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こだまの世界

2004年2月下旬号

「自由って、 単に彼氏と手をつないで歩けるかどうかっていうことじゃなくて、 警察官が目の前にいても自由に話せるかどうかってことよ」

---イラン人の若者、in The Guardian Weekly

"I'd like to set an example and show them: `Hey, it's fun to do, and the more I'm doing philanthropically, the better I'll feel.'"

---Bill Gates, 彼の慈善活動について, in The Guardian Weekly


主な話題


21/Feb/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼すぎ

朝遅くに起き、しばらく喫茶店で新聞を読む。

研究室へ。

昼下がり、さらに新聞を読んだあと、すこし昼寝。 夕方、ちょっと根津に買物に出かけるが、 あまり収穫はなし。 あえて言えば、 理学部一号館のあたり(→弥生門というようだ) から不忍池方面に出られることを発見したのが収穫か。 竹久夢路美術館があったので、今度行ってみよう。

夜2

メールを読んだり書いたり。勉強せねば。

夜中

ちょっと翻訳の推敲をしたあと、 お腹が減ったので帰宅。 湯豆腐、かぼちゃの煮付けなど。

真夜中

さらに新聞。 ガーディアン・ウィークリーの紙質が今後は普通のものになるそうだ。 これまでエア・メール版は裏が透けて見える非常に薄い紙だったのだが、 そのような印刷技術を持つ印刷所が減ってきたというのが主な理由らしい。


22/Feb/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

早寝早起き。よく寝た。

夕方

お昼から上野に向かって出発。 JR上野駅で来週末のために切符を買う。 たしかに上野駅周辺は雑多な感じで、 若干治安が悪そうだ。 ビッグイシューを売っている人がいたので一部買う。

上野でそばを食べてから、 たまたま見つけた横山大観記念館を訪問し、 それから大学を横切って某近江屋にも行ってみる。 野菜や果物のジュースが飲めておいしい。

疲れ切って帰宅。ちょっと寝てから勉強しよう。

首のあたりの凝りがひどく、ちょっと熱もあったようなので、 少し寝る。ちょっとましになった。

今日も非常に暖かったが、 上野恩寵公園(すごい名前)の入口の桜がすでに咲いていた。

近くの八百屋がやっていないので、 惣菜屋で適当に買物をして夕食。

真夜中

風呂に湯を張って入る。勉強する気なし。今日はゆっくりしよう。

今夜は風が強く、雨も降ってきた。サンテラスの本が心配。

真夜中2

何かSFを読みたくなって、 ついリン・カーター『ゾンガーと魔導師の王』 というヒロイック・ファンタジーを読んでしまう。 ヒマつぶしにはこういうのも良いが、 もっといろいろ考えさせられるものを読もう。C。

あ、上野公園は「恩寵」公園ではなく「恩賜」(おんし)公園だそうだ。 調べてみると、 明治維新後に官有地だったものが大正13年に東京市に下賜されたとのこと。 ご指摘感謝。


23/Feb/2004 (Monday/lundi/Montag)

お昼前

どうも風邪を引いたらしい。体温は現在36.6度だが、 喉と鼻が焼けるような痛みがある。 20日に、寝て起きると喉が痛いという記述があるが、 どうもこの数日前(おそらく某審査会でマイク持ちをした17日ごろ)から 風邪を引きはじめていたようだ。

昨夜はさっさと寝るべきだったのだが、 ハインラインの『自由未来』を読みはじめたら止まらなくなり、 夜明けごろまで読み続け、半分ぐらい行ったところでようやく寝た。 ハインラインはどの本を読んでも人物に奥行きがないが、 内容や気のきいたセリフは一流だ。

とりあえず今日は自宅研修ということでもうしばらく寝よう。

あ、枕情報、感謝。テンピュール枕が肩こりによいそうだ。

夕方

ふとんの中で、昼下がりまでかかって『自由未来』 (浅倉久志訳、ハヤカワ文庫、1982年)を読み通す。 おもしろい。ハインライン1964年の作品で、 主人公の家族と友人が避難していた核シェルターが、 核戦争のエネルギーによってタイムスリップ; 前半は自分たち以外には人のいない大自然で、 家族版ロビンソン・クルーソーのような生活; 後半は白人と黒人が入れ代わった未来社会の様子を描き、 独立心の強い主人公が「満足な奴隷」状態から抜け出ようする試みを描いている。

前半では力強い開拓者精神、後半ではぬるま湯に満足しない独立心、 というのがテーマになっているようだ。 こういう考え方自体は個性や自由を愛するミルと同じで立派だし嫌いではないのだが、 ハインラインの場合はこれに「アメリカン・スピリット」というラベルを貼り、 米国で失われつつあるこの精神を取り戻そうという暗黙の訴えがあるから 「右翼的」と評されるんだろう。 しかしまあ、上に書いたように内容的には人道主義と呼べるようなもので、 毒のない愛国主義だから問題ない気がする。

先にも書いたがハインラインは今回も人物描写が非常に浅く、 善悪もはっきりしすぎている嫌いがある。 が、ストーリー展開は秀逸で、「SF的状況」 を用いて現在の道徳を検討するということも自覚的に 行なっていて勉強になる。B+。

名ゼリフ: ヒュー「わたしはどんな猫でも好きだ。 猫は支配することはできない。猫は自由市民なんだ。 犬はちがう。犬は、人なつっこく、 愉快で、忠実でもある。だが奴隷だ。それは犬の罪じゃない。 そういうふうに育てられたのだから。だが、たとえ動物のそれであっても、 奴隷根性を見ると、わたしは胸がむかむかするんだ」(50頁)

デューク「お父さん、後生だから、なぜ民主的に物事を運んでくれないんです? ぼくは、べつに親方になりたかない、ただあなたに、 フェアにやってもらいたいだけなんです」
ヒュー「ふむ。親方になりたかない、か。つまり、 後部席のうるさがたになりたいんだな--運転手に文句のいえるような」(101-2頁)

36.8度。微熱だが長びくと困るので無理をしないようにしよう。

夜2

定食屋でマグロ・イカ刺定食。 コンビニで光熱費の支払を済ませて帰宅。

産経の社説でまた「戦争の大義 正邪ではなく国益で語れ」 という主張がなされている。 「国家は力と利益の体系であり、戦争行為を情緒的な正邪で語ることほど本質を ぼかすものはない」そうだ。正邪というのは「情緒的」であり、 「どんな戦争でも敵にも味方にもそれぞれ大義はある。 ある国の大義は、他の国にとっては誤りかもしれず…」とある。

しかし、今問題になっているのは情緒がどうこうではなく、 政治的決断に使われた情報(事実)が誤っていたかどうかであり、 またその誤りが国民を戦争支持に向かわせるために政治家によって 意図的になされたかどうかだろう。もちろんイラク復興を日本が援助することは 日本の国益になるだろうが、 上の点をはっきりさせることも政治に対する不信を取り除くという意味で、 日本や英米の国益にかなうはずだ。

産経の「正邪」とか「大義」の使用の仕方はぼんやりとしかわからないが、 こうした言葉は以下の特徴を持つものとして使用されているようだ。

興味深いのは、上の最初の三つの特徴は、産経が大事にしている「国益」 についても相当当てはまっていることだ。 イラク戦争に参加することが日本の国益に適っていたというのは、 「情緒的」であり、話者の立場(首相あるいは日本)に相対的であり、 どのような戦争にも(産経の言うように)「国益」を主張することができる。 ただ、「大義」や「正邪」とは違い、 現在では「国益」が政治的決定において重要な言葉となっているようだ。 単に情緒的に使うのではなければ、国益の概念を明らかにする必要がある。

夜3

食べすぎ、お茶の飲みすぎでお腹が。腹八分を心掛けよう。

明日朝から勉強会があることを忘れていた。

夜中

風邪気味だが、明日の勉強会の予習。

真夜中

風邪。「英語でしゃべらナイト」を見る。

勉強中にsedativeという言葉を見て、 ラモーンズのCDを探し、`I wanna be sedated'を聴く。


24/Feb/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

まだ予習中。

読書に集中するためには指でなぞりながら読むとよいという忠告を見たことがあるが、 なぞっていると遅いので、最近は赤ペンを持って点を打ちながら読んでみている (だいたい一行に点が一つか二つ、とくに重要そうな言葉の下に打つ)。 こうすると強制的に読むスピードがあがるのでよいが、 読んだあとに小さな赤点がポツポツ残るので、 ますます古本屋に売ることができなくなるという欠点がある。 まあ、どうせ売らないし、いいか。

真夜中2 (午前)

予習終わり。寝よう。

なんとか起きる。鼻までブランケットをかぶって寝たおかげか、 喉と鼻はましになった。体温は36.9度。 左耳の下のリンパ腺を押さえると少し痛む(これは昨日から)。

お昼前から某生命倫理勉強会。生殖医療と精神保健の話。 お昼を生協の食堂で食べたあと、 昼下がりから某ミーティング。研究倫理の話。

風邪が悪化したので早々に研究室を出て、 昨日と同じ定食屋で魚料理を食べて帰宅する。 現在、36.7度で微熱。喉は大丈夫だが鼻はダメ。 この調子だと明日が心配だ。

真夜中

夜、メールを数通書き、たまっていた洗濯をする。 明日は早いのでもう寝よう。


25/Feb/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

早起き。

ついに30才になった。もう`I hope I die before I get old'と歌ってないで、 社会的責任を果たせる人間にならねば。

お昼

某監督。

真夜中

お昼からも某監督。つつがなく終わる。

それから某教授とちょっと相談したあと、 書籍部に行って科研費をほぼ使い切る。 それから某フォレスト本郷でちょっと豪華な夕食をいただき、 帰宅。

Amazonから、Hilary ClintonのLiving HistoryのCD版と『ぼのぼの』 の第23巻が届いていた。Living Historyは省略版だが、 ヒラリー・クリントン自身が読んでるし、CD6枚でこの値段はお得だ。 リスニングの勉強にも向いているかもしれない。 ぼのぼのは惰性で買ってしまった。

眠いが新聞を読む。あ、家賃も払っておいた。


26/Feb/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

早起き。風邪は朝起きるとまだ少し喉が痛く、鼻も少し出たが、 快方に向かっているようだ。

朝2

某スタバで新聞を読んでから大学へ。

お昼すぎ

明日の予習。入試で外に出るのが面倒なので、 お昼は買い置きのパスタで済ませてしまう。

真夜中

お昼すぎ、某教授らと一緒に書籍部に行き、 大量に本を買う。夕方から夜まで某ミーティング。守秘義務など。 そのあと何人かで韓国料理に行く。 帰ってくるとちょうど『白い巨塔』が終わっていた。しくしく。

さっき、韓国料理を食べながら会話しているときに、 「吉と出るか凶と出るか」と言おうとして、 「吉と出るか蛇が出るか」と言ってしまった。 は、恥ずかしい…。

(念のため、正しくは「鬼が出るか蛇が出るか」です)


27/Feb/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

早朝

早起き。今日の発表の準備がまだ終わっていないので、 さっさとやって行かねば。

疲れてグウの音も出ない。

お昼ごろまで必死になってハンドアウトを作成し、 大学に寄ってから南大沢へ。 午前中はさぼってしまったわけだが、昼食をはさんだ午後の授業に ぎりぎり間に合う。 フリーデンのグリーン・イデオロギーについて。 なんとか無事に発表を終える。

それから某先生の最終講義を聞きに西千葉に行く予定だったが、 お茶の水に着いたのが5時で、講義は6時に終わると聞いていたので、 疲れているしお腹の調子も悪いのであきらめて大学に戻ってくる。 朝からほとんど何も食べていなかったので、 購買部で弁当を買い研究室で食事。ほんとに疲れた。

真夜中

いったん帰宅してから、散歩がてら春日駅そばの本屋へ。 某珈琲館で一服して戻ってきた。新聞。眠い。

ヤフーの個人情報流出も(オレも被害に遭っている気がする)、 京都の鳥インフルエンザで死んだニワトリの話も、 麻原被告の死刑判決も、 どれも新聞の第一面を飾りそうな大きな事件ばかりだな。 しかし、歴史的な重みから言えばやはり麻原か。


28/Feb/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

よく寝た。

夕方

なぜか新潟市にいる。 お昼ごろに東京を新幹線で出て、昼下がりに到着。 駅の近辺を歩いてからホテルにチェックイン。

このホテルは各部屋にLANが通っているので非常に快適だが、 さきほどロビーで時間をつぶしていたら、 男性三人組がロビーのコンピュータを使って風俗店を探していたのはわろし。

新潟は初めてでまったく何もしらない。 おいしい蕎麦屋など何かローカルな情報をお持ちの方がいたらメール下さい。

今立ち上げに参加している某研究所のウェブサイトの大枠を作ることになったので、 ちょっとフリーのソフトなどを物色中。 今までプリミティブにやってきたので、 スタイルシートとか一から勉強する必要がある。 と思うのだが、あんまり難しいことを学ぶのもやなので、 なるべく手抜きで行こう。外見より内容で勝負だ(とか言って)。

夜中

夜、駅前の繁華街でへぎそばを食べ、越乃寒梅を飲む。 それから少し歩いて万代橋まで行き、戻ってくる。 リラックスした。


29/Feb/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

早寝早起き。 今日は日本海を見てから、温泉に行く予定。

帰宅。結局、日本海は見れず。 ホテルで無料の朝食を食べてから、 午前中は小雨の降るなか傘を差して古町近辺を散策。 新津記念館は休みだったので、白山公園に行き、 燕喜館(えんきかん) と県政記念館による。 歴史を大切にしているようで、どちらもなかなか見応えがあった。

古町モールのあたりは日曜日で休みが多かったが、 なんとか海鮮料理屋を見つけて食事をし、 急いでタクシーに乗って新潟駅へ。 電車に乗って新発田(「しんほったはどっちですか」 と駅員に訊くと、 しばらく分かってもらえず、「新に発に田なんですが」と尋ねると、 「ああ、しばたですか」と言われた。う〜ん) に行き、そこから電車を乗り継いで温泉のある月岡というところへ。 バスが数時間に一本しかないので、タクシーを呼んで温泉に行く。 硫黄のにおいがきつい温泉だったが、なかなかよかった。 ちょっとしか入らなかったので、いささか高くついたが。

電車の時刻まで少し時間があったので、 市島邸に寄る。 400年以上繁栄していた名家だそうで、 最盛期には2000人以上の小作農を従えた豪農だったようだ。 建物もすごいし、いろいろ貴重な歴史的資料もあるようでおもしろかった。

時間になったので新津の方から新潟に戻り、 急いでちょっと海鮮料理を食べたあと、 地酒を一本だけ買って新幹線に飛び乗る。 帰りの新幹線の中では新聞を読んでから爆睡していた。 今回は一泊二日で十分に楽しめなかったので、 また時間ができたら遊びに行こう。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Apr 2 22:45:07 JST 2004