第69回東海公衆衛生学会学術大会の報告
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1. 大会概要
第69回東海公衆衛生学会学術大会は、令和5年7月8日(土)に静岡県立大学草薙キャンパス(静岡県静岡市)で開催した。栗木清典(静岡県立大学食品栄養科学部教授)が学術大会長を務めた。多くの学会員が、新型コロナウイルス感染症に対する長期の公衆衛生活動、ならびに、医療活動にご尽力されていることから、遠方の静岡市での開催は、昨年に続き、対面とオンラインで実施した。
静岡県をはじめ、公衆衛生と医療に関わる多くの従事者は、地域、学校、事業所、医療機関、介護施設等における感染拡大の防止だけでなく、人災、台風や地震などの災害による避難所における感染拡大の防止、さらには避難生活を送る人々の健康管理に対応されています。そこで、コロナ禍で生じた様々な健康危機管理に対策を講じてきた経験が今後に役立つよう、学術大会のメインテーマに「今、改めて考える健康危機管理」、シンポジウムに「誰も取り残さない健康危機管理に向けて」を掲げた。
午前は、一般演題25題(口演17題、示説8題)の発表を行った。午後は、特別講演及びシンポジウムを開催した。特別講演では島村通子氏 (静岡県健康福祉部健康増進課・課長) に「静岡県における災害時健康支援活動について 〜令和3年熱海市伊豆土石流災害の対応を中心に〜」をご講演いただいた。シンポジウムでは、福王泰久氏 (神経科浜松病院) には「災害時のメンタルヘルス 〜災害派遣精神医療チーム (DPAT) の活動について〜」、中垣真通氏 (静岡県公認心理士協会 災害支援領域委員長) には「子どもの健康危機と予防」、伊藤正仁氏 (静岡県熱海健康福祉センター 所長) には「新型コロナと健康格差」、中久木康一氏 (東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 救急災害医学分野) には「災害時の歯科保健活動 〜災害時要配慮者に対する口腔健康管理の継続〜」を発表いただいた。総合討論では、活発な質疑が行われた。
大会参加者は114名であった。その内訳は、学会員78名、非学会員16名、学生20名、地域別では愛知県21名、岐阜県3名、三重県5名、静岡県42名、名古屋市38 名、東京都・大阪府5名であった。
大会の開催にあたっては静岡県立大学 集会助成金から助成をいただくとともに、多くの方々にご尽力、ご支援を賜った。心より感謝申し上げる。
2. 参加者アンケート結果
28名から回答を得た。大会全体の評価は「良かった」93%と良好であり、公衆衛生活動・研究に対する「知識」が向上したと回答した者が100%、「意欲」が向上したと回答した者が93%、「自信」が向上したと回答した者が83%、等であった。回答者の39%が本学会員、46%が日本公衆衛生学会の学会員であり、日本公衆衛生学会の認定専門家あるいは認定を目指している者が14%であった。
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