職場環境改善の支援ツール

 

働きやすい職場づくりを支援します

職場環境改善とは,メンタルヘルス不調を未然に防ぐ,働きやすい職場づくりの取り組みです。
 
負担を緩和するためには,職場のニーズに見合った対策が必要です。
職場メンバーの主体的な参画が欠かせません。
 
職場の「あら探し」や「犯人探し」に陥らないよう注意も必要です。
改善に向けて,建設的な話し合いが重要です。
 
効果の明確な「正解」はありません。現実的な試行錯誤が必要です。
無理なく進められる継続的な推進が重要です。
 
メンタルヘルス改善意識調査票(MIRROR)とメンタルヘルス風土尺度WINは,
安心して参加でき,建設的に話し合い,段階的かつ着実に改善を進めるために,
職場のポジティブな側面に着目して開発された職場環境改善の支援ツールです。

ニーズに応える改善

MIRRORの活用  

MIRRORは具体的な改善活動の目標設定と計画策定を促すための質問紙です。
MIRRORでは,職場の望ましい状態が45項目に整理され,
職場メンバーの回答から, 改善ニーズを見える化します。
 
職場環境改善が,職場メンバーにとって「ありがた迷惑」に陥らないためには
職場の実情やニーズに応じた対策・対応が必要です。
職場メンバーの 主体的な参加を促す ためにも,ニーズの把握は欠かせません。
 
職場の実態把握の一助として,仕事のストレスの評価を目的とした質問紙が,
既に数多く開発され,有用性等が実証されているツールも少なくありません。
しかし,既存の仕事のストレスの評価では,重要な問題点が把握できる一方,
評価を踏まえて,具体的な対策等を検討するには,一定の専門性が必要 場合
あるため, 職場や事業場が主体的に取り組むことが難しい一面もあります。
 
MIRRORは,既存のツールを補完する要素として,現状把握を踏まえた上で,
職場のストレスにどのように対処するか,対策の具体的な目標と活動等の検討
支援するためのツールです。 
 
MIRRORの調査票と結果処理のためのフィードバック・ツールは,
【ダウンロード】のコーナーにて,無償で公開しています。

活用方法

 MIRRORには,職場の望ましい状態が45項目列記されています。
自職場で,各項目を改善目標に掲げる必要性について回答します。
 
MIRRORの回答方法(選択肢)
1.実現されており改善は不要
2.できれば改善が必要
3.ぜひ改善が必要
4.この職場とは関係がない
 
 MIRRORの結果フィードバックでは,2つのランキングから
職場のニーズを確認します。結果について,各職場で話し合い,
具体的な改善の目標と対策を検討します。
 話し合いは,原則として,職場メンバー全員が参加することが
望まれます。話し合いでは,調査結果を参考に,実現率(注1)
高い上位10項目(実現率ランキング)から,職場で既に達成
できている良好な状態を把握し,「現在,工夫している点」等を
整理し,今後の職場改善に活かせそうな職場の強みを把握します。
次に,要望率(注2)の高い上位10項目(改善要望ランキング)
から,改善ニーズを整理し,改善の目標と対策検討します。
 改善の目標と対策の検討は,ダメ出しや犯人探し(原因追及)
目的ではありません。“どのような目標に向けて,今後,何が
できるか?”といった建設的な議論を交わすことが目的です。
 

効果評価

 MIRRORの結果をもとに建設的に話し合い,策定された目標と
対策を継続的に実行しても,計画通りに改善活動が進展するとは
限りません。産業保健スタッフ等によるフォローアップが有効で
あるとともに,職場でも,産業保健スタッフや人事・労務部門を
はじめとした他部門と積極的に連携し,事業場内外の資源を活用
しながら活動を推進することが重要です。
 実効性のある改善活動を展開するには,活動の効果を確認し,
適宜,対策の計画や内容を見直すことも必要になります。
 職場環境改善の効果は,対策前後でMIRRORや仕事のストレス
を評価し,検証する方法があります。効果評価の調査は,通例,
半年から1年程度の間隔で実施されます。この間も,改善活動の
進捗の評価,計画の実現性の確認,計画の適宜修正や事業場内外
の資源の活用の検討を行うことが重要です。
 また,調査だけで,あらゆる変化を網羅できるとも限りません。
職場巡視や各種面談等,日常の安全衛生活動も踏まえて,総合的
に評価することも重要です。
 
MIRRORによる職場環境改善の効果評価のポイント
1.取り組みの進捗(検討された対策を実施できたか?)
2.要望率の減少(改善する必要性が下がったか?)
3.実現率の増加(改善目標を達成できたか?)
4.職業性ストレスの軽減
 

(注1)実現率:各職場で「1.実現しており改善は不要」と回答した方の割合
(注2)要望率:各職場で「2.できれば改善が必要」または「3.ぜひ改善が必要」と回答した方の割合


メンタルヘルス風土

WINの活用

メンタルヘルス風土尺度WINは,心の健康の保持増進に寄与する望ましい
心理・社会的職場環境(組織資源;働きやすさ)の多面的な評価を通じて
働きやすい職場づくりを組織的に支援するツールとして開発されました。
 
働きやすい職場づくりは,職場内で完結できるとも限りません。経営層,
総務・人事・労務部門,産業保健スタッフ等に加えて,適宜,事業場外の
専門家等と連携できる仕組みづくりが望まれます。多様な関係者で建設的
に話し合うためには,共通の目的が欠かせません。特に重要なキーワード
となる「働きやすさ」のイメージは,関係者で共有する必要があります。
WINは,組織の強みと課題を見える化し,「働きやすさ」を共有します。
 
WINは,
職場単位(小集団等)ボトムアップ
組織単位(事業場等)のトップダウン
2つのルートで同時に活用できます。
 

大事にしたい働きやすい職場風土:WINで測定される4つの組織資源

指示系統:円滑な情報交換と意思疎通
労務管理作業と健康に行き届く配慮
連携協力:連帯感・一体感ある組織力
研修機会:技能と意欲を伸ばす人財力
   
【ダウンロード】のコーナーに,WINによる組織改善の概要を紹介しています。

ボトムアップ

 各職場での改善活動は,自職場のWINの結果「組織的メンタル
ヘルス対策の手引き(WING)」を叩き台としたグループワーク
による立案を推奨しています。
 このグループワークは,主に3つの視点から職場の現状と今後
の目標・活動を検討することを目的としています。
 

グループワークでの検討内容
・資源:職場の強み・長所,日頃の工夫・心がけ,等
・目標:改善が望まれる課題,今後の鍛えどころ,等
・活動:現実的・具体的な改善活動の実行計画を策定
  

 まずは,現在の組織資源を具体的に整理します。目標設定では,
問題点の原因追及に固執せずに,建設的な検討が求められます。
強みを伸ばす視点の目標も有用です。具体的な改善活動は,職場
メンバーから意見を募り,現在の組織資源を活かして,現実的に
実行できる活動から段階的に展開します。
 
 グループワークでは,全ての職場メンバーに公平に提案の機会
が与えられ,提案された意見が公正に検討されることが重要です。
 

トップダウン 

 働きやすい職場づくりは業務の一環として推進することが重要
です。各職場の改善活動の推進者への加点的な評価や改善事例の
表彰等,活動への積極的な参画を促す配慮も必要です。職場内で
改善が困難な課題には,事業場内外の制度や施策等,組織資源を
周知し,その活用を促すとともに,各職場の要望を公正に検討し,
適切な組織支援を提供することが重要です。


組織に求められる機能
・事務局の設置等の体制整備
・主体的参画を促進する配慮
・組織資源の周知と活用促進
・各職場への組織支援の提供
  

 改善活動を積極的に提案するメンバー,建設的に意見を集める
ファシリテーター,活動計画の進捗を確認・推進する管理監督者,
職場環境改善全般を支援する事務局等,それぞれの役割を理解し,
職場や立場が変わっても,主体的に改善活動に参画できることが
理想です。持続的・自律的な活動として確立するためには,啓発,
教育も含めて,トップダウンの仕組みが求められます。
 


支援ツールのダウンロード

以下のツール類は,利用者各位の責任において,お使い下さい。
利用によって生じるいかなる損害についても責任を負うものではありません。
 
 MIRRORによる職場環境改善(概要説明) 
 MIRROR(メンタルヘルス改善意識調査票) 
 MIRROR結果票サンプル 
 MIRROR結果処理ツール 
 MIRROR結果処理ツール取扱説明書 
 WINによる組織改善 

 
ツールの誤用を防ぐため,メンタルヘルス風土尺度WINの項目及び結果処理ツールは,公開していません。
WINのご使用のご検討等につきましては,下記の連絡先にお問い合わせ下さい。