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こだまの世界

2004年9月中旬号

不具の人が、わたしたちをいら立たせることはないが、 不具の精神はいらいらさせるのは、どういうわけだろうか。 不具の人は、わたしたちがまっすぐ歩いていることを認めているが、 不具の精神は、わたしたちの方が不具だというからである。 そんなことでもなければ、わたしたちも可哀そうに思ってやっただろうし、 腹を立てることもないであろう。

---パスカル、『パンセ』


主な話題


11/Sep/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼

昨夜は大学で朝までよく寝た。椅子の上で寝たので腰が少し痛い。

引き続きデザイナー・ベビーの勉強。さっさとやらねば。

メモ。「生命倫理は世俗的な宗教である」。 「〜には倫理上の問題がある」がお題目のように唱えられるが、 「〜には宗教上の問題がある」というのとどの程度異なるのか。 「保守反動的としての倫理」。

お昼すぎ

着床前診断。カップラーメン。

日本の生命倫理の研究拠点と言えば、どこになるんだろう。

とかだろうか。そういえば、 千葉大の生命倫理の資料集がオンラインで見れなくなった気がするが、 あれはどうなったのだろうか。

昼下がり、部屋に戻ろうとするとまた自転車のカギが見つからず、 研究室の中や外を行ったり来たりする。 今回は必ず研究室のどこかにあるはずなのだが、 どこにもない。 仕方ないので下剤を飲んでトイレにでも行こうかと思っていたら、 リファレンスルームに落ちていた。 昨日服を着替えたときに落としたらしい。気をつけよう。

夕方、研究室に戻ってきてからしばらく翻訳し、 ジムに行く。今日は3.5キロしか走れなかった。 ちょっとずつ距離を伸ばすことにしよう。

夜は某海鮮丼を買ってきて食べる。

ふと思ったが、アジアでもEurotransplantのようなものを作れないだろうか。 Asiatransplantか。日本と韓国と台湾ぐらいであれば、 距離が近いし(九大で手術をすればよい)、 物理的には可能なんじゃないだろうか。 日本の法も「本人の明示的な拒否がなければ、家族の承諾で摘出ができる」 という風に改正されれば、 法的にも同じ条件になる(韓国はそういう条件だったと思う。 台湾はどうだったっけ)。 うまく行けばフィリピンなんかも加えると 国際交流も盛んになっていいんじゃないだろうか。 もうちょっとユーロトランスプラントの実際などを調べてみるか。


12/Sep/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

お昼

朝までよく寝る(大学で)。 朝、某氏にちょっと指導をしてもらったあと、 大学病院内にある喫茶店で朝食。

戻ってきてからまた某用語集の勉強。ほんとはベンタムの勉強をすべきなのだが、 あと一息で終わりそうなので、今日中になんとかするか。

最近思うのだが、哲学畑の人(あるいは研究者一般)は、 かなり良心的に注を入れて原典を示すようにするのに対し、 実務家あがりの人は割とソースを示さず、 勝手に人の図表やアイディアを我が物顔で使っているように思える。 おそらく一般化のしすぎだろうが、思い出したのでメモ。

あ、というか、これの問題は、自分が引用したいときに、 当の実務家が最初に言ったのか、 あるいはさらに原典があるのか調べられないところだな。

お昼すぎ

あ、法律や指針を見ているとよく出てくる「フレキシブル・ディスク」 というのが気になっていたので調べてみたところ、 やはりフロッピーディスクと同じ意味だった。

お昼すぎ2

いいかげん、geneとかgenomeとかの意味をきちんと 説明できるようにならなければならない。

夕方まで某用語集の勉強。あと少し。

夕方、ちょっと外でバドミントン。守衛に怒られて退散する。

夜、某氏らとピザを注文して食べる。

A life unexamined is not worth living. 胸に刻め。


13/Sep/2004 (Monday/lundi/Montag)

真夜中(午前)

昨夜は某用語集を一通り完成させてから、某スーパーに寄って帰宅。 素麺を作って食べたあと、 『ブラックホークダウン』を観る。 クリントン政権のときにソマリアに軍を送り、 19人も死んでひどい目に遭ったという話。 イラク戦争のあとにできる映画はどういうものになるんだろう。

リドリー・スコット監督で映像はかっこいい。 主演はジョシュ・ハートネットとユアン・マクレガー。 後者は何のために出てるのかよくわからないが、 映画があまりにシリアスにならないように意図された配役か。 ロード・オブ・ザ・リングのエルフ役のオーランド・ブルームも ちょい役で出ている。『地獄の黙示録』ほど圧倒的ではないが、 けっこう引きこまれる映画だった。B-

お昼前

朝起きる。家で寝ると寝た気にならないのはなぜだ。

昼下がり

朝は用語集と翻訳。昼は蕎麦。お昼すぎからはまた翻訳。 シンガーの翻訳の索引作りもやらないといけない。ふう。

I'm an idealist and proud of it.

昼下がり、シンガーの翻訳の索引作り。途中まで。

それから「公衆衛生の倫理」についての文献検索。しばらく検索したあと、 医図書へ。使い勝手が次第にわかってきたので、なかなか快適になってきた。 欲しい本が見つかるとうれしい。ちょっとコピー。

いったん部屋に帰って着替えを準備してからジムへ。エアロバイクで4キロ、 走って1キロ。あとは腹筋、背筋その他をマシンで2セット。汗をかく。

研究室に米を持ってきて炊く(正確には某氏に炊いてもらった)。 ずいぶん前に買ったまま使ってなかった米なので、 無洗米だったかどうかわからず、念のために洗ってもらう。 米の表面に小さく「無」とか書いておいてくれるとありがたいのだが。

夜2

カレーのおすそわけをいただく。感謝。

Have you seen your mother, baby, standing in the shadow?

Let me take you down 'cause I'm going to Strawberry fields
Nothing is real, nothing to get hung about...


14/Sep/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

お昼前

昨夜はカレーを食べたからしばらくして寝てしまい、 真夜中に一度起きたのでしばらく新聞を読んでいたらまた寝てしまい、 結局朝の遅くまで寝てしまう。 起きてからベンタムの勉強をするが捗らず。〆切は迫っているのに、 これではいかん。

お昼前に某海鮮丼を買い、いったん帰宅。ちょっと寝てしまう。

昼下がりから某ミーティング。今日は5時間続いた。 終末期の医療について。勉強になった。

(最近、「勉強になりました」というのが口ぐせになっている)

夜は某弁当屋で買った弁当を某氏らとビールを飲みながら食べる。 ゆっくり食べていたらすっかり遅くなってしまった。

真夜中

某用語集の手直し。

ふと気がついたが、「短絡的」というのは、「バカ」の婉曲表現なんだな。


15/Sep/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

夕方

昨夜はひさしぶりに家に帰って夜明け前に寝た。朝から真面目に大学。 午前中は翻訳、午後はシンガーの翻訳の索引作り。つかれた。

次は論文の勉強か。逃避せずにがんばろう。

新聞のコピーを少しやってから、ジムへ。 トレッドミルは3%ほど傾斜を付けないといけないという話を聞いたので、 その通りにやってみると、けっこうしんどい。とりあえず3キロ走った。 それから柔軟と筋トレ。なぜか体重が増えている。

All the young dudes
Carry the news
Boogaloo dudes
Carry the news...

夜中

某海鮮丼を買ってきて、某氏らと一緒に食事。 ビールを少し。

眠い。


16/Sep/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

ちょっと寝てしまう。

HPで生徒をからかう、わいせつ記述も…高校教諭を懲戒(読売)。 う〜ん、いろいろ気をつけないと…。

真夜中2 (午前)

社会保障思想の勉強を少し。これもやばい。うう。

真夜中3 (午前)

眠いので帰宅。

Shapes of things before my eyes...

よく寝た。大学に行かねば。

お昼

翻訳。進まん。

昼下がり

福祉のお勉強。進まん。

「[現在の政治・経済制度においてどのような福祉の社会システムを 構築すべきかという] 問題は、単なる『理念』の世界に埋没する哲学のみによっては…解くことの できないものであり、実在の「制度」と客観的な制度内メカニズムを扱う 経済学・政治学・法学・社会学を総合した知性を必要とする。 知の総合化という観点から、従来の経済哲学・政治哲学・法哲学・社会哲学とは 異なる公共哲学が要請されるのである」

塩野谷他編、『福祉の公共哲学』、東京大学出版会、2003年、ii頁

公共哲学をこのように学際的領域として捉えるなら、 18世紀英国の「道徳哲学(moral philosophy)」の復権と見ることもできるな。 しかし、問題はこんな学問ができる人材が育っているかどうかだよな。 生命倫理学もキーワードは学際性だが、公共哲学に要請される学際性は さらに広い教養を必要とするように思われる。


17/Sep/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

昨日は夕方から某授業に参加。終末期医療の倫理。 夜は某飲み会。いろいろ歓談。少しビール飲む。

それから研究室に戻って『戦場のピアニスト』 を観る。人間の尊厳について考えたり、 なぜ繰り返しナチス時代の映画を作るんだろうと考えたり。 やはり、そこに「美しい何か」(友情、愛情、その他)があるんだろうか。 よくできた映画だがちょっと長い。 真ん中あたりは省略できたんじゃないかと思う。 B。

眠いのでそれから帰宅。どうも右目の視力が落ちている気がする。

昼下がり

朝遅くに起きて、神田の某オリンパスのサービスステーションへ。 時間も時間だったのか、サービスステーションはガラガラで、 しかも故障の程度が低かったため、すぐに直してもらえる。 200円も払わなかった。感謝。

それから大学に戻ってきて某氏と蕎麦。某買物も済ませる。

「声変わり」は英語で`voice breaking'という。今日知った。

夕方

某氏が誕生日だったのでケーキを買って祝う。

眠い。〆切が。

そういえば、先日から汗のにおいが微妙に変わってきている気がする。 中年化したのか、なんなのか。 洗濯用の洗剤を変えたので、その可能性もあるが。 どうも気になるので、 消臭剤でも買うか。

某用語集の原稿を出版社にメールで送り、 その他雑用も済ませて、ジムへ。 かかとをつけずに2キロほど走ってみる(あとで右の足首が痛くなった)。 筋トレも少し。

そういえば、ジムの人が覚えていてくれて、 自転車の鍵が見つかった。 デジカメも直って良いことが続くなと思っていたら、 今度はMP3プレーヤーのリモコンが使えなくなった。つかん。 iPod miniでも買ってみるか(手に入ればの話だが)。

研究室に戻ってくると、 メインに使っているデスクトップがネットにつながらなくなっている。 明後日の停電に備えてルータを落したとかそんなのだろう。 なぜか無線LANはつながるので、週末はこちらで仕事をするか。

くりかえしになるが、消臭剤を買おう。

真夜中

上野御徒町まで歩いて行き、繁華街にある居酒屋で夕食。 芋焼酎を飲んで少し酔う。 わらさ(稚鰤)という言葉を覚える。 出世魚で鰤に昇進するんだそうだ。


18/Sep/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼前

昨夜はDVDを返却して買物をしてから帰宅。さっさと寝る。

ラモーンズのギタリストだったジョニー・ラモーンも死んだようだ。 前立腺がんで享年55才。合掌。

夜中

お昼から某授業に参加。倫理コンサルテーション。ビデオ撮影をしたり、 ディスカッションに参加したりする。

夕方から飲み会。ビールをジョッキ二杯。ちょっと酔う。 研究室に戻ってきてから少し寝る。

う〜ん、今日が〆切の原稿があるのだが、どうしても書く気にならない。 どうすべきか。逃避すべきでないのだが、立ち向かう気にもなれない。

昨日のジョギングがたたったのか、ちょっと足がだるい。

I'm a lonely planet boy... (ラモーンズのことを考えていたらニューヨーク・ドールズのこの曲を思い出した)

It is the evening of the day
I sit and watch the children play...

真夜中

ちょっと逃避しつつも、一応勉強中。まだ書いてないけど。 執筆開始までに敷居が高い(「えいやっ」と思わないと書けない)というのが問題だな。 気楽に鼻歌でも歌いながら書き始められる人間になろう。


19/Sep/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

早朝

ついマンガ喫茶で一晩過ごしてしまった。『六三四の剣』を全24巻読む。 「人生は修業である」という見方を思い出す。 また、「一期一会」という言葉の重要さも再認識する。

人生をトレッドミルに喩えてみる

いつトレッドミルの上に乗って走り始めたのかは誰も覚えておらず、 気がつくとその上で走っている。 どれだけ走れば終了するのかは誰にも知らされていない。 どうやら終了直前までわからないらしい。 人それぞれ終了の時点が違うため、 一緒に走っていても一人だけ突然終了する人もいる。

いつ終了するのかまったくわからないため、 スピードを遅くして歩いていたり、 非常にゆっくりなペースで走っている人もいる。 なぜ走るべきかわからないと公言する人々もおり、 そんな人たちは全速力で走っている人を見て、生き急いでいるという。 トレッドミルで走れるのは各人にとって一度きりだということを 忘れている人も大勢いる。その人たちも、 終了直前になると取り憑かれたようにびっこを引きながら走り出す。

その一方で、淡々と走り続ける人もいる。 また、ときどき思い出したように走り出すが、 しばらくすると終了の時が来ることを忘れて歩いてしまう人もいる。 走っていることを忘れたいがために、走りながら本を広げてみたり、 音楽を聴いたり、テレビ画面に見入っている人たちもいる。 しかし、どの人にも等しく終わりが来る。

なぜ走るのだろう、何もかも馬鹿げてやしないか、と一人が言う。 いつ終わるかもわからないトレッドミルの上を走るなんて馬鹿げている、 しかも終了したらそれで何もかも終わりだなんて理不尽だ、 と別の一人が叫ぶ。 どれだけ必死に走っても、すべては空しい、とまた別の一人がつぶやく。 終了したら再び別のトレッドミルで走ることができるのだと主張する者もいる。 きっとがんばって走っていれば、終了後にメダルでももらえるのだろう、 と期待する者もいる。

しかし、本当のところは、走っている人の誰も知らない。 多くの人は、よくわからないまま、走ったり歩いたりを繰り返している。

大学は停電後でネットにつながらず、夕方まで待ってみたが回復の兆がないので あきらめ、某氏とカレーを食べてから帰宅。勉強しないと。


20/Sep/2004 (Monday/lundi/Montag)

夕方

お昼前に起きたが、しばらくして昼寝してしまう。まじでやばい。

真夜中

夜、大学に行って少し勉強。まだネットにつながらないので早々に帰宅する。 ようやく某シンポジウムの原稿を書いてメールで送った。 次は水曜日朝の発表の準備。これもまじでやばい。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Tue Sep 13 12:02:24 JST 2005