トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

TSUSHIN2020

学会通信 令和2年12月


 令和2年12月発行号のダウンロード

  • 今年度の学会通信は、A4版カラー6枚で編集しました。

ぜひPDF版をご覧下さい。PDFファイル(ここからダウンロード)

事務局より

2005年度より理事会通信を、2016年度からは評議員の先生にもご寄稿いただき、学会通信を年1回発行しています。
各地域各分野から選ばれた公衆衛生のエキスパートである理事、評議員の先生方から会員の皆様へのメッセージをお届けいたします。ぜひ、学会通信を通して東海公衆衛生学会ならびに役員の先生方の活動を身近に感じていただけたら幸いです。
また、ただいま東海公衆衛生学会では次期役員の選挙を行なっております。会員名簿と一緒にお送りいたしました。<役員選挙について>をご覧いただき、ご投票くださいますようお願い申し上げます。なお、投票用紙の返送締切りは2021年1月12日(月)必着となっております。何卒よろしくお願いいたします。

<メールアドレス登録のお願い>
通信費の削減のために、事務局から会員のみなさまへの情報提供は、ホームページおよびメールマガジンを通して行なっております。メールアドレスを未登録の方は、事務局 tokai-ph@med. nagoya-u.ac.jpまでご連絡下さい。 

 2020年度 各理事・評議員からのメッセージ

東海公衆衛生学会 理事長、浜松医科大学健康社会医学講座 教授 尾島俊之

新型コロナにはネットワークによる総力戦で

新型コロナウイルス感染症が広がる中、第一線で対応されているみなさま、本当に、お疲れ様です。この状況下で、人的支援、業務の引き受け、優先事項への重点化などの対応が取られています。人的支援としては、自治体内の部署をまたいだ支援、民間からの人材派遣、県を超えた支援や市町村から保健所への支援を含めた自治体間の支援、日本公衆衛生学会会員や退職職員等の登録者の人材バンクによる支援などが行われています。一般的に社会的支援には、手段的・情報的・情緒的支援があり、それぞれ重要です。実際に手伝ったり、創意工夫の情報を交換したりすることに加えて、ぎりぎりのところで頑張っている気持ちを支え合うことも重要と思います。東海公衆衛生学会の会員同士の普段からのネットワークも生かしながら、総力戦で新型コロナを乗り切ってゆければと思います。

東海公衆衛生学会 副理事長、トピー工業(株)豊橋製造所 産業医 犬塚君雄

ご安全に!

私事で恐縮ですが、令和2年3月末をもって、豊橋市保健所長を最後に41年に及ぶ衛生行政に区切りをつけました。この間、ご指導ご鞭撻を頂いた皆様に深く感謝申し上げます。
7月からは、豊橋市内にありますトピー工業(株)豊橋製造所の専属産業医として勤務しております。正社員と協力会社の社員合わせて約1,650名の健康管理と安全衛生委員会への出席、職場巡視が主な業務です。
第二の人生に産業医を選択した理由は、長きにわたって従事した衛生行政に近いことと、社員の方々に直接関わり合いを持って健康指導をしたいとの思いがあったためです。実際、健康管理センターに身を置いて健診結果を見ていますと、高血圧や糖尿病、脂質異常症が多く、喫煙率も非常に高いことに驚いています。また、製造業の現場では常に危険と隣り合わせであり、さらに粉じんや騒音といった厳しい労働環境に多くの社員が曝されています。まさに課題山積ですが、労働災害をみんなで一丸となって防ぐための合言葉が「ご安全に!」です。
会社の方針として健康経営に取り組み始めたところですが、今までの経験を活かしつつ、衛生行政をはじめとしてこの学会に関係する多くの皆様と連携して、一歩ずつ進めていきたいと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。

浜松医科大学健康社会医学講座 特任研究員 尾関佳代子

新型コロナウィルス感染症で変化した薬局の日常

2020年はまさに新型コロナウィルスで始まり、今もその勢力は衰えることなく世界各地で猛威を振るっています。私は大学で研究を続けるとともに薬局薬剤師としても勤務しているのですが、薬局の状況も大きく変化しました。すべての投薬台はビニールカーテンで仕切られ、お金のやり取りは、必ずトレーの上に載せて行っています。また言うまでもなくマスク着用は必須ですし、投薬が終わる度に手指消毒は欠かせません。今までに経験したことのない非日常の世界がだんだん日常の世界になりつつあります。
今後はオンライン診療、オンライン服薬指導という流れが大きくなっていくのは避けられないと思います。ウィズコロナの環境下にあっても医薬品を供給し、住民の命を守る地域薬局は、調剤ばかりでなく、市販薬、医療用品の販売等でも重要な役割を担っています。これからも、いかなる試練の時も、地域に貢献できる薬剤師、そして研究者として活動していきたいと思っています。

名古屋市立大学大学院医学研究科環境労働衛生学 教授 上島通浩

消毒剤の空間噴霧

今年の4月、顔見知りの床屋さんから気になることを耳にしました。理美容業界、サロンなどで、加湿器を用いた次亜塩素酸水の空間噴霧が口コミで広がっている、というのです。そして、見せてもらったある製品のパンフレットには、「除菌力大幅アップ!」「加湿器に入れて使えるようになりました!」との謳い文句とともに、直接噴霧の試験データとして、ウイルスは15秒後に不検出、と書かれていました。
正直なところ、消毒剤のミストを吸入して大丈夫だろうか、と思いました。というのは、10年ほど前、韓国において、ポリヘキサメチレングアニジンという殺菌剤を加湿器に入れた結果、肺線維症が多く発生して大問題になった事例を連想したからです。調べたところ、メーカーの指示通りに希釈すれば次亜塩素酸の加湿器内での水中濃度は20〜80 ppm (0.002〜0.008%)と低いこと、またこれとは別に、他メーカーからは薬機法対象外の一般家庭用機器として、次亜塩素酸の空間除菌脱臭機が市販されていることを知りました。
その後、次亜塩素酸水の空間噴霧については、5月29日、経済産業省が注意喚起したことにより各地で相次いで休止された、と報道されました。何かを高濃度で加湿器に混ぜて、予期しない健康被害が生じるような事例がないか、引き続き注意が必要と思っております。

愛知県清須保健所 所長 子安春樹

コロナ雑感

この原稿を書いているのは2020年11月26日です。日本全土で、新型コロナウィルス感染症の第3波と言われる感染の拡大が起きています。特に北海道、首都圏、中京圏、関西圏で顕著と、不要不急の外出の自粛、go to 事業の見直し、酒類、接待を伴う飲食店、カラオケ店の営業時間短縮要請などが実施されています。感染症まん延防止対策の要の保健所に身を置く私として、その業務内容についてここで言及するつもりはありません。
本年の1月に我が国で第1例目のコロナ患者の報告がなされて以来、私たちの日常生活は大きく変化し、いわゆる新しい日常が繰り広げられています。特に私個人とその周囲での大きな変化は2点あります。1点目はテレワーク・リモートワークの普及です。コロナ禍以前でも愛知県内、豊田市に本社を置くトヨタ自動車、刈谷市のアイシン精機、デンソー、半田市に本社を置くミツカン等々では、アジア・欧米の関連会社、支社、支店、現地工場とを結んでテレビ会議が幅広く実施されてきたと聞いています。それがコロナ禍によって行政、学会、学校・大学、様々な文化活動と、社会の隅々までオンライン開催、リモート開催が広がっています。私自身が自宅でnotebookパソコンを使ってテレワークをする予定は、今のところありません。愛知県保健所長会定例会に2回、リモート参加しました、愛知県庁内イントラネットシステムWEB会議での開催で、1回目は事前接続テストもあり比較的スムーズに参加できました。従来、定例会は各保健所持ち回りで開催場所を提供するルールがあり、最北は愛知県新城保健所、最南は愛知県半田保健所、最も東は豊橋市保健所、最も西は愛知県津島保健所で、各自それなりの時間を使って、移動集合していました。それがいつもの自分の執務机に座ったままで参加できるのは、時間の節約に他なりません。司会進行の渋谷会長の的確な取り回しと、当番保健所の事前準備ときめ細かな配慮で、従来と全く同様のTimescheduleで実施できていて不思議な感覚です。あまりに多人数で参加するとfreezeするようです。
次に、私物のiPad miniに無料ダウンロードしたZoomソフトを使用して、名古屋大学小児科学教室同門会・順清会総会と愛知県精神保健福祉協会総会記念講演会に参加しました。順清会総会は日曜開催でしたので、自宅の居間でいつもの座椅子に座って、でもネクタイはきちんとして参加しました。会計報告のスライド等はiPad miniの画面では見にくかったこと以外、これも事前の接続テストで若いTaskforceの7人の侍?の支援で順調に参加できました。会の最後の〆の挨拶で、小島名誉教授が、コロナワクチンの小児への投与について、メリット・デメリットを十分吟味して、小児科医がもっと検討しなければならないと発言していたのが印象的でした。精神保健福祉協会総会記念講演会は、週日実施で、昨年までは勤務時間内出張で名古屋市内まで出かけていました。それがZoom開催になったので所長室の執務机に座って参加しました。演目は「高齢、長期化する引きこもり問題」でした。一人で聴講するのは勿体ないので、iPad miniの小さな出力端子から職場のプロジェクターのHDMI端子に直接接続できる、Apple純正・1本5千円もする接続コードを自腹で買ってきて、心グループの2人の担当職員と参加しました。私は執務机に座って、担当は所長室の応接セットに座って、白壁に映し出された大画面を見ながら参加しました。HDMIケーブルは全く便利な代物で、ケーブル1本で鮮明な画像と明瞭な音声が出力されます。講演の内容は、元々Zoom開催を前提にして、スライドの文字も超大型で見やすく大変分かりやすく勉強になりました。口頭で質問したかったのですが、回線の保全のためchat機能の文章で、ということなので拙いkeyboard入力で質問しました。尾崎協会長、事務局の藤城先生並びにスタッフに感謝しています。
Zoomソフトの販売会社の担当の話では、昨年までは未だWeb会議を導入していない中堅企業へ売り込みに行って、「7×7の画面分割で、最大49人まで参加できます。」と言っても「どうしてそんなに必要なんだ」と、けんもほろろだったそうです。ところが春先の全国一斉休校という事態になって、いち早く導入できた学校からは、「クラスメート全員が顔を合わせることが出来て、大変うれしい」と感謝の嵐だそうです。会社も昨年同時期と比較して6〜7倍の売り上げだそうです。
最近では、G7会合、G20会合、RCEP調印式がオンラインで実施されました。G20ではコロナ対策の討論になったところで、アメリカ大統領が退席してゴルフに出かけたそうです。RCEP調印式では、我が国首相の満面の笑みが印象的でした。首都圏のサラリーマンの中には、自宅でのリモートワークで十分仕事ができ、出社は週1回で可という人の中から、首都圏を脱出して、群馬県や静岡県の家賃の安い広々一戸建てに移住を検討している人が出てきているそうです。首都圏1極集中是正のきっかけになるのでしょうか?いずれにしても、テレワーク・リモートワーク、様々なメリット・デメリットがあるようです。
2点目は、飲食店のお持ち帰り・Takeout事業の普及です。従来、食中毒予防の観点から、出前・お持ち帰りを実施している飲食店は限られていました。緊急事態宣言下で売り上げ激減した飲食店・居酒屋では、まずお弁当の販売開始、更に外食チェーン店ではTakeout事業の実施がさみだれ的に増加しました。他店で実施しているのに自店では実施していないのでは死活問題です。私のようにマイカー通勤している者には、家人が忙しい時など、和食、お寿司、麺類、お弁当といろんな夕食を買って帰れるのは大変便利です。また従来から宅配しか実施していないピザのチェーン店も大手外食チェーンが宅配に参入したことで、宅配所要時間が短縮されているようです。担当者の努力の賜物と思いますが、消費者にとってはありがたい話です。しかしながら、便利な話や、ありがたいお話ばかりではありません。SDGs持続可能な開発目標の名の下に、スーパー・コンビニのレジ袋が有料化されました。我が家ではレジ袋は、従来から、ゴミ袋として捨てる以外、大切にキープしているので困ることはありません。それ以上にTakeoutで持ち帰ったプラごみが大量にあります。毎週水曜日のプラごみの日は、綺麗に水洗いして、せっせと収集場所へ運んでいます。また私の名古屋市北区の自宅の周囲でも、いわゆるUberEatsのカバンを背負った自転車やバイクが1日中走り回っています。それに伴って、交差点付近での事故や、自転車と歩行者の事故も増えているそうです。配送している人は、自分の空いた時間を有効に使ってお金が稼げるということで、重宝なようです。しかし一人一人が委託の個人事業主ということで、労災も適用されず勿論、健康保険加入もなく、配送に伴う怪我や病気への対応は、全くの自己責任ということのようです。便利でありがたい事が、彼らへのしわ寄せにならないことを祈るばかりです。
11月26日現在、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計では、全世界で6千万人がコロナに感染し、17日間で1千万人の増加、死者は140万人を超え、結核死の1年分を超えたそうです。このコロナ禍パンデミックの下、様々な格差の増大が言われています。所得格差、資産格差、情報格差、教育格差、医療格差、健康格差etc.etc.です。我が国の自殺者も8月から明確に増加し、10月は2158人、前年同月比600人増、男性1300人余、女性800人余です。前年同月比、男性が30パーセント増に対し20代、40代女性では、倍増しているそうです。ワクチンは来月にはUSAで出荷が始まるそうですが、全人類への普及には道遠しのようです。
マスク、手洗い、換気、Social distanceの確保、3密の回避を徹底して、新しい日常に適応していきましょう。

愛知県豊川保健所 嘱託支援員 榊原るり子

今日のコロナ感染対応で、関係の皆様には本当にお疲れ様です。私事ですが、4月に小学校1年生になった孫は入学式の翌日から休校になり、その子の父親は春から、福島県に復興支援のため単身赴任しましたが、コロナ感染拡大の影響で帰省もできず、不安で不安定な日々を過ごしました。さて、現在、私は不定期に保健所に勤務しておりますが、この事態に再任用の後輩保健師が大活躍しており、コロナ関連の対応にも結核対策で培った技術と経験が活かされているとのことです。保健師は、多岐になった配属先で多様な経験をすることで、臨機応変な対応能力や応用力を養っていると確信しています。コロナ禍の中、他領域の人達と直接会って話す機会が減っているのは残念ですが、まず身近な職場の同僚間でコミュニケーションを豊かにして意見交換することも大切にしてほしいと思います。

愛知県一宮保健所 所長 澁谷いづみ

第67回東海公衆衛生学会学術大会の開催に向けて

愛知県一宮保健所は県下で最初の保健所として昭和13年4月1日業務を開始、令和3年3月31日で83年間の歴史に幕を閉じます。一宮市が中核市として新たに市保健所を設置することになるからです。
県保健所の最後の一年は新型コロナウイルス感染症対策に明け暮れ、ルーチン業務の多くが中止・変更される中、慌ただしく過ごすこととなりました。大変名誉なことに総会の大会長を仰せつかりましたが、2021年7月の時点では愛知県一宮保健所はなくなるため、所属は愛知県保健所長会とさせていただきました。
当番県の愛知県の準備が進まないところ、愛知医科大学看護学部教授坂本真理子先生が助け舟をだしてくださって、大会事務局長をお引き受けくださいました。祖父江元学長にも顧問をご快諾いただき、「看護学部だけでなく医学部も一緒に盛り上げよう」と菊地教授らにも協力をお願いするようご助言いただきました。医学部公衆衛生学教授の菊地正悟先生は「僕らも会員だから演題を出すように応援するよ」と励ましてくださいました。このように皆さんの暖かなご支援で大会に向けた準備がスタートしました。
2020年の第79回日本公衆衛生学会では定刻・ライブ配信でシンポジウムの座長をさせていただきましたが、いわゆる会場の反応や雰囲気、手ごたえが分からないもどかしさがありました。来年度の東海公衆衛生学会はできるだけリアルに実施したいと考えています。それぞれがくぐり抜けた新型コロナウイルスとの戦いを記録しディスカッションしたいと思っております。『7月3日、会場:愛知医科大学、テーマ:それぞれの新型コロナウイルス感染症対策の軌跡』宜しくお願いします。

浜松医科大学地域医療支援学講座 特任准教授 竹内浩視

新型コロナウイルス感染症が私たちに教えたこと

月並みになってしまいますが、2020年は「記録にも記憶にも残る1年」でした。ただ、現状では2021年も当面は厳しい状況が続くことが予測され、残念ながら、例年のような新年を迎えることは叶わないでしょう。
さて、新型コロナウイルス感染症は、我が国の人口構造と社会保障制度に関する厳しい現実と将来を、改めて私たちに突きつけたように思います。
厚生労働省では、「2040年の医療提供体制を見据えた3つの改革」として、.医療施設の最適配置の実現と連携(地域医療構想の実現)、.医師、医療従事者の働き方改革、.実効性のある医師偏在対策を掲げています。
しかしながら、地域医療構想を通じて効率的で質の高い「地域完結型医療」を目指す一方で、現役世代人口が急速に減少する中、熟練を要する医療専門職を育成し、その必要数と技量を維持していくことは容易ではありません。
また、介護保険事業(支援)計画と関連する在宅医療等を除いて来年度に先送りされた医療計画の中間見直しでは、今般の感染拡大を踏まえて新興感染症等への対応が加わることになりそうですが、地域医療構想と連動して、具体的にどのような形で計画に落とし込むかは大変難しい問題だと思います。
さらに、非常事態宣言に伴う社会活動の停止は、平時でも厳しい労働環境や報酬体系にあった介護や保育などの福祉や教育の現場の姿とその重要性を社会に示すことにもなりました。
このような厳しい状況が続く今日ですが、若者たちがこれから20年先、2040年になった時に安心して生活を営み、次世代を育むことができる社会が実現するよう、当講座としても地域に情報を発信していきたいと考えています。

広島大学大学院医系科学研究科口腔保健疫学 教授 内藤真理子

2020年を振り返って

2020年は大学でのオンライン授業への移行や臨床実習中止など、これまで経験したことのない判断や迅速な対応が求められた年でした。出張や学外での会合がキャンセルとなる中、ほぼ自宅と勤務先の往復でこの一年が終わろうとしています。限られた機会ですが、広島交響楽団の公演が大きな癒しとなっています。
所属する広島大学では、新しい分野の業務にも取り組んでいます。本学の4年制歯科衛生士養成課程では所定の単位を修得することで養護教諭1種免許も取得できることから、毎年、学生を教育実習に送り出しています。養護教諭の先生方や学校現場との交流を通して、学校保健について学ぶ機会が増えました。
新年を迎えるにあたって、会員の皆様の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。オンラインでのネットワークを活用しながら、「疫学」をキーワードとした研究や教育によりいっそう力を注いでいきたいと思います。引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

浜松医科大学健康社会医学講座 准教授 中村美詠子

AI時代のEQ

EQ(Emotional Intelligence Quotient,感情知能指数)という言葉を聞いたことがありますか?ダニエル・ゴールマンが,その著書で,従来の知能指数(Intelligence Quotient)に加えて提唱したことで広まったと言われ,感情知能指数等と訳されています。EQには,感情の識別,利用,理解,調整の4要素の存在が指摘されており,これらを総合的に働かせることが重要であるようです。
私自身はこの言葉をSearch Inside Yourself(Googleで生まれたマインドフルネスを基盤とする能力開発プログラム:一般社団法人Mindfulness Leadership Instituteによる)というセミナーで知りました。
職場のメンタルヘルス不調には,感情が関わる問題が多く存在していることを,産業医として経験しています。自分や周囲の感情を識別,理解し,上手に利用,調整していくことで,様々な人間関係はより心地よいものになるでしょう。マインドフルネスにより,自分の感情はより自分のものとなる気がします。

岐阜県立看護大学看護研究センター 教授 松下光子

ケアマネジャー研修で感じたこと

今年、10年ぶりに介護保険制度におけるケアマネジャーの活動について学ぶ研修を受け、ケアマネジャーの活動や状況が大きく変わっていることに驚きました。
10年前に受けた研修では、地域の課題解決もケアマネジャーの役割とは言われていましたが、そんなこと、どうやったらできるのだろうか?と思いました。今回は、地域包括支援センターを中核に、ケアマネジャーが日頃の活動で感じる地域の課題を出すことができる仕組みが作られていることがわかりました。また、高齢者支援と障がい児者支援を同じ現場で併せて行うことができることもわかりました。さらに、ケアマネジャーは何をする職種なのかが明確になってきたと感じました。
ずっと現場にいる方は何を今頃かもしれませんが、10年ぶりの者としては、驚きと感動でした。研修と現場は乖離しているかもしれませんが、制度開始から20年、さらに、2040年に向けて、変化を感じた経験でした。

名古屋市保健所南保健センター 所長 松原史朗

令和2年1月、国内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が報告されて以来、全国の保健所や衛生研究所等は感染拡大防止に全力を挙げてきました。私のいる名古屋市保健所南保健センターも、住民からの電話相談、有症状者の受診調整、積極的疫学調査、濃厚接触者の検体採取、自宅療養者等の健康観察などの膨大な業務を、職員が時間外勤務や休日出勤などで懸命にこなしてきましたが、さすがに疲労の色が濃くなってきています。
しかし一方で、私が知る限りこれほど保健所や保健センターが市民や医療機関から頼りにされ、疫学や公衆衛生学が世間の注目を集めたことはありませんでした。
まだまだ感染は収束の兆しを見せませんし、今後はワクチンの住民接種も待っています。しかし、多くの方が私たちの仕事に感謝や応援をしてくださっていること、また医療機関や関係機関の皆様が一緒に戦ってくださっていることを心の支えに、職員一同もうしばらくがんばってまいる所存です。引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

名古屋大学大学院医学系研究科国際保健医療学・公衆衛生学 教授 八谷 寛

2020年7月11日(土)に岐阜県各務原市の中部学院大学において第66回東海公衆衛生学会学術大会が開催されました。ホームページに時系列で示されているように、6月初の現地(オンサイト)開催の決定に至る理事会ではオンライン、オンサイト、それらのハイブリッドなどいろいろな選択肢が議論され、現地開催が決定されました。当日は徹底した感染予防・感染拡大防止対策のもと、効率的に運営され、準備と献身的な状況に心から感心いたしました。また知人と挨拶したり、臨場感ある講演を聞いたりと、現地で相互にコミュニケーションをとれる有難さを実感しました。オンラインの便利さを体感する毎日ではありましたが、偶然の出会いも含めた対面の重要性も感じ得た貴重な1日でした。

 事務局通信

事務局スタッフ 渡邉優子

7月の第66回学術大会は、会場となりました中部学院大学の先生方の感染症対策への多大なご尽力とご参加いただきました皆様のご協力で無事に開催することができました。心よりお礼申し上げます。この一年コロナ禍での生活を経験して、今まで“普通、当たり前”であったことができなくなった今、その大切さが身に染みました。毎日の通勤はいかに私の足腰を鍛え、同僚との他愛ないおしゃべりやランチは心を弾ませ、時々の飲み会はストレスを発散させてくれていたことか・・・。テレワークで運動不足となり、腰痛が悪化し、毎日感染への不安と緊張感をもって過ごす現在、そういった普通であったことに感謝せずにいられません。でも、後ろを向いてばかりではダメだと気づきました。自粛生活で新たに気づいたこと(=私は料理が好きだったんだ!)、出来たこと(=断捨離!)もたくさんあります。出来ないことで立ち止まるのではなく、出来ることに目をむけて、withコロナの毎日を前向きに過ごしたいと思いました。この大変な状況のもと、今も懸命に業務にあたられている保健所の先生方、医療関係の皆様、本当にありがとうございます。祈りと希望を込めて、新しい2021年が素晴らしい年に生まれ変わりますように!
来年も何卒よろしくお願いいたします。

事務局一同より

学会通信お楽しみいただけましたでしょうか。
学会通信に関するご意見、ご感想等がございましたら、是非事務局までお寄せ下さい。
各理事、評議員へのご質問・ご相談も承ります。
また、東海公衆衛生学会の活動全般、学術大会のあり方等への要望などもお待ちしております。

事務局一同

東海公衆衛生学会事務局:名古屋大学大学院医学系研究科予防医学教室
〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65
Tel: 052-744-2132 Fax: 052-744-2971
E-mail: tokai-ph@med.nagoya-u.ac.jp

Logoに使った写真の使用については東海4県の観光連盟などの許可をいただいています