11月中旬号へ / 12月上旬号へ / 最新号へ

こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

98年11月下旬号

古橋
「だとしても、脱糞恐怖症とはわびしい病名じゃないか。 どうせならもっとこう花のある病気になりたかったな。 知恵熱とか、腎虚とか、流行性作家症とか、 正当性立腹炎とか。 エートそれから、慢性もてもてカタル、急性蓄妾症、 愛人過多症、加害性愛咬炎、ヒモ性ぶらぶら病、 先天性長寿病、後天性美顔症、無病性息災炎、 一過性小吉病、多発性大吉炎、散髪性禿頭病、 連発性打止め症、先発性完投症、後発性セーブ炎、 乱発性ダジャレ症、大発声大音声……」 (『吉里吉里人』、下巻224頁)


11月下旬の主な話題


11/21/98 (Saturday/samedi/Sonnabend)

昨日は、真夜中に下宿に戻って、睡眠。

朝、起きる。寒い。

昼、勉強。入浴。 昼ごはんは、だし巻、みそ汁、納豆、のり、その他。 だし巻と書いたが、自分ではそのつもりで作ったのだが、 客観的に見た場合、あれはスクランブルエッグに分類されたと思う。

昼下がり、眠くなってしばらく仮眠。 夕方、起きてからギターの練習。

夜、近くのギター屋さんで弦とピックを買う。 弦はアーニーボールの.010から始まるやつ。3セット1500円。

もう一度だけ宣伝するが、 明日の2時35分から、西部講堂でライブがある。 特に倫理学研究室で合評会の準備をしてる人などは、 ぜひ手を休めて見にきてほしい。

さらに、某スーパーと某ディスカウントストアで買物。おでんの準備。 出掛ける前に、練習と思って整髪料をつけたのだが、 量が多かったのか、自分にまで臭う。くさい。

それから某E研へ。

勉強はかどらず。(じっと手を見る)


Douglas W. Portmore on the WWW というサイトを紹介してもらった。倫理学の授業のシラバスなどがのっけてある。 しかし、 Utilitarianismに関するTrue/False Questionは納得できないところがある。


何か一言


11/22/98 (Sunday/dimanche/Sonntag)

早朝

明け方、ずっと奇妙な夢を見ていた。 今となってはあまり覚えていないが、 起きる寸前に見ていた場面はよく覚えている。

おれはなぜか薄汚い女子トイレにいる。 そしてそこにある白いパイプには縦書きで次のように落書きがしてある。

児玉聡参上

さらに、その左に、これまた縦書きのコメントがされている。

↑え〜、これ○×町××-×の児玉なん?

と、おれの現在の住所が特定してある。 もちろん最初の落書きはおれが書いたものではない。事実無根、誹謗中傷だ。 おれは、「くそ。この女子トイレに入るのは今回が初めてだぞ」と憤概しながら、 なぜか都合よく手に持っていたサインペンで、 やはり縦書きでこう書き足すのである。

↑おれはここに来たことはないぞ


何か一言


11/23/98 (Monday/lundi/Montag)

風邪。気分悪し。 ベンタムの勉強、科哲のレポートの準備など。 昼におでんを作ってみる。

昨日のライブはMDで録音したものを聴くかぎりでは、 (これまでに行なったライブと比較して)なかなか良かったようだ。 曲間、やかましくチューニングしているあたりに、 アマチュアバンドの悲哀を感じさせるが…。


何か一言


11/24/98 (Tuesday/mardi/Dienstag)

昨夜は頭痛と吐き気がしたのでさっさと寝た。 半日寝てしまう。

昼、おでん食う。

お昼過ぎ、 小松左京の『エスパイ』読了。 気分転換にはなったが、得るところなし。

夕方、仮眠。修論のことが気になってあまり寝れなかった。

ふとんの中で考えていると、修論の構想がようやく固まった。 以前にも同じようなことを言っていた気がするが、 もう時間がないので、 今回の構想で書き上げなくてはならないだろう。

基本的には、心理的快楽説と功利性の原理との関係を考察する。 まず、心理的快楽説と功利性の原理は両立しないのではないか、 という有名な問題をとりあげ、これはけちらすつもり。

次に、神さまのいない功利主義では、 正しいことをする十分な動機がないではないか、 というこれまた有名な批判を取り上げ、検討する。 今のところ、これに対する十分な答えはない。 全体の利益と個人の利益の自然的調和、 という考えを認めればうまくいくが…

夜、入浴後、おでんを全部食べる。 それから急いで某スーパーへ。 下宿を出て自転車に乗ろうとすると、 軽い頭痛がする。 病み上がりの夜空に、 などという剽窃フレーズが思い浮かんだ。

今回のおでんは、 大根下半分、じゃがいも二個、こんにゃく一本(一丁っていうのか?)、 たまご二個、厚揚げ一袋、などなどが材料であった。 これを、夜、昼、夜の3回で食べた。 いささか食い飽きた気がしないでもないが、 閉店間際の某スーパーで再びおでんの材料を購入してしまう。 この次は湯豆腐かなにかにしよう。

それからちょっと某E研に立寄る。


何か一言


11/25/98 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

夕方

お昼過ぎまで寝る。

某同居人の母親が来る。寿司をいただく。感謝。

新幹線の切符を購入するために、大学に来る。 途中、某古本屋で、 筒井康隆、『スイート・ホームズ探偵』、新潮文庫、1989年、105円 を購入。

勉強せねば。書かねば。書かねば。


喫茶店でホット・オーレ。サンデー。マガジン。


科哲の勉強。うう。金曜までにできるのか。


何か一言


11/26/98 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

昨夜は、某同居人の母親にすきやきを作っていただく。感謝。 非常に久しぶりに牛肉を食べる。

朝から科哲の勉強。

昼、またごはんを作っていただく。再度感謝。

夕方、研究室に。 ロック読書会。


昨日、Academic Resouce GuideというWWW雑誌から、 ベンタムの参考文献表を紹介させてもらったという知らせが来る。 う〜む。ちゃんと整理しとかないと。 URLは http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/


何か一言


11/27/98 (Friday/vendredi/Freitag)

昨夜、倫理学入門読書会(「方法と道徳理論」その2)の終わり際に、 火災警報が鳴る。 火災はなかったようだが、 いつまで経ってもくそやかましい警報が鳴り止まないので、 仕方なく読書会は中断。くそ。 詳細は某日記を参照。

それから某定食屋で某君と二人で某定食を食べて、 某哲学者の話をしたり、某進路の話を聞いたり。

夜、下宿に戻ってから、深夜まで科哲の勉強。

寝る前に、少し修論を更新する。

今日はお昼前に起きて、必死に科哲の勉強。 途中、洗濯をし、 冷蔵庫に残っていたかぼちゃを煮て食べる。 豆腐も食べる。

夕方、某E研で急いでテキストを整形し、 なんとか無事にレポート提出。

安堵。脱力。解脱。わ。解脱してしまった。

それから土産ものの阿闍梨餅を買いに行き、 ついでに喫茶店で休憩。 ホット・オーレ。チャンピオン。プレイボーイ。

解脱したまま、再び某E研へ。


ベンタム読書会。


何か一言


11/28/98 (Saturday/samedi/Sonnabend)

夜明け前

さて、ここで問題です。 『阿闍梨餅』(あじゃりもち)という名の由来についての次の三つの説明のうち、 正しいものはどれでしょうか?

  1. 昔、京都にいた偉いお坊さんが、 この饅頭の作り方を編み出したのだが、 そのお坊さんはよく材料の配合を間違えて、 出き損ないの饅頭を作っては、 「あじゃじゃ〜」と言って坊主頭を掻いて笑っており、 そこからこの名前が付いた。
  2. この饅頭を作っている本家の先々々代のおかみさんは、 客が「この饅頭うまいねえ」と言うたびに、 「あじゃりめえじゃ」と大声で返事をしており、 そこからこの名前が付いた。
  3. 平安時代の末期、 いたずら好きの妖怪(一説にはたぬき)が、 あんこの代わりに砂利の入った饅頭を街中で人々に売りつけたため、 再三騙されて疑い深くなった人々は饅頭を食べなくなった。 そこで困ったのは饅頭がとんと売れなくなったある饅頭屋の主人。 いろいろ考えた末、彼は苦肉の策として、 「うちの店の饅頭は砂利入り饅頭じゃありませんよ」 ということをことさらに強調するためにこの名前を付けた。 すなわち、「あじゃり」とは、 否定の接頭辞「あ」(ex. amoral) +「砂利」であり、「砂利が入っていない」 という意味である。

朝から異国の地へ。

兄にスーツを買ってもらう。感謝。

明日散髪というか断髪をしなければならないらしい。 うむむむむ。ついにザンギリ頭になるときが来たか。 時代には逆らえん。


何か一言


11/29/98 (Sunday/dimanche/Sonntag)

今日は革靴を買い、散髪屋に行った。 『幼年期の終り』を読了。


散髪

散髪屋ないし美容院へは、 高校生のときの留学中に一度行ったきりなので、 散髪屋に入るのには、はっきり言ってある種の恐怖を覚えた。 (実は洋服屋にも同種の恐怖を少なからず感じる)

特に長髪にしてから散髪屋に行くのは初めてだし、 普段自分でいいかげんに切っているから、 店員に「なんだこのいいかげんな切り方は」 と思われるのもつらい。 というわけで散髪屋には行きたくなかったのだが、 場合が場合だし仕方がない。

さて、30分ほど待ち時間を過ごしたのち、 ついにおれの番が回ってきた。 呼ばれるままに座席につく。

すると、ナプキンのようなものをかけられたのち、 店員(♂)が無造作に、しかも無言で、 細長いカップというか、花瓶のようなものを顔の前に突きだしてきた。

「はて?」

散髪屋に行き慣れてる人なら、 何のことだかもうわかっただろうが、 おれは、この店員の行為の意味がわからなかった。

(む。ガムを捨てろというのか? しかし一体なんのためにガムを捨てねばならないのだろうか。 ひげを剃るときにガムをかんでるとまずいのか? それに、この容器は中が布張りだから、 この中にガムを捨てたら後で片付けるのが大変だぞ。 むむむ…?)

としばらく心の中でいろいろと考えていたら、 しびれを切らした店員が一言。

おメガネ

あ〜っ。 そ、そうですかそうですか、いや、わかってましたわかってました、 いやいやぼくもそうだと思ってたんですよ、 いやいやいや待たせてすみませんでしたいやいやいや、 などと心の中で言い訳しつつ、 おれは急いでメガネをとってその容器の中へ突込んだ。

…。初めてメガネを買ったのは4回生のときのことで、 最初に書いたように、 メガネをかけてから現在に至るまで、 一度も散髪屋の世話にならなかったのだ。

ほんとに恥ずかしい思いをした。 メガネのことだとはまったく思い至っていなかったので、 あともう少しで口からガムをつまみだすところだった。

最初にひげを剃られた。 人に顔をいいように触られるのは、なんだか気持ち悪いものだ。 慣れればいいものなのかもしれないが。

散髪の方は面接が近いことを告げると、 ほとんど注文しなくても適当にやってくれた。 途中、「これでいいですか」と何度か訊かれたが、 メガネがないのでカガミが全然見えない。 しかしそれにもかかわらず、 「ああ、ちょうどいいです」とか 「ばっちりです」とかいいかげんに答えてしまった。 ようやく鏡でちゃんと自分の頭を見ることができ、 「あ、右と左のもみあげの長さが違う!」と思ったのは、 母の家の手洗い場でだった。


何か一言


11/30/98 (Monday/lundi/Montag)

真夜中

昨夜、散歩をしていると古本屋を見つけて入る。 高い。

面接の準備捗らず。


真夜中

今日はとりたててどこにも行かず、 面接の準備をしていた。

1分でしゃべれるのは350字から400字くらいじゃないかと思う。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Nov 5 21:53:54 JST 2015