11月下旬号へ / 12月中旬号へ / 最新号へ

こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

98年12月上旬号

ジーン: 男という男は、本質的にみんな一夫多妻主義者なのだから嫌だ。 (『幼年期の終り』、121頁)


12月上旬の主な話題


何か一言


12/01/98 (Tuesday/mardi/Dienstag)

今日は何の日面接の日。


お昼過ぎ

はい。東京のこだまです。

現在、わたくしは麹町のとある喫茶店におります。 麹町といえば、あの腐敗の進んでいる永田町の近くであります。 いえ、ここまでは臭ってきませんです。はい。

現在、わたくしは就職活動1日目のような格好をしております。 白のワイシャツに紺のスーツ、黒の革靴といういでたちであります。はい。

先日、スーツという概念にもさらに、 三つボタンや、ダブルなどという下位概念があることを学びましたが、 そうした分類に基づくと、 これは二つボタンのシングルということになるかと思われます。はい。

後30分もすれば受付に行かなければいけません。はい。 質疑応答の準備があまりできてませんが、 勇気という徳を中庸程度に発揮して、 がんばろうと思っています。はい。 早口にならないように注意したいと思います。はい。

東京のこだまでした。はい。


何か一言


12/02/98 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

夕方

昨日、面接は一応無事に終わる。 詳細についてはまたいずれ。

面接後、靖国神社や神保町の古本街を歩く。 慣れない革靴のせいで、足の指先に水ぶくれができる(3つ)。

夕方、いったん兄夫婦の家に戻り、 それから新幹線に乗って京都へ。 重い荷物にひいひい言いながら下宿に着いたのは真夜中。

今回、兄夫婦には大変お世話になった。 感謝感激。


お昼過ぎに起きる。

喫茶店でミックスサンドのセット。 ジャンプ、サンデー。 う。先週号のジャンプを読みそこねている…。


何か一言


12/03/98 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

早朝

修論が進まん。あせる。


今日の天声人語、おもしろい。商品券の話。


朝、喫茶店でモーニング。マガジン。チャンピオン。プレイボーイ。

それから下宿に戻って洗濯機を回してから寝る。

昼下がり、起きて洗濯物を干し、風呂に入り、大学へ。

5コマ目、名和先生の本年度最後の授業。 Transborder Data Flow (越境データ流通)と、 情報通信学会の倫理綱領の話。


倫理学入門読書会(「方法と道徳理論」その3)終わり。 直観の役割に関して紛糾。腹減った。


読書会後、数人で某定食屋へ。カキフライ。


お客様の熱い要望にお答えして、 兄にデジカメで撮ってもらった スーツ姿のこだまの写真を。

ただし、おれは自分で言うのもなんだが、 大変恥ずかしがり屋なので、 肝心の部分(←ってどこだ?)にはマスクがかかっていたりします。 悪しからず。


何か一言


12/04/98 (Friday/vendredi/Freitag)

昼下がり

昨夜は遅くまで某E研でうだうだ。

真夜中に下宿に戻り、筒井康隆の『串刺し教授』を読了し、 お昼過ぎまで爆睡。いかんいかんいかああん。

起きてから大学に行き、ベンタム読書会。


ロック読書会。 観念連合のお話。


読書会の後、某さんや某くんや某くんたちと連れ立って中央食堂に行く。


何か一言


12/05/98 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼前

久しぶりにまとまった雨が降っている。少し濡れる。


お昼

某師匠に電話して起こしてさしあげる。 携帯に2回、自宅にある電話に1回 :-)


お昼過ぎから、某学相(内外学生センター)にて 『実践哲学研究』 の合評会。 某先輩の論文と某先輩の論文の批評。 某師匠もいらしていて、少人数であったが、割と盛り上がる。

終わってから、某飲み屋で鍋。 大した話はなし。

帰りぎわ、 店のカウンターで飲まれていたある先生に、 「日記読んでますよー」と言われる。 いやいやいやいやどうもどうもどうもすみませんすみません。

その後、 遅れて参加された某先輩に頼んで、 先輩の車でコンピュータを下宿まで運んでもらう。 超感謝。 ついでにまた大学まで送ってもらう。超感謝。


(下宿にて)

古本屋に寄ってから、下宿へ戻る。

帰ってからすぐに、コンピュータを立ち上げてみる。 muleが動かないので、某師匠に電話して教えを乞い、 なんとか動くようになる。

モノクロのストイックな世界。 まあそれはそれでいいのだが、 この98のキーボードは、ctrlキーが小さく、 しかもその隣にcapsキーがあるので、 非常にやりにくい。 ま、いずれ慣れるか。


何か一言


12/06/98 (Sunday/dimanche/Sonntag)

emacsの調子が悪い。 下宿から持ってきたディスクの中のファイルも一つ壊れている。 しくしくしく。

大学へ来るついでに、銀閣寺へ行ってくる。 紅葉がきれい。しかし人が多いのでうんざり。 特に、いたるところで写真を撮っている人が邪魔。


何か一言


12/07/98 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (下宿にて)

ぐわ。手違いでデータが一部消えた。

昨日は買物をしてから下宿へ。 某古本屋と、 某スーパーと某ディスカウントストアに寄る。

それからおでんを作って食べる。

おでんを食べながら読み始めた山田正紀の 『神狩り』を、 勉強もせずについ最後まで読んでしまう。 読ませる力はあるのだが、展開が地味なので今いち。 主人公の暗い雰囲気がヴァン・ヴォークトの作品を思わせる。 『弥勒戦争』も面白いらしいのでそのうち読もう。


朝 (下宿にて)

ぐわ。またゴミを出しそこねた。

今日は午後から大庭健先生の集中講義に出席する予定なので、 今のうちにちょっとでも修論の勉強をしておこう。


お昼前 (大学にて)

バンドのドラマーに前のライブのテープを渡すために、 大学の中央食堂で待ち合わせ。 それから二人で喫茶店へ。モーニング。 彼も司法試験の勉強で大変らしい。


昼下がり

大庭先生の集中講義、始まる。 メタな話をされるそうなので、 なるべく多く出席したいが、 修論のこともあるので全部出席するわけにもいくまい。 非常に残念である。


夕方

本日の集中講義終わり。


何か一言


12/08/98 (Tuesday/mardi/Dienstag)

昼下がり

お昼過ぎまで寝てしまう。いかん。

夜、おでん。次は鍋か。


鍋妄想

A: 「次は石狩鍋にするか」

B: 「石狩鍋って、普通の鍋に鮭が入ってるだけですか? だしとかも違うんですか?」

A: 「そうそう」

B: 「下の方にラーメンが入ってたり?」

A: 「あはは。そうそう」

B: 「それでそのまた下にアイヌ人が隠れてたり?」

A: 「あ。また差別発言が出ました。 カットカットカット。 はいあなた退場退場退場。 しばらくそのままでお待ちください。…。 あっ。おまえ、食卓の上に海老の殻をそのまま捨ててるな」

B: 「だって。他にどうしろと」

A: 「あ。そうか。 やはりあの、魚の骨とかを入れる用の入れ物を買って来ないとだめか。 あの入れ物、なんて言うんだったけかな」

B: 「骨壷」


大学へ来る途中、いつもの喫茶店へ。 喫茶店でカレーセット。 ジャンプ。

その後、 倫理学研究室へ。


夜 (下宿にて)

某E研にちょっと寄ってから、下宿へ。

下宿でおでんのたねを足す。これから勉強。

一句: 言うことはいろいろある気がするのだが、 師走になっても書けない修論


夕ごはん。おでんに味がなかった。しくしくしく。


何か一言


12/09/98 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (下宿にて)

おでん食う。

うう。書けん書けん書けん。死ぬ。うう。 いろいろな本を読んでみたり。うう。

まだアドレナリンが出ていないのか?

少し寝よう。


昼下がり (下宿にて)

といって、爆睡してしまう。 何度か目覚めつつ、いろいろな夢を見る。 最後に見ていたのは、 野外のライブステージでオーティス・レディングの「アーメン」 を「ラーメン」と言い換えて歌ってるところだった。 わけわからん。


宵 (大学にて)

ちょっと勉強してから、喫茶店へ行き、ホット・オーレ。 サンデー、マガジン。


母さん、母さん、 泣いてる母さんが多すぎる
兄弟、兄弟、兄弟、 死ぬ兄弟たちがあまりにも多すぎる
愛をもたらす方法を見つけなきゃ

父さん、父さん、 これ以上やる必要はないよ
戦争は答えじゃないだろ
だって、憎しみに打ち勝つことができるのは愛だけなんだから
愛をもたらす方法を見つけなきゃ

ピケ線とピケの合図
暴力をふるうのはやめて
話をしよう、そしたらわかるはずさ
何が起きてるのか、どうなってるのか
何が起きてるのか、どうなってるのか

(Marvin Gaye, What's Going On)


某居酒屋で大庭先生を囲んで歓迎会。 ここにはとても書けない話で盛り上がる :-)

大庭先生がおれの飲食代を払ってくださる。 前の現倫研のあれとのこと。感謝感謝。


道徳はダサいか

大庭先生の言うように、 一般には「哲学はナウ」くて、「道徳はダサい」のだろうか。 おれはむしろ、道徳だけに限らず、 議論すること一般がダサいと考えられてると思うのだが、 どうだろうか。 (しかし、「ナウい」「ダサい」という表現自体がすでに死語となりつつある気がする)

道徳はダサいが哲学はナウい
道徳も哲学もダサい
道徳はナウいが哲学はダサい
道徳も哲学もナウい

考えられる理由など

/


何か一言


12/10/98 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

夕方 (大学にて)

お昼過ぎに起きる。

ちょっと修論を書いて、 喫茶店でピラフセット。


最近では、「ダサい」「ナウい」とは言わずに、 「イケてる」「イケてない」とか、 「イン」「アウト」などと言うとのこと。


倫理学入門読書会(「方法と道徳理論」その4)終わり。 SF的な例の危険性など。 次回は1月14日(木)から。 今回でコンパニオンは卒業して、 次回からは、 以前某先輩から勧められ、今回、 大庭先生も推奨されていた `Toward Fin de siecle Ethics: Some Trends' を読むことになる。楽しみ。

あの。誠に申し訳ないのですけれども、 ns.eic.の方、 2通目のメイルの内容を簡単にで結構ですので、 もう一度送ってもらえませんか? 手違いで失われてしまったのです。 すみません。


さて、ここで問題です。 ヘーゲルの『法哲学』の序文には、 有名なミネルヴァの梟が登場しますが、 ミネルヴァの梟は一体何をするのでしょうか。

ミネルヴァの梟は……

  1. 二度ベルを鳴らす
  2. 金髪がお好き
  3. 暮れそめる黄昏をまって飛び立つ

KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Nov 5 21:51:03 JST 2015