2005年1月号 / 2005年3月号 / 最新号

こだまの世界

2005年2月号

30年前、すべての倫理学者……は、 アウトサイダーであり、よそ者であり、既存の体制を批判していた。 彼らの話し方は耳慣れないものであり、研究歴も奇妙だった。 野蛮人というよりは地球外生物に近く、 エーテルの領域から医学と科学という現実の世界に落下してきたのである。 だからこの出会いがおもしろくならないわけがなかった。 善良な医師たちが悪しきパターナリズムに陥っていると非難することは、 明らかにマナー違反で意地の悪い行為だった。 また、米国の進歩の推進者である科学研究者が倫理的に不正な行為をしているとして 烙印をおすことは、侮辱であり、愚かであり、危険でさえあった。

---アルバート・ジョンセン「なぜ生命倫理学はこんなにつまらなくなったのか」


主な話題


01/Feb/2005 (Tuesday/mardi/Dienstag)

寝坊。目覚しが鳴ったのに気付かなかった。

真夜中

郵便局で某校正を速達で出してから、午前中に大学へ。 午前中は雑用で終わる。某氏らと昼食を食べたときに、 左右別の靴を履いてきたことに気付き (両方とも茶色なので家を出るときには気付かなかった)、 あわてて家に帰る。

午後も雑用で終わる。昼下がりから某ミーティング。 法の基礎の勉強と、某改訂ゲノム指針の勉強。夜まで続き、 グロッキーになる。さらに某授業の相談。

夜、某氏と同僚と一緒に居酒屋で飲み喰い。 良い人たちばかりなので、楽しく飲むことができた。 ビール一杯、日本酒少し。ほろよいで帰宅。


02/Feb/2005 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昼下がり

二度寝したが早起き。午前中は某勉強会。某氏らとお昼を食べたあと、 「法と道徳」という古き良きテーマについて少し勉強。 思えば卒論のときからこのテーマに取り憑かれている気がするが、 いまだにたいした知見が得られたわけではない。 しかし、昔に比べると、個人的に納得すれば良いというレベルの話ではなく、 他人にも「(法とは区別される)倫理の必要性」を説明しなければならない という差し迫った問題になっているので、一層本気で考える必要がある。

Encyclopedia of Bioethicsの`Law and Morality'は参考になったが、 法と倫理の複雑な関係を述べるだけで、 倫理のdistinctivenessがわからないのが困る。 Encyclopedia of Ethicsの`Legal Philosophy'もそう。 法と倫理の関係と言うと、 基本的に法実証主義対自然法論 (法が道徳的であることは法のvalidityの必要条件かどうか)と、 法による道徳の強制は認められるかという話が中心になるわけだが、 これでは「なんで法だけじゃなく、倫理も必要なの?」 という問いに対する答としては不満足なものになってしまう。 『医療倫理Q&A』も簡潔でわかりやすく説明されてあるものの、 同様の不満が残る。

話は変わるが、ハンセン病療養所の話はちゃんと研究しなければならない。 こないだの日本生命倫理学会での発表を聞いていて思ったが、 米国の生命倫理におけるタスキギー梅毒研究の位置を、 日本の生命倫理において占めうるような事件として扱うべきだろう。たぶん。

「法と道徳」という古き良きテーマについて、少し文章を書いてみる。 それだけで午後はつぶれてしまった。う〜ん。

なんだかすでに週末のような気分なのだが、考えてみると、 水曜と木曜の授業がないことが主な原因であるようだ。 呆けてないで勉強しよう。

夜2

ジムに行ってワークアウト。エアロバイクを10分全速力でこぐと相当疲れる。 体が硬くなってきたのでストレッチもきちんとやること。

鏡で自分を見るのはあまり好きではない。 書いてからしばらく経った自分の論文を読むのも好きではない。 しかし、自分を直視しなければならない。 他人を批判する前にまず自分を批判せよ。 他人を批判するときは同時に自分を批判せよ。

真夜中

日付が変わるころまで研究室で文献検索。 腐るほど出てきて困る。帰宅して新聞。


03/Feb/2005 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

二度寝したがなんとか早起き。

昼下がり

午前中は雑務と、再び法と道徳についていろいろ考える。 弁当を買って帰宅し、少しシエスタ。 毎日こういう風に生活できるとよい。

今日は節分だそうだ。

夕方

ふたたび臓器移植の調べもの。 Medical Humanities という雑誌が前から気になっていたのだが、 人文系から医療に物を申すという、某COEのコンセプトのような雑誌のようだ。

それにしても、ネットで文献検索できるようになって、 便利だなあ(できない文献もあるが)。 ますますアームチェア・フィロソファーになりそうだ:)

真夜中

夜まで研究室で調べもの。その後、帰宅して鍋。 それから上に引用した加藤・飯田・坂井先生のインタビュー記事を読む。 おもしろい。 とくに加藤先生のしゃべりは往年のビートたけしを思わせるおもしろさだ。

さて、もうそろそろ寝て、明日もがんばって勉強しよう。


04/Feb/2005 (Friday/vendredi/Freitag)

四度寝ぐらいしてしまう。しかし、よく寝たので元気。

真夜中

午前中に大学へ。一日中雑務。 夕方に臓器調達(organ procurement)の文献検索を再開。 夜、4年生(関西では4回生)に教室紹介。そのあと、大阪から来た某友人と、 同じく大阪から来て今は東京で働いている某友人と某所で飲む。 ビールをジョッキで4杯。いささか酔っぱらう。


05/Feb/2005 (Saturday/samedi/Sonnabend)

早朝

早起き。昨晩よく飲んだせいか、 夜中に目覚めてしばらく寝られなかったが、それでもよく寝た。 某友人も泊まる。

夜中

朝、某友人を連れて大学を少し案内。 その後、朝から夕方まで某授業に参加。 少しの内職と少しの手伝い。 夜、某氏らと飲み会。居酒屋で某学生がバイトしていて驚く。 ビールを一杯と、焼酎を二杯。

疲れた。早起きして勉強するか。


06/Feb/2005 (Sunday/dimanche/Sonntag)

と思ったが、5:00, 6:00, 7:00, 7:30, 8:00と目が覚めたが8:20まで起きられず。 今朝は寒かったのも原因のようだが、甘えてはいけない。

某授業のため、大学へ。

朝から夕方まで某授業に参加。少し聴講、少し内職、少し居眠り。 夜、適当に食事を済ませてから帰宅。眠い。

メモ: 東大の全教員数は約4200人、全職人数は約3300人で全部で約7500人ほど。 学部生は約15000人、大学院生は修士と博士がそれぞれ約6000人ずつぐらいで 研究生等と合わせると約13000人。 7500人と15000人と13000人を足すと約35500人が本郷・駒場などにいることになる。

夜2

寛容について

先日からちょっと寛容について考えている。 ふたたびメンダスの『寛容と自由主義の限界』を繙いたり。 「寛容の問題は多様性という環境において生じる…。 多様であるというそのこと事態が否認や嫌悪や憎悪を引き起こす ようなものであるとき、寛容が要求される」(翻訳13頁)。

オレらは他人と違った風になりたいと考える一方で、 あまりに違った人々、 ヘロドトスの「親族の遺体を食べる人々」に対しては嫌悪感を抱く。 この嫌悪感が曲者で、「私にはあなたたちを迫害する権利がある。 なぜなら、私は正しくて、あなたたちは間違っているから」 (ボシュエ、上記翻訳11頁)のように、 嫌悪感は一見して真理に基づくものであるように思われてしまう。 あなたのやり方は間違っており、それゆえわれわれに嫌悪感を抱かせる、 それゆえわれわれの嫌悪感は正当なものであるから、 あなたたちはやり方を変えるべきだ、と話が進むわけだ。 同性愛も然り、異なる人種間の恋愛も然り。

しかし、 他者に危害を与えないかぎり、 人々は自由に行為できるという原則に立つ自由主義者であれば、 異なった人々のやり方を寛容するかどうかを 「嫌悪感が真理に基づいているかどうか」という基準に求めるべきではなく、 あくまで「他者に危害を与えているかどうか」に求めるべきだろう。 危害と嫌悪感の両者を判然と区別することができるかどうかが これまた問題になるが、とはいえ寛容の理論的限界を立てる必要がある。

というのは、不寛容も悪であるが、寛容でありすぎることもまた悪だからだ。 アリストテレスの「中庸としての徳」を借用すれば、 寛容も中庸であって、何でも自分と異なるものを許さないのは不寛容であり、 明らかに危害であり許すべきでないことも許してしまうのは寛容ではなく○○である (○○には何が入るべきか。うまい言葉を思いつかない)。 それゆえ、自然に有徳な行為ができるほど成長していないオレのような人間としては、 嫌悪感から許せないと思ったときも、 逆にとりあえず寛容であるべきだと思ったときも、 直観をよく見直してみる必要がある。 そして当の行為が危害をもたらさないと判断した場合には寛容であるべきだし、 危害をもたらすと判断した場合には寛容であるべきではないと 判断しなければならない。


07/Feb/2005 (Monday/lundi/Montag)

昨晩は早く寝たのに早起きできず。たるんどる。

メモ: 法と倫理について、言語とのアナロジーで。 倫理について学ぶというのは、 日本語を母語とするものが、日本語講座に出るようなもの。 すなわち、日常ほとんど無意識に使っているので、 一から学ぶというわけではないが、 どこか問題を感じるとか、もうちょっと洗練させたいという理由で学びに来る。

法と倫理: 法もわれわれの生活全体の枠組を作っているが、 一般的に言えば、法は倫理の最低限であり、 いわば常用漢字のようなもの(英語ならBasic Englishか)。 倫理的な行為をする上で関連法は必ず知っておくべきであるが 倫理が法に尽きるわけではない。 (自由主義社会においては法がなぜ常用漢字しか提示しないかの理由)

直観と体系的な思考法: 日本語も倫理も直観的にだいたい正しい答えが出せるが、 日本語に文法や慣例など使い方のルールがあるように、 倫理にも考え方のルールがある。 外国語を学ぶかのように日本語を見つめ直すのと同様、 倫理も見つめ直す必要がある。

真夜中

(記録するのを忘れていたので記録)

お昼前に大学に行き、いろいろ仕事。 某サーベイ論文用に文献を調べたり。

夜、某同僚の先生と、某氏と一緒にうどんすき。 そのあと、ダーツバーに行ってダーツをやった。 ビリっけつになる。


08/Feb/2005 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中

今朝も二度寝か三度寝して、9時過ぎにようやく起きる。 しばらく勉強したあと、勉強会があるので急いで大学へ。 朝は某勉強会(ギリック裁判、倫理委員会)、 お昼を食べて昼下がりから夜まで某ミーティング (守秘義務・個人情報、医療資源の配分)。

夜、ジムに行ってワークアウト。お腹を空かせて行ったせいか、 終わったあとシャワーを浴びようと待っていたら、 本当に貧血で倒れそうになる。 かろうじて倒れずに済んだが、やばかった。 そのあと購買部に行き、おにぎりを食べる。

夜中、同僚の某氏らと一緒に居酒屋で楽しく飲む。 そういえば昨日も飲んだな。明日はやめておこう。

帰宅してから少し勉強。もう寝よう。


09/Feb/2005 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

時間通りに早起き。汗をかいて寝るのがよいようだ。

真夜中

今日は朝から夜まで某卒論生の相手。 つかれて帰宅し、まもなく寝てしまう。


10/Feb/2005 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

半日近く寝てしまう。今日もがんばろう。

欧州は米国の生命倫理学に対抗して自分探しをして、 尊厳(および不可侵性と傷つきやすさ)、連帯、予防など、 思考のフレームワークとなる価値観を主張している。 日本はどうだろう。

お昼すぎ

お昼前に大学へ。某氏らと昼食。

メモ。先日気がついたが、 企業倫理における内部告発の問題は医療においても存在するわけだが、 それよりも類比性が高いのは、 医療者の守秘義務がいつ解除されるかという問題のようだ。 たとえばタラソフ事件、 HIV患者のパートナーに本人が知らせることを拒んでいる場合にどうするかなど。

真夜中

昼下がりまでは某卒論生の面倒を見る。 夕方は雑務。夜は某授業。今回で最後だったので、終了式でビールを飲んだり、 下手なスピーチをしたり。終わったあと、同僚の人々と研究室でさらに飲む。 今回もピザを注文したが、どうもいつも大学内で迷うらしく、 食べるときにはすでに冷たくなっている。もう注文するのはやめよう。

ワインとビールで酔っ払って帰宅。眠い。


11/Feb/2005 (Friday/vendredi/Freitag)

夜明け前

深酒(というほどでもないが)をすると、早目に目が覚めてしまう。 まだ夜が明けてないが、ついでだし勉強するか。

午前中は某卒論生の発表原稿に手を入れ、少し寝る。 お昼ごろに大学に行き、夕方まで某卒論発表の予行演習。

勉強する気にならなかったので、そのあと某マンガ喫茶へ。 いろいろ少年マンガを読む。

少年マンガを読んでいると、自分の中の動物性を感じるが (ここで、動物性とは、合理性に対比して用いている。 闘争や死、友情についての物語を読んでいると、 さまざまな感情が引き起こされるというぐらいの意味)、 それを通じて考えるのは、 「自分は理性的である前に動物なんだ」という悟りではなく、 「自分の中にはたしかに動物性があるが、 それでも自分は動物的感情に従うこともできれば、 従わないこともできる自由な存在なのだ」というサルトル的悟り。

「人間はみずからつくるところのもの以外の何ものでもない」(サルトル)

サルトル先生、ありがとうございます。

ついでに、昨日のスピーチで使ったデューイ先生のお言葉も。 「教育の目標は、自ら学び続ける能力を身に付けることである」。

真夜中

日付が変わるころまで大学で臓器売買関係の文献の調査。 たくさんありすぎて終わらない。どうしようか。

弁当を買ってから帰宅。新聞を読んだら寝よう。


12/Feb/2005 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼

なんとか午前中に起きる。昨晩遅く食事したせいか、なかなか起きれなかった。 規則正しく生活しよう。

明石市の吉野屋で「牛丼を出せ」と酔っぱらい(26)が店員に暴力を振るい、 暴行容疑で現行犯逮捕されたとのこと。 容疑者は「牛丼がどうしても食べたかった」と供述しているそうだ。 突き飛ばされた店員は気の毒だが、 おもしろい話だな。そのうち、吉野屋の店員を人質を取ってビルに立てこもり、 「牛丼を出せば店員を解放する」とか、 飛行機をハイジャックして「吉野屋の牛丼と引き換えに人質を解放する」 と要求するなどの事件も起きるかもしれない。起きないか。

昼下がりに大学に行き、サーベイ論文用の勉強。 論文が次々に出てきて終わらない。

夜、ジムに行ってワークアウト。

弁当を買ってから研究室に戻ってくる。さて、勉強しないと。

真夜中

う。いろいろ調べものをしていると、もうこんな時間。 非常に冴えてるとき(?)は、 連想ゲームのようにどんどん思考が別の方向に飛んでいってしまう。

真夜中2

日付が変わるころまで勉強。そのあと、 某氏に連れられて上野の某ドンキホーテに行き、 いろいろ買物をする。 「タタキ式マッサージャー」 というものも安いのでつい買ってしまった。

帰ってからさっそくマッサージャーを試してみて、 これが自分の人生に欠けていたものの一つであったことを悟る。 といってもまあ、そんなに効かないかもしれないが。 ジムに行きだして少しましになったが、 首の凝りは数年前に親知らずを一本抜いて以来、どうにも良くならない。 いつも首を引っ込ぬいてオーバーホールできればいいのにといつも思っている。


13/Feb/2005 (Sunday/dimanche/Sonntag)

昨晩は遅寝したが、なんとか午前中に起きる。 洗濯してから大学へ。

少しだけ某卒論生の面倒を見てから、某喫茶店に行き、 某論文を読む。 それからまた研究室に戻ってきたが、何だか眠い。 風邪かな?


14/Feb/2005 (Monday/lundi/Montag)

真夜中

今日は朝から夕方まで某審査会。うつらうつらしながら発表を聴く。 人の発表を聞くよりも、自分の論文を書かないといけないのだが。

疲れていたので早目に帰宅。夕食は某所でピザその他。


15/Feb/2005 (Tuesday/mardi/Dienstag)

夜中

今日も朝から昼下がりまで某審査会。内職しながら発表を聴く。

昼下がりから某ミーティング。守秘義務、医師法・医療法の勉強。

夜、某教授のスライドの修正。 パワーポイントの使い方講習会を開く必要があるな。

某所で丼を食べてから帰宅。なんとか病棟24時を見る。 松嶋奈々子が気の毒で少し泣く。

夜中2

エルトン・ジョンの`Tiny Dancer'という曲をラジオで初めて聞いた。 1971年の曲か。すごいな。出だしがかっこいい。

真夜中

一昔前
あんたはきれいに着飾って
乞食に金をくれてやり
最高の気分だった
そうだろ?

みんなが忠告してた
「お嬢さん、気をつけな。
あんたはそのうち墮ちてくぜ」
だけどあんたは思ってた
みんなふざけてるんだろうって

あんたは昔は笑ってた
街をふらつくやつらのことを
今のあんたは大声でしゃべらない
今のあんたは誇らしげに見えない
食べ物探してゴミをあさってるその姿は

どんな気持ちだい?
ねえ、どんな気持ちだい?
一人ぼっちになるってのは?
誰にも見向きもされないってのは?
転がり石になるってのは?

---Bob Dylan, `Like a Rolling Stone'


16/Feb/2005 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

夜明け前

寝ていたらけっこう大きな地震。東京23区は震度3だそうだ。 もう少し大きいんじゃないかと思ったが。 大丈夫そうなのでまた寝よう。

真夜中

朝、目覚しに気付かず、寝坊したが、なんとか朝の勉強会に間に合う。 午後は雑用をしていたらいつのまにか終わってしまう。何をしてたんだろう?

夜、ジムで少し汗をかいてから、お茶の水で某氏らと飲む。 ビールと日本酒。いろいろ話してから帰宅。

う〜、勉強せんとやばい。早起きしてがんばれ。


17/Feb/2005 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

意志が弱くて早起きできず。がんばれ。

お昼

コーヒーを飲む人は、肝臓がんになるリスクが低いという記事。 しかし、ここにも書いてあるように、因果関係があるのかどうかはまだわからず、 単に肝機能が低下している人がコーヒーを飲むのを避けるからこういう相関が出た というだけかもしれないとのこと。 因果関係の推定については重々気をつける必要がある。

真夜中

お昼前から大学。お昼すぎから夕方まで某雑務。 疲れたのでしばらく呆けたあと、夜は某サーベイ論文の作業。 もう間に合わないかも。さきほど帰宅。


18/Feb/2005 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

今朝も寝坊。たるんでる。お昼前に大学に寄ったあと、 研究会があったので横浜へ。 ランドマークタワーで行なわれていた某研究会に遅れて参加。

下の文章は某研究会に出る前に喫茶店で書いたメモ。

研究会があるので、ひさしぶりに横浜の桜木町に来た。ライブドアのメディア 買収の件が産経新聞でも問題になっているが、日本もマードックのようなメディ ア王が登場するということなのだろうか。産経新聞が新聞や放送は経済的利益 だけでなく、公益のために働く特殊な職業だと主張しているのはおもしろい。 国家は自国の国益のために、報道は公益のために、というわけか。

経済的合理性という言葉も紙面にあった。今、医学研究や医療の場における利 益相反が問題になっているが、個人の私益の追求が肯定されている社会では、 ある職業の使命と経済的合理性の対立というのはどこでもあるものだ。医学の 目的が人々の健康の回復と増進にあるとはいえ、研究者も良い暮らしをしたい し、大学病院も経営を成り立たせなければならない。患者を第一に、金は第二 に、と主張されるが、本当にそれが可能なのだろうか。

某研究会のあと、懇親会にも参加。焼き鳥屋に入ったところ、 となりに座っていた某先生もフィッシュ・ベジタリアンであることが判明する。 ビールと日本酒を飲み、酔っ払う。一次会で解散したので早々に帰宅。 つかれた。


19/Feb/2005 (Saturday/samedi/Sonnabend)

なんとか起きる。

昨日の某研究会は「幸福と社会科学」 というちょっと怪しげなタイトルだったが、 food for thoughtになった。 以下メモ。

発表の一つでは、 「先進国の人々が経済的には裕福になったのに後進国と比べて 幸福な人々の割合が多くない理由」 は、仕事で忙しくて人間関係が希薄になったからだという主張がなされていたが、 どうもそれだけではない気がする。老いとか病とかだけでもないんだろう。

自己実現(whatever that means)すれば幸福になるのか。しかし、 自己実現は蝶のようにある日突然起こるわけではなく、 一生涯かかるようなプロセスなんだろう。 とすれば、本人は自分が自己実現したことには気付かず、 『ニコマコス』にあるように、 死んだあとにしか幸福かどうかはわからないことになろう。

幸福が、欲求の充足を指すのか、徳のある生活を指すのかも区別しないと いけないだろう。ブタとソクラテス。

夜中

雨。朝から大学に行き、某仕事を少し手伝う。某サーベイ論文も少し進める。

研究の来し方行く末

昨日、今日と自分や他人の研究環境について考える機会が多かったので、 少しメモ。 研究環境については、大学院のころから現在に至るまで、 非常に幸運だったと思う。 良い先生と良い先輩、良い同僚と良い後輩に恵まれ、 理不尽な目に遭うことはほとんどなかった。

(もっとも、他人を理不尽な目に遭わせたことは何度かあったかもしれない。 家族を含め、周りの人にはいろいろとお世話になりまた迷惑もかけてきた。 ここに謝意(sorry and thanks)を記しておく。それぐらいでは足りないだろうけど)

学振のおかげで博士課程以降はバイトをせずに済んだし、 研究テーマを指示されることもなかったし、 厳しい非常勤生活(一応、覚悟はしていたのだが…) を経験することなく就職することもできた。 これは某名誉教授や某助教授のおかげだが、 そもそもは哲学科の他の教室ではなく倫理学教室を選んだという幸運も大きい。 倫理学教室を選んだときは、 博士課程後の就職のことなどこれっぽっちも考えていなかったので、 まさに幸運としかいいようがない。

まだまだ幸運と思うことはたくさんあるのだが、 これ以上書くと誰かに刺されるか、 大地震が起きて日本が沈没しそうなのでここらで止めておく。

あえて悪かったことを書けば、フルブライトに落ちたことと、 去年、科研費の申請が不合格だったことぐらいだろうか。 しかし、フルブライトに落ちたから英国に行き、 その結果(?)今ここにいるわけで、 米国に行った方が良かったのかどうかはわからない。 科研費の件も結局はプラスに働くかもしれない。

話がそれたが、 周りの人々の好意と社会の税金によってこれだけ良い研究環境を もらっているのだから、まともに研究をしないとバチが当たるというか、 恩知らずになる。 研究成果を上げるにはコツコツとやるしかないのだから、 朝眠いとか甘えたことを言っていないで、しっかりがんばろう。

ついでに言うと、 生命倫理(医療倫理)を選んだのはミス・チョイスだったという意見も 何人かの先生や知り合いからいただいたが、 「思想史」として功利主義やベンタムを研究する職に就くよりは、 ずっとリアリティを持って功利主義を考えることのできる職場に来たと思う。 この職場で教育・研究をするにはまだまだアジャストすべき点が多いが、 この良い環境でうまく行かなければどこでうまく行くだろうか(修辞疑問)。 精一杯研究しよう。

真夜中

産経ではライブドアが相当悪者に書かれているが、 岡田民主党党首が「批判は明らかにおかしい」と主張しているように、 本当に悪者扱いすべきなのかどうかはよく考える必要がある。 今回の件や、朝日とNHKの件で、 自称「公器」たる新聞の偏向について考えさせられた。


20/Feb/2005 (Sunday/dimanche/Sonntag)

やはり早起きは難しい。

真夜中

朝、大学に行き、某授業の準備を少し手伝う。 昼から虎の門に行き、某研究会に参加。 民主主義とか市民参加とかおもしろい話題だった。 夜、飲み会に参加してから帰宅し、明日の勉強会の準備。


21/Feb/2005 (Monday/lundi/Montag)

真夜中

早起き。お昼前から夕方まで某研究会。お昼、 某教授に付いて書籍部に買い出し。

夜、しばらく某議論に参加してから、ジムへ。 5分歩いて15分走る。そのあと少しだけワークアウト(時間切れ)。

そのあと、ちょっとのつもりで立寄ったマンガ喫茶で5時間過ごしてしまう。 罪悪感。まあ、先週は週末もなかったし、しばらく映画も見てないから、 たまには息抜きをしてもいいだろう。 明日は早起きしてがんばろう。

ていうか、晩ごはんを食べなかったな。よくない。

「毎日同じ主義綱領を語ったり、聴いたり、同時に日常底に用いたりするので なければ、人は容易にその主義綱領を我物となし得るものではないということ を知らねばならない」(エピクテートス、岩波下巻、240頁)。 いつでも思い出さなければならない言葉。腕にでも刻んでもらうか。

マンガ喫茶に行き、タバコ臭くなった。それとは別の話だが、 分煙化がいっそう進むと、 タバコは「仕事をしながら吸う」 「マンガを読みながら吸う」 というものではなくなり、トイレと同じように、 というかまさにトイレの隣に喫煙用個室ができ、 そこで吸うようになるんじゃないか。 そうすると、一家がタバコを吸う家だと、 「パパ、朝はタバコ室では新聞読みながらタバコを吸うのはやめてよ」 とか、「パパ、わたしも吸いたくてたまんないんだから、早く出てよ」 とかいう会話がかわされるようになり、 外でも、「まあ、あの人、立ちタバコしてる。恥ずかしい」とか 「まあ。まあ。この電柱見てください。 まあ。こんなにタバコの吸いがらが。民度が知れますね」 とかいうことになるかもしれない。 あれ、筒井康隆がそんなこと書いてたかな。


22/Feb/2005 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中

朝起きて大学へ行き、勉強会。 お昼を食べたあと、某ミーティング。

夕方以降、疲れて勉強する気にならないので、 同僚と食事をしながら雑談。眠い。


23/Feb/2005 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昼下がり

朝、寝坊して某研究会に少し遅刻。反省。 しばらく雑務をしてから遅い昼食を食べる。

メモ。文章は簡潔に。一文一文が簡潔であるだけでなく、 全体的にも簡潔に。Cut to the bone.

産経抄でまたライブドア叩きをやっている(そういえば、 産経抄は去年末ぐらいに筆者が変わった)。 堀江氏は自己中心的な現代っ子の代表として目の敵にされ、 「経済活動においては法さえ守れば倫理は必要ない」 と考えているのでけしからんとされている。

こないだも少し書いたが、 産経のスタンスは「個人は国益のために行動し、政府も国益のために」 というものだ。 すなわち、産経的な優先順位は、
(1)世界の利益<国益
であり、かつ
(2)自己利益<国益
である。(自己利益と世界の利益の関係については不明)

(1)については、 「現実主義的視点」から「国連は自国の国益のために利用するものであって、 それ以上のものではない」と主張されるが、 (2)については、 堀江氏のように 「国家(法)は自分の利益のために利用するものであって、 それ以上のものではない」という(現実主義的な)主張は認めず、 あくまで個人は国家や社会を中心に据えて生きるべきだと考えられている。

一見したところ、産経は一貫していない主張をしているように思える。 これに対して、愛国主義を是認する産経からのありえそうな反論は、 「親と同じで、国によって育ててもらったのだから、 国に尽くすのは当然。しかし、国連や他の国によって育ててもらった わけではないから、自国よりも国連や他の国の利益を優先するというのは、 自分の親よりも他人を優先するようなものだ」というようなものだろうか。 しかし、これだと、一国のレベルにおいても、 日本という国や国内の赤の他人よりも家族や友人や社員を優先すべきことになり、 堀江氏の行動は正当化されることにならないか。

あれ、だんだんシンガーの話になってきた。

昼下がり、帰宅ついでに爆睡してしまう。夜からまた大学へ。 しばらく雑用。勉強せんとやばい。

夜中

夜、食事を買いに出かけたところ、財布を忘れて研究室に戻るハメに。 面倒なので食事を買って帰宅してしまう。

真夜中

ぼーっとしていたらもうこんな時間だ。

どうでもいいが、「スーパーフツウ」ってすごいな。 いや、某銀行の口座の種類の名称なんだけど。

BBCラジオで聞いたジョーク。 「結婚する前にセックスをするのはよくない。 なぜなら結婚式に遅れるかもしれないから」。


24/Feb/2005 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

お昼前

遅起き。昨日夜更ししてしまったのがよくない。反省せよ。

少年虐待容疑がかけられているマイケル・ジャクソンの裁判の陪審員に、 黒人が一人も含まれないとのこと。それはまあいいのだが、 新聞の書き方が少し気になった。 「AP通信によると陪審員は20歳から79歳までの男性4人、女性8人。職 業は馬の調教師、准看護師など様々。外見からは白人が7人、ヒスパニック (中南米)系4人、アジア系1人で、黒人はゼロだった」 (読売)。 この「外見からは」というのは何かの直訳なんだろうが、 普通なら「人種」と言うべきところではないのか。 あるいは、黒人なのに白いマイケルに対する皮肉なのか。 それとも、外見上は黒人ではないが、 この「白人」や「ヒスパニック」や「アジア系」は、 実はすべてマイケルのように黒人なのだろうか。

真夜中

お昼に大学に行き、昼下がりまで雑務。 夕方、同僚や学生とバドミントン。 夜は雑談。 まったく勉強しなかったので反省し、 夜中に少し論文を読む。

帰宅しようとすると、雪。やはりこの時期は降るようだ。


25/Feb/2005 (Friday/vendredi/Freitag)

早起き。雪。

31周目。あと何周走れるか。

真夜中

今日は朝から夕方まで某監督。 教員を総動員するよりも、 「パノプティコン型受験施設」を作ればいいんじゃないかとか考えたり。 論文を読んで時間をつぶす。 2ちゃんねるで爆破予告騒ぎがあったようだが、無事に終わった。

夜、同僚のみなさんとたまたま北大から来ていた某先輩に、 31周目の祝いをしてもらう。31周目もがんばろう。


26/Feb/2005 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼すぎ

いかん、午後まで寝てた。堕落だ。

真夜中

夕方から大久保で飲み会。韓国料理。真露をしこたま飲まされる。 タクシーでなんとか帰ってきたが、こんなに酔ったのは初めて。 死ぬかと思った。よく帰って来れた。ほんとに死ぬ。

うげ、キッチンシンクで思いきり吐いた。 そこらじゅうで吐かなくてよかった。死ぬ。


27/Feb/2005 (Sunday/dimanche/Sonntag)

早起き。念のためビニール袋を片手に寝ていたが、何事もなかった模様。 起きてから最初にキッチンシンクの掃除をしたら、 胃酸のにおいで気持ち悪くなる。今度からはトイレできちんと吐こう。

お昼に大学に行くと、ネットにつながらないので食事をして自宅に戻ってくる。 日中なのに猛烈に寒くて驚く。

帰宅後、明日〆切の駄文を書く。ほんとに駄文でダメだ。 サーベイ論文もなんとかしなければ。


28/Feb/2005 (Monday/lundi/Montag)

真夜中

Precious Time

かけがえのない時間は過ぎ去っていく
王様でいられるのは一日だけ
どの神様に祈っても
かけがえのない時間は過ぎ去っていく

どんな道のりを行くにしても
遅かれ早かれ鼓動は止まる
理由も何も、台本もない
涅槃もなければ約束の地もない

だって、かけがえのない時間は過ぎ去っていくから
王様でいられるのは一日だけ
どの神様に祈っても
かけがえのない時間は過ぎ去っていく

ケセラ、なるようになるさと言いながら
死なない方法を探し続けてる
彼女はきれいだがいつか死ぬんだ
生きてるものは亡くなるのが常だから

だって、かけがえのない時間は過ぎ去っていくから
女王様でいられるのは一日だけ
どの神様に祈っても
かけがえのない時間は過ぎ去っていく

そう、この世は残酷で、思いがけない展開ばかり
でも心には炎が宿り、情熱が燃え続けている
死ぬその日までメドレーを歌おう
地獄が凍り、川が干上がるまで

かけがえのない時間は過ぎ去っていくから
女王様でいられるのは一日だけ
どの神様に祈っても
かけがえのない時間は過ぎ去っていく

かけがえのない時間は過ぎ去っていくから
王様でいられるのは一日だけ
どの神様に祈っても
かけがえのない時間は過ぎ去っていく

---Van Morrison

昨夜は『バイオハザード2』を見てから寝た。 一作目の方が怖く、美しかった気がする。 話も衝撃的な展開がなかったように思う。 28Days Laterの方がずっとよく出来ている。 ミラなんとかも強すぎてつまらない。C。

今朝は朝遅く起き、一つ会議をすっぽかしてしまう。 お昼に大学に行き、雑務をしていたらあっという間に夕方になり、 某勉強会。多元文化主義。そのあと、某氏らと夕食。

研究室に戻ってからしばらく勉強したあと、某氏と某所で少し飲んでから帰宅。 DVDを返却に行き、ついでに何本かレンタルしてくる。

何度も自分に言い聞かせる必要があるが、 時間は永遠ではない。大事に生きること。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sun Feb 19 22:55:24 JST 2006