静岡大学東部キャンパスには生命科学の研究・教育に携わる多くの方々がいらっしゃいます。研究は基礎から応用まで、その研究分野は生物学から化学まで、また、研究対象は微生物から哺乳類までと多種多岐に渡っています。そのため、なかなか一つの話題を話し合うことが出来ないのが現状です。しかしながら、生命科学を研究する上で、共通の話題・問題があると思います。そこで、生命科学研究を指向する方々のネットワーク作りを目的として、生命科学懇話会を発足させることにしました(96/05/24 河田雅圭・近江谷克裕)。
第186回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年12月22日(水)18:00- |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 高橋 正道(新潟大学理学部・教授) |
演 題 |
『Cretaceous Flower Hunting ー被子植物の初期進化はどこまで明らかにされたかー』 高橋先生は被子植物の多様な花粉や植物化石のデータを基に、被子植物の系統と進化に関する研究をされてきました。最近では、モンゴルでの野外調査やSpring8を使っての研究など、被子植物の初期進化を考える上で非常に重要な知見を発表されてきています。是非興味のある方はお越し下さい。 |
問合先 |
静岡大学理学部生物科学科 徳岡 徹 E-mail: sttokuo ![]() |
第185回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年12月21日(火)08:40-10:10 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 佐田 亜衣子(国立遺伝学研究所 [総合研究大学院大学生命科学研究科 遺伝学専攻]) |
演 題 |
『幹細胞の不思議をひもとく〜博士課程の学生からみた研究の世界〜』
私たちの身体は、一個の受精卵からはじまり、精巧な発生過程を経て構築されますが、成人になった後も、血液、皮膚など、一部の組織はさかんにターンオーバーを行っています。では、新しい細胞は、一体どこから来るのでしょう?実は、様々な臓器・組織内には、細胞の供給源としてはたらく「幹細胞(stem cell)」が存在しているのです。幹細胞は、長期にわたって自分自身を維持しつつ、分化細胞を生みだす能力を持った特別な細胞です。しかしながら、幹細胞が身体の中で制御されるしくみについては、不明な点が多く残されています。 私は、静岡大学卒業後、国立遺伝学研究所・相賀裕美子教授のもと、博士課程の研究テーマとして、精子を作る幹細胞を維持する機構についての研究を行っています。本日は、私が研究者を目指すことになったきっかけや、日々の研究生活について等、学生の立場から見た研究の世界を紹介するとともに、私が実際に行っているマウスを用いた発生学・幹細胞生物学研究について、最新の知見を交えてお話しいたします。 |
問合先 |
静岡大学理学部生物科学科 塩尻信義 E-mail: sbnshio ![]() |
第42回生命科学若手セミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年12月15日(水)17:00-18:00 |
会 場 | 静岡県立大学食品栄養科学部1階5112講義室 (〒422-8526 静岡市駿河区谷田52-1,アクセス情報) |
演者 | 伊藤 圭祐 (静岡県立大学食品栄養科学部 助教) |
演題 |
『酵母システムによるタンパク質生産と解析法 -味覚修飾タンパク質ミラクリンとヒト味覚受容体-』 近年、ヒト味覚受容体が相次いで同定され、その制御を目指したレセプター・リガンド間相互作用の解析が進められている。しかし、詳細な相互作用メカニズムの解析に不可欠なレセプター・リガンド両タンパク質の調製は容易ではない。真核生物である酵母をツールとしたタンパク質発現システムは、高等生物由来タンパク質の機能的発現に優位性を持つことに加え、解析のスループットが高いことが特徴である。本セミナーではこれらの特徴を活かして演者がこれまでに進めてきた、味覚修飾タンパク質ミラクリンの生産と機能解析、味覚受容体の立体構造解明を目指したアプローチを紹介する。 |
問合先 |
静岡生命科学若手フォーラム 事務局 gsbyf ![]() または 静岡県立大学食品栄養科学部・河原崎泰昌 (kawarsky ![]() |
第184回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年12月10日(金)17:00-18:00 |
会 場 | 静岡大学農学部A棟110室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 上杉 龍士(野菜茶業研究所 茶IPM研究チーム) |
演 題 |
『農業害虫のハダニが農薬抵抗性を獲得する遺伝学的な背景』
害虫を防除するために繰り返し農薬を散布し続けると、やがて害虫は殺虫剤に対して抵抗性遺伝子を持つようになる。これは、農薬が散布される過酷な農生態系において害虫が生き残る為の適応進化である。一般的に生物進化とは計り知れない長い時間をかけた自然淘汰の結果であるといえるが、害虫の抵抗性は、リアルタイムで(農家でも)観察可能である珍しい進化現象であるといえる。抵抗性が問題になっている害虫の代表はハダニ類である。ハダニを防除する為に、世界中で多くの農薬が開発されてきたが、ハダニはことごとく抵抗性を獲得してきた。新しい農薬に対して速やかに抵抗性を獲得する背景となっているのは、ハダニが多様な化学構造をもつ薬剤を経験して抵抗性遺伝子の手札を蓄積していることと、抵抗性遺伝子に地域固有性があることに原因があるようである。どうしてハダニの農薬抵抗性は世界中の農家を悩ますにいたるぐらい強烈なのか?その謎を、抵抗性遺伝子に関する研究と、抵抗性遺伝子の運び手であるハダニ個体の移動能力の研究からひもといていきたい。 |
問合先 |
静岡大学農学部 田上 陽介 E-mail: tagamiy ![]() |
理学部へ行こう! in 静大祭2010![]() | |
---|---|
日 時 | 2010年11月20日(土)午後,21日(日)午後 |
会 場 |
静岡大学理学部(静岡大学大谷キャンパス内) (受付は静岡大学理学部A棟玄関ホール 12:30〜16:00) (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
● | Homecoming! 理学部 ● |
日時:2010年11月20日(土) 14:00〜15:30 + α 場所:静岡大学理学部A棟2階大会議室(静岡大学大谷キャンパス内) 内容: ・講演会(一般の方も歓迎します!) 塩尻信義先生(静岡大学理学部生物科学科・教授) 『肝臓発生学とその再生医学への応用』 ・理学部同窓会(静岡大学理学部卒業生・大学院修了生など関係者) |
|
● | サイエンスキッズ実験教室● |
実験体験型の科学教室。時間内であれば随時参加可能。主に小学生を対象 (やや簡単な内容)。無料。参加自由。 日時:2010年11月20日(土) 13:00-16:00 場所:静岡大学理学部(静岡大学大谷キャンパス内) 受付は理学部A棟玄関 内容: ・なんの化石かな?(化石の実物に触れてみよう、想像してみよう) (鈴木雄、キャンパスミュージアム) ・この木なんの木?(大学構内の樹木の観察と解説) (徳岡、理学部A棟玄関が出発場所;雨天時は総合研究棟フリーサイエンスルーム) ・放射線を見てみよう、止めてみよう(簡単な道具を使った放射線の観察と解説) (奥野・大矢、総合研究棟フリーサイエンスルーム) |
|
● | プレ・サイエンスワークショップ● |
実験体験型の科学教室。時間内であれば随時参加可能。主に小学生高学年と 中学生を対象(やや高度な内容)。無料。参加自由。 日時:2010年11月21日(日) 13:00-16:00 場所:静岡大学理学部(静岡大学大谷キャンパス内)受付は理学部A棟玄関 内容: ・なんの化石かな?(化石の実物に触れてみよう、想像してみよう) (鈴木雄、キャンパスミュージアム) ・音の実験(オシロスコープを使った音波の性質の実験) (嶋田、総合研究棟フリーサイエンスルーム) ・算数・数学検定(問題を解いて検定証書をもらおう) (小山、総合研究棟フリーサイエンスルーム) |
|
問合先 |
静岡大学理学部総務係内 静岡サイエンススクール運営委員会 〒422-8529 静岡県静岡市駿河区大谷836 Tel: 054-238-3080 Fax: 054-238-6351 メール:http://mirai-sss.jp/modules/ccenter/ |
● |
サイエンススペシャルレクチャーとキャリアデザインワークショップ● (▼メール:静岡サイエンススクール 受講者対象イベント▼) |
・サイエンススペシャルレクチャー:一流の科学者による中高生のための科学講演 ・キャリアデザインワークショップ:理系進路選択のためのワークショップ。広い 意味での科学者の実際の活躍の様子と意見交換・交流会 非公開型。いずれも参加者は静岡サイエンススクールの受講生と保護者・教員、 および連携機関である静岡市科学館と静岡県教育委員会からの招待者(教員、 児童生徒など) 日時:2010年11月20日(土) 13:00-16:10 場所:静岡大学共通教育D棟D2室 受付:12:30より、理学部A棟玄関にて 13:00-13:05 開会の挨拶と事務連絡 13:05-14:00 サイエンススペシャルレクチャー ・相原惇一さん@静岡大学名誉教授 『芳香族化合物は宇宙物質』 たくさんのベンゼン環が組み合わさってできた芳香族化合物は、石炭や 煤の主成分であるだけでなく、宇宙空間にもあまねく存在します。黒鉛 (グラファイト)は究極の芳香族化合物ですが、やはり宇宙空間に分布 しています。黒鉛を構成する個々のシート(グラフェン)の研究は、今 年のノーベル物理学賞に輝きました。このような芳香族化合物に関する 最近の話題を分かりやすく紹介します。 14:05-15:00 キャリアデザインワークショップ1 ・田辺晶史さん@筑波大学大学院生命環境科学研究科(準研究員) 『不確実な真実 〜我々はどうすれば時間の壁を越えられるのか〜』 今回の講演では、過去を復元する方法、復元できた過去の信頼性を測る 方法と、それらの背後にある論理を通して科学と科学的思考法について みなさんと共に考えたいと思います。 15:05-16:00 キャリアデザインワークショップ2 ・岩井万祐子さん@株式会社ホト・アグリ(代表取締役) 『できないといわず、まずやってみよう』 企業の研究員を経て、大学院大学に通い、起業して会社を設立し、現在 「農家の欲しいに応える」事業進めています。経営者は大変なことが多 いですが、何のために仕事をしているのか?どんな自分になりたいのか? を常に自問自答しています。どんな経験や想いで起業したのか?今、何 を目指しているのか?などを紹介したいと思います。 16:00-16:10 受講生レポート作成 (16:10-17:00 講師と関係者との懇談会):希望される方は当日申し出てください。 |
|
問合先 |
静岡大学理学部総務係内 静岡サイエンススクール運営委員会 〒422-8529 静岡県静岡市駿河区大谷836 Tel: 054-238-3080 Fax: 054-238-6351 メール:http://mirai-sss.jp/modules/ccenter/ |
静岡大学 第17回GRLバイオサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年11月12日(金)17:00-18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 得平 茂樹 (中央大学) |
演 題 |
『シアノバクテリアの細胞分化メカニズム』
シアノバクテリアは、植物などと同様に酸素発生型の光合成を行うグラム陰性細菌である。非常に多様な生物群であり、様々な形態をとるものが知られている。Anabaena sp. PCC 7120(アナベナ)は、数百の栄養細胞が一列につながった多細胞体制をとる糸状性のシアノバクテリアである。アナベナは培地中の窒素源が不足すると、ヘテロシストと呼ばれる窒素固定に特殊化した細胞を形成する。嫌気的環境を必要とする窒素固定反応を行うために、ヘテロシストは栄養細胞と全く異なる生理的・構造的特徴をもっている。ヘテロシスト分化は、窒素固定酵素の誘導という単純な現象ではなく、プログラム化された代謝・構造変換を伴う複雑な生命現象である。 アナベナでは、10〜15細胞おきに1個の栄養細胞がヘテロシストへと分化する。窒素欠乏というシグナルに応答して、均一な栄養細胞のつながりであった糸状体の中から、ある決まった間隔で1個の細胞が選び出され、ヘテロシスト分化へと細胞運命が決定される。そしてその細胞においてのみ、劇的な遺伝子発現変化が引き起こされ、全く異なる特徴をもつ細胞が形成される。その分化プロセスは、窒素欠乏シグナルによる誘導からおよそ24時間で完了する。この空間的、そして時間的に厳密に制御された分化プロセスを司る分子機構が、アナベナのポストゲノム解析技術を利用して徐々に明らかにされてきている。本セミナーでは、分化誘導から細胞運命決定までの分子機構を中心に、ヘテロシスト形成メカニズムについて紹介する。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点 粟井光一郎 E-mail: dkawai ![]() |
静岡大学 第16回GRLバイオサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年10月29日(金)17:00-18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B201室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 小倉 淳 (お茶の水女子大学) |
演 題 |
『非モデル生物における新規なゲノム/トランスクリプトーム実験解析手法』
近年、次世代シーケンスや次世代マイクロアレイの開発により、大量のゲノムデータやトランスクリプトームデータが産生されている。これにより、主にモデル生物と呼ばれる生物およびその近縁種における遺伝子解析が非常に進んでいる。しかし、モデル生物から進化的にはなれている非モデル生物では同レベルの遺伝子解析は困難であり、熱帯雨林、海洋、土壌、極地あるいは、特殊な進化過程をへてきた生物などにおける多様な遺伝子資源に関しては、新しい遺伝子探索手法が必要である。そこで我々は、マイクロアレイと次世代シーケンサーを利用した非モデル生物における新しいゲノム/トランスクリプトーム実験解析手法の開発を行っている。ひとつは、in vitro homology search array というマイクロアレイベースの解析手法で、特殊なプローブ設計により進化的に離れた生物種における遺伝子の存在の有無、遺伝子発現の多寡を検出する解析法を開発した。この方法で、イカにおいてヒトホモログ遺伝子の検出を試みた結果、5000個以上のホモログ遺伝子の推定に成功した。もうひとつは、RNA-seqの非モデル生物における応用である。RNA-seqを非モデル生物に適用した場合の問題点である、同一遺伝子座判定、冗長性、鎖方向性に関してなるべく解決をはかる実験解析手法を開発した。この手法をもとにイカ2種、オウムガイ、ホタテガイにおけるRNA-seq実験解析を行い、通常の RNA-seqでは難しい転写因子の多数同定や、高いアセンブル効率を達成した。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 堀池 徳祐 E-mail: dthorii ![]() |
第41回生命科学若手セミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年10月13日(水)16:00-18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階213講義室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演者1 | 高濱 謙太朗 (静岡大学創造科学技術大学院博士課程1年) |
演題1 |
『テロメア結合 タンパク質TLSのグアニン四重鎖結合性の解析』
生物の寿命やガン化に関係する染色体末端部位テロメアは、テロメアDNA、テロメアRNA及び様々なタンパク質からなる複合体であることが知られている。これらの複合体により、テロメアは安定に維持されていると考えられている。しかし、この複合体が形成される機構やその機能については不明な点が多い。当研究室ではこれまでに、テロメアに存在することが報告されているタンパク質TLS (Translocated in liposarcoma)とテロメアDNAまたはRNAとの結合性を解析した。その結果、TLSはテロメアDNAやRNAが形成するグアニン四重鎖構造に対し、構造特異的に結合することが明らかになった。更に、TLSとテロメアDNA及びRNAは同時に結合しうることが明らかになった。 |
演者2 | 山本 歩 (静岡大学理学部化学科) |
演題2 |
『減数分裂におけるテロメアを介した染色体の動態制御機構』
生物は精子や卵子といった配偶子を形成することによって次世代の個体を生み出す。この配偶子形成に必須な減数分裂では細胞増殖にみられる体細胞分裂と異なり、相同染色体の分配がおこる。この分配には対合と呼ばれる相同染色体の物理的な結合が必要だが、どのような機構によって相同染色体が空間的に近接し、結合するかはこれまで多くが未解明であった。近年、多くの生物においてテロメアがこの対合に重要な役割を果たすことが明らかになっている。我々は分裂酵母をモデル生物として研究し、減数分裂におけるテロメアの核内配置が核膜タンパク質を介して細胞質微小管とその微小管上を移動するモータータンパク質によって制御されることを見いだした。これらをもとに、真核生物に共通した相同染色体の対合機構を考察する。 |
問合先 |
静岡生命科学若手フォーラム 事務局 gsbyf ![]() |
第183回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年9月30日(木)13:30-15:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 広部 知久 (放医研・生体影響、千葉大放医研連携大学院) |
演 題 |
『マウスの毛色遺伝子はどのようにしてメラノサイトの増殖・分化を制御しているのか』
動物の皮膚の色や毛色を決めているのはメラニン(黒色メラニンと黄色メラニン)という色素であり、メラニンはメラノサイトにおいて生成され、メラノソームに蓄積される。成熟したメラノソームはケラチノサイトに輸送され、皮膚色や毛色を決めている。メラノサイトの起源は神経冠細胞で、神経冠細胞が胎生期に背側から腹側に移動し、真皮を通り表皮に達する。真皮、表皮で神経冠細胞はメラノサイトの前駆細胞であるメラノブラストに分化し、増殖し、やがてメラノサイトへと分化する。マウスでは毛色に関する突然変異が多数知られていて、毛色発現には、多くの毛色遺伝子が関与していることが示唆され る。私は、このマウスの毛色遺伝子のうち、特に重要な遺伝子を選び、それを基本となるC57BL/10JHir系統のブラックマウスに導入したコンジェニックマウスを作成してきた。これらのコンジェニックマウスを用いて毛色遺伝子が毛色発現にどのように関わっているかを研究してきた。その結果、毛色遺伝子はメラノブラスト・メラノサイトの増殖・分化を制御したり、メラニン生成を制御したり、黒色メラニン、黄色メラニンの生成を転換したり、メラノソームの形成や成熟を制御したりしていることが明らかになった。本セミナーではこれら一連の研究について詳しく紹介させていただきます。 |
問合先 |
静岡大学理学部生物科学科 塩尻信義 E-mail: sbnshio ![]() |
第182回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年7月30日(金)17:00-18:00 |
会 場 | 静岡大学農学部A棟110室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 鈴木 芳人 (農研機構フェロー) |
演 題 |
『寄生バチは卵をどう産むか?』
昆虫の中で最大級の分類群であるハチ目は半数倍数性の性決定様式をもち、雌バチは卵を受精させるか否かで子の性を決定することが可能である。ハチ目の中でも莫大な種数を抱えるのが寄生バチであり、この仲間は他の昆虫やクモ類などに捕食寄生する。寄生バチは寄主に産卵する際に2つの決定をせまられる。ひとつは産む卵の性比である。雄卵の割合を低く抑えれば息子達の間の交尾競争を軽減できるだろう。しかし、別のハチが同じ寄主に後から産卵する可能性があるならば、それを見込んで性比を決めなければ適応度が低下してしまう。このようなジレンマの中で、雌バチはどう子の性比を調節するだろうか。もうひとつは産む卵の数である。もしも雌バチに寄主のサイズや質を、さらに各タイプ別の寄主密度を推定する能力があるとしたら、寄主との遭遇経過に応じて産卵数がどう変動すると期待されるだろうか。ゲーム理論やダイナミックプログラミングの手法を用いた理論的予測と、タマゴバチやコマユバチを用いたその実証試験の結果を紹介し、寄生バチの産卵に関する謎にせまってみたい。 |
問合先 |
静岡大学農学部共生バイオサイエンス学科 田上陽介 TEL: 054-238-4825 E-mail: tagamiy ![]() |
静岡大学 第14回GRLバイオサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年7月30日(金)17:00-18:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 吉本 光希 (理化学研究所 植物科学研究センター) |
演 題 |
『高等植物における細胞内自己分解システム・オートファジーの分子機構と生理機能』
オートファジーは、細胞質成分を細胞内分解コンパートメントである液胞に輸送して分解する真核細胞に広く普遍的な細胞内分解システムである。高等植物においても、電子顕微鏡などに依拠した形態学的観察によりオートファジーの存在は古くから知られていたものの、それらは現象論にとどまり、植物におけるオートファジーの分子機構や生理機能についてはほとんど明らかにされていなかった。しかしながら、近年のゲノムワイドな解析により、酵母で発見されたオートファジーに必須なATG遺伝子群のホモログが植物にも存在することがわかり、その突破口が開かれつつある。最近、それらホモログ遺伝子が破壊されたシロイヌナズナT-DNA挿入変異株を用いた解析により、植物個体におけるオートファジーの役割が徐々に明らかとなってきた。本セミナーでは、オートファジーの分子機構から高等植物における生理機能まで、最新の研究成果とともに紹介したい。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点 粟井光一郎 E-mail: dkawai ![]() |
第181回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年7月21日(水)17:00-18:20 |
会 場 | 静岡大学総合研究棟4階414室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
小林 牧人 (国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科生命科学教室 教授) |
演 題 |
『魚類の性行動とその性的可逆性 -魚類の脳の両性性-』
ヒトを含む哺乳類では、胎児のころに遺伝子とホルモンのはたらきによって、体の性分化と脳の性分化が起こり、雌雄どちらか一方の性の体と脳ができあがる。すなわち体の性分化の結果、体は雄の体あるいは雌の体となり、雌雄で異なるかたち、はたらきをもつようになる。また脳の性分化の結果、脳は雄の脳、雌の脳となり、雄の脳は雄の体の調節、雌の脳は雌の体の調節をそれぞれ行うようになる。哺乳類では、これらの「体の性」および「脳の性」は、いったんどちらかに決まるとその後、一生変わることはない。たとえば雄のネズミは雄の脳のはたらきにより雄の体を使って雄型の性行動を行い、雌型の性行動をすることはない。また雌のネズミが雄型の性行動をすることもない。ヒトにも「体の性(セックス)」と「脳の性」があり、ヒトの場合、脳は体のはたらきを調節するだけでなく、自分の性がどちらの性であるかという認識を作る部位をもつ。すなわち脳の性は、「心の性(ジェンダー)」として重要な意味を持つ。 それでは地球上の他の動物についてはどうだろうか。私が研究対象としている魚類についてみてみよう。 多くの魚類では、産卵期になると雌が卵を産み、雄が産み出された卵に精子をかけるという産卵行動(性行動)がみられる。キンギョでは、通常雌は、卵巣でつくられるプロスタグランジン(PG)というホルモンの作用によって雌型の性行動(放卵)を行う。また雄は、雌が水中に放出するフェロモンと精巣でつくられる雄性ホルモン(11-ケトテストステロン、KT)の作用によって雄型の性行動(追尾と放精)を行う。 キンギョでは、通常この雌雄の性行動が逆転して起こることはないが、性的に成熟した雌にKTを与えると、雌が雄型の性行動を行うようになり、雄にPGを投与すると雌型の性行動が誘起される。またホルモンにより逆の性の性行動を行っても、本来の性の性行動を行う能力は失われない。すなわち投与されたホルモンがなくなるともとの性の性行動を行う。‘哺乳類では、脳の性分化により、このような性行動の逆転は起こらないが、キンギョの脳には雌雄の性行動に対応できる性的可逆性(性的両性性)が存在するのではないかと考えられる。 また自然界には、性転換をする魚類が数多く存在する。これらの魚種では1個体の魚が、一生のうちに雄型、雌型両方の性の性行動を行ない、その脳は性的両性性をもつと考えられる。性転換魚の存在とキンギョでの実験結果をあわせて考えると、魚類の脳の性的両性性は、性転換魚類だけがもつ特殊な性質ではなく、魚類全般にみられる性質とも考えられる。 |
問合先 |
静岡大学理学部生物科学科 鈴木雅一 TEL: 054-238-4769 E-mail: sbmsuzu ![]() |
第40回生命科学若手セミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年7月16日(金)16:00-17:30? |
会 場 | 静岡大学 農学部 B棟2階・201講義室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演者 | 大西 利幸 (静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点) |
演題 |
『化学的視点から見た植物の防御機構』
根を張った土地で一生を全うする植物は、常に生物ストレスや環境ストレスに曝され、その結果多様な防御システムを獲得し進化させてきた。昆虫や微生物から身を守る生理活性物質(二次代謝産物)の生合成も防御システムの一つと考えられている。本発表では樹木の二次代謝産物であるジテルペン樹脂酸 (樹脂) の生合成に注目し、その生合成および生理機能について発表する。 |
問合先 |
静岡生命科学若手フォーラム 事務局 gsbyf ![]() |
第39回生命科学若手セミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年6月25日(金)16:00-18:00? ←日程変更 |
会 場 | 静岡大学大学会館1階研修室 ←会場変更) (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演者1 | 岡田令子 (静岡大学創造科学技術大学院) |
演題1 |
『両生類の生活環境と生体調節』
無尾両生類は幼生から成体へと変態する過程で,その生活環境・形態・機能を大きく変化させる。両生類の変態が甲状腺ホルモンにより促進されることは古くから知られていたが,その上位の調節機構については明らかにされていなかった。本発表では,両生類の視床下部-下垂体-甲状腺系の調節機構について,特に視床下部因子による下垂体の調節を中心に比較生物学的な視点から紹介する。また,両生類が外部環境の変化に適応するための様々な生体調節機構の変化とその制御についても紹介したい。 |
演者2 | 一家崇志 (静岡大学農学部応用生物科学科) |
演題2 |
『酸性土壌における植物の耐性戦略』
世界の耕作可能面積の約50%を占めている酸性土壌では作物の生産量が制限される。これには様々なイオンによる根の生育阻害が関与している。これらイオンに対する耐性機構を分子レベルで理解することは,酸性土壌を対象とする分子改良に大きく貢献する。この分野の研究にいおいては国内外共に活発な研究解明が進められているが,今回は特に,主要なストレス因子であるアルミニウムストレスと低pH(プロトン)ストレスに焦点を置き,シロイヌナズナ等により明らかにされつつある耐性機構について紹介する。 |
問合先 |
静岡大学創造科学技術大学院 岡田令子 E-mail: drokada ![]() 静岡大学農学部応用生物科学科 一家崇志 E-mail: ikka-t ![]() 静岡生命科学若手フォーラム 事務局 gsbyf ![]() |
第180回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年6月23日(水)18:00-19:00 |
会 場 | 静岡大学農学部A棟110室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 山中 武彦 (農業環境技術研究所) |
演 題 |
『生息環境の好適度と空間的な制約の相対重要性を評価する −トンボのメタ個体群・メタ群集解析− 』 ため池を含む止水域の生物多様性の劣化は深刻で、年々急速に種の絶滅が進行し、その速度は熱帯雨林の生物多様性劣化よりも速いといわる。こうした止水域での生物多様性の劣化は、生息地面積の減少や、生息地内の環境の悪化によるところが大きいが、近年の理論研究では、それらに加えて、好適な生息地の分断化によって生息地全体のつながりが弱くなり、さらに種の絶滅に拍車をかけていることが予測されている。 そこで本研究では、茨城県南部、約10kmでトンボを対象に調査を行った。この実際に観察されたデータを使って、メタ個体群・メタ群集の観点から、生息地の好適度と生息地の空間的な配置の相対重要性を評価した。まず、モノサシトンボ一種に絞って、メタ個体群解析を行ったところ、池の空間配置が最も大きく影響しており、生息地間の移動によってつながるネットワーク構造が、空間配置の影響の多くの部分を説明することが判った。一方、全ての種を含めた群集解析では、ため池の配置、池内の環境、池周辺の土地利用の3つについて、相対重要度を評価した。解析の結果、上記3要因合計で、トンボの種構成の約4割を説明することができ、それぞれ、同じ程度重要であることがわかった。 |
問合先 |
静岡大学農学部共生バイオサイエンス学科 田上陽介 TEL: 054-238-4825 E-mail: tagamiy ![]() |
静岡市美術館「日詰明男 黄金比のカタチ」関連イベント | |
---|---|
日 時 | 2010年6月19日(土)〜9/23(木・祝) |
会 場 | 静岡市美術館 (〒420−0852 静岡県静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3階,アクセス情報) |
植物の葉のつき方や惑星の運行など 自然界の様々なカタチのなかにあらわれる不思議な比率 "黄金比"。 この研究者で造形作家でもある日詰明男さんによる 作品公開制作ワークショップを実施し、 交流ゾーンで黄金比のカタチと音を体験していただけます。 『公開演奏体験ワークショップ <黄金比の音楽「たたけたけ」>』 6/19(土),20(日),25(金)-27(日), 7/2(金)-3(土) 『竹の楽器制作ワークショップ』 6/20(日) 『プレアデス公開制作』 6/20(日) 『工作ワークショップ:黄金比のカタチを作ろう』 6/26(土)-27(日) ![]() ![]() |
|
問合先 |
静岡市美術館 Tel 054-273-1515(代表) Fax 054-273-1518 |
静岡大学 第13回GRLバイオサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年6月18日(金)17:00-18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B201室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
花田 耕介 (理化学研究所) |
演 題 |
『シロイヌナズナゲノム中に存在する新規の短い遺伝子の同定とその機能探索』
近年、短い遺伝子から翻訳されるペプチドが細胞間を移行し植物の発生や防御反応に関わることが次々と発見されている。これらの機能性ペプチドは、農業的にも非常に重要な形質に繋がるため、注目され始めている。しかし、現在使われている遺伝子予想プログラムは、長い遺伝子を同定することを第一の目的としているため、同定されていない短い遺伝子が数多くゲノムに存在していると考えられている。そこで、我々は短い遺伝子を予想することに特化したアルゴリズムを開発し、シロイヌナズナで遺伝子と同定されていない領域に存在する短い遺伝子を新たに同定した(Hanada et al., Genome Res. 2007, Hanada et al., Bioinformatics 2010)。そして、新しく同定された短い遺伝子および既存の遺伝子の発現強度を調べることが可能なマイクロアレイを開発し、約32条件(花・さや・芽・根・ロゼット葉・茎生葉・茎・老化葉・乾燥種子・吸水種子、暗色下、赤色下、青色下、白色下後、乾燥処理後、高温処理後、高塩処理後、低温処理後のSeedling)で、発現プロファイルを構築している。一方で、発現されている新規の短い遺伝子の中で、ペプチドホルモン様のパターンを示し、他の植物ゲノムに存在する相同領域間で負の選択圧を受けている短い遺伝子に着目し、過剰発現体を構築している。その結果、新規に同定された遺伝子の中には、過剰発現すると野生株とは異なる表現型が発見されることが明らかとなった。この結果は、同定された短い遺伝子の中には、植物発生になんらかの機能的役割を担うものが存在することを示している。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 堀池徳祐 E-mail: thoriike ![]() TEL:054-238-3083 |
遺伝子実験施設 技術セミナー
(ポスター:pdf, jpg) | |
---|---|
日 時 | 2010年6月15日(火) 15:00-16:00 |
会 場 | 静岡大学遺伝子実験施設1階セミナー室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 | 千秋 氏 (ライカマイクロシステムズ(株)) |
演 題 |
『1.レーザーマイクロダイセクション技術のご紹介』 『2.次世代共焦点レーザー顕微鏡最新技術のご紹介』 本セミナーでは、ライカマイクロシステムズ社のレーザーマイクロダイセクションおよび共焦点レーザー顕微鏡の最新技術をご紹介いたします。 参加申込は必要ありませんので、ご自由にご参加ください。 |
問合先 |
静岡大学遺伝子実験施設管理室 TEL:内線4926 外線054(238)4926 E-mail:gyyaman ![]() |
第179回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年6月11日(金)10:40-12:00 |
会 場 |
静岡県立大学 第3会議室 (静岡市駿河区谷田52-1,アクセス情報, キャンバスマップ) |
演 者 |
Dr. Jyan-Chyun Jang (Department of Horticulture and Crop Science and Plant Biotechnology Center The Ohio State University) |
演 題 |
『P-body and stress granule localized AtTZF1 can mediate sugar, ABA, and GA responses in Arabidopsis thaliana』
Processing-bodies (P-bodies, PBs) and Stress Granules (SGs) are cytoplasmic messenger ribonucleoprotein (mRNP) complexes. It has been shown recently that PBs and SGs play important roles in post-transcriptional regulation and epigenetic modulation of gene expression. While PBs are enriched with translation-repressed mRNAs and mRNA silencing and degradation machineries, SGs are essentially aggregation of stalled pre-initiation complexes and translation regulators. We have found that the Arabidopsis (AtTZF1) and human (hTTP) Tandem Zinc Finger proteins can traffic between the nucleus and cytoplasmic foci, where they co-localize with PB and SG markers, AGO1, DCP2, PABP, and XRN4 in plant cells. AtTZF1-associated cytoplasmic foci are dynamic and tissue-specific. They are preferentially formed in active growing cells and induced by various stresses, including stress hormones. Reverse genetic analyses indicate that AtTZF1 is a positive regulator for sugar- and ABA-mediated, and a negative regulator for GA-mediated plant growth, development, and stress responses. Gene expression profiling reveals that over-expression of AtTZF1 mimics the effects of +ABA/-GA. Co-expression analyses identify a cell growth cluster centered by a sugar/ABA/GA regulated peptide hormone and a defense response cluster centered by a WRKY transcription factor. Because AtTZF1 affects hormone accumulation only in specific developmental stages, it is likely that AtTZF1 affects sugar/ABA/GA responses mainly by regulating their signal transduction components. Since AtTZF1 can bind both DNA and RNA in vitro, it raises a possibility that AtTZF1 is involved in transcriptional regulation in nucleus and RNA regulation in PBs and SGs. 関連文献 Pomeranz, M.C., Hah, C., Lin, P.C., Kang, S.G., Finer, J.J., Blackshear, P.J., and Jang, J.C. (2010). The Arabidopsis tandem zinc finger protein AtTZF1 traffics between the nucleus and cytoplasmic foci and binds both DNA and RNA. Plant Physiol 152, 151-165. 参考文献(一般的な総説) Anderson P, Kedersha N (2008) Stress granules: the Tao of RNA triage. Trends Biochem Sci 33: 141-150 Anderson P, Kedersha N (2009) RNA granules: post-transcriptional and epigenetic modulators of gene expression. Nat Rev Mol Cell Biol 10: 430-436 講師のJangは、ボストンのマサチューセッツ総合病院にて私が十数年前に海外研修を行った時からの知り合いで、現在オハイオ州立大学にてシロイヌナズナを材料に糖のシグナル伝達機構の解明を目指しています。今回、パシフィコ横浜で開催される21stInternational Conference on Arabidopsis Research (ICAR2010)に参加されるため、来日されるのを機会に本学でのセミナーをお願いしました。 今回お話しいただくProcessing-bodies (P-bodies, PBs)あるいはstress granuleは、植物のみならずヒトでも見つかっており、最近、転写後あるいはエピジェネティクな制御に重要な役割を果たしていることがわかってきました。 |
問合先 |
静岡県立大学 生活健康科学研究科 丹羽康夫 E-mail: niwa ![]() |
The First Symposium of Cell Cycle Control and Cell Fate ー 細胞周期制御と細胞運命 ー (ポスター:pdf, jpg) |
|||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日 時 | 2010年5月14日(金)14:30-18:00 | ||||||||||||||||||||||
会 場 | 浜松医科大学 多目的ホール (浜松市東区半田山1-20-1,アクセス情報) | ||||||||||||||||||||||
発生、分化、老化、アポトーシスおよび癌化などの細胞運命は細胞周期の進行/停止と密接に関係する。本シンポジウムでは細胞周期制御機構と細胞運命に関連する最新の知見を討論する。 参加費無料/来聴歓迎 |
|||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||
問合先 |
オーガナイザー:北川 雅敏 浜松医科大学・医学部・生化学第一講座・教授 E-mail: kitamasa ![]() |
静岡大学 第11回GRLバイオサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年4月23日(金)17:00-18:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B212室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
宮城島 進也 (理化学研究所基幹研究所宮城島独立主幹ユニット) (HP: http://www.shizuoka.ac.jp/grl_bs/) |
演 題 |
『植物細胞による葉緑体分裂制御機構から細胞内共生と進化を探る』
真核細胞内で、光合成を行う葉緑体、細胞内呼吸を司るミトコンドリアはそれぞれ、シアノバクテリア、αプロテオバクテリアが10−20億年前に真核細胞に共生することによって生じたと考えられている。両オルガネラは、真核細胞内で分裂することにより増殖し、絶えず増殖する細胞内に維持されている。その分裂機構、分裂制御機構を解明することは、宿主真核細胞が独立生活していた原核生物を、その分裂を制御することによって、いかにして細胞内小器官へと変換したのか、また現在、真核細胞社会の中で、如何にして維持しているのかを理解するために重要である。 分裂機構の遺伝子、タンパク質レベルでの理解は、私のこれまでの研究を含め、私の所属した日本と米国の研究室により、最近ようやく理解され始めた。葉緑体は祖先のシアノバクテリアが持ち込んだFtsZリングを中心とする原核型の分裂機構と、宿主真核生物由来であるPDリングおよびダイナミン様タンパク質からなるリングがこの順に形成されて分裂する。一方のミトコンドリアにおいても、葉緑体と同様にFtsZ、MD(これら二つは動物、植物からは失われている)、ダイナミンリングがこの順に形成されて分裂することがわかってきた。 我々研究室の研究目的は、バクテリアが細胞内小器官へと変換される過程で、分裂機構がどの様に改変されたのかを解明し、真核細胞がオルガネラ獲得のために取った戦略を理解することである。そのために、具体的には、真核型タンパク質の同定、解析、その進化課程の理解、及び、これまでに全く分かっていない分裂の制御機構とその変遷の理解を目的とする。進化、変遷という時間の軸での理解が不可欠であるため、進化系統学、細胞生物学を組み合わせた研究を進めてきた。これまでに、特に葉緑体に着目した研究により、以下のことを明らかにしてきた。 (1)葉緑体、ミトコンドリア分裂に関与するダイナミンはそれぞれ、真核細胞のサイトキネシス機構から派生して進化した。このことは、オルガネラ分裂機構が、バクテリアと真核細胞のサイトキネシス機構の両方から成立したことを示唆する。(2)細胞内に葉緑体を1ないし数個しか持たない藻類においては、細胞周期に依存した分裂遺伝子群の発現により、分裂時期が制御されていること。一方で、細胞分化によって細胞あたりの葉緑体数、葉緑体のサイズが変化する陸上植物は、PDV1、PDV2という新たな分裂装置構成因子を獲得し、これらが分裂律速分子として働くことで、分裂速度が調節されていること。(3)植物に特異的なタンパク質MCD1がシアノバクテリア由来のMinタンパク質と協調して、葉緑体分裂位置を決定していること。ダイナミン、PDVが葉緑体の外側(細胞質側)で機能するのに対して、MCD1は葉緑体内部で働くことがわかった。 現在、比較ゲノムにより同定した、藻類、植物に共通する機能未知葉緑体タンパク質群の中から、新たな葉緑体分裂タンパク質の同定を試みている。また本講演では、進化生物学と細胞生物学を組み合わせた研究手法の確立へ向けての、取り組みについても紹介する。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点 粟井光一郎 E-mail: dkawai ![]() TEL:054-238-3339 |
Mini-Symposium (米国ネバダ大学のS.D.Hillyard教授をお招きして....) (ポスター:pdf, jpg) |
|||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日 時 | 2010年3月31日(水)15:00-17:45 | ||||||||||||||
会 場 | 静岡大学総合研究棟4階 大学院会議室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) | ||||||||||||||
|
|||||||||||||||
問合先 |
静岡大学創造科学技術大学院 田中滋康 E-mail: sbstana ![]() |
静岡大学サイエンス月間 総合講演会 (ポスター:pdf, jpg) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
<< いま、サイエンスを考える >> |
|||||||||
日 時 | 2010年3月24日(水)13:30-16:00 | ||||||||
会 場 | 静岡大学理学部A棟2階大会議室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) | ||||||||
| |||||||||
問合先 |
静岡大学理学部化学科 坂本健吉
電話: 054-238-4751 E-mail:sksakam ![]() |
||||||||
※ | 申込不要,参加費不要 | ||||||||
![]() |
静岡大学サイエンス月間 理学部地球科学科・生物科学科ワークショップ (ポスター:pdf, jpg) | |||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
<< 水と時間の科学 >> |
|||||||||||||||||
日 時 | 2010年3月23日(火)13:00-16:45 | ||||||||||||||||
会 場 | 静岡大学理学部A棟2階大会議室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) | ||||||||||||||||
| |||||||||||||||||
問合先 |
静岡大学理学部化学科 坂本健吉
電話: 054-238-4751 E-mail:sksakam ![]() |
||||||||||||||||
※ | 申込不要,参加費不要 | ||||||||||||||||
![]() |
静岡大学サイエンス月間 気鋭若手研究者によるワークショップ (ポスター:pdf, jpg) | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
<< 元素は踊る! 錯体化学と有機元素化学のニューフロンティア >> |
|||||||||||||||||||||
日 時 | 2010年3月15日(月)13:00-18:00 | ||||||||||||||||||||
会 場 | 静岡大学理学部A棟2階大会議室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) | ||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
問合先 |
静岡大学理学部化学科 仁科 直子
電話: 054-238-5432 E-mail:snnishi ![]() |
||||||||||||||||||||
※ | 申込不要,参加費不要 | ||||||||||||||||||||
![]() |
静岡大学サイエンス月間 ワークショップ (ポスター:pdf, jpg) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
<< 「構造の美」 Beauty in Mathematics & Physics >> |
|||||||||
日 時 | 2010年3月11日(木)13:30-16:30 | ||||||||
会 場 | 静岡大学理学部C棟309室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) | ||||||||
| |||||||||
問合先 |
|
||||||||
※ | 申込不要,参加費不要 | ||||||||
![]() |
第10回GRLバイオサイエンスセミナー (静岡ライフサイエンス サテライトシンポジウム) 「植物脂質科学研究の最前線」 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日 時 | 2010年3月6日(土) | ||||||||||||
会 場 | 静岡大学遺伝子実験施設 1階セミナー室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) | ||||||||||||
| |||||||||||||
問合先 |
粟井 光一郎(静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点)
dkawai ![]() |
第11回 静岡ライフサイエンスシンポジウム (平成21年度科学交流フォーラム) < 生物のパワーはどこまで利用できるか ー 生物機能の活性化による有用物質生産 ー > (ポスター) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日 時 | 2010年3月5日(金) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
会 場 | 静岡大学大学会館ホール (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||
ポスター |
![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
問合先 |
主 催 : 静岡県/平成21年度大学ネットワーク静岡/ 静岡生命科学若手フォーラム 世話人: 静岡大学農学部 田上陽介 TEL: 054-238-4772 E-mail: tagamiy ![]() 静岡生命科学若手フォーラム事務局 sbyf-office ![]() |
ファルマバレー交流セミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年3月2日(火) 17:00〜19:00(予定) |
会 場 |
静岡がんセンター研究所1F しおさいホール (静岡県駿東郡長泉町下長窪1007番地) |
演 者 |
山口 由衣 (株式会社 島津製作所 東京支社 産学官・プロジェクト推進室 fNIRSグループ) |
演 題 |
『〜測るテクノロジー(特別編)〜『脳の活動を測る』』
近年急速に発展している脳科学。テレビなどのメディアでも頻繁に取り上げられるようになり、私達の身近な存在になりつつあります。 本セミナーでは、近年急速に応用が広まっているfNIRS(近赤外分光分析法)をご紹介いたします。 fNIRSは頭表上に配置したプローブから近赤外光を照射して大脳皮質表面の血流変化を測定し、脳の賦活状態をマッピングするイメージング手法です。生態に安全な光を用いることから非侵襲脳機能イメージング手法として注目されており、脳科学を産業応用に展開する一つのツールとして期待されています。研究用近赤外光イメージング装置「FOIRE-3000」を用いて実験計測を交えながら、fNIRSの測定原理から医療現場や心理実験、産業応用の可能性に関するアプリケーション等をご紹介いたします。 |
お申込み: |
※ 別添、申込用紙にて事前申込みをお願い致します。 必要事項をご記入の上、下記宛にメールまたはFAXにてお申込み下さい。 |
問合先: |
ファルマバレーセンター 企画部 TEL ; 055-980-6333 FAX ; 055-980-6320 mail ; mail ![]() |
参加案内(pdf) 参加申込書(doc) |
第2回静岡大学ヌタウナギ研究会 ミニシンポジム | |||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日 時 | 2010年3月1日(月)15:00-18:00 | ||||||||||||||||
会 場 |
静岡大学総合研究棟4階 創造科学技術大学院会議室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
||||||||||||||||
| |||||||||||||||||
主催: |
静岡大学ヌタウナギ研究会 |
||||||||||||||||
後援: |
平成21年度 創造科学技術大学院チャレンジプロジェクト支援 |
||||||||||||||||
問合先: |
田中滋康(創造大学院、統合バイオサイエンス部門) e-mail: sbstana ![]() |
静岡大学 第9回GRLバイオサイエンスセミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年1月28日(木)17:00-18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟2階B201室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演 者 |
中村 洋路 (静岡がんセンター研究所) |
演 題 |
『Cancer Immunoinformatics - 免疫情報学によるがん研究へのアプローチ -』
がんは全世界の死亡原因の上位を占める疾患であり、日本人でも毎年3人に一人ががんで亡くなっている。がんの治療法としてはこれまでは外科手術、放射線治療、抗がん剤による化学療法などが主流であったが、最近になって第4の治療法として免疫療法が注目されようになってきた。これは患者の免疫機能を何らかの方法で高めることによって体内のがん細胞の働きを抑える治療法であり、副作用が少なくQOLを維持できる治療法として今後の発展に期待がもたれている。また抗がん剤に関しても、がん細胞を特異的に認識し作用する分子標的薬として1990年代後半から抗体医薬が認可されはじめ、有効な腫瘍マーカーの探索およびそれに高いアフィニティで結合する抗体の開発が行われている。 こうした背景を踏まえ、今回のセミナーではImmunoinformaticsという分野について紹介したい。この言葉はImmunologyとinformaticsを組み合わせたものであり、そこから分かるように、数理情報学の手法を用いて計算機上で免疫関連分子の働きを理解しようとする学問である。この分野は日本においてはアカデミアレベルではあまり馴染みのないものだが、臨床研究において様々な実験上の制約・コストを軽減し、その効率性を高めうる可能性を秘めている。 本セミナーでは、はじめに抗体やT細胞受容体などの免疫関連タンパク質に着目したがん研究について紹介し、その中で数理情報学的アプローチがどう貢献できるかについて、私たちの研究室で行っている研究内容を踏まえながらお話ししたい。 |
問合先 |
静岡大学若手グローバル研究リーダー育成拠点(農学部) 堀池徳祐 E-mail: thoriike ![]() TEL:054-238-3083 |
第38回生命科学若手フォーラム特別セミナー | |
---|---|
日 時 | 2010年1月21日(木) 16:00〜17:00 ? |
会 場 | 静岡大学大学会館2階・研修室 (静岡市駿河区大谷836,アクセス情報) |
演者 | 田中 愼 (国立長寿医療センター・加齢動物育成室長) |
演題 |
『長寿医療と実験動物』
長寿医療ないし長寿科学が実験動物に需要を立てるのは、老年病と老化機構の解明に資する動物モデル系である。高齢者が罹患する主たる老年病は、認知症と骨粗鬆症であり、支援機器や社会制度・医療体制からの適切な支援を模索するのも長寿医療分野の務めである。例え基礎老化の生物系分野の課題であっても、実験動物を用いた研究では外挿には限界がある。ところが、動物実験の特性を十分に理解できていないことから、実験動物での実験では解明できない研究領域であるにもかかわらず動物実験が実施されている現状が存在している。今回は、実験動物の生存性・卵巣の形態・下顎骨や大腿骨の形態と特性を指標にモデル動物としての可能性と限界を考えてみたい。 老化の研究に係る動物実験にあっては、個々の実験動物種における基準となる生存曲線が解明できれば多くの研究において有用である。しかしながら、特定のげっし目実験動物を除くと信頼の置ける結果はほとんどなく、最も記録されているラットやマウスでも、種差・系統差・性差が顕著であるためヒトへの外挿には至らない。これはげっし目実験動物の脳の解剖学的な違いから、MCIのようなヒトの疾患に対しては全く外挿出来ないことに似ている。生殖腺の加齢変化のうち、卵巣に関するものでは、構成組織の形態に明確な種差があり加齢変化を追究する事にさえ意味をなさない場合がある。骨に至っては、より顕著で、構成する成分は類似性の高いものではあるが、これらを通覧して比較できる指標は存在していない。 これらの過不足を、これまでに得た成果をもとに紹介し、動物実験の限界を打開する策を考えるとともに長寿医療分野での有効な動物実験のあり方を探ってみたい。 |
問合先 |
静岡大学農学部応用生物科学科 茶山和敏 E-mail: acksaya ![]() 静岡生命科学若手フォーラム 事務局 gsbyf ![]() |