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第53回大会報告一覧 印刷用PDFファイル【生活習慣病】
【生活習慣病】(一般演題口演B)のまとめ
座長:藤岡正信((財)愛知県健康づくり振興事業団)
生活習慣病に関する5演題(B1−5)の座長を担当した。内容は健診データの統計処理・効果分析が3題、地区組織での取り組みが2題であった。いずれの演題も、20年度開始の特定健診・保健指導を視野に入れた発表であった。それぞれの演題の内容は以下に示すとおりである。
B−1「中高齢者の飲酒習慣因子が血圧、肝機能および血中脂質に及ぼす影響」
飲酒習慣と肝機能検査値との関連の妥当性について、モデルを使って検討した演題である。前大会からの継続研究で、今回はγGTP値との関連を年齢層別に分析され、若年層ではよく適合するが、50歳以上の高齢層では適合しにくいとの結果であった。対象数が限られており、階層の性比の違いなどさらに知見の蓄積が必要との発表であった。
B−2「特定健診・保健指導にむけて」
愛知県3市町のメタボリックシンドローム該当者、予備群への保健指導介入による効果の分析である。教室型、施設型、IT型の3タイプを対象に選択させたが、IT型活用は少なかった。タイプにより対象者の内容に差はあったが、3ヵ月後には検査値の有意な改善が見られ、該当者数は半減することができた。この結果を踏まえ、保健指導方法の確立を図りたいと発表された。
B−3「睡眠時間と生活習慣との関連」
健診時のアンケート調査による睡眠時間の長短と生活習慣の乱れの関連分析の発表であった。睡眠時間が短いほど、各種の生活習慣の乱れの率が高くなる現状が示された。しかし、この研究は断面調査であるため、睡眠時間が病気の危険因子となるか否かは仮説として示すに留められた。
B−4「桑員地域『地域・職域連携推進協議会』の2年間の取組みについて」
地域・職域保健の連携についての発表である。関係団体で委員会を立ち上げ、初年度は連携をすすめるための問題の掘り起こし、2年度はプロジェクトチームによる具体的な活動について発表された。また、特定健診・保健指導へ繋げる今後の抱負についても述べられた。
B−5「保険者THP政策による健康支援の実践〜効率的な財政運用〜」
健康づくり事業の受託者の立場から、取り組みの問題点を述べた。提供したプログラムは体験者に高い満足度を与えたが、残念ながら目的とする継続性には繋がらなかった。この経験に基づき、効果的な事業に展開するための工夫が必要であると述べられた。
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