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こだまの世界

2004年7月下旬号

社会の改善の全歴史は移行の連続であり、 社会が存続するために何より必要と考えられた習慣や制度が次から次へと、 誰から見ても不正であり圧政であると烙印を押されて消えていった。 奴隷と自由人、貴族と農奴、貴族と平民の区別がそうであった。 皮膚の色、人種、性による差別待遇についてもやがてそうなるだろうし、 また一部分はすでにそうなっている。

---J.S.ミル、『功利主義論』

私は常に、抽象的な学問…の畑は別として、 独創的思想家としての自分の才能をあまり買っていなかったが、 すべての人から学びとるという気持および能力にかけては、 同時代の大概の人たちにくらべて、はるかにまさっていると考えていた。 事実、新と旧とを問わず、あらゆる意見のための弁護論を、 私くらいたんねんに検討する習慣の人間はほとんど見ることができなかった。 それは、たとえそれがまちがった議論であったとしてもその底には 一脈の真実がひそんでいないとはかぎらず、 また、どういうばあいにもせよ、それらの議論を一応もっともらしく見せているのが 何であるかをつきとめれば、やはり真実にとっての利益とはなるにちがいないという、 私の確信から出た習慣なのであった。

---J.S.ミル、『ミル自伝』


主な話題


21/Jul/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

大学でミルの『功利主義論』第5章を少し読んでいたが、 つい某冷蔵庫にあったビールを飲んでしまい、眠くなったので帰宅。 新聞を読んだら寝て、起きてから勉強しよう。

顎関節症は、横向きに寝ることもその一因となるようだ。 「食いしばり」という言葉を初めてみた。 「食いしばる」が名詞化されたもののようだ。

昼下がり

お昼まで起きられず。某電話。それから大学へ。

夜中

今日やったこと

メモ: 正義と善行、完全義務と不完全義務を勉強するには、 ミルの『功利主義論』第5章、ヒュームの『道徳原理の研究』第2章と第3章、 カントの『道徳形而上学の基礎付け』第2節を読むこと。 正義論の授業であれば、 これに加えて、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』第5巻、 ホッブズの『リヴァイアサン』(手元にない。自然法と契約の部分)を読んでから、 キムリッカの『現代政治理論』に進めばよいか。

真夜中

ミル。おもしろい。古典というのは何回読んでもおもしろい。あ、 何回読んでもおもしろいものを「古典」と呼ぶのか。


22/Jul/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

ロールズを読んでいてわからないところがあったので、 京都の某氏に電話で教えてもらう。先達はあらまほしきかな。

机の上にある新しい本に目を通して、片付ける。 本棚の整理もしないといけない。

真夜中2 (午前)

某翻訳に手をつける。今回は、 古い版の翻訳があるので、 それを参考にしてさっさとやっつけてしまいたい。

昼下がり

う、明け方からさっきまで昏々と寝続けてしまった。信じられん。

真夜中

今日のこと。

さて、明日は某ゼミに出席しなければならないので、さっさと帰らねば。


23/Jul/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

早朝

昨夜よく飲んだせいか、早くに目覚めてしまう。 しばらくうだうだしたあと、仕方ないので起きる。 せっかくだし勉強するか。

夕方

人間失格。一日中寝て過ごしてしまう。

まあ、自分をあまり責めるとウツになりそうだし、 夏でもあるし、気楽にやろう。

真夜中

夜、院生たちに混じって体育館でバドミントン。汗をだらだらかきながら、 3時間ほど運動する。死ぬ。

そのあと、近くの居酒屋で飲み会。 研究室に戻ってきてからしばらく寝る。


24/Jul/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

ミルの勉強を少し。明日は少しアリストテレスを読むこと。

早朝

朝までマンガ喫茶。『ヒカルの碁』を最後まで読む。 オレがまだ子どもだからだろうか、スポコンっていいよなあ。 碁のことをまったく知らないのに、連中が切磋琢磨する姿に感動する。 自分に足りないのは、先を読もうとする努力と、 古典を生きたものとして読もうとする努力であることを再認識。 がんばろ。

右の太ももと腕が筋肉痛。そういえば、 昨夜はセミが成虫になる姿をたくさん見た。夏だ。

昼下がり

やっと起きる。さて、勉強勉強。

夕方

まず喫茶店で新聞。

日本の出生率は1.29、米国は2.13、国会(連邦議会)に占める女性議員の割合は 日本では7.3、米国は約その倍、ドイツは日本の約5倍だそうだ。 こういう数字も頭に叩きこんどかないと。

一応歩けるものの、体中が痛い。

夕暮れ

ニコマコス第5巻を少し読む。

夜、某氏と某所で丼物を食べたあと、ジムで汗を流す。

今日も懐徳館の生垣で多くのセミが脱皮している。


25/Jul/2004 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

ちょっと翻訳。あれ、今日は居眠りはしなかったのだが、 生産量がえらく低いなあ。もっと集中してがんばらないと。

早朝

ここだけの秘密だが、昨晩もマンガ喫茶で過ごしてしまった。う〜ん。 『バガボンド』を19巻まで読んだが、今ひとつ。時間の無駄だった。

真夜中

今日やったこと。


26/Jul/2004 (Monday/lundi/Montag)

早朝

少し翻訳をしてから帰宅。もう寝よう。


27/Jul/2004 (Tuesday/mardi/Dienstag)

さっき起きる。勉強せねば。

昨日のこと。

夜中

今日やったこと。

中島らもが死んだとか。

あ、なんだか空しくなってきた。すべては空しい。風のごとし。 死んだライオンと生きた犬のどちらがいいか?


28/Jul/2004 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

夜中

今日のこと。

真夜中

帰宅して勉強しようかと思ったが、眠い。もうだめです。


29/Jul/2004 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

布団に入ると寝られなくなる。

伝統的に米国共和党がリバタリアンの路線、 民主党がリベラルの路線を追求しているとして(最近は両方とも中道寄りだが --今日「リベラル」を自称する米国民は19%に過ぎないんだそうだ)、 功利主義はどこに位置するだろうか、などと考えていると、 「日本功利主義党」というのがあったら、 どういうマニフェストを持つだろうと想像することになった。

日本功利主義党のマニフェスト

党のモットーはもちろん、最大多数の最大幸福だろう。

う〜ん、まだある気がするが、つかれたからまたにしよう。


30/Jul/2004 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

昨日のこと。

アマゾンから『シュレック』のDVDが届いた。 明日にでも見ることにしよう。

夕方

朝、ハゲになる夢を見て飛び起きた。ふと髪の毛を持ち上げてみると、 ハゲになっているという、すでに二三度見た夢だ。 老いに対する無意識の恐怖を象徴しているのだろうか、 などと考えながら二度寝してしまう。

昨夜は『シュレック』を見てしまったせいで遅く寝たせいもあり、 お昼ごろにかかってきた某氏の電話でようやく起きた。 大学に行って某氏に某コピーを渡す。

それからひさしぶりに書籍部に行き(書籍部にはもっと頻繁に行くこと! そして、自分と同世代かそれより若い人たちが本を書いていることを自覚し、 冷汗をかくこと!)、コンピュータ雑誌を眺める。 研究室でDVDレコーダーとDVカメラ(ドメスティック・バイオレンス・カメラ、 じゃなくて、デジタル・ビデオ・カメラ--そういえば、 DNR--デジタル・ノイズ・リダクションという略語もあることを知った)を 買うことになったので、 いろいろ物色した結果(けっきょく雑誌も一冊買った)、 松下(DIGAと、3CCDのビデオカメラ)で揃えることにした。

そのあと、ぼーっとBMJを読んでいたりすると、夕方になってしまう。 そろそろバドミントン大会に参加しに行かねば。 研究日なのになんてことだ。帰ってきたらちょっとは勉強しよう。


31/Jul/2004 (Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中 (午前)

昨日は、夕方から御殿下の体育館でバドミントン。3時間ぶっつづけでやり、 体力を使い切る。明日こそは勉強しないと。

そのあと、某氏らと飲み会。研究室に戻ってから、 別の某氏とビールを飲みながら、 今後の生命倫理学について熱く語り合う。 いや、語り合う前に勉強せなあかんわけやけど。あれ、なぜか関西弁。

昼下がりに起きて、喫茶店で新聞。 昨日の新聞にあった「文化庁による国語に関する世論調査」の結果を読んで、 自分の無知を知り、驚く。いや、無知であることはよく知っているので、 驚くほどのことではないはずなのだが。

それによると、「姑息」というのは「卑怯な」という意味ではなく、 「一時しのぎの」という意味であり、「憮然」というのは 「腹を立てている様子」ではなく「失望してぼんやりとしている様子」 なんだそうだ。 「檄を飛ばす」とか「さわり」も正確には理解していなかったかもしれない。 「押しも押されぬ」は誤用で、正しくは「押しも押されもせぬ」、 同様に、「的を得る」は誤用で、「的を射る」が正しい。 このあたりも、気をつけないと恥をかくことになりそうだ。

それから研究室に来てさらに新聞。 これからようやくちょっと勉強。

夜中

某院生たちと一緒に『シュレック』をまた観てしまう。

真夜中

ちょっと椅子を並べて寝てしまう。賞味期限の切れた明太子を片付ける。

真夜中2

ベンタムの勉強。読んでる本がつまらないせいか、集中できず。 これでは時間の無駄だ。


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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sat Jul 30 15:55:03 JST 2005