靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

白帝城

民間の伝説としては,前漢末の蜀に割拠していた公孫述は,十二年間皇帝になれると夢に告げられ,また庭中の井戸から白竜のごとき気が天に昇るのを見て,皇帝を称し「白帝」と号し、瞿塘峽の入り口に「白帝城」を築かせた,ということになっている。

ある人の『三国志』の紀行に,「漢は,五行思想によって火を意味する赤をイメージカラーにしているのに対し,火よりも強い水を意味する白を旗印にしたことから,その城を白帝城と名づけたのだという」と書いている。無茶苦茶である。水の色は黒で,白は金の色である。

実際には,前漢の火の赤の後に,王莽の新の黄が続き,さらに公孫述の成(蜀の成都を中心とする)の白が継ぐというつもりだろう。蜀は中国の西方であり,西方は金で白だからちょうど良い。相生の関係である。
もっとも,金は火に溶かされるわけで,現実には成は後漢に滅ぼされた。相剋の関係である。

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