セーフティプロモーション(Safety Promotion SPと略)とは、injuryおよびそれによる安全・安心への脅威を保健医療上の課題としてとらえ、公衆衛生的アプローチによって予防しようとする取り組みを示します。
ヘルスプロモーションが疾病を念頭においた健康づくりであるのに対し、セーフティプロモーションは外傷を念頭においた生活の場における安全・安心づくりです。セーフティプロモーションは、国家レベル、コミュニティレベル(Safe Community)、組織レベル、学校レベル(Safe School)での取り組みが想定できます。
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SPとは、住民が平穏に暮らせるようにするために、事故や暴力及びその結果としての外傷や死亡を、部門や職種を越えた協働による科学的に評価可能な介入により予防しようとする取り組みのことです。
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SPでは、事故(交通事故、転倒などの家庭内の事故、労働作業環境での事故等)、暴力(他人からの暴力、児童虐待、DV等)、自殺などに代表される外傷全てが対象になります。
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参考文献
1) Safety Promotion −an Introduction
2004年カロリンスカ研究所出版
2) Evidence-based safety promotion and injury prevention -an introduction
2000年カロリンスカ研究所出版
3) 反町吉秀, 渡邊能行. スウェーデンにおけるセーフティプロモーションの黎明.
公衆衛生情報 34(6):23-25, 2004.
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疾病予防に対して、事故や暴力、自然災害による外傷を予防する活動をSafety Promotionと呼びます。
Disease Prevention(疾病予防) → Health Promotoin(健康増進)
Injury Prevention (外傷予防) → Safety Promotion(安全推進)
区市町村レベルでの取組み → Safety Promotion Community
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Safe Communities(安全なまち)
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参考文献
1) 衛藤隆.セーフティプロモーション:ヘルスプロモーションとの共通点、相違点.
日本健康教育学会誌 18(1): 26-31, 2010.
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Safe Communityには7つの指標を満たすことが求められています。
1.分野等を超えた部門横断的で協働的な取組組織がある。
2.両性、全年齢層、環境、状況をカバーする長期的、継続的なプログラムがある。
3.危険度の高い集団や脆弱グループを対象にしたプログラムがある。
4.利用可能な根拠に基づくプログラムがある。
5.傷害の頻度と原因を記録するプログラムがある。
6.プログラム、取組のプロセス、取組の結果をアセスメントする評価基準がある。
7.国内・国際的なネットワークに参加する。
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