おくすりQ&A
▶ その他
Q
血圧が高いと訴えたら精神安定剤が処方されました。飲んでも大丈夫ですか?
A
睡眠不足やストレスが原因で高血圧になることもあります。この場合、原因となる睡眠不足の改善や日常のストレスを和らげるために精神安定剤が使用されることがあります。精神安定剤自体にも血圧を下げる作用があるため、比較的軽症の高血圧には降圧剤ではなく精神安定剤だけを用いることがあります。また、自律神経失調症による血圧の変動時、あるいは降圧剤を服用している方に精神安定剤が追加されることもあります。
精神安定剤を服用することで眠気や倦怠感があらわれることがありますが、生活に支障がある場合などは医師・薬剤師にご相談ください。
Q
気管支喘息といわれ、吸入ステロイド剤と気管支拡張剤の2種類の吸入薬をもらいました。吸入ステロイド剤は毎日定期的に吸入をするように、気管支拡張剤は発作が起こったときにだけ吸入するようにいわれました。でも以前にステロイド剤は副作用が強いということを耳にしたことがあり怖くて使用していません。今は気管支拡張剤で症状が治まるので、それだけを吸入していますがその方法でいいでしょうか?
A
気管支喘息は気管支の炎症の病気ということがわかっています。その炎症を鎮めるのが吸入ステロイド剤であり、毎日規則正しく吸入することで、発作を起こしにくくする働きがあります。吸入ステロイド剤を使用せずに気管支拡張剤ばかりに頼っていると、薬の効果が悪くなるばかりでなく、重篤な副作用(不整脈など)が出現する可能性もあります。吸入ステロイド剤は毎日定期的に吸入をするようにして下さい。
また、確かにステロイド剤は副作用が強い薬ですが、吸入など局所的に使用する場合においては、内服した場合のように全身的な副作用が起こることは少なく、それほど心配する必要はありません。ただし、ステロイド剤を吸入後そのままにしておくと、お口の中に残った薬剤が原因で声がかすれたり、カビが生えたりする可能性があります。
これらは吸入後にうがい(口の中をすすぐグチュグチュうがいと喉の奥をゆすぐガラガラうがいの2つ)をすることで防ぐことができるので、吸入後は必ずうがいをするようにしてください。水がないところでは、うがいの代わりにだ液をためて数回ティッシュに吐き出すだけでも効果があります。
Q
結核の薬を飲んでいますが、薬の量も種類も多くて困っています。どうしてこんなに多いのでしょうか?何とか減らすことはできませんか?
A
結核菌は比較的薬が効きにくいタイプの細菌ですので、長期期間薬を飲み続ける必要があります。また、一種類の薬で治療を続けると、耐性菌(薬が効かない菌)が出来やすいことがわかっています。そのため通常、結核の治療は複数の薬を比較的多めに、しかも長期間飲む必要があります。薬の量も種類も多く、長期間にわたって服用しなければなりませんが、結核は治療が可能な病気ですので、先生の指示通り忘れることなくきちんと服用するようにしてください。服用していて、ほかに気になる症状(眼のかすみや視力の低下、発疹、体がだるい・白目が黄色くなるなど)がありましたら、すぐに医師や薬剤師にご相談ください。
Q
胃潰瘍といわれてガスターという薬をもらいましたが、飲み始めてしばらくすると胃の調子も良くなったのでやめていました。最近また胃の調子が良くないのでまた飲み始めたのですが、そのような飲み方をしても大丈夫ですか?
A
ガスターという薬は胃酸の出すぎを抑えることで胃の粘膜を保護する薬です。飲み始めてすぐに胃の調子が良くなってくるかも知れませんが、薬の効果で調子良く感じられるだけであって、潰瘍が完全に治ったわけではありません。胃潰瘍というのは再発を繰り返しやすい病気であるため、比較的長期間薬を飲む必要があります。自己判断で勝手にやめてしまうと、再発する可能性があります。特に体の不調がない限りは、医師の指示通りきちんと服用を続けるようにしてください。
Q
以前にもらった薬を同じ症状に用いてもいいですか?
A
同じような症状であっても原因が異なる場合があり、症状が悪化する可能性があります。安易に使用しないで、受診して下さい。安易な服用により受診時の妨げになることもあります。
Q
処方された薬は症状がなくなっても飲まなければいけませんか?
A
基本的には、処方日数分は服用しましょう。薬により症状が一時的に良くなっている場合は、服用を中止することにより症状が悪化する場合があります。解熱剤や痛み止めなどについては医師・薬剤師にご相談ください。
Q
痛み止めとしてボルタレンという薬の飲み薬と坐薬をもらいましたが、効果に違いはあるのですか?
A
痛み止めの薬にはいくつか種類(非ステロイド性抗炎症薬・ピリン系及び非ピリン系解熱鎮痛薬・非麻薬性及び麻薬性鎮痛薬)があり、このうち、ボルタレンは非ステロイド性抗炎症薬の仲間になります。
非ステロイド性抗炎症薬の 飲み薬は、胃から小腸へと移動し、小腸で吸収されるため、薬が効くまでに一定の時間がかかります。そのため、突然の痛みのような、急を要する症状にはあまり適していません。
これに対して、非ステロイド性抗炎症薬の坐薬は直腸粘膜から吸収される薬です。直腸から吸収され、血管を通って全身にいきわたるため、飲み薬と比較すると速効性があります。
Q
医師に前立腺肥大症と診断されていますが、かぜ薬(総合感冒薬)を飲んでもいいですか?
A
総合感冒薬に含まれる成分により、尿道抵抗が強くなり、排尿障害(排尿困難、残尿感、尿閉等) が生じることがあるので、前立腺肥大症の症状が悪化する可能性があります。医師・薬剤師にご相談ください。
Q
血圧が高いといわれ、降圧薬をもらいました。 自覚症状もないのですが、飲んだ方がいいですか?一生飲むことになるのでしょうか?①飲んだ方がいいですか。②一生のむことになるのでしょうか。
A
①高血圧をそのままにしておくと、合併症 ( 心筋梗塞・脳出血など ) を引き起こすことがあります。予防するためにも、血圧を正常レベルに下げておくことが大切です。医師から薬をもらったときには、指示どおりに飲みましょう。
②血圧の薬は一生飲まなければならないと決まっているわけではありません。医師は血圧が下がってきたら、薬を減らしていきますし、さらに薬を止めて様子をみることもあります。常に血圧をコントロールすることが必要です。
Q
赤ちゃんに母乳をあげていますが、薬を飲んでいると影響がありますか?
A
薬の種類によっては、成分が母乳中に移動して、赤ちゃんの体の中に入ってしまうことがあります。診察の際など、医師や薬剤師に母乳をあげていることを必ずお伝えください。
Q
睡眠薬は飲み始めたらやめられなくなるのですか?
A
睡眠薬はやめることができます。睡眠のリズムが元に戻れば、徐々に薬の量を減らし、飲まなくても眠れるようになります。眠れない状態が続くと、肉体も精神も疲れてしまいます。まず薬で体を休めるようにして、規則正しい生活を行い、ストレスを解消する、適度な運動をするなどを心がけ、睡眠のリズムを整えるようにしましょう。
Q
どんなお薬を「救急箱」においていたほうがいいのでしょうか?
A
必要なものを整頓して常備しておくことが大切です。収納しやすい箱を利用しましょう。それぞれのお薬には、用法・用量・注意事項があります。お求めの場合は、詳しい内容を薬局・薬店にお尋ねください。
例えば、市販のお薬は以下のようなもの等があります。
【のみぐすり】
鎮痛剤・かぜ薬・解熱剤・消化剤・整腸剤 等
【外用薬】
消毒薬・かゆみ止め・目薬・虫さされ用薬・切り傷用軟膏 等
また、お薬以外に「救急箱」に入れるものとしてはガーゼ・脱脂綿・絆創膏・包帯・綿棒・体温計・ピンセット・爪切り・トゲ抜き等があります。
【注意事項】
※ 病院でもらった薬は、ひとりひとりの症状にあわせて処方されています。
家族で使う「救急箱」には入れないようにしましょう。
※ おくすりには「使用期限」があります。期限切れの薬は、処分しましょう。
※ 年に一度は、救急箱を点検、整理整頓しましょう。
※ 「救急箱」は直射日光があたらない、湿気が少なく、涼しい、子どもの手の届かないところにおきましょう。
Q
麻しんのみのワクチンはないのですか?
A
麻しんのみのワクチンはありますが、最近麻しん(はしか)の大流行により入手困難となっています。こういう場合、麻しん風しん混合ワクチンを接種しても問題ありません。風しんにかかったことがある方は心配されるかもしれませんが、風しんの免疫がある方がワクチン接種しても、さしつかえないといわれています。
以前には麻しん、おたふくかぜ、風しん等のウイルス感染症は1度かかると2度はかからない終生免疫が獲得されると考えられ、生ワクチン接種の場合も同様に免疫は終生続くと考えられていました。しかし、近年、麻しんの流行が減少して野生ウイルスに接触する機会が少なくなったため、麻しんワクチン接種により獲得した免疫が低下して麻しんにかかってしまう例が増えています。この為、平成18年4月1日より麻しん及び風しんの予防接種方法が改正されました(詳しくは市町村等にお問い合わせください)。また、これらのワクチンは成人が接種してもかまいません。副反応、抗体獲得率なども小児と同様と考えられます。
Q
糖尿病でインスリンを自己注射することになりました。近々飛行機で出張に行く予定があるのですが、注射器を機内に持ち込むことはできますか?
A
最近はテロ防止対策などで機内に持ち込める物品の制限が非常に厳しくなっています。医薬品についても同様で、国内線では、インスリンやインターフェロンなどの注射薬一式の機内への持込は、基本的に当日必要な分のみが認められています。
また、国際線の場合は搭乗の際に診断書や証明書の提示を求められる場合もあります。ただし、実際には注射器等の機内持ち込みへの対応は航空会社により多少異なるようですから、国内線・国際線に関わらず事前にご利用予定の航空会社に確認された方が良いでしょう。
飛行機でご旅行される場合、インスリンをスーツケースに入れると、高高度での減圧と低温により凍結する可能性があるので、基本的に機内に持ち込みましょう。やむを得ない場合、機密性の高い容器(たとえば魔法瓶)に入れてスーツケースの中央に置くようにするなど、凍結を避けるための工夫が必要です。また医師に使用している薬について事前に記入してもらった糖尿病手帳やカード(海外用もあります)を携帯するようにしましょう。
Q
ペン型のインスリンを使っているのですが、目盛りのとおりの量がきちんと出ているの?
A
インスリンの量が目盛りの通り出ているかどうかを確認するには次の手順で行います。
1.インスリン注入器に針をつけます。
2.空打ちを行いインスリンが出ることを確認します。
3.針ケースを装着します。
4.インスリンの単位を20単位に設定します。
5.針先を下に向け注入ボタンを最後まで押し込みます。この時、針ケースに注入されたインスリンが針ケースの細くなった部分を満たしていれば問題ありません。もしもインスリンの量が多い場合や少ない場合は新しい注射針をつけて再度①~⑤の操作を繰り返します。
※ 再度、針ケースの細い部分よりも多い場合や少ない場合はその注入器は使用せずに主治医または薬剤師にご相談下さい。
※ 現在発売されている主なインスリン用の針(ペンニードル、マイクロファインプラス、ナノパスニードル)は、すべて針ケースの細い部分が20単位になるように作られています。温度、湿度などの要因によってインスリンの量に若干の誤差は生じますが、注入器が正常に動作しているか確認することができます。
※ 注入器に何らかの不具合を感じた時やインスリン製剤を落とした場合にはインスリン注入器がちゃんと機能しているか確認しましょう。
Q
薬を服用していると、献血はできないのですか?
A
疾病の種類や薬の種類によって献血をご遠慮いただくことがあります。しかし、ビタミン剤及びごく一般的な胃腸薬等のいわゆる「保健薬」の類については、内服していても特に支障のない薬です。
また、医師による処方が必要な薬の服用は、献血者が治療中であると考えられるため、献血者自身の健康を考慮し、献血をご遠慮いただく場合があります。服薬以外の薬(外用薬、坐薬、点眼または点鼻薬等)についても、医師の判断により献血をご遠慮いただく場合があります。
Q
禁煙をしようと考えています。最近は病院や薬局でいろいろ禁煙補助剤を扱っていると聞いたのですが、どのようなものがありますか。
A
喫煙は、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎と死因上位4つに密接に関係し、そのリスクは禁煙することで低下すると言われています。しかしながら、日本の喫煙率は、特に男性について先進国の中でも極めて高く、また、未成年者の喫煙率も過去と比べてなお高いことから、今後、一層のたばこ対策の推進が必要となっていると言われています。
現在、禁煙補助薬として上市されている医療用医薬品としては貼り薬のニコチネルTTSと飲み薬のチャンピックスがあります。 また薬局などで購入できる一般用医薬品としては貼り薬のシガノンCQ、ニコチネル パッチ、ニコレット パッチがあり、ニコチンガム製剤としてはニコチネル ミントとニコレットがあります。
シガノン、ニコチネル、ニコレットはいずれもニコチン製剤であり、これらの薬剤を用いてニコチン補給量を調節しながら、ニコチン依存から離脱するというニコチン代替療法を行います。
それに対してチャンピックスは、α4β2ニコチン受容体という部位に作用して禁煙に伴う離脱症状を緩和し、喫煙による満足感を抑えると考えられています。
チャンピックスはニコチンを含まないので、ニコチン製剤の禁忌症である、妊婦、脳心血管疾患の急性期、重篤な不整脈、ニコチン製剤の過敏症の場合にも服用が可能ですが、チャンピックスでは精神疾患の悪化の副作用などが報告されています。
ニコチン製剤、チャンピックスともに禁煙を目指す方には非常に有用な薬剤ですが、使用においては十分な注意が必要です。
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