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こだまの世界

2002年10月中旬号

Living is easy with eyes closed, misunderstanding all you see...

---The Beatles


主な話題


11/Oct/2002 (Friday/vendredi/Freitag)

朝、猛烈な眠けと闘った末、起きる。

シリアル、シャワー。荷物をつめる。

お昼前

大学。さて、原稿をコピーして行かねば。また新幹線に乗り遅れる。

お昼すぎ

某君のおかげでなんとか新幹線に間に合った。感謝。 しかし、コピーした原稿を半分くらい某所に忘れてしまったので、 これも某君に面倒をかけることになる。すいません。

車内では焼おにぎり。足りない。

真夜中

夕方、蒲田着。ちょっと古巣のマンガ喫茶で休んでから、 某中華料理屋で夕食(はじめて本店の方に行った。別館の方がいいかも)。

夜、自由ヶ丘へ。しばらく喫茶店で休憩したあと、 以前もお世話になった旅館へ。つかれた。

風呂に入る。

in principle and in practice, in a right track and in a wrong one, the rarest of all human qualities is consistency.

---J. Bentham

机に向かっている時間…2.5hr
今日の勉強時間…2.0hr
マルクス係数…0


12/Oct/2002 (Saturday/samedi/Sonnabend)

早朝、旅館の女主人に「宿賃払ってください」と叩き起こされる。 くそ、昨晩払うと言っておいたのに、6時半に起こしやがって。 オレを殺す気か。

寝れなくなったので、近くの赤いローソンに朝食とヒゲ剃りを買いに行く (ヒゲ剃りも持っていく準備をしていたのに忘れてきた)。 服を着替えて出発しようとすると、 某名誉教授が出ている朝のニュース番組が始まっていたので少し見る。 どうもあの先生は一人でしゃべっていた方がよさそうだ。

電車に乗る。キオスクで産経新聞を買う。 関西でもこの100円版って売ってるのかな? カーター、ノーベル平和賞受賞。

共産圏諸国では、レーニン以来、「新聞・雑誌はイデオロギー教育の 最も強力な武器である」といわれ、党の独占支配下に置かれてきた。 それを受けて革命後のソ連では、国営タス通信の社長だったパリグーノフの モスクワ大学での講義録には、「情報とは事実をもってする煽動である」 と定義されていた。

辻村明、「正論: かくも大きな情報ギャップ」、産経新聞、2002年10月12日17頁

だそうだ。西洋諸国でも多かれ少なかれ同じかも。必要なのはメディア教育? しかし教育もイデオロギー注入の武器かな。元共産圏のメディア論についても 機会があれば調べてみること。

朝2

国立の某大学に着く。自由ヶ丘からはちょうど1時間ぐらい。綺麗な大学。 まあ、某狂大に比べたらどこの大学も天国のようにきれいだ。

お昼過ぎ

お昼はみんなでモスバーガー。

ちょっと思いついたのでメモ。 ウィリアムズのinternal/external reasonの区別のアナロジーで、 rights-internalismとrights-externalismを区別する(ベンタム)。 (自然権思想のように)rights-externalismの立場を取ってしまうと、 権利がbluffである場合を区別できない。

昼下がり

発表終わり。かなり早口でやってしまった。 質問をしてくださった方々、ありがとうございます。 修業に励みます。

commit
to do something that cannot be changed (とりかえしのつかないことをやること。 例. 自殺、政治参加、本気の恋愛、など)

上のcommitの説明はBBCのLearning Englishから (例はオレが付け加えた)。 commitの重要な一側面を捉えた鋭い説明だと思う。 かなりこの言葉に思い入れがあるに違いない。

夕方

ワークショップ。ジェンダージャスティスとか理性の公共的使用とか。 途中、爆睡してしまった。

夕方2

会員総会に出席する。

来年の大会は某静岡大学(2003年10月11日、12日)で開かれるそうだ。

真夜中

夜、懇親会に出る。だんだん知ってる顔が増えてきた。

ちょっと用事があったので早目に抜けて渋谷へ。 しばらくそのへんをウロウロしたあと、 バスに乗って自由ヶ丘に戻ってきた。 一日革靴を履いていたので足が痛くなった。

机に向かっている時間…8.0hr
今日の勉強時間…7.0hr
マルクス係数…0


13/Oct/2002 (Sunday/dimanche/Sonntag)

早朝に起きる。爆睡していたようだが、まだ眠い。シャワー。

ああ、明日の授業の準備をしなきゃなあ。たいへん。がんばれ。

朝2

渋谷で荷物を一つロッカーに入れて、国立へ。 新宿では中央線は各駅と快速でホームが違う。 今日も産経新聞。

朝3

発表。ライプニッツ。応報としての正義で問題になるのは、運・不運の問題。 二人の人が同じように熱心に働いている場合でも、たとえば自然的災害によって 一方は破産し、他方は平気な場合もある。 そういう不公平を人為的に補正するために、 ライプニッツは確率論によって裏打ちされた保険制度を提案した、 というところがおもしろい。ドゥオーキンのequalityの議論も参照。

夕方

学会はお昼で抜けて、某氏と一緒に新宿へ。 そのあと渋谷に行き、昨夜見れなかったセバスチャン・サルガド写真展 (「難民・亡命・移民 国境を越えて EXODUS」)を見る。 おれもこういう写真を撮れるようになりたい。

しばらく渋谷をうろついたあと、 東京へ来て、新幹線へ。 もう現金がない。困った。

新幹線。駅弁を食べたあと、新横浜から名古屋まで爆睡。 新聞。ロンドンにレズビアンと独身女性用の不妊治療クリニックができたそうだ。 ヨーロッパ初とのこと。あとで詳しく調べること。

夜2

京都に到着したあと、バスに乗って百万遍へ。 大学にあった自転車を回収して下宿に戻る。

某君とさつまいもを食べながら歓談。ネットで新聞。

机に向かっている時間…5.0hr
今日の勉強時間…2.5hr
マルクス係数…0


14/Oct/2002 (Monday/lundi/Montag)

早朝

爆睡。すこし寝過ごしてしまう。やばい。授業の準備をせねば。

昼下がり

朝、時間がなかったのでタクシーを使ってしまった。反省。 来週は9時に下宿を出ること。

授業は祝日にもかかわらず大勢来ていた。どうなってるんだ一体? 学生の意見も多少聞いたりして臓器移植について議論。 コントラクト・アウト(オプト・アウト)に関しては前回よりも 反対意見が多かったようだ。予習不足でC-。来週は不妊治療、 性転換手術などについての予定。

バスに乗って帰ってくる。洗濯。とりあえず少し寝させて。

コントラクト・アウト(推定同意)方式についてメモ

森岡氏やその他のコントラクト・イン方式を支持する人が 臓器移植をするかどうかについて「本人の意思が重要」 というのはわかるが、コントラクト・アウト方式にしたら本人の意思 (自己決定権)を無視することになるかのような記述をするのは不当だと思う。 現行のコントラクト・イン方式でも、 「イエスと言わなければ臓器移植はしたくないものとみなす」 という推定が働いており、これはコントラクト・アウト方式の 「ノーと言わなければ臓器移植をするものとみなす」 という推定と形式上は(以下で述べるように)同じのはず。

町野氏の「我々は、死後の臓器提供へと自己決定している存在なのである」 (http://www.lifestudies.org/jp/machino02.htm)は、 なんだか変な言い方だと思うが、これは「ノーと言わなければ臓器移植をする ものとみなす」という意味で、これ自体は誰かの自己決定権を侵害するもので はない。臓器提供に関してYesかNoかはっきりしない人が多いので、 はっきり言わないやつはYesという自己決定したものとみなすということだ。

それに対して森岡氏の「本人の意思が不明の場合は、脳死の人の身体の中にある 臓器は、そのまま、そっと、脳死の人とともに大地に返すべきである。 その臓器は、誰にも利用されずに大地に帰る権利をもっているとすら私は思う」 (http://www.lifestudies.org/jp/kodomo.htm) というのは、「イエスと言わなければ臓器移植はしたくないものとみなす」 という意味で、はっきり言わないやつもNoという自己決定したものとみなす ということだ。

(ところで、この 「(本人の意思が不明の場合は) 誰にも利用されずに大地に帰る権利をもっているとすら私は思う」 という意見は、まさに(法的)権利を認めるかどうかが論点になっているのだから、 論点先取になっていると思う。「権利」という言葉が「べし言明」 の理由として誤用される一例)

くりかえしになるが、コントラクト・アウト方式は現行のコントラクト・イン方式 とちょうど同じ程度だけ、自己決定権を尊重している。前者は意思を表明していない グレーゾーンを「臓器提供をすると自己決定した」ものとみなすのに対し、 後者はそのグレーゾーンを「臓器提供をしないと自己決定した」ものとみなす という違いがあるだけだ。もしこのどちらも自己決定権を十分に尊重していないと 言うならば、毎年*強制的に*YesかNoを答えさせるような制度を作ればいい かもしれない。そうすると、「答えるか答えないかにも自己決定権がある。 わたしは意見を表明しないと自己決定した」と言い出す人がいるかもしれないが…。 (まあそういう人が出ないようにコントラクト・アウト方式を採用しておくべき かもしれない)

『論座』2000年8月号もチェックすること。

少し寝てから洗濯物を干し、大学へ。 お腹が減っていたので、 ひさしぶりに大学のそばの某オムライス屋でガーリックライスを食べる。 おいしいが、油っぽいのであとで腹がもたれる感じ。 そういえばそういう食べ物だった。ついでに日経を読む。

それから大学へ。明日の授業の準備をする予定。

夜2

RealOne Playerの日本語版が出ていることに気付いたので、 英語版から日本語版に乗り変えてみたが、やはり大学内からはつながらない。 ちゃんとプロキシの設定もしているつもりなのだが。 Windows Media Playerはつながるが、これではBBC Radio 2が聴けなくて困る。 う〜ん。

真夜中

アリストテレスの勉強中。

ISUSのペーパーの プロポーザルを出すのを忘れるところだった。 とりあえずオンラインのやつを使って出しておいた。

やるべきことが山積み。ひとつひとつちゃんと片付けていくこと。 冷静さを失なってはいけない。 木だけを見ずに森も見なければいけない。 徳を積むためにアリストテレスに足腰を鍛えてもらおう。

机に向かっている時間…6.0hr
今日の勉強時間…5.0hr
マルクス係数…0


15/Oct/2002 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

夜中、イタリア料理屋。

アイロンをかけながら、BBC 2のビートルズについての番組の再放送を聞いたり。 もう寝て、早く起きよう。

やっぱりこないだの盗撮ビデオに自分の妻が映っていた話が イギリスのニュースサイトでも報道されていた

昼下がり

アリストテレス。そういえば『ニコマコス』の新訳を買ったんだった。

もう行かねば、やばい。

時間がなかったので、自転車で某大に行ってみた。

授業。アリストテレス。

帰り途、途中で力尽きてしまい、 北大路のあたりの喫茶店で休憩。 『政治学』を読む。

自己愛について(第二巻第五章): 「いったい、人は皆自分の自分に対する愛を 徒に有しているのではなかろうか、いや、これは自然的なものなのである。 しかし自愛的であるということは非難せられるのが正当である。 だが、非難せられるのは自己を愛するというこのことではなくて、 むしろ守銭奴が過度に銭を愛するのと同じように、 必要な程度以上に自己を愛することなのである」

国家の同一性について(第三巻第三章): 「同一の人々が同一の場所に住む場合、そこに住む人々の種族がもし同じであるなら、 そのうちの或るものは絶えず死んでいき、 或るものは生れて来ていても、その国は同一であると言わなければならないか、 ちょうど河や泉は、絶えず或る水は流れ来り或る水は流れ去っていても、 それらを同一であるとわれわれが言うのを常としているように。 それとも、水の流れのようなことを理由にして人間は同一であると言わなければ ならないが、しかし国は異なっていると言わなければならないか。 というのは、もし国が一つの共同体、すなわち一つの国制を共同にする国民の団体 だとすれば、その国制が種類において別なものとなって違ってくれば、 必然に国も同一のものでないことにならねばならぬと思われるだろうからである。 …。だが、国が他の国制へ変った時、公債を弁償するのが正しいか、 それとも正しくないかは、別に論ずべき問題である」

嬰児殺しと中絶について(第七巻第十七章): 「生児を棄てるか育てるかということについて言うと、 不具者は育ててならないという法律が定められなければならない。 しかし子供が多いという理由では、 もし慣習の定めによって生児は誰をも棄ててはならないと禁じられているなら、 そうしてはならない。むしろ子供を作る度数が制限されなければならない、 そしてもしその制限に反して性交がなされた結果、 誰かに子供が出来たなら、知覚や生命がその子供に生じてくる前に、 堕胎をしなければならない。というのは堕胎が敬虔なことであるか、 それとも不敬虔なことであるかが決定されるのは、 知覚や生命をもっているか否かによってであろうから」

夜2

某所で買物。眠い。

火曜サスペンス劇場にはまってしまう。

机に向かっている時間…7.0hr
今日の勉強時間…5.5hr
マルクス係数…0


16/Oct/2002 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

火曜サスペンス劇場、途中までおもしろく見ていたが、 長いので最後まで見れず。どうなったんだろう。

夜食。キャベツとモヤシを炒める。ご飯1.5合。納豆。その他。

今日はいろいろしないといけなさそうなので、早起きすること。

お昼すぎ

NTTマイラインからの勧誘電話で起こされる。やんわり断る。 悪い夢を三本立てくらいで見ていたので、起こしてくれてよかったが。

シリアル。ヨーグルト。

勉強せねば。

お昼すぎ2

札幌で開かれている障害者インターナショナル(DPI=Disabled People's International) の世界会議についての テレビ番組(再放送だと思う)からメモ。

1990年ADA(Americans with Disability Act)。 交通アクセスの保障、建物の利用の保障、 雇用の保障、電話サービスの保障。 以上の四点を通して障害者の社会参加を促進する。 今日までに雇用される障害者が三倍に増える。 その後、国連加盟国190ヶ国中、45ヶ国が障害者の権利保障に関する法を制定した。 そのうち10ヶ国では憲法の中に障害者差別禁止条項を追加。

日本。 1993年、障害者基本法(障害者は施設ではなく地域で暮らせるようにする)。 1994年、ハートビル法(建築物のバリアフリー化)、 2000年、交通バリアフリー法。

昼下がり

眠い。

昼下がり2

イラクで行なわれたフセインの大統領信任投票は、 100%の投票率で100%の信任票が得られたとのこと。 さすがイラクは投票率が高い。

アンケートから。 「授業で使っているPowerPointの内容を写すのがたいへんなので、 レジュメで配ってほしい。先生はクリックするだけですが、 学生は書き写さないといけないのです」。

ク、クク、クリックするだけだとっ。 てっ、てめえらは授業に来るだけだが(しかも遅刻してっ)、 オレは前日から必死こいて用意してるんだっ。 そんな甘えたこと言ってるんじゃねえッ。

と言いたいところですが、学生のニーズに応えないと不幸になりそうなので、 なるべく意向に沿うようにします。

夕方

そろそろ勉強せねば…。

明後日の読書会の準備。途中までしたので、残りは明日やろう。

真夜中

夜、天ぷら屋で天丼と冷奴。

やばい、プリンタのインクがなくなってしまった。 朝大学に行くしかないか。死ぬ。

机に向かっている時間…4.5hr
今日の勉強時間…4.0hr
マルクス係数…0


17/Oct/2002 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

やば、これはまたタクシーだ。

朝2

タクシーで某大学へ。 コピーに手間取ってしまい、けっきょく最初の授業に10分遅れてしまう。 しかもまたギリギリまでやってしまい、自己嫌悪。余裕を持てるようにすべし。

お昼

二つ目の授業の方がすこしまし。しかし要修業。

昼下がり

某大学のそばで天丼とうどん。うどんに間違えて山椒を入れてしまう。 産経新聞読む。

「カントから経営哲学学べ: 関西で初セミナー 日本アスペン研究所」
産経新聞10月17日朝刊11面
「松尾芭蕉の『奥の細道』やダンテの『神曲』 などを教材に討論を重ね、カントの『永遠平和のために』 では、『一七九五年に書かれた内容が今でも通用するのには驚いた。 政治家もカントを読みなおしてほしい」などとの声が聞かれた」

「人間への臓器移植可能なクローン牛: 東京女子医大など開発成功」
産経新聞10月17日朝刊29面
とりあえず子牛の臓器を猿に移植してみるらしい。

「スローフード賞 佐賀の農家受賞」
産経新聞10月17日朝刊29面
「(イタリアの民間非営利団体(NPO)の)スローフード協会は、 消えていく恐れのある食材や料理を守ることなどを掲げ 「ファストフード」と正反対の食生活を指針とした啓蒙活動を続けている」

バスに乗って大学へ。 中央生協仮店舗でプリンタのインクその他の文房具を買う。

夕方

明日の勉強会の準備。はやく授業に出ねば。また遅刻だ。

寛容の授業に出る。 授業中に寝てる人を許すのは寛容の徳を発揮していると言えるのだろうか。

夜2

実哲研用の仕事。みなさんがんばってください。

夜中

ちょっと用事でJR京都駅へ。

机に向かっている時間…9.0hr
今日の勉強時間…8.0hr
マルクス係数…0


18/Oct/2002 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

部屋の片付けをする。本棚に本を二重に詰め込み、 なんとか歩行区域を確保する。 ファイルを買ってきたので、プリント類も若干整理する。 本棚の整理はまた今度。ジャンル別に分類しないと。

夕方

朝起きて、ちょっと用事で烏丸御池へ。朝食はマクド。 六角堂に初めて立ち寄る。昼は大丸。 ちょっとJR京都駅にも行ったあと、 大学に戻ってきて応用倫理学の授業に参加する。 某君の発表によるドーピングの話。

眠いが、次は読書会。準備を早めにしておいてよかった。

もう日が暮れた。しかし暑い。ティーシャツじゃないと汗をかくぐらいだ。 ちょっと某中央生協購買部仮店舗に行き、紙のファイルボックスを買いたす。 ファイルボックスがあれば部屋が比較的きれいになることに気付いたため。

夜2

夜、生命倫理学の勉強会をする。今日は発表をした。 ハンドアウトはここ

それから下宿に走って戻ってきた。途中古本屋に立ち寄り、 先週のSPA!を買ってみたり。汗をかいたのでシャワー。

夜3

すこし寝る。さて、しないといけないことがいろいろあるんだよな…。

机に向かっている時間…4.0hr
今日の勉強時間…4.0hr
マルクス係数…0


19/Oct/2002 (Saturday/samedi/Sonnabend)

夕方

午前中はフトンから脱出できず、お昼過ぎにようやく起きる。 シャワーを浴び、納豆ごはんを食べてから、急いで某ルネへ。 土曜日は3時までやっているようだ。生命倫理学関係の本を買う。

雨が降りだす。『論座』のバックナンバーを探して附属図書館へ。 一般雑誌の棚を探すと見つからないので、 OPACで調べてみると経済学部にしかないことがわかる。 さいわい経済学部の図書室も4時半までやっていたので、 書庫に入らせてもらって「臓器移植法の改正、イエスかノーか」 (町野朔、森岡正博、『論座』2000年8月、174-191頁)を入手する。

喫茶店に寄ろうかと思ったが、荷物が多いので雨の中まっすぐ下宿に戻ってくる。

夕方2

ThinkPadのZone Alarmをアップデート。 RealOne Playerの日本語版もインストールしてみたところ、 ちゃんと動いている様子。よかった。

アイルランドでニース条約を調停するかどうかについて二回目の国民投票。 イエスが過半数を占めれば、東欧諸国のEUへの加入が認められる。 (BBC News: EU treaty faces Ireland crunch vote)

ベンタムの勉強中。

Bookshelf 3.0は使いにくいので、 Librettoにも2.0を入れておいた。

夜2

小雨。近くのショッピングセンターに買物に行く。 弁当が安くなっていたのでつい買ってしまう。

なんだか非常に眠い。どうしたことか。

ベンタムの平和論

参考論文:

「戦争は最大規模の害悪である(War is mischief upon the largest scale.)」 (`Principles of International Law', p. 544)

戦争の問題は、戦争を起こす人は実際に戦場に行かず、当人は不幸にならないこと。 (ただし、古代のアレクサンダー大王などは別だろうが)。勝利国も人的資源を 失なう。植民地を獲得しようとする戦争によって得られる経済的利益も たかが知れている。税金も高くなる。得られるのは植民地支配のための ポストぐらい。少数者が多数者の犠牲によって得をするだけ。

戦争の原因は少数の支配者の思惑。 国家間の勢力の均衡(balance of power)をはかるために他国の内政に干渉すると さらに戦争が起きる。国民のチェックができない秘密の外交政策もよくない。 支配者は「名誉」や「栄光」という言葉で国民を戦争へと駆り立てる。 植民地支配は得になるという思い違いがある。

解決策としては、

ベンタムの思想は完全に独創的であるわけではない。 ロッキンガム・ウィグ党やトマス・ペインがすでに政治腐敗と戦争の関係について 論じていたし、自由貿易や植民地解放についてはスミスやジョザイア・タッカー、 ジェームズ・アンダーソンらに負うところが多い。コンディヤックらの フランスの経済学者も論じていた。カント、ペイン、リチャード・プライス らはそれぞれ国際組織の設立を提案していた。サン・ピエール師も欧州連合 についてスペイン王位継承戦争が終わるころに書いていた。その意味では、 ベンタムは啓蒙期の反戦思想の流れにある。

が、ベンタムの議論は非常にベンタム流のものである。 世論裁判所、sinister interest、秘密外交の反対、国際法の法典化の必要性などは、 ベンタムの基本思想に合致している。 また、ベンタムの平和論は18世紀啓蒙思想から19世紀自由主義への橋渡しとして 考えられる。

19世紀の英国の非戦・平和運動の中心にあったのは、 1816年に設立された永遠普遍の平和促進団体 (the Society for the Promotion of Permanent and Universal Peace, aka the Peace Society)。 この団体はキリストの再臨を信じるミレニアリストの集団で、 自衛のための戦争も認めない無条件の反戦主義を唱えていたので、 あまり評判はよくなかった。 しかし、これに条件付の平和主義(自衛の戦争はOK)を唱える コブデンやブライトなどの自由貿易主義者が協力したので反戦運動は ポピュラーになった。 この当時は「自由貿易は戦争を回避する」という発想があったようだ。 ちょうど現在「民主主義は戦争を回避する」というのと同じだな。

1843年には初めての非戦運動団体の国際会議がロンドンで行なわれた。 1853年にクリミア戦争が始まると、非戦運動は一時下火になったが、 1870年代に入ると運動は中産階級から労働者階級に広まり、 国際的な調停組織を作ろうという気運が高まる。 また、 ウェストミンスター議会ではヨーロッパ諸国の軍縮の提案もなされるようになる。 自由党の支持が強かったようだ。

ベンタムは実は1820年代に上記の平和促進団体に寄付している (彼自身は自衛戦争は正当化されると考えていたが)。 ただし、活動や集会に積極的に参加したわけではない。

ベンタムの平和論は:

ベンタムとコブデン・ブライト(マンチェスター学派)の共通点: 自由貿易が戦争防止に有効 (政府は干渉すべきでない)、 戦争は貴族階級(支配者階級)の陰謀--彼らは国内政治に対する批判を避け、 役職任命権を増やすために戦争を行なう、反戦を訴える新聞の必要性、 軍縮など。

平和促進団体も1830年以降は、 自由貿易、軍縮、国際会議における国際法の制定、国際裁判所の設立を 説くようになった。

しかし、ベンタムがどの程度非戦運動に影響を与えていたのかは簡単には わからない。たとえば平和促進団体には、米国の平和促進団体の影響が大きく、 なかでも国際法の制定や国際裁判所の設立を説いたウィリアム・ラッドや ウィリアム・ジェイの影響が強いことが知られている。また、 ブライトに対する影響としては、クェーカー教徒のジョナサン・ダイモンドの 自由貿易についての論文(1823)が挙げられる。 彼自身、歴史や経済学に通暁していた。 ベンタムの友人にも平和主義者が多かったが、かならずしもベンタムから影響を 受けたわけではないようである。

その一方で、平和促進団体はそのパンフレットにおいて、 ときどきベンタム全集からベンタムの意見を引用していた。

コブデンはベンタム全集が出る前から平和主義だったため、 ベンタムの思想に影響されて平和主義者になったのかどうかはわからないが、 全集が出たのちはベンタムからときどき引用しているので、 ベンタムの思想を知っていたことは間違いない。

また、ベンタムのパトロンであったランズダウン卿からの コブデンらへの影響も考えられる。

父ミルの影響力も考えられる。彼はパンフレットやブリタニカ事典の項目 (「植民地」や「諸国家の法」)で、ベンタム流の平和論を主張していた。 彼のエッセイは平和促進団体やクェーカー教徒に影響を与えていると思われる。 また、事典の項目は、アメリカ人のウィリアム・ラッドに影響を与えた可能性が 高い。 ベンタムに影響を受けた政治家のジョゼフ・ヒュームがコブデンやブライトに 持った影響力も見逃せない。また、 ベンタム主義を広めたEdinburgh Magazineの編集長ウィリアム・テイト の影響力もある。最後に、ベンタム全集の編集者のジョン・バウリングの 影響力も大きい。彼は反穀物法同盟や平和促進団体に深くかかわっていた。

机に向かっている時間…3.0hr
今日の勉強時間…3.0hr
マルクス係数…0


20/Oct/2002 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

げ、もう日曜日。

昼下がり

お昼に起きる。洗濯、シリアル。それからベンタムの平和論を勉強して、 某教授にメールする。時間がないので適当になってしまった。

市販のパウダーを使ってガーリックライスを作ってみる。まあまあ。

生命倫理学の勉強。頭がぼんやりする。モニタが小さいせいだろうか。

夜2

生命倫理学の勉強。代理母とか。早く準備しないとやばい。

夜3

雨の中、気分転換を兼ねてちょっと買物に行くが、とくに何も買わず。

アイルランドの国民投票、ニース条約を承認したようだ。

机に向かっている時間…8.5hr
今日の勉強時間…7.0hr
マルクス係数…0


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Nov 8 14:07:40 JST 2002