靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

代替符号か之か

『太素新校正』巻6蔵府応候は「皮緩腹果,腹果大者大腸大而長,皮急者大腸急而短。」p.98とするけれども,原鈔には実は代替符号が用いられていて,しかも果の下には代替符号は無い。従って「皮緩腹果腹果大者」ではなくて,「皮緩腹腹果大者」のはずである。しかしそれでは意味がよくわからない。ところで,この部分は『霊枢』では「皮緩腹裏大者」,『甲乙経』は「皮緩腹裹大者」に作る。してみると,「腹」の下の代替符号をいっそのこと「之」の誤りと考えてみてはどうだろう。そうすれば「皮緩,腹之果大者大腸大而長,皮急者大腸急而短。」まあ何とか意味はわかる。腹の果とはつまり腹裹で,蔵府つまり禁器をしまいこむ匣匱のごきものであって,皮の緩と急は結局のところ腹の大小で診ることになる。

Comments

Comment Form