靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

風水

『水滸伝』の終わりのほうに,淮西王慶の説話がある。
王慶の父親は大金持ちで,風水師の「高貴な子が生まれる」という言葉を信じて,親類を陥れて墓地を奪った。おかげ息子の王慶は楚王となったけれど,それは要するに叛乱であるから,最後は梁山泊軍に攻め破られて捉えられ,凌遅に処せられ,父親もその他の親族も皆殺しにされた。
先に陥れられて先祖伝来の墓地を失ったものの家族だけは例外として,無事であった。
勿論こんなのは小説であって,歴史ではない。
しかし逆にいえば,たかが小説家でも,講釈を垂れようというほどのものならば,風水なんぞはあてにならないくらいのことは,弁えていたということである。

Comments

Comment Form