【背景】
近年の情報通信技術の発達に伴い遠隔画像診断等の一部の分野については一定の広がりを見せているが、未だ安全性や有効性に関するエビデンスが不足している診療領域については、遠隔医療がほとんど普及していない。そこで、遠隔診療と親和性の高い診療領域を明らかにすることで、遠隔診療の有効性・安全性のエビデンスの構築を促す。
【目的】
既存診療行為の中から遠隔医療と親和性の高い診療領域を抽出し、今後どのような有効性・安全性に関するエビデンス蓄積が必要か分析して、遠隔医療普及推進のロードマップを策定する。そのために下記を研究目標に設定する。
・各診療行為の遠隔医療に於ける状況を評価するモデル開発
・既存の有効性・安全性に関するエビデンスの収集状況の網羅的調査
・各診療行為の遠隔医療適用可能性の網羅的調査
・エビデンス不足の診療行為に関する臨床研究要件調査
対象となる診療行為はNDBや社会医療診療行為別調査などから網羅的に抽出する。実施状況(件数)も併せて評価する。それら各結果より遠隔医療普及推進のロードマップを取りまとめる。
【必要性および特色・独創的な点】
遠隔医療の全体像を見通す研究は非常に希で、視点整理は遅れている。そのため遠隔医療推進方策立案は難しかった。視点整理を進め、推進方策立案の基礎情報を収集する本研究の必要性はとても高い。
先行研究1),2)により遠隔医療の実態、原理、評価尺度等の情報の蓄積が進んだ。当該先行研究の関係者が複数参加した本研究は、成果を直接活用できる強みが特色である。また遠隔医療の状況を示すモデルは政策支援向けに初めて開発される画期的なものである。
【期待できる効果・成果】
遠隔医療と親和性の高い診療行為を網羅的に明らかにすることで、当該診療領域における遠隔医療の有効性・安全性に関するエビデンスが構築しやすくなる。