第70回東海公衆衛生学会学術大会の報告
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1. 大会概要
第70回東海公衆衛生学会学術大会は、令和6年7月6日(土)に名古屋市立大学医学部桜山キャンパス(愛知県名古屋市)で開催した。小嶋雅代(名古屋市健康福祉局担当局長(医務)・保健所長)が学術大会長を務めた。 今回は5年ぶりの完全対面開催となった。
これまで4年以上にわたり、新型コロナウイルス感染症パンデミックという未曽有の事態に対応してきたが、その経験を踏まえ、課題を検証し、将来の新たな健康危機に備えることが求められている。そこで、今大会のメインテーマは 「平時からの健康危機管理−喉元過ぎていませんか−」とした。午前は、一般演題44題(口演32題、示説12題)の発表を行った。午後は、特別講演とシンポジウムを開催した。特別講演では齋藤智也氏 (国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター長 ) に「Post-COVID-19時代の感染症の危機管理」をテーマにご講演いただいた。シンポジウムでは「平時からの健康危機管理−どうする東海−」と題し 、尾島俊之氏 (浜松医科大学医学部健康社会医学講座 教授 ) には「行政及び大学等に求められる健康危機管理」、神谷元氏 (三重大学大学院医学系研究科 公衆衛生・産業医学分野 教授 ) には「アウトブレイク対応から学んだ平時の感染症対策の重要性 」、高橋礼子氏 (愛知医科大学災害医療研究センター 講師 ) には「DMATからみた保健医療福祉調整本部」、田邊裕氏 (名古屋市保健所西保健センター 所長 ) には「地域の健康危機管理ネットワーク構築に向けた西保健センターの取り組み〜平時はどうする?への1解答例〜」を発表いただいた。意見交換では、活発な議論がなされた 。
大会参加者は170名であった。その内訳は、学会員104名、非学会員54名、学生等12名、地域別では愛知県100名、名古屋市27名、静岡県12名、 岐阜県11名、三重県14名、そ の他6名であった。大会の開催にあたりご尽力、ご支援を賜った多くの方々に心より感謝申し上げる 。
2. 参加者へのアンケート調査結果
37名から回答を得た。大会全体の評価は「良かった」86%と良好であり、公衆衛生活動・研究に対する「知識」が向上したと回答した者が97%、「意欲」が向上したと回答した者が97%、「自信」が向上したと回答した者が84%、等であった。 回答者の54%が本学会員、51%が日本公衆衛生学会の学会員であり、日本公衆衛生学会の認定専門家あるいは認定を目指している者が24%であった。
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