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こだまの世界

2001年10月上旬号

ガイドラインをつくるときには、 対象となる事柄についてのすべての意見を視野に収めなくてはならない。 あらゆる意見を並べてみて、 まだ不足していると思ったら自分で補充しなくてはならない。 自分に都合の悪い意見をどれだけ正確に表現することができるかという 訓練にもなる。アリストテレスの学問のひとつの基礎が、 あらゆる異説を枚挙するということにあったことから分かるように、 学問のもっとも基礎となる過程は、異説の枚挙なのである。

加藤尚武、『応用倫理学入門--正しい合意形成の仕方--』
晃洋書房、2001年、6頁

男でなくなる方法はいくつかあります。 第一には、ペニスをつけないで生まれてくること。 第二には、ペニスを切り取られる、あるいは噛み切られること。 第三には、ペニスによって貫通されることです。 レイプされた多くの男たちは、彼らの男らしさ、 したがって彼らの人間らしさを奪われたと思いこみます。 自分の祖先にユダヤ人や黒人がいたことを知った人種差別主義者のように、 極度の羞恥から自殺を図る場合すらあります。 人間の部類に入る羽のない二足動物ではなくなってしまったという恥辱から。

リチャード・ローティ、「人権、理性、感情」
ジョン・ロールズ他著『人権について』、140頁
(中島吉弘・松田まゆみ訳、みすず書房、1998年)


主な話題


01/Oct/2001 (Monday/lundi/Montag)

早朝にむくりと起き出し、雨の中傘を差して大学へ。 大学構内で車に水を思いきりひっかけられる。 dddr, drop dead.

某君と某所に行き、某論文を無事提出。 それから某君と中央生協で朝食を食べる。 昨日の大雨は台風くずれの低気圧によるものだったことを知る。

さあ、次は某翻訳のチェックをしなければ。

お昼から夕方にかけて寝る。

電話線はまだつながっていないが、 とりあえず電話機を買った。 多機能で覚えられない。子機が二つ付いてきたが、 よく考えたらこんなものはほとんど必要がない。 家族用の電話機を購入してしまったようだ。

来月某友人が結婚式をするのだが、何か余興をやってくれと頼まれる。 「ベンタムの自然権論批判」という題名で発表をやったらどつかれるだろうか。

そういえば、 ずっと前に某君がぼくのために買ってくれた本を、先日某君から受けとった。

日記の整理

真夜中

ハードディスクの空き容量を増やそうと思って、 使っていないアプリケーションなどをいろいろ捨てていたら、 大事なファイルまで捨ててしまう。 バックアップのCD-ROMを見つけるのに一苦労する。

NHKでやっていたジャニス・ジョプリンの番組を見てすこし泣く(ウソ)。

美白という言葉をよく耳にするが、最近は白いことが流行っているんだろうか。 この言葉を聞くといつも`Black is beautiful'というスローガンを思い出す。 美黒だ、ビグロ。


02/Oct/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

海親子丼(シーチキンと玉子)を作って食べる。

真夜中2 (午前)

ブックシェルフの2と3の英和辞典は微妙に語彙が違うと思っていたら、 2の英和は小学館のプログレッシブで、 3のは研究社ニューコレッジ英和中辞典であるようだ。

真夜中3 (午前)

そういえば今夜は中秋の名月だったそうだが、見損ねた。

ヘアのMoral Thinkingの第三章を読む。 常に批判的思考をできる大天使と、 直観レベルでしか物を考えられないプロールの話。 その中間にいるわれわれは、 時間のあるときに批判的思考をして、 なるべく整合的な直観の組合せを用意し、 それでも直観が衝突する場面では批判的思考によって 解決する。 後半はoverridingの話とrelevanceの話がされるが、 冗長で退屈だ。


03/Oct/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昨日は第二演習に出た。夜、腹をこわす。

早寝したので今朝は早朝に起きる。

学校に行こうと思ったら自転車の前輪がパンクしていたので 途中まで押して行き、通り道の自転車屋で修理してもらう。 パンク修理に1600円というのは高いなあ。 原付バイクを見ていると乗りたくなったが、 危険だし環境にも悪いし今はやめておこう。 (いや、そもそも免許がないのだが)

今週末に下宿に電話が入る予定。来週にはADSLも入る予定。 わが家にもついに文明の光が。 (某君の住む一階はすでに啓蒙されている)

お昼前

某学会に顔を出すために、山形行きの航空券と駅前のホテルを予約。 二日滞在する予定だが、ホテルは満杯のところが多く、 まだ一日目しか予約できていない。 某君は24時間マンガ図書館にでも行ったらどうだと言う。 山形にそういうものはあるのだろうか。

日本の古本屋の検索で調べると、 山形市にある古本屋は三軒あるようだ。 (24時間営業ではないと思う。念のため)


04/Oct/2001 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

昨日、昼下がりに下宿に戻った後にWindows2000をインストールしたら、 いろいろアプリケーションが使えなくなったので、夜中に大学に来て、 えんえん設定をするはめになる。

大体うまくいったが、 Meadowの1.14をインストールするついでにSKKも入れようとするが、 よくわからないのであきらめる。 さらにhtml-helper-modeも使えなくなり、困る。そのうちなんとかしよう。

あ、html-helper-modeは動いた。site-lispにhtml-helper-mode.el とtempo.elを入れるんだった。

夜明け前

さらにWindows Update関係のことをやっていたらこんな時間になってしまう。 昨夜生協の書類が来たので、急いでフレッツの申し込みもする。

しんどい。帰ろう。

夕方

「しんどい。帰ろう」と書いてからつい研究室にあった『六三四の剣』 を読みはじめてしまい、下宿に戻るのが3時間遅れる。 それからお昼すぎまで爆睡。

Guardian Weeklyが届く。友人がGuardian付録のEditorを送ってくれる。感謝。

生命倫理学の演習に出る。が、内職をしてしまう。すいません。


05/Oct/2001 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

某君の翻訳の添削中。

うちのプリンタの黒のトナーがさっそく切れてしまった。 まだ一週間ぐらいしか使っていないのに、何事だ。 キャ、キャノソの陰謀か?

たぶん白黒でデジカメの写真を数枚印刷したのが原因だと思う。 しかしそんなに早く切れてしまうのか。う〜む、これは家でやるよりも 現像所に持ってくべきだな。


山形訪問その1

朝、某君の翻訳の添削を終え、ほんの少し寝る。 起きたらすぐにNTTから人が来て、電話線設置の工事をしてくれる。 仕事の速さに脱帽。

それから、今回某日本倫理学会で発表する某君といっしょに関空に行く。 関空で某助教授と某先生にお会いし、いっしょに飛行機に乗って山形へ。

夕方に山形市入り。今夜のホテルは予約したが、 翌日土曜日のホテルはまだ確保していなかったので、 まずそれをなんとかしようとして駅ビル内の旅行案内所に行くが、 市内のビジネスホテルはどこもいっぱいで、 仙台市まで行かないとだめじゃないかとおそろしいことを言われる。

しかたないので、一度駅前のホテルにチェックインしたあと、 公衆電話で市内のビジネスホテルをしらみつぶしにチェック。 8軒「満室です」と断られたあと、9軒目のホテルがようやく空室があると言われる。 安堵。

あとで知ったが、どこも満室なのは、日本倫理学会だけではなく、 山形国際ドキュメンタリー映画祭が開催されているせいらしい。

それからしばらく市内を探索(七日町、済生館、旧県庁など)したあと、 いっしょに飛行機に乗ったメンバーでそばを食べる。うまい。

夜、みなと別れたあと、駅前のダイエーに行ってみる。 はらこ飯というものを購入。ホテルで少し勉強。


06/Oct/2001 (Saturday/samedi/Sonnabend)

山形訪問その2

朝、スーツに着がえる。奇跡的にネクタイが一人できちんと結べる。 神のご加護だと思い、熱狂する。 それから新しいホテルのフロントに荷物を預かってもらったあと、 えんえんと歩いて山形大に行く。

午前中、三つ発表を聞く。質問は二つ。某君の発表も聞く。 小さな部屋にたくさん京大倫理学関係の人がいたので笑えた。

昼、某先輩と某氏と某君といっしょに生協で食事。 食事はまずくもなければおいしくもない。

午後は、某発表に出て爆睡したあと(ごめんなさい)、 某ワークショップにすこし顔を出し、 いったんホテルに戻ってチェックインする。 それから光禅寺やもみじ公園を回ってから再び大学へ行き、 懇親会に参加する。

懇親会ではまず刺身や寿司や山形名物の芋煮をたらふく食べ、 それから数人の先生方と歓談、密談。 出羽桜をすする某先生から良い知らせを受ける。

懇親会が終わったあと、 京大系の先生方について二次会にお供する(ワンワン)。 すこし日本酒(十四代)をいただきつつ、歓談。

三次会は中止になったのでホテルに戻る。すこし寝たあと、 ちょっと勉強し、夜明け前からまた寝る。 二日目のホテルの方がすこし高いだけあって良かったが、 部屋が寒いのが難点。


07/Oct/2001 (Sunday/dimanche/Sonntag)

山形訪問その3

朝、専称寺を訪れてから、学会へ。 午前中は「教育の倫理・倫理の教育」という題のシンポジウムを聞く。

昼、某先輩と某出版社の方と某君と一緒に某有名蕎麦屋へ。 味はそこそこ。おごってもらう。感謝。

午後の学会は不登校を決め込み、某君と一緒にすこし観光する。 フランス近代美術が充実している山形美術館、霞城公園、 郷土館(旧済生館)を順に訪れる。

それから駅でお土産を買ったりして時間をつぶしたあと、 バスで空港へ行き、飛行機に乗って関空に戻る。 関空から電車を乗り継いで京都に戻り、無事帰宅。


08/Oct/2001 (Monday/lundi/Montag)

昼下がり

昨夜、 山形から戻ってきてから電話やコンピュータをどのように部屋に設置するかを 考えていたら、戦争が勃発したことを知る。英国も軍事行動に参加した様子。 う〜ん、ロンドン大丈夫かな。

夜明け前からお昼前まで寝る。 山形で撮った写真を整理したら、勉強しよう。

真夜中

う、あっという間に真夜中。勉強する予定が。

山形で撮った写真を掲載。 たいしたことはない。国際映画祭の様子とか、 若者の生態とかを写せれば面白かったんだろうけど。

あ、某君の学会発表の様子は写真に収めた。某君ファンの方は、 連絡してくれたら某君と相談の上、安値で販売いたします :)


09/Oct/2001 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

大学は昨日からずっと停電らしい。

昨日はとくに勉強らしい勉強をせず。反省。

生協インターネットにフレッツ使用料を払うために、朝一番で郵便局に行く。

大学のサーバはまだ落ちているようだ。 あれ、おれが行ってなんとかすべきなのか。

ヘアのMoral Thinkingの第四章をようやく読む。 「べし」や「正しい」などの道徳語に指令的要素を認めず、 (「このバラが赤い」の「赤い」がバラの性質を記述していると理解されるように) 記述的要素のみを認める自然主義や直観主義やマッキーのerror theoryなどを 批判している章。かなりおもしろい章だが、 議論の流れがつかみにくいので、もう二三度読む必要あり。

昼下がり

午前中は寝てしまう。お昼はスパゲティ。 昨夜某スーパーでモッツァレラチーズを見つけたので、 トマトといっしょにサラダを作ってみる。

今週のGuardian Weeklyが届く。

第二演習に出席。

ようやくネットにつながる。 加藤先生のアフガン三部作の最終編、 「死者をして安らかに浄化への道を歩ましめよ」 をウェブに掲載。

夜 (その2)

ルネでCD-R用のアダプタと日本語キーボード(USB)を購入。 アダプタは以前ロンドンにいたときに240Vの電流を通してしまい、 焼いてしまったので。

キーボードを買って下宿でつないでみようと思って説明書を読むと、 どうもロンドンで買った英語キーボードはドライバを更新することによって動き そうだったので、試してみたらちゃんとうごいた。 それで、買ってきた方もつなげようとすると、 どうも日本語キーボード用のドライバと英語キーボード用のドライバが 干渉してしまうらしく、一方が使えると他方が使えない、 ということになってしまう。というわけで、 以前のキーボードのメカニカルタッチの方が使いごこちがいいので、 もうしばらくこっちを使うことにした。

真夜中

CD-RのソフトもWindows2000用にアップデートする必要があることがわかる。 2000の方が安定度が高いようだが、いろいろと面倒だ。

勉強部屋

現在の配置。 コンピュータ机を買うべきかもしれないが、 とりあえずあるものを使っている。

液晶モニタやキーボードはラップトップから引いている。 まあラップトップをそのまま使うこともできるのだから贅沢といえば贅沢だ。

床が畳なので、椅子の下にはダンボールを引いている。 コタツの下の配線がすごいので、どうにかしたいが、 どうにもならない気もする。


10/Oct/2001 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

夜食。 山形駅で買った「晩菊」という漬物を茶漬けにして食べてみる。 新聞などを読んでいるとあっというまに次の日になる。

そういえば、上のビンラディンの声明が先日はじめてNHKで放映されたとき、 NHKの通訳のおばさんが、しばらくだまったあと、 「これ、アラビア語です。これ、アラビア語です」 と大声で怒鳴り始めた。 おばさんは英語専門の通訳だったのだ。

夕方

お昼ごろ起きる。NTTの方では今晩フレッツADSLを開通してくれるようだが、 まだプロバイダの方では手続が済んでないようだ。

あと部屋に足りないのは本棚だな。

まあそれはともかく、勉強勉強。

「読むべき論文や本はたくさんがあるんですが、 やっぱり〆切という制裁力がないと動き出さないんですよね、 頭が。『読むべき本がたくさんある』という信念だけではだめなわけです。 なにか動機づけがないと」

「君はほんとに他律的だなあ。 こう、〆切があろうとなかろうと勉強しようという内的な衝動はないのか。 第一、そもそも『読むべき本がたくさんある』と考えながら、 怠惰でいるとしたら、それは本気でそうは考えていない証拠じゃないのか」

「そうなのかもしれません。やっぱり自分のこの怠惰な性格を分析するためにも、 やはり信念と動機づけの関係をはっきりさせる必要がありますね」

夜中

今日は一日中下宿にいたので、夕食を食べた後、 散歩がてら自転車で外出。 近くのビデオ屋に入会して数本ビデオを借りたあと、 二軒ほど古本屋に寄ってみるが目ぼしいものはなし。


何か一言

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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Sat Oct 8 01:47:54 JST 2005