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こだまの世界

2004年11月上旬号

ビル・クリントンがかつてジョークとして言っていたが、 民主党[の大統領]がホワイト・ハウスに入るときは、 ホワイト・ハウスを賃借りしているつもりである。 共和党[の大統領]は、ホワイト・ハウスを所有していると信じている。

---Jonathan Freedland, `Faith against reason', in The Guardian Weekly, October 29-November 4 2004, p. 16.

より困難なものを、より美しきものと見ること、 これが人類の通弊である。

---デカルト先生

ともかくも、事物の真理を探ねるのに、方法なしでやるくらいなら、 それを全く企てない方が遥かにましなのである。 というのは、そういう無秩序な研究や不明瞭な省察によって自然的 光明が曇らされ精神が盲にされるにきまっているからである。

---デカルト先生


主な話題


01/Nov/2004 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

とりあえず、earnings-related benefitの正当化に関するグッディンの議論を まとめてみた。ほんとは今日の勉強会では、週末のシンポの原稿を滔滔と朗読 する予定だったのだが、時間が足りなかった(どうするんだ?)。 今週末までに何とかしないと。

朝、大学に行き、夕暮れ時まで某ベンタム研究会。勉強になる。

夜、某氏が買う予定だった除湿機を、購買部で購入。 自転車の荷台に載せて自宅へ運んできて、試し運転をしてみる。 これで風呂場がカビずに済む。

ルータを使ってLANにつながるPCを増やそうとして、 先日からうまく行かなくていろいろ試していたのだが、 けっきょく、このフラットは管理人室にルータがあり、 すでにルータを用いてDHCP接続する状態にあるため、 この部屋のルータをブリッジ接続にしてやれば (ie ルータをスイッチングHUBとして用いれば)、 自動的に管理人室のルータから複数のIPアドレスを取得してくれる ということがわかった。初歩的なことを知らないと、 いろいろ苦労する。 しかし、ハブにしたら少し接続が遅くなった気がする。う〜ん。

夜2

ジムに行く。お腹が減っていたせいか、寝不足のせいか、 はたまたお昼の弁当に入っていたフライもののせいか (フライは気分が悪くなるので食べてはいけない。 何度同じことをやればわかるのか)、 調子が出ず。 フラフラになって某海鮮丼屋で夕食。 研究室に戻ってくる。

Jamie CullumはLeon RusselかDr Johnを思い出させる。 というと、誉めすぎか。

日記の整理。Procrastination killsなので。

夜中

帰宅。Wireless LANも使えるようになった。 快適…だが、やはりちょっと接続速度が遅くなったようだ。 電気代ももったいないし、不要なときは使わないようにするか。

今日やること


02/Nov/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

お昼すぎ

昨夜は爆睡。朝起きて新聞を読み、 自転車で秋葉原へ。自宅から10分で行けることを知り、驚く。

まず某東芝PC工房に行き、リブレットのアダプタとPCカードの接触不具合 について尋ねる。アダプタは純正で1万円近くすることがわかり、 PCカードの接触についても、修理すれば最低2万円はかかると言われる。 Dynabookの気になるノイズ音については、 一応様子見のために預かることはできるが、10日かかると言われ、 面倒なのでまたにしてもらう。

それから他の店でiPod mini用のリモコン付ヘッドホン(iPodのものと同じ)を購入。 便利になったが、いろいろ高く付くなあ。 iPodはアクセサリが多いので驚く。 ついでに光学式の小さなマウスを二つ購入。

さらに、しばらく中古屋でアダプタを探したが、見つからないので 純正のを買おうと某東芝系ショップに入る。 一応互換のある安いタイプはないかと尋ねると、 4000円ぐらいであることがわかったので、そちらを購入。よかった。

さらにもうすこしあたりを探索。 掃除機の紙パックが必要だったので、それも購入。 食事を済ませてから研究室にやってくる。 懸案の事項がいくつか片付いてすっきりする。

夜中

昼下がりから某ミーティング。 授業の話や、某テキストの話。 長丁場なのでうんざりしている人もいるようだ。 一応司会役をしているので、 どうやって積極的に参加してもらうか、 工夫する必要があるかもしれない。

夜、研究室の方々に少しカレーをおすそわけになる。 食後は雑務とテキストの書き直し。

真夜中

某氏と某居酒屋で飲んでから帰宅。

今日やること


03/Nov/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

朝起きてシャワーを浴びたが、二度寝してお昼すぎに起きてしまう。 シンポジウムの準備をしないとやばいので、某講演会はスキップ。 昼下がりに大学に来て勉強を始めるが、 大統領選挙の結果が気になってなかなか集中できない。

ちょっと困っているのだが、関西倫理学会も、生命倫理学会も発表プログラム などが自宅に届かなかった。目黒に住んでいたときの住所からの転送がうまく 行っていないようだ。まだ一年経っていないので、届いてしかるべきなのだが。 困るなあ。

わ、今週末は京都にホテルを取ろうと思ったら、ホテルはすでにどこも一杯で (which I should have known)、結局岸辺に泊まることになった。 そんなとこ、行ったことない…。

やはり、出張でホテルを取るときは、一ヶ月前までに済まさねば。 Procrastination kills.

真夜中

ちょっと寝てた。 大勢はブッシュ勝利に決まったようだが、 まだ最終的な結論は出ていないようだ。

夜は某韓国料理屋で。まだ胃もたれがする。 店員のおばさんが経済学部で社会保障を勉強していたとかで、 オレが読んでいる資料を見ていろいろ話を聞かせてくれる。 店を出るときに「未来の先生、がんばってね」と言われる。

いつまで経っても発表の準備が終わらない。どうしよう。

今日やること


04/Nov/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

帰宅。今日も除湿機が満水になって止まっていた…。

夜中

午前中から大学。ちょっと遅刻して某卒論指導(深く反省)。 お昼すぎに某氏らと蕎麦を食べに行ったあと、シンポの準備。やばい。

夕方から某授業に参加。守秘義務と個人情報。 二回目になってようやくわかってきたところもあり。 やはり、SGDに参加するのとしないのとでは、 授業に対する積極性が違うので、 毎回ちゃんと参加するようにしたい。

真夜中

弁当を買ってきて某氏らと食事。

やばい、 もうこの時間ではネットで新幹線の切符は予約できないのか。 というか、二日前までに予約しないといけないから、明日の分は取れないようだ。 う〜ん。なんでこんなにimprudentなのかな。いやになってきた。

まあ東京駅から行くし、どうしてもダメなら自由席で行ってみるか。

あ、いや、 JR関東のサイトで予約できた。 よかった。今度から一ヶ月前に予約するようにしよう。

今日やること


05/Nov/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

シンポの準備。進まん。ベンタムの話ばっかりになりそうだ。

そういえば、書くのを忘れていたが、ブッシュが再選された。 ケリーの力不足か。4年後のヒラリーに期待しよう。

真夜中2 (午前)

帰宅して『アンダーワールド』を観る。 ゴシックなんとか。中途半端な恐さ、中途半端なアクション、 中途半端なラブストーリーであまり得るところなし。 かっこいい人が多いので、そこらへんが見どころなのか。C+。

そういえば、昨夜はまた『アメリ』を観た。 これは映像がきれいで内容も良い映画。

昼下がり

お昼前まで起きられず。 大学に来て、某授業の相談。 倫理と宗教の関係について。

今日やること


06/Nov/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

というわけで関西へ。

昨日の夕方に新幹線に乗り、夜に京都へ。 京都駅で某師匠と飲み食いしながら、 いろいろ学問的、人生的な指導を受ける。 何も知らないことを自覚して、 ちゃんと勉強に励むようにしよう。

終電ぎりぎりでホテルへ。駅前だと聞いていたが、 駅から目と鼻の先にあり、部屋は線路の目の前にある。 朝、大丈夫なのかな。

BBCラジオでも報道されていたが、 英国の新聞、Times Higher Education Supplementsで公表された、 世界の大学トップ100。 ハーバードが1位、カリフォルニア大学バークリ校が2位、MITが3位、 英国ではオックスフォードとケンブリッジが10位以内に入り、 11位がLSE、12位が東大、UCLは34位。 「研究その他の要因」に基いて、 世界88ヶ国の1300人の研究者にアンケート調査をした結果だそうだが、 まあ眉に唾を付けてかかるべきかもしれない。

お昼

う〜ん、駅の目の前なのに、何時間でも寝れてしまう。

シンポの準備をしないと。それにしても腹が減ったな。 どこかでお好み焼きを食べたいところ。

お昼すぎ

捨てられているネコやイヌについて、 どんどん生まれてくるし、 いちいち拾っていたらキリがないから、 死ぬにまかせなさいと言われる。

同様に、第三世界で飢えている人々についても、 いちいち助けていたらキリがないから、 死ぬにまかせなさいと言われる。

今日やること


07/Nov/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

早朝

昨日は昼下がりから学会に参加。 といっても、発表を聞いたのは一つだけで、 あとは別の部屋でちょっと内職し、 懇親会に出たぐらい。 旧交を温められてよかった。 …というのは、学会に出た感想としてはおかしいか。

二次会まで付き合ったあと、帰宅してから少しだけ仮眠し、 それからシンポの準備。 某氏が親切にも京大で原稿をプリントアウトしコピーしてきてくれるというので、 〆切の朝7時ぎりぎりにメールで原稿を送った。感謝。

今日はたいしたこと言えそうにないので気が重いが、 まあがんばろう。批判を浴びて強くなろう。

夜中

帰宅。朝、某友人と会い、朝食。大阪まで一緒に出てから別れる。 お昼前に某学会に着く。

お昼すぎから某シンポジウム。 提題者三名が「福祉」という言葉をそれぞれ違った意味で用いており (一人は社会保障と同義で、もう一人は「社会福祉」という意味で、 最後の一人は「よき生」という意味で)、 空中戦どころか、地上と大気圏と銀河系でやりあうような議論になっていた。 まあそれはともかく、自分の議論の非厳密さにイヤになった。 もっと真面目に勉強しないといけない。

本当に最近は、適当に書いとけば好意的に解釈してくれるだろうというような 甘えが目立つので、今後は「デビル」(Mr. D)と会話するつもりで議論を 組み立てることを決まりとすることにしたい。 Mr. Dはデカルトの悪魔のように、 つねにWorst Possible Scenarioを携えてきて、 しかも平易な言葉で説明しなければ理解せず、 しまいには怒り出すという恐しい存在である。

Mr. D「なんや、わしのことを呼んだか。悪口言うとんやないやろな」

「いえいえ、違います。悪口じゃないです。研究の協力を頼もうと思って」

それはともかく、発表が終わってから、某先輩たちと新大阪に出て、 喫茶店でちょっと時間をつぶしてから新幹線で東京へ。 指定席を買っていたのだが、ちょっと早い便に乗ると、 指定席が満杯で、座席を何度もうつる羽目になる。 名古屋からは落ち着いて座ることができたので、爆睡する。

東京から本郷に戻ってきて、さきほど帰宅。眠い。

今日やること


08/Nov/2004 (Monday/lundi/Montag)

お昼すぎ

お昼前まで寝てしまう。洗濯(昨晩もした。 除湿機があるとよく乾くのですばらしい)。

起きてからシャワーを浴びていると、 ホテルにヒゲ剃りを忘れてきたことに気付く。 愛用のものだったのでホテルに電話したら、 送ってくれるとのこと。また助けられた。

さて、学校に行って仕事をしないと。

お昼すぎ2

大学へ。

本当にあった恐い話。 昨日の学会で他の人の発表を聞いているとき、 質疑応答の時にいきなり某司会者に当てられて、 質問をするようにと言われたので、 マイクを持って質問を始めると、 会場の他の人々から「それは前の発表者の話っ」と注意される。

なんと、発表を聞かずにレジュメの方を読んでいたら、 そのレジュメは一つ前の発表者のものだったのだ。 前の発表者もその次の発表者もロールズがテーマだったので、 すっかり勘違いしていた。 非常に恥ずかしい思いをする。というか、 発表者に失礼なことをしてしまった。

教訓: 質問するときには、 発表者の演題とレジュメのタイトルが一致しているか確認してから質問すること。

夜中

夕方まで某論文提出用の書類作り。 夕方から某勉強会。 マルクス主義(社会民主主義と自由民主主義の違いの話)と、 共同体主義(自己理解の話)。勉強になる。 終わってからみなで某居酒屋に行き、夕食。 ビール一杯。

というわけで、今日もジムに行けなかった。残念。

今日やること


09/Nov/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

新聞、風呂。

朝起きて大学へ行き、某勉強会。 米国人二人をお招きして発表してもらう。 勉強になる。そのあと、みなで韓国料理屋へ。

戻ってきてからすぐに某ミーティング。 某テキストの相談など。 不覚にもちょっと寝てしまった。

某ミーティングが終わって部屋に戻ると、 先の血液検査の結果が戻ってきていたので、 2002年にやったものと比べて記載しておく。

血液検査結果
項目 (基準値) 2002/06 2004/09
GOT (11-31) 14 16
GPT (7-45) 10 10
γ-GTP (12-67) 14 14
コレステロール (130-199) 164 200
中性脂肪 (32-149) 64 86
尿酸 (3.5-6.9) 4.7 Null
血糖 (70-110) 103 Null

アルコールを飲むようになったためか、 中性脂肪やコレステロール値が上がっているが、 まあこれぐらいで普通なんだろう。

夜中

夜、ひさしぶりにジムに行き、エアロバイクと筋トレ。 某海鮮丼屋で食事をしてから研究室に戻ってきたが、 疲れて仕事にならず。自宅に戻ってゆっくりやるか。

真夜中

というわけで帰宅。 ひさしぶりに修理をして動くようになったリブレットを開くと、 字が本当に小さくて驚く。こんなものを使っていたのか。 目が悪くなるはずだ。 動きも遅いが、もうしばらく大事に使ってやろう。

今日やること


10/Nov/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昼下がり

朝起きてから大学へ。午前中は某勉強会に出席。 お昼は某氏らと某定食屋へ。戻ってきてから某卒論指導。

買春繰り返し一千万つぎ込む…医師らと仲介役少女逮捕(読売)。 「医師」というのがニュースバリューがあるんだろうなあ。 「自分では歯止めがかからず、捕まって良かった」というセリフがよい。 ギャンブルと同じだな。理性と情念の対立。 人は自己利益についてのbest-judgeではないのか。

昼下がり、少し寝てから翻訳。ぜんぜん進まず。ほんとにtime-consumingで いやになる。ジムに行って戻ってきたらD論の勉強をしよう。

真夜中

夜は某外人たちと一緒にカレー。 外人の方がよく日本映画を見ているので困る。

帰宅してから、ネットにつながらなくなったリブレットの調子を見る。 どうもWindows XP SP2を入れたことが原因のようだったので、 システムの復元を用いてSP2を入れる前にまで戻したところ、 つながるようになった。SP2、恐るべし。 あと、リブレットではなぜかSleipnirやQuickMenuが使えない。 いろいろ制限があるのはなぜだ。

倫理的問題って何だ?

Mr. D 「君は、 『倫理学とは倫理的問題について合理的に考える方法を教えるものである』 と言っとるようだな」

こだま「はい、そうです」

「まあ合理的はどうせ答えられないだろうから、 とりあえずおいておくことにして、最初の『倫理的問題』というのは、 どういう問題のことを指してるのか」

「倫理的問題は倫理的問題ですよ。それくらいわからないのですか」

「ああ、わからんね、すくなくとも明晰判明にはね。どうか君、 何も知らない愚かな老人にもわかるように説明してくれないか」

「倫理的問題というのは、そのですね、倫理的ジレンマのことですよ」

「それは言葉を言い換えただけで、ちっとも明らかになってないね。 もうすこし詳しく説明してくれないか」

「そうですね。倫理的問題というのは、 たとえばがん告知とか、エホバの証人の輸血拒否とかですね」

「う〜ん、わたしは倫理的問題の例を聞いているんじゃなくて、 定義を聞いてるんだけどね。まあ、それは置いておくとしても、 しかしそのがん告知やエホバの証人の輸血拒否の例というのは、 法的問題だと言われたらどうするのかね。たいていの資源配分の問題は、 経済的問題であると言われるかもしれんしな」

「ああ、そういうことですか。法的問題や経済的問題と倫理的問題はどう違うのか、 ということですか」

「そういうことだ」

「法的問題というのは、合法かどうかということですが、 合法だからといって倫理的ではない場合もあるますよね。 悪法の場合とか」

「まあ、直観的にはそうだと言っておこう」

「それに、 当局ではなく個人の視点からすると、法的問題というのは、 どうやったら訴訟を免れるかという話ですからね。 訴訟にならない行為が倫理的であるとは限らない、 というのは明らかな真理でしょう。 法というのは倫理の最小限なわけだから、ベン図を書けば明らかです」

「うん、まあその通りだとしておこう。経済的問題はどうかね」

「経済的問題ですか。そうですね。 経済学は効率を重視し、分配の正義を論じることは得意としませんので、 やはり、経済的には一番良い方策であっても、 倫理的とは言えないものがあるというのはやはり真理でしょう」

「うん、まあそれも直観的にはそうだな。しかし、 『経済的に一番良い方策こそ、倫理的にも一番良いのだ』 と言われたらどうするね」

「そういう主張こそ、経済学ではなく、 倫理的な立場を示すものでしょう。 それ自体は、効率を問題にする経済学そのものからは主張できません。 合法性を問題にする法律も同じです。 また、法律には不完全な部分もあるので、 その意味でも倫理的思考が必要だと言えます」

「それはどういうことかね」

「つまり、現行法の枠組ではどちらでも合法的でありうる行為がある場合、 そのどちらを選ぶかは、法の問題というよりは、倫理の問題だということです」

「しかし、なぜそのときは法ではなく倫理の問題になるんだね。 いずれも合法かもしれなくても、いずれかの法が違法になる可能性が高いとか、 そういう場合なら、やはりまだ法の問題ではないのかね。 …君の言っている話は、わかったようでまだよくわからんね。 というのも、倫理的問題は法的問題や経済的問題とは違うというだけで、 肝心の倫理については十分に定義してくれていないからだ」

「わかりました、定義してみましょう。 倫理的問題とは、どう行為すべきかとか、 制度のあるべき姿を問題にするような問いのことで、 たしかに行為や制度については経済的・法的考慮も入ってきますが、 それだけでは尽くされない問いのことです」

「『それだけでは尽くされない』ではよくわからんな」

「そうですか。わからないですか。 それならそれ以上言うことは今のわたしにはできません」

真夜中2

そういえば、久しぶりに総合図書館に行き、 貝原益軒の『養生訓』を借り出した。 「医は仁術なり」というくだりをちょっと調べる必要があったのだが (ネットでも見れるのだが、特定の出版社のもののページ数が知りたかったので)、 「人、生二十の者は四日に一たび泄す。 三十の者は八日に一たび泄す。 四十の者は十六日に一たび泄す。 五十の者は二十日に一たび泄す。 六十者は精をとぢてもらさず。 もし体力さかんならば、一月に一たび泄す」 というくだりを読んで受ける。エビデンスはあるのか。

その続きもおもしろい。 「気力すぐれて盛なる人、慾念をおさへ、 こらへて、久しく泄さざれば腫物を生ず。 六十を過て、慾念おこらずば、とぢてもらすべからず。 わかくさかんなる人も、もしよく忍んで、 一月に二度もらして、慾念おこらずば、長生なるべし」だって。 「とぢてもらさず」っていうのが笑える。

今日やること


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Nov 2 23:11:03 JST 2006