靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

是主○

かなりむかしから,『霊枢』経脈篇の是動病と所生病の間の「是主○」は,是動病の総括と考えたいと思ってきました。中国の比較的新しい注釈書でも,この字句を是動病に属させる人がいるのを知ってうれしく思ったものです。
で,黄龍祥氏の経脈穴の説に示唆を受けて,是動病は腕や踵付近の代表的な診断ポイントが動じているときに予想される病症群であると考えるようになってから,ますます「是主○」は,是動病の総括であると確信しています。
ところがその黄龍祥氏が点校した『甲乙経』でも,例えば「是主肺所生病者:咳,上氣,喘喝,煩心,胷滿,臑臂内前廉痛厥,掌中熱。」になってますね。どうしたことなんでしょう。是動病の総括であるというのはやっぱり誤解なんでしょうか。是動病の総括であるとした中国人って,誰だったんでしょう。
因みに,馬王堆の陰陽十一脈灸経では,是動病と所産病の間に「是○脈主治」の字句が有って,誰しも前に属させているみたいです。これって傍証になりませんかね。

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