.この教訓から都区部での直下型地震に対する災害対策を考えるとき,災害により透析不能となった患者をどこで透析をするのかという,代替施設確保がもっとも中心に据えられる.これに対応するために,2005年,東京都区部災害時透析医療ネットワークが立ち上げられた.この動きを紹介し,人口密集地における直下型地震対策について述べる.
- 災害時の船舶利用
- 井上欣三(神戸大学 海洋科学部):臨床透析 22巻11号 Page1559-1564(2006.10)
Abstract:災害発生時にもっとも迅速になされるべきことは,緊急時医療活動である.今後危惧される大規模災害では,慢性の腎不全患者の維持透析への対応も重要な課題として見逃してはならない.渋滞でマヒする陸路の代わりに海上ルートで透析患者を近郊の病院に搬送し,併せて透析治療に必要な資機材を船で運搬することはきわめて自然な船と医療の連携活動である.このプロジェクトは,2004年9月,日本透析医会「災害情報ネットワーク」と神戸大学海事科学部「海上支援ネットワーク」との提携により実現した.今後はこの関西圏モデルをひな形として,関東圏,東海圏,中京圏,瀬戸内圏,関門圏等々全国に展開していくことになる.
- 災害時要援護者(身障者)に対する災害対策の方向性
- 丸山直紀(警察庁少年課):臨床透析 22巻11号 Page1565-1570(2006.10)
Abstract:平成16年に発生した一連の風水害への対応に関し,高齢者,障害者等の災害時要援護者の避難支援についての課題が明らかとなった.そのため,内閣府では,要援護者情報の収集・共有等についての取組指針を示した「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」を平成17年3月に策定したが,平成18年3月,有識者からなる検討会の検討成果を基に,上記ガイドラインを改訂し,避難所における要援護者用窓口の設置,福祉避難所の設置・活用の促進等の避難所における支援方策とともに,災害時における福祉サービスの継続,保健師,看護師等の広域的な応援等の関係機関等の間の連携方策について盛り込んでいる.
- 究極の対策 ノースリッジ地震に学んだ免震病院
- 湯浅健司(高知高須病院):臨床透析 22巻11号 Page1571-1577(2006.10)
Abstract:透析においては,大災害時においても,透析治療を中断させることなく,安全に継続させることはもちろん,人命や建物の安全確保のみならず,さまざまな医療機器,設備などの機能,そして,水・電気などのライフラインをいかに確保できるか,病院全体の機能を維持することが大変重要になる.1994年,アメリカノースリッジ地震では,耐震構造の病院は,倒壊はしなかったが,内部の医療機器や設備に大きな被害を受けて数日間その機能を失った.それに対して免震構造の病院では,ちょうど行おうとしていた脳外科手術が,1分程度中断されただけですぐ再開されている.今後の病院の耐震施設への設備課題として,人命・建物を守り,重要機能の保全を確保するために,免震構造が不可欠であると考える.
■臨床と研究
■臨床麻酔
- JR福知山線脱線事故時の麻酔科の対応
- 長尾嘉晃(兵庫医科大学 麻酔科学教室), 杉崇史, 矢田幸子, 多田羅恒雄, 上農喜朗, 太城力良:臨床麻酔 30巻5号 Page845-847(2006.05)
- バイポーラシザーズによる火災事故
- 稲森雅幸(近畿大学 医学部麻酔科学教室), 平松謙二, 橋村俊哉, 藪田浩一, 前川紀雅, 古賀義久:臨床麻酔 30巻8号 Page1262-1264(2006.08)
Abstract:膵体尾部切除術の麻酔管理中,突然覆布より火災を生じた事例を経験した.火災の原因はディスポタイプの覆布にバイポーラシザーズ(BIPOLAR SCISSOR-BP520 ETHICON社製)が引火したものと考えられた.事故検証を行ったところ,バイポーラシザーズは,高出力,長時間の使用でも敷布に引火することはなかったが,血液・組織などの有機物が付着していた場合は,容易に引火することが認められた
- 大災害時の医療ガス供給における課題
- 大島健幸(昭和電工 化学品事業部門品質保証室):臨床麻酔 30巻8号 Page1267-1271(2006.08)
■リウマチ
■連携医療
特集・伸張する災害医療ネットワーク
■老年社会科学
災害医学・論文表題集/ 同 災害事例別