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こだまの世界

2004年9月上旬号

だれか他の人に向かって、効果のある叱り方をしようとし、 その人の間違いを示してやろうと思うのなら、 その人が物事をどのような面から見ているかに注意しなければならない。 というのは、その面から見れば、 その物が真実に見えていることがふつうだからである。 そこで、その人に対し、この真実をその通り認めてやり、 一方、どの面でそれが誤っているのかを知らせてやらねばならない。 そうすれば、その人も満足する。 つまり、自分が間違っていたのではなく、ただどの面も余す所なく見ることを 怠っていただけなのだと知るからである。いったい、 だれでも、何もかも見ることができなくても残念とは思わないが、 自分が間違ったとは思いたくないものである。 おそらくその理由は、人間はもともとすべてを見ることはできないこと、 人間はもともと自分の見ている面では間違うことがないことに由来するのであろう。 感覚の理解能力は、つねに正しいのだからである。

---パスカル、『パンセ』

知識にはふたつの極端があって、それぞれに通じ合うところがある。 一方の端は、すべての人間が生まれながらに置かれているまったくの自然的な 無知の状態である。もう一方の端は、すぐれた人びとが、最後にたどりつく 無知であって、これらの人びとは、人間にとって知りうるかぎりを究めつくした のち、自分たちは何も知らぬことをさとり、みんなもとの出発点なった 同じ無知の状態にもどってくるのである。 だがそれは、自分を知っている、知恵のある無知である。 このふたつの極端の中間にある人びとは、 自然的な無知からは脱却したものの、もう一方の無知にはたどりつくことができず、 持つべき知識もほんのうわっつらだけしかなく、いかにも物知り顔にふるまう。 こういう連中が世の中を乱し、万事に間違った判断をくだすのである。

---パスカル、『パンセ』

It is so convenient to be immature!

---カント、『啓蒙とは何か』


主な話題


01/Sep/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

夜食を食べながら某氏らと研究室で歓談。 長く付き合ってもらい、悪いことをした。

BBC7で、 トリフィドの日の朗読をするようだ。 覚えていたら録音したいが、全17回というのは忘れそうだ。 あ、家のコンピュータでタイマー予約するという手があるか。 一度やってみるか。

早朝

ちょっと寝て、起きる。

真夜中

お昼まで取り憑かれたように臓器移植の勉強。 昼食は某氏らと四人で。 外は風もありちょうど良い暑さ。 真夏がこれぐらいだったら快適なのだが。

それから一度帰宅して寝る。夕方には起きるつもりだったが、 寝坊して夜まで寝てしまう。起きて大学に行き、 生体臓器移植の専門家の某氏にいろいろ質問。 そのあと、某氏らと少し食事をして戻ってくる。

眠かったが、某氏に借りた1999年のNHKスペシャルの生体肝移植のビデオを 見て勉強する。うまく行けば家族の絆も深まるんだろうが、 ドナーにとってもレシピエントにとっても精神的重圧が大きいし、 できればやはり脳死移植が望ましいように思う。まあ、 脳死移植にもいろいろと問題があるわけだが。


02/Sep/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

早朝

夜中、ちょっと寝てからまた臓器移植の勉強。

BBC7でAdrian Moleの朗読もやっている。 BBC6ではCureの特集をやるようだ。

BBC2でひさしぶりにGod Save The QueenとかMy Wayを聞く。たまに聞くといいな。 クラッシュを聞きたくなった。

お昼前

まだ起きてる。勉強中。

DNA Song(Flash)というのがあるようだ。5番まで歌詞が付いている。 覚えてみるか。

夕方

授業の準備をしていると、けっきょく仮眠できず。眠い。

再生医療についてもっとよく勉強する必要がある。


03/Sep/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

昨日のこと。

それから某氏と 『サイダーハウス・ルールズ』 という映画を見る。 ジョン・アーヴィングの原作は買ったままでまだ読んでないが、 非常におもしろかった。 中絶という特殊で重いテーマと、 自立(自律)という普遍的なテーマが重なりあい、 ストーリー展開が絶妙だった。 「ルールは自分たちで作らないといけない」という下りは、 まさに自律の発想だ。B++

さて、帰って寝るか。

早朝

と思ったが、ついつい大学に居残って寝てしまった…。 今日から心機一転、気合いを入れて勉強しなければ。

朝日の記事。うちの講座のことかと思ったら、違った。 なんかこちらのメンバーは、 錚錚たる顔ぶれだな。ウェブもフラッシュ使ったりしてるし。 まあ、コンテンツで勝負だな。

昼下がり

朝、DVDを返却して(またレンタルして)から帰宅し、 新聞を読んでから少し寝る。お昼すぎに大学へ。

自分は行けない学会なのだが、 学会運営者から個人的に頼まれたのでちょっと宣伝。

今年9月30日と10月1日に、ロンドンで「生殖補助医療の倫理・科学・道徳哲学 に関する第一回国際会議」(www.humanreproethics.org)が 開催されます。スピーカーには、John Harris, Gregory Stock, John Robertson, Ruth Chadwick, Carson Strong, Julian Savulescuなどの哲学者・ 科学者が含まれています(詳しくはhttp://www.humanreproethics.org/speakers.htm) 。

なかなか今ごろ話を聞いてロンドンに行ける人は少ないと思うが、 口コミで宣伝してもらえると助かる。

米国国勢調査局の2003年のデータが出たようだ (Income, Poverty, and Health Insurance Coverage in the United States: 2003)。 健康保険に加入していない人の数がまた増えたそうで、 現在は4500万人(人口の15.6%)。

夕方

リファレンスルームのテレビにアンテナを付ける。 ちょっとゴーストが出るが、放送大学も含めて一応見れるようになった。 DVDレコーダーにいろいろ録画してみよう。

来年度の科研費の公募が出ている。 今回は絶対に当てたい……なあ(弱気)。

眠い。まだ何も勉強していないのだが。


04/Sep/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

夜明け前

昨夜は夜にジムに行って汗をかいたあと、 某氏と夕食。少し飲む。

それから研究室に戻ってきて椅子の上で爆睡。かなり寝てしまう。

リファレンスルームにあるDVDレコーダのEPGの受信がうまく行っていない。 どうしてだろう。アンテナを設置したが電波が弱いからだろうか、 あるいは何か初歩的なミスをしているのか。 もう少し様子を見るしかないか。

椅子の上で二度寝たら、もうすぐお昼になってしまった。 ちょっとベンタムの勉強をする。そろそろ一旦帰宅しないとやばい。

う〜ん、EPG、うまくいってない。なんでなんだろう。


05/Sep/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

昨日のこと。

323 dead in Beslan. 悪夢というか、地獄のような状況だったんだろう。 生き残った子どもたちも、今後まともに生きられるんだろうか。 とにかく合掌。

先日DVD屋で『バイオハザード』を借りたところ、昨日テレビでやっていたようだ。 う〜ん。

よく寝た。ようやく翻訳を再開。

`Tribute to Norah Jones'というタイトルのアルバムがすでに何枚か出ている。 すごいな、ノラ・ジョーンズ。

レイ・チャールズとノラ・ジョーンズのデュエットがいいので、 つい注文してしまう。

朝2

たまっていた新聞のコピーを済ませる。 インスタントパスタを食べながら新聞を読む。 カフカス地方のお勉強。

お昼前

翻訳。散髪に行こうかと思ったら、外は雨。う〜ん。

お昼すぎ、某海鮮丼屋で食事をしてから、散髪に行く。 しばらく切っていなかったのでさっぱりする。

家に戻ってすこし掃除をしてから、大学へ。 某用語集の仕事を始める。

いつかベンタム関係の論文の整理をしなければならない。頭が痛い。

某用語集の勉強。あ、地震が。


06/Sep/2004 (Monday/lundi/Montag)

夜明け前

昨夜は某氏らとベトナム料理を食べたあと、 研究室に並べた椅子の上でえんえんと寝てしまい、 さきほどようやく起きる。 椅子の上で何時間でも寝られる体になってしまった。

勉強しよう。

早朝

ベンタム関係のプリントを整理する。 1996年ごろのものから色々出てくる。 ずいぶん整理されたので、充実感を覚える。 自尊心を回復させるためには、ときどき論文のコピーとか資料整理をすることだな。 これで生命倫理学とベンタム関係の資料はけっこう整理されたので、 そのうち政治哲学関係の資料も整理しよう。

つかれたので、少し寝るか…いや、それではいけない。

お昼すぎ

朝、資料整理を終えてからちょっと寝る。それから翻訳。 ようやく自分の担当分の4分の1を見終わる。 もっとペースを上げないとまずい。

夕方

お昼すぎまで翻訳。昼下がり、某氏らと昼食(イタリア料理屋)。 いったん帰宅して風呂に入り、また大学へ。

購買部のカメラ屋にデジタルカメラの修理を頼みに行ったところ、 神田の本社に直接持っていった方が早いと言われる。 理論的にはそうなのだが、いつ神田に行くことやら…。

買った。一曲目のハモンドオルガン(ビリー・プレストン)がよい。 ジェームズ・テイラーも良い。ダイアン・クロールも良い。 もうレイ・チャールズはいないのか。合掌。


07/Sep/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

夜明け前

昨夜は夕方にバドミントンをしたあと、 某先生らと韓国料理を気分が悪くなるほど腹一杯食べた。 研究室に戻ってきたら猛烈な睡魔に襲われ(いつものことだが)、 数時間寝てしまう。

さて、勉強しないと。

早朝

安楽死の勉強(某用語集の仕事)。 安楽死は日本では本当に皆が言っていることが違うので困る。 essentially contested conceptなのか。

こないだから気になっているのだが、「方」というのは、「ほう」とも「かた」 とも読めるので、書いていて困るときが多い。読んでいても、 「そのように言った方がお風呂に入って気持ちよかったりすると…」 というような場合、「ほう」なのか「かた」なのかすぐにはわからない (もちろん、よほど悪文でなければ前後の文脈を確認すればわかるのだが)。 困るので、「かた」と読む場合には「片」にするとか、 いっそのこと変更した方(ほう)がいいのではないか。

あああ。そんなことを書いてないで勉強しないと。まずい。

早朝2

脳死の勉強中(某用語集の仕事)。腹減った。

それにしても300字でモノを説明するのは難しい。 とりあえずあとで削ることにしてどんどん書くことにしよう。

D論も300字だといいのに。

昼下がり

午前中は脳死基準とか東海大判決とか調べたあと、 いったん帰宅して朝食、洗濯その他を済ませる。 お昼は某氏と蕎麦。お昼すぎからは翻訳。がんばれ。

人前でいびきをかいて寝てしまう。恥ずかしいので穴に入ろう。

台風がまた来ているらしい。

昼下がりから夜まで某ミーティング。精神保健の勉強。

夜、ピザを注文してから某氏らと『ES』を見る。 後半のエスカレートの仕方が思った以上にすごくて、驚いた。 主人公の彼女が謎だが、他の人々はキャラクターもあり、 リアルで楽しめた。というか、かなり圧倒された。B+。

さて、 勉強しないと。


08/Sep/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昨夜は映画を見たあとしばらく某用語集の仕事をし、 椅子を並べて早朝までよく寝た。完全に住んでいるな…。

朝から某用語集の仕事。臓器移植法など。 書きたいことがたくさんあって困る。きっと大幅に削除されるのだろう。

朝2

眠い。翻訳もしないと。

お昼すぎ

お昼前は翻訳。お昼は某氏らと定食屋でメダイの照焼。

You say yes; I say no; you say stop; and I say go go go.
You say goodbye and I say hello.

ふと頭に浮んだ音楽を記録として書き留めてみたいのだが、 だいたいすぐに忘れてしまっていけない。

昼下がり

いったん帰宅して少し休んでからまた大学へ。 翻訳。

Baby baby baby you're out of time...

Coming colors in the air
Oh, everywhere,
She's a rainbow.

夕方

ベンタム関係の資料の整理。だいぶ片付いた。 卒論関係のプリントが出てきて冷汗をかく。

ジム。今日はちょっと多目に走ってみた。5キロを25分。 時速にすると12キロになるが、とても1時間は走れない。 マラソンの選手は20キロぐらい出ている計算になるから、すごい。 とりあえず来週は6キロ30分をやってみよう。

事前にオニギリを二つ食べていたせいか、今回は貧血に苦しまずに済んだ。 と喜んだのもつかのま、ジムを出てから自転車のカギを失くしたことに気付き、 ロッカールームに戻るが見つからず。泣く泣く歩いて研究室まで戻ってくる。 どうもあのあたりには四次元空間があるらしい。

自転車のカギはスペアがあるからいいが、明日行って見つからなかったら カギを代えるべきか。う〜ん。

What am I to you?
Tell me darling true


09/Sep/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

昨日もよく寝た。早朝に起きてベンタムの勉強。進まない。

カント「いつまでも子どものままでいるのは楽ちんだ」。 フェミニストが引用しそうな一文だな。 人のことは言えない。 権威に頼ってないで自分で考えるようにしなければ。

You see me crying; Don't let it get you down

そういえばしばらくエアロスミスを聞いてないな。 (一般に)アルバムの最後に入っている曲で思い出すのは、この曲と `Slipping away'ぐらいで、 あとはだいたい一番最後の曲がなんだったか思い出せない。

あ、ビートルズの一枚目は`Twist and Shout'か。 Revolverは`Tomorrow Never Knows'だな。 サージェントペパーズは`A Day in the Life'か。 スティッキーフィンガーズは`Moonlight Mile'か。 あれも良い曲だな。そういえば、 ノラ・ジョーンズのアルバムは二枚とも最後のカヴァー曲がよい。名前は忘れたが。 `Nearness of You'と`Don't Miss You at All'か。

先日角膜移植について調べていたが、日本のアイバンク協会って、 正式名称は 「財団法人日本眼球銀行協会」というそうだ。かなりこわい。角膜だけを切り取るものと思っていたら、 たいていは眼球ごと取っていくんだそうだ。 だから最近は「眼球や腎臓の提供」という表現がされる。 平等主義者は盲目の人に片目を差出さないとおかしいという G・コーエンの話を思い出した。

お昼前

ちょっとイミダスを調べに医図書へ。 すると、現代用語の基礎知識の1995年版しかなかった。 まあそれは許すとして、ついでに古いJAMAのコピーしに行ったところ、 米国大統領委員会の「死の決定に関するガイドライン」(JAMA 246(19):2184-2186) のところが切り取られていた。ko, korosssss...

もうすぐ1980年以前の洋雑誌は柏図書館に移動すると書いてあるからこれも困る。 そんな鄙びたところまで行けないので(うそです)、 なるべく相互利用なんとかでコピーしてもらうようにしよう。

ついでに書籍部まで足を伸ばして(めんどくさがりなので書籍部もめったに行かない)、 知恵蔵とイミダスを見る。知恵蔵には生命倫理の項はない。 また、ジムも寄ってカギの落としものがなかったか訊いてみたが、 ないと言われる。やはりあのあたりに四次元空間の入口が開いているようだ。

お昼すぎ

午前中はベンタムと、某用語集の勉強。クローン。 お昼は某氏らと蕎麦。

昼下がり

用語集の勉強。翻訳もしないといけないのだが…。

昼下がり2

日本学生支援機構(旧日本育英会)から「金を払え」という郵便が来て失禁する。 泣きながら「そんなものは払えません。 第一、去年10月に手続きをしたじゃないですか。う、うわ〜ん」 と電話で訴えたところ、 どうも修士の分は手続きが済んでいるが、 学部時代の分は手続きがされていなかったのが原因のようだ。 とりあえず、辞令と就職届を出して返還免除の申請をすれば、 おそらく払わずに済むことになりそうだ。そうでなかったら高飛びしよう。


10/Sep/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

昨日は昼下がりにいったん帰宅し、態勢を整えてから大学へ。 夕方から某授業。精神科医療の倫理。措置入院の話とか。勉強になった。 夜は飲み会。

研究室に戻ってきてから『バイオハザード』 を見た。相当こわかった。もう研究室で泊まる気がしなくなった。 見るんじゃなかった。映画自体はよくできているけど、C。

昨夜はひさしぶりに家で寝た。さっき起きる。

One nation under the groove.

I was born to run.

アリサ・フランクリンの`Piece of my heart'を初めて聴いた。すごいな。

朝2

DVDを返却して(また借りてから)大学へ。

I wish they all could be california girls.

さて、翻訳翻訳。

午前中は翻訳。お昼は某氏と海鮮丼。 お昼すぎにちょっと寝て、昼下がりからデザイナーベビーについて勉強。 夕方、いったん部屋に戻り、 某ホテルで行なわれる研究会に参加するために着替えてくる。

Tragedy, the life reminds me of a symphony on the radio...

真夜中

某ホテルで開かれた研究会に参加。 人工心臓の実際と、ベルギーの臓器移植の現状について。 勉強になった。

そのあと、大学に戻ってくる。勉強しないと。

I was only joking, my dear.


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sat Sep 3 21:33:08 JST 2005