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こだまの世界

2004年3月上旬号

"The art of medicine consists in amusing the patient while nature cures the disease."

---Voltaire


主な話題


01/Mar/2004 (Monday/lundi/Montag)

早朝

朝までかかって某ウェブサイトの基礎を作る。 あとは秘書さんに任せよう。

今週はこんなことをしていないで、臓器移植の勉強をしないと。 とりあえず寝よう。

お昼前

う。お昼前まで寝てしまった。大学に行かねば。

昼下がり

ちょっと雪というかみぞれ。

大学に来てウェブサイトの話など。科研費を微妙に使い過ぎていたようなので、 書籍部に行って手続をする必要がある。

夕方

某校閲を済ませる。今日は雑用をしていたら日が暮れてしまった。 もう一個の雑用もやってしまおう。

某雑用中。

ためしに昨夜某ウェブサイト用に 作ったスタイルシートをしばらく使ってみる。 あれ、なんか気持ち悪いな。ここだけの話だが、色の組み合わせは 某独和中辞典の箱と某Political Liberalismの表紙を参考にした。

真夜中

夜、某氏と居酒屋で夕食。ジンライムと焼酎を飲むと酔ってしまう。 某翻訳の仕事が終わってないので、今夜中にやらねば。


02/Mar/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

あれ、昨日の日付を「2月30日」って書いてたことに今まで気付かなかった。

ようやく某ファッション翻訳の推敲も終わる。 昨日、今日でいくつかの仕事が終わった。 しかし、まだ外国旅行に出発する前にすべきことは多々ある。 ひとつひとつ片付けていこう。

♪フ、フ、フ、フーコー、フーコー、ミッシェル・フーコーという歌を歌って 選挙戦に出るというのはどうか。あれ、精神が駄洒落モードに入ってるな。 つかれてるのか。

よく寝た。今日も真面目に仕事する予定。

お昼ごろに大学へ。

3時から某ミーティング。医療倫理とか、精神保健とか。

5時からは某医学研究倫理セミナー。途中ちょっと寝てしまったが、 一応勉強になった。

そのあと、某氏らと食事に行く。いろいろ雑談。 食後に研究室に戻ってきたが、もう眠くて何をする気にもなれない。 部屋に戻って寝るか。


03/Mar/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

昨夜は真夜中まで大学で仕事(らしきもの)をしてから帰宅。 眠いがもうすこし新聞を読んでから寝よう。

産経は昨日の社説で、在日外国人の地方参政権に反対している。 その中で、「国家の舵取りを託す参政権は国政、地方政治を問わず、 その国と運命を共にする国民固有の権利であることが、憲法の理念であり、 世界の常識だ」とあるが、これは本当だろうか。 欧州では地方参政権を認める国がいくつかあるはずだが (たとえばこのページを参照)。

また、「その国と運命を共にする」という表現も気になる。 別に日本人だからといってその国と運命を共にするとは限らないし(国外で一生暮らすのも自由だし)、 また、在日外国人であっても普通の日本人よりもずっと日本に コミットする人もいるだろう。 いずれにせよ、参政権を認めなければ、 政治において彼らの利益が適切に配慮されなくなるので、 ある程度の制約は課すにしろ、 認めるべきではないだろうか。 この件についてはもっとよく考える必要がある。

真夜中2 (午前)

Q. 歴史を学ぶ意義は何ですか?

A. 過去から過ちを学ぶことができます。たとえば優生学。 また、それ以上に重要なことですが、 現代を特別視せず、相対化して考えることができます。 たとえば、現在のクローンに対する人々の反応と、 試験官ベビー(体外受精による子供)が生まれたときの人々の反応を比較するなど。

お昼前

遅寝遅起き。

某朝の勉強会をすっぽかしてしまったことに起きてから気付いた。 わー、すみません。

昼下がり

今日は自宅で勉強することにした。明日の発表の準備など。

夕方、少し寝てしまう。逃避だ。

起きてから生協に買い出しに行く。 夕ごはんは駅前のベトナム料理屋。味は今いち。

Q. 落ちこんだときはどうすればいいのですか。

A. 落ちこんだ原因を列挙してみましょう。 そのなかで、取り返しのつかないこと、 自分の力ではどうにもならないことについては、災難だと思ってあきらめましょう。 今後気をつければ回避できる事柄については、改善する努力をしましょう。 自分一人で悩むとはまってしまうので、 相談できる相手を見つけることも重要です。 精神も気をつけないと病気になりますから、 なるべく早目に手を打つようにしましょう。

また、自分だけが特別に悩んでいるわけではないことを知るのも 慰めになるかもしれません。 他人の悩みを聞いてもいいですし、 また上で述べた歴史(あるいは文学)を学ぶ効用がこの点についてもあてはまります。 「他人も同じことを経験し、その経験の記録を残したということを知らないま ま人生を送るほど孤独なことはありません。自分の私的な経験に思考の枠組を 与え、また慰めになる考えを与えるために、大人であれば誰でも、ヨブ、オル フェウス、キルケ、ルツ、リア王、イエス、金の子牛、ホーリーグレイル、ア ンチゴネについて考えることができる必要があります」(Helen Vendler)。

Q. なぜ内政干渉すべきではないのですか。

A. その国家の自律(自決権)を尊重すべきだからです。 ただし、われわれには善行(人道的行為)を行なう義務もあり、 たとえ「内政」と言えども政府が国民に甚大な危害を加えていると 考えられる場合には、その限りではありません。 これは言わば、政府は家族のことには基本的に干渉しないが、 家庭内暴力の可能性があれば介入することが正当化されうる、 というのと類比的だと言えるでしょう。

また、何が「干渉」とみなされるべきなのかについても議論が必要です。 たとえば、 「首相の靖国参拝はやめるべきだ」と他国の高官が批判することまでを 「内政干渉」と呼ぶなら、ほとんどの場合、 他国についてコメントすることは「内政干渉」と呼ばれることになるでしょう (あれ、赤旗も教科書問題について同じようなことを書いてるな)。 他方、たとえばソマリアで行なわれている女子割礼をやめさせるために、 経済援助を停止することは内政干渉と言えるかもしれません。 そこで、どこで線引きをするのかを論じる必要があります。 ミルが『自由論』でこの点にも触れておいてくれればよかったのですが…。


04/Mar/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

夜中になってようやく勉強する気になってくる。これではいかん。

もうすぐ夜明けだ。

Q. ムーア先生に質問です。脳死は人の死なんですか?

A. わたしの未決問題論法 (open question argument)を脳死の論争に適用すると、 「脳死は人の死か」という問いは有意味な問いであるがゆえに、 脳死は人の死とは言えないことになります。 わたしの冗長な論証を省いて結論だけを述べると、 「死は死である。終わり」ということになります。

早朝

う、また夜更ししてしまった。さっさと寝て、今日こそは早く(ie.午前中に) 大学に行こう。


05/Mar/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

昨日はお昼ごろに大学に行き、脳死・臓器移植の勉強。 夕方に某ミーティングで発表。 当然だが、まだまだ勉強が足りない。

夜、某氏や某氏の学生らと飲み会。ちょっと飲みすぎた。 ほどほどにしよう。

帰宅するとすでに『白い巨塔』は終わっていた。 これで二週連続。 なぜ録画予約をしていなかったのか。ばがっ。

お昼

さっき起きる。

もうすぐロンドンだ。友人たち(少ないけど)と会う連絡を取っていると、 なんだかうれしくなってきた。楽しんでこよう。

お昼すぎ

大学へ。昨日もそうだが、USBメモリを家に忘れてきて取りに帰る。

書き忘れていたが、昨日アマゾンから『ぼのぼの(24)』と Coldplayの1stと2ndアルバムが届いた。

昼下がり

税というのは、国家の運営および福祉政策のために必要である反面、 個人の欲求に対するブレーキとして作用するというマイナス面がある。 所得税があまりに累進的であれば、人々はあえてより多くのお金を稼ぐ 欲求を失なうだろう。 また、消費税があまりに高くなれば、人々は消費意欲を失なってしまうだろう。 そういう意味で、一国の税制は人々のライフスタイル(勤勉貯蓄型、 放蕩浪費型など)に一定の影響を及ぼす。

ここまでは当然の話だが、とすると、個人の消費意欲を高めるために、 たとえば「消費税ゼロの月」とかを作ってみると、よいのではないか。 こういうことをすると自営業の店は他の月の売上げをその月に回すことで 他の月の分の消費税を払わないなどの不正を行なうだろうか。 単なる思いつきをメモ。

昼下がり2

うう。いろいろ勉強せねば。具体的には福祉の理論と実際の制度、 臓器移植や配分の理論、倫理学の基本的要素とは何か、など。 D論も書かねば。うう。

夕方、ちょっと学生の指導の付き合いをしたあと、 購買部に買い出しに行き、それから新聞。

国旗掲揚や国歌斉唱についてはとくに意見はないのだが、 次の都議会本会議での横山祥吉教育長のコメントは気になる。

「教育は公務員として学習指導要領に基づいて児童・生徒の教育を行う責務がある。 指導において命じることは、何ら思想・良心の自由を侵すことにはならない」 (産経本日付27面)

前半の、公務員としての責務があるというのはその通りだと思うが、 後半の、指導において命じること(学習指導要領に書いてあることに従うこと)は、 何ら思想・良心の自由を侵すことにはならない、というのはなぜだろうか。

いかに指導要領がひどい内容であっても、単にそれに外面的に従うだけならば、 内面的自由は奪われることはない、ということだろうか。 たとえば、学習指導要領に「男は男らしく」「女は女らしく」教育することと 書いてあり、ゴリゴリのフェミニストの教員がそれに従って授業を行なっても、 良心や思想の自由が侵されたことにはならない、ということか。 また、同じく指導要領に天地創造説を指導するように書いてあり、 進化論を信じている理科の先生がそれを教えても、 やはり良心・思想の自由は侵されたことにはならない、ということか。

あるいは、指導要領が気に入らなければ私立でも塾でも行って教えればよい、 それは個人の自由だ、ということだろうか。

いずれにしても 「国旗掲揚・国歌斉唱は、何ら思想・良心の自由を侵すことにはならない」 と主張するならまだしも、 「指導において命じることは、何ら思想・良心の自由を侵すことにはならない」 というのはとても正しい命題のようには思えないのだが、どうか。 それとも何か別の解釈があるのだろうか。

夜中

某『清兵衛』を録画しようと思い、帰宅する。 倫理学の勉強。

Q. まじめな質問です。ここ数年間で倫理的に学んだことはありますか? 言い換えると、あなたの道徳的価値観になんらかの変化はありましたか?

A. いろいろな意味でコミットメントの重要性を学びました。 人間関係、哲学的立場などにおけるコミットメントです。 何にもコミットしないという態度も一つの立場にコミットしており、 決定論的な正当化は責任を回避するための口上であると考えるようになりました。 徳における習慣の重要性も学びました。 しかし、まだまだいろいろなことに不徹底であり、 今後も修業する必要が大いにあります。


06/Mar/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

テレビをつけたらやっていたUAE対日本戦を途中から見入ってしまう。

ロンドンでのホテルを予約。あとはドイツだな。

真夜中2 (午前)

倫理学の勉強。もう寝よう。

夜中

遅寝遅起きしてお昼ごろに起きる。 洗濯をして散髪をしに上野へ。 某ホテルのイタリア料理を食べるとなかなかおいしかった。

散髪をして公園で新聞を読んでいると体がすっかり冷えてしまい、 帰宅して風呂に入る。しばらくメールを書いたりしてから また食事に出て、いつもの韓国料理屋で腹一杯食べる。 今日はいささか食べすぎた。

「それにしても、某監督の脳梗塞の騒ぎはすごいですね。 新聞の一面になるほど人気があるとは知りませんでした」

「この調子で行くと、 死んだときにはホーギョなんて言葉が使われるんじゃないか。 テレビが追悼番組ばっかりになってビデオレンタル屋が繁盛するとか」

「またまた不謹慎なことを。健康になるようにお祈りしましょう」

夜中2

ちょっと右目の奥が痛む。風邪の徴候か。 本が読めないのでヒラリークリントンの朗読でも聞きながら寝よう。


07/Mar/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

早寝早起き。

ふと思ったが、トランプ(のカード)というのは、 世の中には厳然たるヒエラルキーがあることを教える目的を持っていたのだろうか。

お昼ごろに竹芝に行き、 2時間のクルーズランチをする。 今日は風が冷たく、 外に出るとかなり寒かったが、 食事もおいしくなかなか楽しめた。

それから、汐留、銀座と歩く。 いろいろ店を見ているとかなり疲れたので、 本郷に戻ってきて某喫茶店で休憩し、 帰宅。ちょっと寝る。

夕方から大学に行こうかと思ったが、 非常に寒いのであきらめて自宅で勉強することにした。

真夜中

ちょっと寝つつも、明日の勉強会の準備。

ロンドンに行ったら、クイーンのミュージカルとロッド・スチュアートの ミュージカルが見たいな。いや、もちろん仕事で行くんだけど…。


08/Mar/2004 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

勉強中。今晩寝れるかどうか…。

すごくひさしぶりに海親子丼を作ってみる。 昆布だしを使いすぎた。

台湾総統選がもうすぐ行なわれるが、 野党国民党の候補が「連戦」という名前のようで、 新聞には「連戦主席」とか書いてあって、なんだかすごい。 名前の通り負け知らずなんだろうか。

真夜中2 (午前)

勉強。眠いので仮眠するか。

予定通り、寝過ぎる。発表の準備をせねば。

朝、なんとか発表の準備を終えて、大学へ行き、 朝から夕方までベンタム勉強会。 今回は:

というような勉強をした。某先生も降臨。いろいろ勉強になった。

そのあと、某喫茶店で少し雑談してから、また大学に戻ってくる。 新聞を読み、明日の勉強会の準備をせねば。


09/Mar/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

早寝早起き。朝、喫茶店ですこし今日の勉強会の予習。

夕方

朝からお昼すぎまで某生命倫理勉強会。 子どもの医療に関する倫理的問題(判断能力、児童虐待)、 終末期医療をめぐる倫理的問題 (安楽死、DNR指示、臓器移植など--とくに生命の神聖さ、意図と予見、 作為と不作為という原則をめぐって)について。

お昼は一緒に二食(第二食堂)で。 今後の発表予定について根回しをしてみたり :)

休む間もなくそれから某ミーティング。 法の基礎について教わったり、シラバスについて相談したり。 4月からはますます忙しくなりそうだ。 早目に準備をするようにしよう。

つかれた。寝たい。研究室にソファがあれば…。

いろいろメールを打ったり。

「非常勤をやっているなら確定申告を出さないといけない」 という不吉な噂を耳にする。 去年の2月までは非常勤をやっていたが…。 まあ、たぶんあんまり関係ないということで、 必要そうなら来年からやることにしよう。 とりあえず、今晩は科研費の研究実績報告書を書こう。

夜2

夜は某ファミレス系イタメシ屋で。

つかれた。

真夜中

科研費の報告書を書く。今年度はぜんぜん業績がなかった。 16年度はもう少しがんばろう。


10/Mar/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

早寝早起き。

銀行の口座をチェックすると、 こないだまで住んでいた部屋の敷金と家賃(半月分)が振り込まれていた。 思ったより敷金が戻ってきており、助かる。

昼下がり

お昼前に大学に来て、科研費の書類を無事提出。 ついでに、 京大にいたときに作ったクレジットカードの有効期限がもうすぐ切れるので、 大学生協に行って新しいカードの申請をする。

某氏とお昼を食べにいく。蕎麦。 そのあと、すこし銀行めぐりをする。 某銀行の受付で相談したところ、 以前ロンドンにいるときに使っていた トラベラーズ・カードはまだ使えることがわかったので、 それ用の口座にお金をいくらか移しておく。 これで外国に行ってもお金を自由に引き出せるはず。

大学に戻ってきてから、 Kennedy Institute of Ethicsの集中生命倫理コースに参加する手続を ファクスにて行なう。あと、メールを何通か書く。忙しい。

夕方

旅行に持っていく本を選んだり。 どうせ読まないんだから、なるべく少なめにすること。

ドイツでの医師による自殺幇助のコンファレンスの情報がまったくわからず、 最悪のところフランクフルトで観光旅行をすることになるかと思ったが、 ウェブでいろいろ探したところ、 JMEが このコンファレンスの担当者のメールアドレスを書いていてくれたので助かった。 とりあえずメールを出したので、あとはロンドンに行ってからなんとかしよう。 ドイツのホテルもロンドンで決めることにしよう。

大学で仕事。途中、惣菜を買ってきて自宅で夕食。

真夜中

しまった。日記を古いデータで上書きしてしまった。やばい。

被害は小さくて済んだ模様(たぶん)。よかった。

一度帰宅したが、ノートパソコンを忘れてきたので大学に戻る。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Apr 2 22:52:33 JST 2004