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第53回大会報告一覧 印刷用PDFファイル【健康づくり】
【健康づくり】(一般演題示説K)まとめ
座長:尾島俊之(浜松医科大学健康社会医学)
K−1「A企業におけるメタボリックシンドロームの現状の把握と課題の検討」
「内臓脂肪の蓄積のない、血圧、HbA1c、脂質等異常者への保健指導も重要」
ある企業の従業員1081人を対象とした定期健康診断及び質問紙調査結果について肥満などを中心に分析した報告である。現在、また20歳時の肥満者は、有所見数が多いことが示された。また、喫煙者は、肥満及び有所見数が多いことが示されたことも重要な知見である。特定保健指導では肥満者への保健指導が注目されがちであるが、内臓脂肪の蓄積のない者への保健指導も必要であることを指摘している点も重要な報告であった。
K−2「高齢者の生活環境と健康観」
「高齢者のQOL向上のためには社会活動への参加が重要」
山間部の過疎地域住民及び県庁所在地住民の合計194名を対象とした調査結果の報告である。山間部住民の方が、趣味、クラブ活動、スポーツ、社会的活動への参加が多い。また、趣味を持つ人の方が、幸せ、また健康であると感じている人が多い結果であった。山間部住民の趣味はゲートボール、農作業、読書などが、県庁所在地住民では手芸・芸術、家庭菜園、カラオケなどが多かった。高齢者のQOL向上のためには、公的サービスや社会的ネットワークの充実と共に、高齢者自らが積極的に社会活動に参加することが重要という意義深いまとめがなされた。
K−3「地域の健康づくり事業の展開と成果」
「健康づくり事業卒業生の自主的活動が大きな成果を」
「ウェルネス短期大学」という健康づくり事業の概要と成果についての報告である。「入学生」は健康教育を受ける以外に、スポーツセンター利用が学割として半額になるなどの特典が与えられている。参加者は、身体的変化、意識の変化、ライフスタイルの確立などの効果が見られている。特に卒業1期生らによって作られた短大卒業生の会を中心としたクラブ活動などの和が広がっており、とても素晴らしい事業展開であると考えられる。
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